メタボリックシンドロームと言われたら食生活を見直しましょう
メタボリックシンドロームとは・・・
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満(内臓に脂肪が蓄積するタイプの肥満)に加え、高血糖、脂質異常(トリグリセライドやHDLコレステロールの異常)、高血圧が複数みられる状態をいいます。
メタボリックシンドロームの診断基準
内臓に脂肪が蓄積する主な原因は、日常の飲食でエネルギーを多くとりすぎていることや、身体活動量の不足により消費エネルギーが少ないことです。そして内臓脂肪型肥満は、高血糖、脂質異常、高血圧を引き起こす共通の引き金のひとつにもなっています。
放っておくと・・・
通常、メタボリックシンドロームに症状はありません。しかし、内臓に脂肪が蓄積した状態が続くと、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、高血圧症などの生活習慣病を発症しやすく、脳卒中や虚血性心疾患などを発症する危険性も高まります。
メタボリックシンドロームから抜け出すには、内臓脂肪を減らす生活習慣に切り替えていくことがポイントです。下記の項目で今の生活習慣をチェックし、あてはまる項目から気をつけましょう。
生活習慣をチェック
あてはまる項目が多いほどメタボリックシンドロームになりやすい生活習慣です。
- 20歳のときの体重から10kg以上増加している
- 1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上していない
- 日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上していない
- 同世代の同性と比較して歩く速度が遅い
- この1年間で体重の増減が±3kg以上あった
- 早食い・ドカ食い・ながら食いが多い
- 就寝前の2時間以内に夕食をとることが週3回以上ある
- 夜食や間食が多い
- 朝食を抜くことが多い
- ほぼ毎日アルコールを飲む
- タバコを習慣的に吸っている
- 睡眠で休養が得られていない
食生活上の改善ポイント
内臓脂肪をためないようにするには・・・
内臓脂肪ってなに?
私たちのからだにある脂肪は皮下脂肪と内臓脂肪の2つに大別できます。皮下脂肪は主に、内臓を保護したり体温を保つのに役立ちます。内臓脂肪は、食事から得たエネルギー源を一時的に脂肪に合成し蓄えられたもので、必要に応じてさまざまな生命維持活動に使われます。しかし内臓脂肪は過剰になると、血液中に中性脂肪として多く存在するようになります。また、脂肪細胞から分泌される生理活性物質のバランスが崩れて、動脈硬化を促進します。ただ、内臓脂肪は皮下脂肪に比べて簡単にたまりやすい反面、減らすのも容易なことがわかっています。たまりやすさに個人差はありますが、日々の運動や食事によって、内臓にたまった脂肪を減らしたり、たまらないようにすることは可能です。
1日3食規則正しく食べ、毎回以下のようにそろえましょう
主食
ごはん・パン・麺から1品。芋やかぼちゃなどがあるときは少し控えて
主菜
魚介類・肉・卵・大豆製品を使ったおかずを1品
副菜
野菜・きのこ・海藻・こんにゃくを使ったおかずを2〜3品
その他の注意点
- 汁物は1日1杯、漬物も1回以下
塩分を控えるため - 果物は1日1品、牛乳(ヨーグルト)はコップ1杯
なるべく夜おそくないときに - 菓子(菓子パン類含む)やアルコール類は控えめに
エネルギー過剰を招きやすい食品なので、1週間にとる回数や量を決めて - 油を使った料理は1食に何品も重ねない
エネルギー過剰を予防
1日に必要なエネルギーの目安は?
成人が1日に必要なエネルギーは年齢、性別、身長、身体活動量によって一人ひとり違いますが、目安は次のように計算で求めることができます。
【1日に必要なエネルギーの目安】
減量が必要な人、高齢者、活動量が少ない人は、少ないほうのエネルギーを基準にしましょう。
食事療法Q&A
Q1 朝食が食べられるようになる方法はありますか?
食欲がなく食べられないのは、前夜遅くにたくさん食べているためかもしれません、夜食べる量を少なくしれみましょう。そして朝は食べられそうなものから始めて、朝食をとる習慣をつけていきましょう。起きてから時間がたつと食べられるのであれば、職場などに着いてから、おにぎりやパン、果物、ヨーグルトなどをとってもよいでしょう。
Q2 外食が多いので正しい食習慣が守れそうにありません
外食だと何をどれだけ食べているのかわかりにくいので、調整が難しいかもしれません。できるだけ和定食のようなエネルギーが低めで栄養バランスがとれたものを選びましょう。ごはんの量が多ければ残す、汁物や漬物は残す、などの工夫も大切です。また外食が続くと、野菜類が不足しがちですので、野菜料理を追加したり、自宅で野菜類をしっかりとるように心がけましょう。
Q3 野菜をたくさん食べるにはどうしたらよいでしょうか?
野菜類の料理は、下ごしらえに時間がかかっておっくうに感じられることがあるかもしれません。簡単に確実に野菜をとるポイントを挙げますので、試してみてはいかがでしょうか。
- 生で食べられる野菜を常備する(トマト、きゅうりなど)
- 野菜はまとめて途中まで処理しておくか、カット野菜や冷凍野菜を利用する
- 野菜類をたっぷりとみそ汁やスープの具にして多めに用意しておく
- 皮むき器やスライサーなど、調理が簡単に済む器具も利用する