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整腸剤を飲み続けるとどんな効果がある?副作用や効果を感じられないときの対処法も解説

便秘の基礎知識
この記事の監修者
塩澤宝<腸活薬剤師> 東北医科薬科大学を卒業後、薬剤師として調剤薬局
チェーンで勤務。現在は腸活講師育成スクール
腸活パズル」主宰。「一般社団法人日本腸活協会
代表理事を務める。
  • 整腸剤って飲み続けるとどんな効果があるの?
  • 整腸剤も薬だけど、副作用はあるの?
  • 整腸剤を飲み続けてるけど、全然効果がない…
  • そもそも飲み続けても大丈夫?

薬局だけではなく、コンビニやインターネットでも気軽に購入できる整腸剤ですが、上記のように意外と知らないことだらけですよね。

ここでは、整腸剤を飲み続けるメリットや副作用、生菌や注意点などを詳しく説明します。

よく医療機関では下痢のときなど、お腹の調子を整えるために処方されますが、実は整腸剤の役割はそれだけではなく「お腹の調子を整える=さまざまな身体の不調に効果がある」ということがこの記事を読めばわかりますよ。

健康志向な方はもちろん、整腸剤を飲み続けることに抵抗がある方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。

整腸剤に副作用はほとんどなし!整腸剤の種類によっては体調に変化がある

子供からご年配の方まで幅広く使われている整腸剤ですが、副作用はあるのでしょうか?また、整腸剤に配合されている生菌とは1種類だけではありません。どういったものがあるのでしょうか?

まずは整腸剤の副作用や種類について詳しく解説します。

整腸剤には副作用がほとんどない!

整腸剤には何か副作用があるのではないかと心配する方もいますよね。確かに整腸剤も医薬品のため、副作用が全くないとは言い切れません。

しかし、整腸剤のほとんどが「第3類医薬品」「医薬部外品」なため、コンビニやスーパー、通信販売などでも気軽に購入できるようなものばかりです。

リスク分類 通信販売 概要
第1類医薬品 × 【特にリスクが高いもの】
一般用医薬品としての使用経験が少ない等安全性上、特に注意を要する成分を含むもの※H2ブロッカー含有薬、一部の毛髪薬等
第2類医薬品 経過措置 【リスクが比較的高いもの】
まれに入院相当以上の健康被害が生じる可能性がある成分を含むもの※主なかぜ薬、解熱鎮痛薬、胃腸鎮痛、鎮けい薬等
第3類医薬品 【リスクが比較的低いもの】
日常生活に支障を来す程度ではないが、身体の変調・不調が起こるおそれがある成分を含むもの※ビタミンB・C含有保健薬、主な整腸薬、消化薬等
医薬部外品 人体に対する作用が緩和で、安全性上特に問題がないもの

※口中清涼剤、制汗剤、殺虫剤、ドリンク剤等

このため、整腸剤に含まれている成分によっては副作用はあるかもしれませんが、ほとんどが一時的なものです

ただし、使用する際は、必ず添付文書の内容を確認するようにしましょう。

整腸剤はそれぞれ配合されている生菌が違う!自分には合わない可能性もある

整腸剤にはほとんど副作用はありませんが、配合されている生菌の違いによって身体との相性があります。そのため、不調を感じる場合も。

生菌の種類 特徴
ビフィズス菌 ビフィズス菌は善玉菌の代表格。乳酸に加えて、強い殺菌力がある酢酸を作り出し、悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。
腸内細菌のバランスを正常化し、障害を避けるために働く効果もあります。
乳酸菌 乳酸菌は糖類を分解して乳酸を作り出す細菌の総称。
腸内で乳酸を作り出し、酸性に保つ働きがあり、酸に弱い悪玉菌の増殖を抑えます。
糖化菌 糖化菌はアミラーゼを産生し、デンプンを糖へ分解。デンプンを分解できない乳酸菌の増殖を助ける働きがあります。
このため、糖化菌を含む整腸剤は乳酸菌と一緒に配合されることが一般的です。
納豆菌 納豆菌は胃酸に強い菌のため、腸内で発芽して、ビフィズス菌や乳酸菌の増殖を促進します。
酪酸菌 酪酸菌は腸で食物繊維を発酵、分解をして酪酸を作る細菌の総称。
酪酸菌が作り出す酪酸は腸の中を弱酸性にし、悪玉菌の発育を抑制、そして、乳酸菌・ビフィズス菌などの善玉菌が住みやすい環境を作る手助けをします。

2週間ほど整腸剤を試してみても

  • 症状が改善しない
  • 体調がよくならない
  • 前よりも不調を感じる

…といった場合は、服用している整腸剤とは違う生菌が配合されたものに変えてみてもいいでしょう。

整腸剤の合う合わないは、腸内細菌の種類、数、個々の食事や生活習慣、年齢などによっても異なるため、自分に合った整腸剤を見つけることが大切ですよ。

整腸剤を飲み続けることで期待できる効果は主に6つある!

整腸剤は長期的に飲み続けることで腸内環境が整い、さまざまな効果が実感できるようになってきます。

腸内細菌は大きく分けて3つの菌で分けられます。

3つの腸内細菌
  • 善玉菌
  • 悪玉菌
  • 日和見菌

これら3つの菌の理想的なバランスは 【善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7】です。善玉菌が優勢だと良い働きをしますが、悪玉菌が優勢だと悪さをします。

腸内細菌の役割はこちらをクリックしてください

では、整腸剤によってこれら腸内細菌のバランスが良いときには、どういった効果が期待できるのでしょうか?ここから詳しく解説します。

整腸剤の効果1|下痢や便秘の改善

下痢や軟便の時に整腸剤を服用する方が多いと思いますが、整腸剤には腸内環境を整える作用があります。

腸内細菌のバランスが崩れることで下痢や便秘になるため、整腸剤を服用することにより、どちらの症状に対しても効果を期待できます。

整腸剤の効果2|美肌効果

私たちは日々の食事から栄養素を摂取していますが、その栄養素は腸で吸収されます。腸内環境のバランスが崩れると、身体に必要な栄養素を上手く吸収することができなくなり、肌に必要な栄養が不足し、肌トラブルを招いてしまいます。

また腸内に便が溜まり続けると、悪玉菌が優勢になり腸内バランスが崩れます。すると、悪玉菌が産生する有毒な物質が腸に蓄積され、そのまま腸から吸収されて血液を通り全身に広がるため、肌あれの原因になります。

そのため整腸剤を服用し、腸内環境を良くすることによって肌ツヤが改善し美肌へと導くのです。

整腸剤の効果3|痩せやすい身体に

上述した日和見菌には、善玉菌に味方しやすい菌の1つ「バクテロイデス」と、悪玉菌に味方しやすい菌の1つ「ファーミキューテス」があります。

痩せ型の人の腸内環境には善玉菌に味方しやすいバクテロイデス、逆に肥満型の人の腸内環境には悪玉菌に味方しやすいファーミキューテスが多く存在し、バクテロイデスは「痩せ菌」ファーミキューテスは「デブ菌」と呼ばれることも。

デブ菌のファーミキューテスは食物繊維すらエネルギーに変える力があり、全く同じ質、同じ量のものを食べたとしても、ファーミキューテスが多い人の方が、少ない人に比べ、より多くの栄養やエネルギーを体内に取り込めるのです。

つまり、整腸剤により善玉菌優位の腸内環境にし、デブ菌のファーミキューテスを減らし、痩せ菌のバクテロイデスを増やすことで痩せやすい身体へと変えるのです。

整腸剤の効果4|精神状態が安定・ストレスの緩和

幸せな気持ち、うれしい気持ち、心の落ち着きを感じている時、実は脳内で様々なホルモンが分泌されています。その代表的なものの一つに、幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」があります。

セロトニンは、不足するとうつ病などの精神的な病を発症するため、このストレス社会では、非常に重要なホルモンなのです。

近年、セロトニンの約9割が腸内で作られていることが明らかになりました。

整腸剤によって腸内バランスを保ち、善玉菌優位の腸内環境であれば、精神状態を安定させ、ストレスの緩和へと導きます。

ただし、整腸剤は精神安定剤ではありません。腸と脳はお互いに影響し合うので、根本であるストレスを減らして腸内環境を整えましょう。腸が適切に働くと脳の不安も抑えられます。

まずは、ストレスの原因を可能な限り取り除き、整腸剤も利用して腸と脳をリラックスさせると精神状態にも良い影響を与えます。

整腸剤の効果5|アレルギー症状の緩和

アレルギーは、食べ物や花粉などに体の免疫システムが過剰に働いてしまい、体を傷つけてしまう反応です。この免疫細胞の多くは腸内に存在しているので、腸内環境はアレルギーにも密接に関わっています。

体内には、アレルギーを引き起こすリンパ球(白血球の一部)と、過剰な免疫反応を抑制するリンパ球があります。

人はこのリンパ球のバランスが取れているため、重い感染症や重篤なアレルギーにも悩まされずに生きています。しかし、このバランスが崩れることで免疫反応の抑制が効かずアレルギーを発症してしまうのです。

アレルギー症状の緩和には、過剰な免疫反応を抑制するリンパ球の増加が必要です。そのためにはエサとなる腸内細菌「酪酸菌」が必要だと考えられています。

つまり、整腸剤で腸内環境を整えておくと腸内細菌がバランスよく増えて、免疫反応を抑制するリンパ球の増加に繋がり、結果的にアレルギー症状の緩和にも期待できます。

整腸剤の効果6|質の良い睡眠へと導く

夜、私たちが眠くなるのは、脳から分泌される睡眠ホルモンである「メラトニン」が働くためです。そのメラトニンの生成に、実は腸内環境が大きく関係しています。

メラトニンの生成には、必須アミノ酸の一種で食事から栄養分として摂取しなければならない「トリプトファン」という栄養素が必要です。

腸内細菌は、体に摂取されたタンパク質を分解・合成し、トリプトファンを作り、睡眠ホルモンのメラトニンを生成します。

腸内環境が整った状態だと、メラトニンの生成も盛んになるため、質の良い睡眠へと導いてくれるのです。

整腸剤を飲み続けることは身体への影響なし!効果がないときの対処法まとめ

そもそも整腸剤とは
腸内の善玉菌を補い、悪玉菌を減らすように働きかけ、腸内バランスを整える薬です。

整腸剤は薬ではありますが、日常生活で不足している栄養素を補うような感覚で使用できます。

そのため、整腸剤を飲み続けても常用性はなく、身体に影響はありません

ここではさらに深掘りして、整腸剤の飲み方や効果がないときの対処法も解説します。

整腸剤は長期的に!便秘薬は一時的に服用するもの

よく整腸剤と便秘薬は同じものと思ってる方がいますが、全くの別ものです。

整腸剤は、腸内環境を整える善玉菌が主成分なため、習慣性がなく長く飲み続けても身体に影響はありません。

しかし便秘薬は、腸を刺激することにより便通を促すため、一時的な解決策として使用し、基本的に常用には適しません。

つまり、整腸剤は飲み続けても問題ありませんが、便秘薬は飲み続けると依存体質となり、薬がないと排便できないなどの悪影響を及ぼします。

整腸剤には即効性がない!まずは2週間以上継続する

便秘薬は即効性がありますが、整腸剤は徐々に腸内のバランスを整えていくため、即効性はなく、効果が出るまで時間を要することも。

整腸剤で身体に取り入れた菌は腸内に定着はせず、1~2週間で消えてしまいます。このため、長期的に服用することが大切です。

まずは、2週間以上継続して服用してみましょう。

腸内環境を整えるには長くて1年程度かかることもあります。そのため本格的に腸内環境を整えたい方は、自分に合った整腸剤を見つけることがまずは大切ですよ。

整腸剤を飲み続けても効果が出ないときは医療機関へ

整腸剤を飲み続けていても1年かかることもあると前述しましたが、場合によっては腸内バランスの乱れ以外に何か原因がある可能性も。また、服用を続けることで以下のような症状が出た場合は注意が必要です。

  • 便に血が混じっている
  • 激しい吐き気がする
  • 腹部にしこりがある
  • 腹部に激痛を感じた など

これらの異変を感じた場合は、早めに専門の医療機関を受診しましょう。違う病気が隠れている可能性もあります。

整腸剤の副作用・飲み続けることについてよくある質問Q&A

ここまで「整腸剤に副作用はほとんどない」「整腸剤を飲み続けても常用性はなく安心」と説明してきましたが、もう少し細かく疑問を解決していきましょう。

Q1|整腸剤の副作用でおならが出る?

有効成分である生菌の腸内発酵によって、服用後しばらくはガスがお腹に溜まり、おならが多くなることもあります。

その後、消化酵素や生菌の整腸作用により、ガスがお腹に溜まりづらくなるため、過剰なおならが出ることはなくなります。ただし、おならは人の生理現象なため、全くなくなるということはありません。

おならがよく出るようになったということは、言い換えれば「生菌が働いている」という証拠でもありますが、日常生活に支障をきたすような場合は、専門の医療機関に相談しましょう。

Q2|整腸剤は子供も服用できる?副作用は?

整腸剤の中には生菌以外にも、下剤や消泡剤を配合している商品があります。それらは子ども(15歳未満)は服用できません。

また、商品のシリーズによっては服用できる年齢が違ってきます。生後3か月からの服用が可能なものや上述のような15歳未満は服用できないものなどさまざまあるため、必ず服用前にパッケージを確認しましょう。

場合によっては、医師や薬剤師、登録販売者にも相談するようにしましょう。

また、整腸剤で子供にも副作用が出るか心配な方もいると思いますが、大人同様、ほとんど気にすることはありませんよ。

Q3|整腸剤の副作用で吐き気や腹痛・下痢などがある?

整腸剤の中には、例えば「ジメチルポリシロキサン」という成分が入っているものもあります。そのジメチルポリシロキサンの副作用として軟便・胃部不快感・下痢・吐き気・腹痛・食欲不振・頭痛などの報告もあります

ジメチルポリシロキサンが投与された総計2,546例中16例(0.63%)に副作用がみられた。主なものは胃腸症状で、軟便8例(0.31%)、胃部不快感4例(0.16%)、下痢3例(0.12%)、腹痛3例(0.12%)などであった。臨床検査については異常な変動を認めた症例はなかった(再評価終了時)。
1.消化器:(0.1〜5%未満)軟便、胃部不快感、下痢、腹痛、(0.1%未満)嘔吐、嘔気、食欲不振、胃部重圧感。
2.その他:(0.1%未満)頭痛。

引用:キッセイ薬品工業株式会社 ガスコン26-NP(第5版)

必ず服用前にパッケージを確認して、少しでも不調を感じたら服用を中止し、早めに専門の医療機関を受診しましょう。

まとめ

整腸剤はほとんど副作用がなく、飲み続けても身体に影響はありません。むしろ、飲み続けることで効果が現れてきます。

整腸剤を飲み続けると主な効果として6つあります。

整腸剤を飲み続ける主な効果6つ
  1. 下痢や便秘の改善させる
  2. 美肌効果をもたらす
  3. 痩せやすい身体に導く
  4. 精神状態を安定させ、ストレスを緩和させる
  5. さまざまなアレルギー症状を緩和させる
  6. 良質な睡眠へと導く

これらのうれしい効果が期待できます。

整腸剤は便秘薬と違い即効性がないため、2週間以上は様子を見ましょう。それでもなかなか効果が実感できないときは、その整腸剤で使われている「生菌」を見直すことで解決するかもしれません。

人によって、腸内環境が違うため、自分に合う合わないがあるからです。

しかし、明らかな異変を感じたときは早めに専門の医療機関を受診しましょう。

整腸剤は正しい飲み方をすれば腸内バランスが整い、あらゆる効果が期待されます。もちろん、整腸剤だけに頼らず、規則正しい生活、バランスのとれた食事、適度な運動などもとても大切ですよ。

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