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睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

現在の日本人の多くは睡眠不足であると言われています。その理由に、睡眠に対しての意識の低さが関係しているようです。海外では睡眠教育が小児期から行われていることもあり、睡眠の重要性を理解しているのだろうと思われますが、日本では行われていません。

睡眠不足は、日中の慢性的な眠気から、疲れやすさ、集中力の低下、思考力の低下、注意力の低下、いらいら感などを起こし、日常生活に支障が出てきます。さらに、交通事故のような大きな人為ミスにもつながる、非常に恐ろしいことです。
逆に、睡眠を制する者が日中のパフォーマンスを最大限に発揮できるとも言えます。

睡眠不足の状態が続くと、パフォーマンスの低下だけでなく、生活習慣病である肥満症、脂質異常症や糖尿病、動脈硬化性の高血圧症、、狭心症、心筋梗塞などの心血管疾患、脳卒中などの脳血管疾患、精神疾患であればうつ病、その他、認知症やがんに至るまでさまざまな病気の発症リスクを高めると言われています。また、単に睡眠時間が長いことだけがいいことでもありません。

睡眠不足の原因はさまざまですが、そのひとつに睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)があります。字の通り、睡眠時に無呼吸を繰り返す疾患です。

医学的に、厳密には小児と成人での定義は異なりますが、一般的に10秒以上の呼吸停止状態を「無呼吸」と定義し、息を吸う深さが浅くなった上に、身体の中の酸素濃度が低下または脳波上覚醒反応がみられた状態を「低呼吸」と定義します。

重症度は、無呼吸低呼吸指数=AHI(Apnea Hypopnea Index)で表すことが多いです。1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数を意味します。 このAHIが5以上であり、かつ日中の眠気等症状がある場合に睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されます。AHIが5~15を軽症、15~30を中等症、30以上を重症としています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は疫学的には、成人男性の約3~7%、女性の約2~5%にみられるといわれ、男性では40歳~50歳代が半数以上を占める一方で、女性では閉経後に増加する傾向にあります。空気の通り道である上気道が狭くなることが原因で、一般に、”睡眠時無呼吸”という場合は、この閉塞性睡眠時無呼吸のことを指します。肥満の影響を受けやすいのですが、扁桃肥大、鼻炎・鼻中隔弯曲といった耳鼻科的な病気、あごが小さいこともなども原因となりうるため、肥満でなくても起こります。体型では判断できないのです。

いろいろな恐ろしいことを引き起こす睡眠時無呼吸症候群(SAS)ですが、自覚症状に乏しいため、そのことが病気と意識しづらいようで、受診に至るケースが多くないため、無治療の方が非常に多いと思われます。

高血圧、糖尿病、肥満等で初めて病院を受診され、さらにしっかりとした問診をとられない限り、診断には至りづらい傾向にあります。
これらのことから、睡眠時無呼吸の方々は潜在的には非常に多数おられると思われます。重傷であれば死亡率も上昇し、しっかり治療することで死亡率の低下を防ぐことができます。当院では積極的に検査・治療をすすめています。

睡眠時無呼吸症候群の症状

一般に、”睡眠時無呼吸”という場合は、閉塞性睡眠時無呼吸のことを指します。空気の通り道である気道が狭くなることが原因であるため、それに伴った症状が見られることがあります。

  • いびきをかく
  • いびきが大きい
  • いびきが止まって、大きな呼吸をした後にまたいびきをかく
  • 息苦しさで目が覚める
  • 寝ていて急にむせる

睡眠や覚醒などの身体のバランスは自律神経(交感神経と副交感神経)によって調整されています。通常、睡眠時は副交感神経が有意になり、ゆっくりと身体や脳を休め回復させる時間ですが、無呼吸があると闘争と逃走の神経である交感神経が有意になります。交感神経が過緊張(常に緊張状態にあること)に伴った様々な症状が夜間見られることがあります。

  • 夜中に頭痛がする
  • 朝起きた時の血圧がとても高い
  • 何度も目が覚める
  • 寝汗をかく
  • 頻尿になる
  • 動悸で目が覚める
  • 口がねばねばする、口がかわく
  • 寝相がひどい

睡眠不足がたまった結果、日中に下記のような症状が現れることがあります。

  • 寝ても疲れがとれない
  • 寝た感じがしない
  • だるい(倦怠感)
  • 疲れやすい
  • 昼間に眠気がする
  • 集中力が続かない
  • 元気が出ない
  • 休みの日は起きれない
  • 病気になりやすくなった

睡眠時無呼吸症候群は、特に初期は自覚症状に非常に乏しいです。慢性的になって初めて気づくものですが、なんとなく体調不良がある時の原因の一つになっている可能性があることを強調します。

睡眠時無呼吸症候群のリスクと合併症

疲れやすさ、集中力の低下、思考力の低下、注意力の低下、いらいら感などを起こし、日常生活にさまざまな支障が出てきます。無呼吸が原因で、昼間のパフォーマンスを低下させる可能性があるのです。学生の方であれば、成績が落ちることにもつながる可能性があります。社会人の方でもその方々がどのような仕事をされているかにもよるでしょうが、我々医師の中でも、心臓外科・脳外科のような細かい操作をする外科医であれば手術中のわずかなミスも患者さんの生死にかかりますし、高所作業中の方であれば転落死してしまう可能性もありますし、高速道路を運転する運転手であれば交通事故のような自分だけでなく他人にも大きな影響を与えうることにもつながる可能性があります。

統計上、日中の慢性的な眠気から、居眠り運転は睡眠時無呼吸の方はそうでない方の約5倍とも言われています。昼間のパフォーマンスの低下が生命の危機に影響を与えうるのです。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)に伴う合併症は、交感神経が過緊張の状態からくるものだと考えるとわかりやすいです。交感神経は

  • 脈がはやくなる
  • 血圧が上昇する(血管が収縮する)
  • 血糖値が上昇する
  • 発汗が増える
  • 腸の動きが鈍くなる
  • 筋肉が収縮する

などの作用があります。睡眠時無呼吸は交感神経の過緊張状態、つまり、交感神経が常に緊張状態でいることから、身体全身に負担がかかり、様々な疾患を生みます。

  • 脈がはやくなる不整脈
  • 血圧が上昇する(血管が収縮する)→ 動脈硬化・高血圧症
  • 血糖値が上昇する→ 動脈硬化・肥満・糖尿病
  • 腸の動きが鈍くなる→ 便秘症 → 腸内環境異常 → 認知症・パーキンソン病(現在、腸内環境異常がさまざまな病気との因果関係が報告されています)
  • 筋肉が収縮する→ 肩こり・頭痛・全身のこわばり

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の方は、睡眠時無呼吸のない方にくらべて、高血圧症、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、脳卒中などの脳血管疾患の発症率が数倍違うことも報告されており、逆に、これらの疾患の方には高頻度で睡眠時無呼吸症候群(SAS)の存在が確認されています。そのほか、心不全や不整脈などの循環器疾患は特に睡眠時無呼吸症候群(SAS)との因果関係が強く、見逃されない病態です。重症になればなるほど、その比率は大きくなり、これを考えると、いかに重症の無呼吸が恐ろしいのかがわかります。しかし、重症であれば死に至るのを確実に回避できる保険適応のある治療法があります。

睡眠時無呼吸症候群の治療方法

睡眠時無呼吸の治療は多岐にわたります。大きくわけて、対症療法(症状を軽くする方法)と根治療法(原因になっているものを取り除く方法)があります。そのなかで、誰でも日常生活の中でできることといえば

  • 体重増加に注意する(おかし、ジュースは控える)
  • 寝る前の喫煙は控える
  • 睡眠薬代わりの飲酒は控える
  • 寝る前のパソコン・スマートフォンなどの使用は避ける

などの睡眠の質をあげる日々の努力は必要ですが、それだけで無呼吸の完治は困難です。

代表的な治療は、「外科的手術」・「マウスピース」・「CPAP治療」の3つですが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因はさまざまで、いろいろな原因がoverlapしていることも多いため、その方々にあった治療方法をご紹介しています。

*外科治療

原因がアデノイドや扁桃肥大などの場合、外科的な摘出手術が非常に有効な場合があります。特に小児ではお勧めします。小児の場合はこれらが単独原因であることが多いためです。また、一部の成人の方にもこれらが原因となっている方がおられますが、手術による治療は治療効果が不充分であったり、しばらくして再発してしまうこともあります。これはその時の肥満状態、顎の骨格など他の原因も関わっていることが多いため、外科治療は慎重になる必要があります。

*口腔内装置(マウスピース)

非常に簡便な治療法です。歯科で作成してもらえるため、そちらを紹介させていただきます。下顎を前方に出して固定することで閉塞している気道を物理的に広げ、無呼吸の発生を防ぐと言われます。軽症であればある程度効果は期待ができるようですが、中等度以上の無呼吸には治療効果が不充分であるとも言われています。重症度を考慮して紹介しています。

*CPAP(シーパップ)治療

最も有効な治療と思われます。重症になればなるほど、費用対効果は高くなり、生命予後を改善しうる治療と言えます。これは寝ている間にマスクを装着し、装着したマスクから一定の圧の空気を鼻に送り込んで睡眠中に気道が塞がらないようにする治療法です。マスクには様々なタイプがあり、ゆっくり寝れ、邪魔にならないマスクを選択することができます。保険適応には一定の条件があるため、適応のある方には必ずお勧めする治療法です。基本的には毎月定期的な受診をしていただき、使用料を病院にお支払いするというイメージですが、特に重症睡眠時無呼吸のリスクは非常に高く、CPAP療法をすることで、無呼吸のない方と同等の生命予後であったというデータもあるくらい効果は高いので、できるだけの継続をお勧めします。高血圧症の改善や、狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患、脳卒中などの脳血管疾患の再発予防にもつながると考えております。CPAP治療は常に日常生活の見直しを行いながら、治療を進めていくのが最も重要です。

睡眠時無呼吸の治療は、パフォーマンスの向上、未病(病気にならない)、減薬(内服薬を減らす)、病気の再発予防など、様々なメリットがあると考えられます。

睡眠時無呼吸症候群の検査と診断

睡眠時無呼吸を疑う症状が見られたら、次に、具体的に検査を行います。専門施設で入院して検査(精密検査)をする場合もありますが、自宅で普段通りに寝ながらできる検査(簡易検査)もあり、当院ではこちらを行っております。仕事や日常生活に支障を来たさずに検査を受けることができ、非常に簡便な検査です。自宅に検査機器を持って帰って頂き、寝るときに手や鼻にセンサーをつけて、通常通り寝ていただくだけです。翌日以降に検査機器を当院へ持参いただけたら解析を行います。いびきや呼吸の状態、酸素飽和度などから睡眠時無呼吸の状態を調べます。無呼吸低呼吸指数=AHIが5以上であり、かつ日中の眠気等症状がある場合に睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されます。AHIが5~15を軽症、15~30を中等症、30以上を重症と判別され、簡易検査で特にAHIが40回を越えれば、その段階でCPAP療法が保険適応となります。

AHIが40回以下の場合でも睡眠状態を判断して、入院の必要なポリソムノグラフィー検査;PSG検査(精密検査)をお勧めします。
PSG検査(精密検査)は簡易検査よりもさらに詳しく、睡眠と呼吸の「質」の状態を調べる検査です。簡易検査ではみれない脳派、心電図、筋電図、眼電図などをチェックし、より睡眠状態を詳しく測定することができ、簡易検査と同じく痛みを伴うことはありません。しかし、入院して検査が必要となるため、入院に対してのストレス、環境変化による睡眠の質の変化、学業・仕事への影響、入院・検査費用の問題など、簡易検査に比べるとかなりハードルが上がってきます。仕事終わりの夕方に入院して検査をし、翌朝出勤前に退院できるよう配慮されている医療機関もあります。 またどうしても入院による検査が難しい場合、少し精度は落ちますが自宅に検査機器を郵送してもらい、ご自身でセンサーをつけて一晩眠り、翌日検査機器を送り返す、という在宅でのPSG検査を紹介しているところもあるようです。

PSG検査では医師や専門の臨床検査技師などがデータを見て最終的に判断しますが、無呼吸の回数が20回以上であればCPAP療法が保険適応となります。

睡眠時無呼吸の検査と治療には、基本的には健康保険が適用されます。3割負担の方の場合、簡易検査は約2,700円、PSG検査は約1万円(入院代が別に必要)です。

また治療については、最も有効と思われるCPAP治療では、毎月通院していただき、約4,500円程度になります。

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