「便秘で苦しい」「今すぐ出したい!」そんな時に即効性がある便秘解消方法を調べると、様々な情報が出てきますよね。
この記事では「私が薬剤師として最善の方法をお伝えするなら」という視点で、即効性のある便秘解消方法を3STEPで解説していきます。
即効性があり、効果的な便秘解消方法では3STEPの順番が非常に大切!
まずは薬を使って「出すこと」をスタートとし、その後根本的に便秘体質から脱却できるように腸内環境を整えていくことが重要です。
「即効性がある便秘解消方法が知りたい」「下剤以外の方法が気になる」という方は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてくださいね。

今すぐ即効性のある便秘解消方法の3つの順序を徹底解説!
- 便を出す
- 乳酸菌を入れる
- 腸内細菌の善玉菌を育てる
今すぐ対処したいときにおすすめの、即効性のある便秘解消方法はこの3ステップです。
大切なのはこの3つの順序。今辛い症状がある場合は、何よりもまず「1,便を出す」ことが重要です。
頑固な便秘が続いているときは悪玉菌が増え、腸内環境が悪化している状態。この特に乳酸菌を入れて善玉菌を増やしても、思うように効果が表れにくいです。
そのためまずは今溜まってしまっている分を出し、すっきりした状態で腸内環境を整える段階に入っていきましょう。
【Step1. 便を出す】スタートは腸のリセットから!
まずは、腸の中をキレイにすることから始めましょう。
硬い便が肛門近くにある場合、繊維質の多い不溶性食物繊維を摂りすぎるのは逆効果になることも。
硬い便が邪魔をしてしまい、お腹の張りやガスを悪化させて更に苦しくなってしまう可能性があります。
そのため、まず最初に出すことを優先する必要があります。
【急ぎの方へ】便秘薬で一時的に便通改善
「お腹が張って辛い」「今すぐにでも出したい」という場合は、便秘薬を使ってまずは便通を改善しましょう。
便秘薬を使うことに抵抗がある方もいるかもしれませんが、辛いときに一時的に薬を使用することは悪い事ではありません。
普段から使っている便秘薬がない場合は、酸化マグネシウム系便秘薬がおすすめです。
酸化マグネシウム系の便秘薬は、便に水分を与え柔らかくすることで排便を促すタイプなので、お腹が痛くなりにくく癖になりづらいという特徴があります。
病院で処方してもらう以外にも、ドラックストアで酸化マグネシウム便秘薬を手軽に購入することも可能ですよ。
刺激性便秘薬(下剤)は、効果が強く即効性があるため、一時的な便通改善には効果的です。
ただし、刺激性便秘薬は強制的に腸を動かし排便させるものなので、便秘体質が根本的に治るわけではありません。
便秘で苦しいときのみ使用し、少しずつ薬の効き目が穏やかなものへ変更していくようにしましょう。
【まだ辛くない方】水溶性食物繊維と水分を摂ろう
数日くらいの便秘でまだそこまで辛くない場合は、水溶性食物繊維と水分をしっかり摂ることで、お通じを軟らかくすることができます。
注意するのは、不溶性食物繊維ではなく水溶性食物繊維を意識的に摂ること。
不溶性食物繊維は便の量が増える食材です。すでに便秘が辛い状態になっているところに不溶性食物繊維を摂ると、お腹の張り、おなら、ガスなどの原因に。
水溶性食物繊維は腸の中に入るとゲル状になり、水分を保持しながら腸の中を移動するため、自然な排便を促す効果に期待できます。
- ネバネバ系:オクラ・モロヘイヤ・納豆
- 海藻:わかめ・めかぶ・もずく・あかもく
- きのこ:なめこ・しいたけ・きくらげ・えのき
便秘薬を使用しながら、これらの食材を毎日食べるようにしてください。便の水分量が増えることでお通じの流れが改善しますよ!
【Step2. 乳酸菌を食べる】「菌の種類」に注目して腸に善玉菌を補充する
便秘が辛い状態の時、腸の中は流れが悪く、悪玉菌が優勢になっています。
悪玉菌が増えるとお腹の張りやガスの発生を招き、不調の原因に。血流も悪くなり更に腸の動きが弱まるという悪循環を招いてしまいます。
乳酸菌を定期的に食べることで腸内の善玉菌が増え、乳酸や酢酸などの酸を作り出します。
これにより腸内を酸性にし、悪玉菌が増えるのを抑える効果があるのです。
乳酸菌を摂る方法①|食事編
普段の食事から乳酸菌を摂る方法としては、動物性乳酸菌、植物性乳酸菌を食事から摂るほか乳酸菌飲料を飲むのもおすすめです。
- 乳製品:ヨーグルト、チーズなど
- 肉魚:生ハム、アンチョビ、塩辛など
動物性乳酸菌は酸や熱に弱いため胃酸で死滅しやすく、植物性乳酸菌と比べて腸に生きて届く確率が低くなる傾向があります。
- 漬物:ぬか漬け、キムチ、水キムチ、ザワークラウト、ザーサイ、すぐき漬け、野沢菜漬けなど
- 調味料:味噌、醤油など
- その他:納豆など
酸や熱に強く、過酷な条件下でも生き残る力があるのが植物性乳酸菌。
食事から摂る際は「植物性乳酸菌」を意識して摂るようにすると、腸内フローラを整える効果が高く便秘解消に役立ちます。
ただし漬物、調味料の塩分過多には十分注意してくださいね。
乳酸菌飲料はお近くのスーパーでも手に取りやすく値段も比較的安いので、毎日摂ることができる乳酸菌として適しています。
糖分などが加えられているものが多いため、血糖値やカロリーなどに気をつけながら使用しましょう。
乳酸菌を摂る方法②|整腸剤編
- 新ビオフェルミンS
- ザ・ガードコーワ整腸錠PC
- ミヤリサン錠 など
整腸剤は善玉菌を増やして悪玉菌を抑えることで、お腹の調子を整える働きをするものです。
便秘だけではなく下痢の時にも使用することができるのが特徴で、病院で処方してもらえるほかドラッグストアでも簡単に手に入れることができます。
乳酸菌を摂る方法③|乳酸菌サプリ編
- ビフィーナS
- 植物性乳酸菌ラブレ
- ラクテクト など
乳酸菌サプリはたくさんの種類が発売されています。
科学的根拠に基づいた効果が実証されている機能性表示食品のサプリもありますね。
便秘改善の効果を期待するなら、ビフィズス菌が入っているものがおすすめです。
特に「ビフィズス菌ロンガム種」という種類の菌は、実際に排便回数が増えたというデータもあり、便通の改善には効果的です。
【Step3. 善玉菌を育てる】善玉菌にえさを与えて増やしていく
人によって腸内に住み付く善玉菌の種類はそれぞれ違い、乳酸菌との相性にも違いがあります。
外部から摂った良い菌も、腸内に住み付かずに体内に出て行ってしまうものも少なくありません。
サプリなどで腸内フローラが整ってきたら、普段から腸内に住み付いている善玉菌を「増やす」フェーズに入りましょう。
善玉菌を増やすには、善玉菌のエサになる成分を摂ることが必要です。エサになる成分にはオリゴ糖と水溶性食物繊維の2種類があります。
善玉菌を育て増やす方法①|オリゴ糖食材編
- きな粉
- ごぼう
- 納豆
- 玉ねぎ
- リンゴ
- バナナ
オリゴ糖は食材に入っている量が少なく、食品から十分な量を摂るのは簡単ではありません。
食品のオリゴ糖は、40度~50度に温めると酵素が活性化しその量を増やせるので、食べる前に温める工夫をすると効率的に摂取できますよ。
焼きリンゴ、焼きバナナにきな粉とはちみつをかけるなどして、おいしくオリゴ糖を摂ってみてくださいね。
善玉菌を育て増やす方法②|オリゴ糖サプリメント・健康食品
- オリゴのおかげ
- カイテキオリゴ
- はぐくみオリゴ など
食品からたっぷり摂ることが難しいオリゴ糖を、サプリや健康食品から摂取するのも良いアイデアです。
スーパーの砂糖コーナーにも置かれているので、手軽に購入もできますよ。安全性が高く赤ちゃんや妊婦さんの便秘にもおすすめです。
善玉菌を育て増やす方法③|水溶性食物繊維
- 野菜:オクラ、モロヘイヤ、アボカド
- 海藻:わかめ、昆布、もずく、あかもく
- きのこ:なめこ、しいたけ、きくらげ、えのき
- その他:こんにゃく
水溶性食物繊維には、善玉菌のエサとなり善玉菌を増やすほか、便に水分を与え自然な排便を促す効果があります。
ねばねばした食材に多く含まれているため、和食中心の食事にすることが水溶性食物繊維を意識的に摂るポイント。
しかし現代の日本人は、外食や食事の欧米化によって食物繊維の1日の摂取量が不足していると言われています。
そこでおすすめなのが食物繊維サプリメントです。
- サンファイバー
- イージーファイバー
- イサゴール
水溶性食物繊維のサプリで注目されているのは「難消化性デキストリン」です。
無味無臭で普段の飲み物や料理に混ぜて使えるものも多いため、生活に取り入れやすいですよ。
【便秘薬を飲んでいる方向け】安全で効果がマイルドな便秘薬へシフトしつつ、量を減らしていこう!
浣腸や刺激性便秘薬は、長く使用するにつれて腸が慣れてしまい薬の効果が出づらくなってしまいます。
また、刺激性便秘薬で注意しなくてはいけないのが「精神的依存」。
「下剤を飲まないと出ない」「下剤がないと不安」という気持ちから、便秘薬・下剤なしの生活は考えられないという方も少なくありません。
この記事でお伝えしている便秘解消の3ステップ
- 便を出す
- 乳酸菌を食べる
- 善玉菌を育てる
を行っても、すぐに体質が改善するわけではありません。
そこで、便秘薬を継続的に飲んでいる方に向けて、便秘解消の3ステップを行いながら便秘薬を上手に活用し、さらに便秘薬の量を徐々に減らす方法について解説します。
便秘薬の減薬のセオリー
↓
整腸剤や乳酸菌サプリだけでも排便できるようにしていく
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食事の対策のみで、薬が不要な体質にする
元々腸の動きが弱く便秘になりがちな方は、乳酸菌や食物繊維など食べ物に意識してもなかなかお通じが出ないことがあります。
これはまだ腸自ら動く癖が付いておらず、毎日の排便習慣が身についていないことなどが原因です。
この場合には酸化マグネシウム便秘薬を使用してみましょう。酸化マグネシウム便秘薬は、便の水分を多くすることによりスムーズに排便させる効果があります。
下剤と違い、腸への刺激が少なく癖になりにくいため、安心して使用できますよ。
酸化マグネシウム便秘薬で徐々に排便習慣がついてきたら、少しずつ量や頻度を少なくしていき、次は整腸剤や乳酸菌サプリだけで排便できるようにしていきます。
この段階でも順調に排便できるようになったら、食事や運動など普段の生活の中で対策し、サプリは足りない成分を補う目的で使うようにすると良いでしょう。
週に3回以上、便秘薬を飲む方へ
便秘薬を飲む頻度が高い方は、便秘薬を急にやめてしまうとお通じがなくなる可能性が高いです。
この記事でお伝えしている便秘解消法を行いながら、いつもの便秘薬を使用してください。便秘解消法に慣れてきたら、便秘薬を休憩する日を作りましょう。
刺激性便秘薬を使う頻度が少なくなってきたら、酸化マグネシウム系便秘薬に変更していきましょう。
酸化マグネシウム便秘薬を服用しながらでも下剤は使用できるため、どうしても辛くなった時だけ刺激性便秘薬を使うと良いですよ。
この状態を数週間続けることで、酸化マグネシウム系便秘薬で排便できる体にしていきます。
いずれは酸化マグネシウム系便秘薬もお休みできるようにしていき、最後は薬なしで自然排便できる体を作っていくのです。
食事や運動での便秘解消法も併せて行い、整腸剤や乳酸菌サプリを続けて腸内環境を改善していくことで根本的な体質改善へつながっていきます。
週末、下剤を飲んで排便している方へ
- 平日は食事や運動を頑張っている
- 週末に溜めこみ土曜日の夜に便秘薬や下剤を使用している
このような方には平日に酸化マグネシウム系便秘薬を使うことをおすすめします。
酸化マグネシウム便秘薬は便を柔らかくし、スムーズに排便させるものなので、平日から自身に合った量を飲むことでお通じ改善につながり、週末に溜め込んでしまうという事がなくなりますよ。
この時酸化マグネシウム便秘薬と併用して整腸剤や乳酸菌サプリを摂ると、腸内フローラ改善にもつながります。
どうしても調子が悪いときだけ刺激性便秘薬を使うようにしましょう。
今すぐ即効性のある便秘解消方法の3つの順序まとめ
今すぐ出したい!というときにおすすめの便秘解消方法を紹介してきました。
- 便を出す
- 乳酸菌を食べる
- 善玉菌を育てる
この便秘解消方法の効果を発揮するには、1~3の順番が大切です。
まずはすっきり排便して腸内の悪玉菌の繁殖を抑え、その後乳酸菌を食べ善玉菌を増やす。
最後に増やした善玉菌を育てる、という3STEPで、今現在の苦しさを解消しながら腸内環境を改善していくことができますよ。
今現在、刺激性便秘薬(下剤)を使用している方も、この方法を続けながら薬の効き目が穏やかなものに徐々に変えていくことがおすすめです。
まずは2週間、この便秘解消法を続けてみてくださいね。