この記事の監修者 | |
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東北医科薬科大学を卒業後、薬剤師として調剤薬局 チェーンで勤務。現在は腸活講師育成スクール 「腸活パズル」主宰。「一般社団法人日本腸活協会」 代表理事を務める。 |
整腸剤ビオスリーは3つの菌(酪酸菌、乳酸菌、糖化菌)がそれぞれの効果を高め合う最適な配合で作られた薬です。
この3つの菌で小腸から大腸までの全体をカバーし、腸内環境(腸内フローラ)や大腸のバリア機能を改善することで、日々のおなかの調子を整えてくれます。
しかし、整腸剤ビオスリーの効果を詳しく知らないとさまざまな疑問を持つかもしれません。
そこで、この記事では上記のようなビオスリーの疑問について解説します。
腸活に興味のある方や、おなかの調子が最近良くないな…といった方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ビオスリーは腸内環境を整える整腸剤!効果を詳しく解説
最初に、整腸剤ビオスリーの効果を解説します。
ビオスリーをおすすめできる人も紹介するので、気になる症状がある人はぜひチェックしてくださいね。
ビオスリーは便秘や下痢などの不調に効果的
- 整腸(便通を整える)
- 便秘
- 軟便
- 腹部膨満感
整腸剤ビオスリーは、腸を良好な状態に保つ善玉菌を増加させ、悪玉菌の増殖を抑えることで、整腸・便秘・軟便・腹部膨満感などに対して効果を発揮します。
生きたまま菌が腸に届くことでおなかの調子を整えるのです。
便秘と軟便では相反しているように感じますが、どちらも腸内環境(腸内フローラ)のバランスが崩れたことによって生じたため、腸内フローラを改善するビオスリーは、どちらの症状にも効果を発揮します。
また、これらの整腸効果は服用後すぐに効果を感じれる人もいれば、1週間以上かかる人もいます。1ヶ月程度服用しても症状が改善されない場合は、専門の医師、または薬剤師に相談してみましょう。
ビオスリーがおすすめな人を紹介
- 便秘や下痢に悩んでいる人
- 食生活が乱れている人
- 肌荒れや太り気味が気になる人
ビオスリーは、便秘や下痢といったおなかの不調はもちろんのこと、食生活や生活習慣の乱れが気になる人にもおすすめです。
食生活の乱れからくる腸内環境の不調は、全身の不調にも繋がります。
栄養を吸収しやすく、老廃物を排出しやすい腸内を目指すためにビオスリーは効果を発揮しますよ。
3つの菌で効果を高め合う整腸剤ビオスリーの特徴を解説!
ビオスリーは腸内フローラと大腸のバリア機能を改善することで、おなかの調子を整えます。それは、配合されている3つの菌が相互に効果を高め合っているからです。
ここでは、ビオスリーに配合されている3つの菌と、腸内フローラ・大腸のバリア機能を改善する効果について詳しく見ていきましょう。
ビオスリーには酪酸菌・乳酸菌・糖化菌の3つの善玉菌が配合されている
- ビオスリーHi錠6錠(15歳以上の1日服用量)中の成分
- ビオスリーH3包(15歳以上の1日服用量)中の成分
成分名 | 配合量 | 菌の働き |
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酪酸菌 | 150mg | 大腸で働き、腸内を善玉菌が棲みやすい環境にし腸内フローラを整えます。酪酸や酢酸を作り、大腸のバリア機能の改善を促します。 |
乳酸菌 | 30mg | 小腸~大腸で働き、腸を酸性にしビフィズス菌や酪酸菌が棲みやすい環境を作ります。 |
糖化菌 | 150mg | 小腸で働き、善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌を増やします。 |
※添加物として、以下の成分も含有されています。
- ビオスリーHi錠:ポリビニルアルコール(完全けん化物)・ポビドン・バレイショデンプン・乳糖水和物・ステアリン酸Mg
- ビオスリーH(散剤):ポリビニルアルコール(完全けん化物)・ポビドン・乳糖水和物・バレイショデンプン
整腸剤ビオスリーには3つの善玉菌がそれぞれ「最適」な量で配合されています。この3つの菌が小腸から大腸までの全体をカバーし、善玉菌を補充しているため整腸効果が高いのです。
3つの善玉菌で腸内フローラを改善!
腸内細菌には善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つがあり、この3つの理想の比率は【善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7】です。
善玉菌が優勢な腸内では良い働きをしますが、悪玉菌が優勢の腸内だと悪い働きをして、結果おなかの調子が悪くなります。日和見菌は、善玉菌にも悪玉菌にも属さない菌で、腸内の多い方の菌に味方するという特徴があります。
この3つの腸内細菌のバランスが崩れ悪玉菌が増えると、腸内フローラが悪くなるため、善玉菌を増やすことが大切になってくるのです。
ビオスリーを服用することで善玉菌を増やし、腸内フローラを改善しましょう。
短鎖脂肪酸を増やすことで大腸バリア機能を改善!
上述したようにビオスリーは腸内フローラを改善しますが、大腸のバリア機能も改善する働きがあります。これは今話題の短鎖脂肪酸が関係しています。
この短鎖脂肪酸を増やすことで
- 有害な菌や物質が身体に入らないように、大腸の粘液層の粘液を増加させる
- その増えた粘液で大腸や便をコーティングし、便をスムーズに排泄するサポートをしてくれる
といった、大腸のバリア機能を高める効果につながります。
大腸バリアの低下は、便秘や軟便などのおなかの不調の原因になるため、腸内フローラを改善するのと同様、大腸のバリア機能を改善することはとても大切なのです。
3つの菌の相乗効果により短鎖脂肪酸を増やす!
短鎖脂肪酸を増やすためにビオスリーには3つの善玉菌が配合されているのですが、それぞれの菌を単独で摂るよりも合わせて摂ることにより、多くの相乗効果を生み出します。
ビオスリーの公式文書によると、酪酸菌・乳酸菌・糖化菌の働きについて以下のように記述されていました。
3つの生きた善玉菌の相乗効果で短鎖脂肪酸が効率良く増え、整腸作用へと導いてくれるのですね。
ただ、ビオスリーを飲んだだけでは短鎖脂肪酸が増えづらいため、エサとなる「水溶性食物繊維」を一緒に摂ることが大事です。
ビオスリーには副作用がないため安心して服用できる
ビオスリーには副作用がありません。指定医薬部外品のビオスリーは、人に対する作用が緩和で、安全性上特に問題がないものとされています。
また、ビオスリーは基本的に小さなお子さんや妊娠中・授乳中の方でも服用でき、添付文書にも併用禁忌や慎重投与が必要な人に関する情報は特に記載がありません。
誰でも安心して服用できますね。
ビオスリーには錠剤と散剤の2種類がある!値段や概要を詳しく解説
種類 | 包装 | メーカー希望小売価格 |
---|---|---|
錠剤 | 42錠PTP包装(21錠×2) | 1,078円(税込) |
錠剤 | 180錠ビン包装 | 2,508円(税込) |
錠剤 | 270錠ビン包装 | 3,498円(税込) |
散剤 | 36包(1g×36) | 1,518円(税込) |
ビオスリーには錠剤と散剤があり、基本的には配合成分は同じですが、内包されている錠数の違いで【4種類】販売されています。(2023年2月現在)
錠剤2錠に対して散剤1g(1包)が同じ量になります。ビオスリーの錠剤と散剤の用法・用量についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
ビオスリーHi錠
年齢 | 1回量 | 1日の服用回数 |
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成人(15歳以上) | 2錠 | 3回 |
5歳以上15歳未満 | 1錠 | 3回 |
5歳未満 | × 服用しないこと | ― |
ビオスリーHi錠は5歳未満は服用できません。また、小さいお子さんに服用させる場合は、保護者の指導監督の上で服用させてくださいね。用法・用量を厳守し、食後に服用しましょう。
ビオスリーH (散剤)
年齢 | 1回量 | 1日の服用回数 |
---|---|---|
成人(15歳以上) | 1包 | 3回 |
3ヶ月以上 15歳未満 | 1/2包 | 3回 |
3ヶ月未満 | × 服用しないこと | ― |
ビオスリーH(散剤)は0歳(生後3ヶ月)から服用できます。小さいお子さんに服用させる場合は、そのまま舐めさせるか、少量の水などに混ぜて飲ませてあげましょう。
またビオスリーHi錠同様、小さいお子さんに服用させる場合は、保護者の指導監督の上で服用させてください。用法・用量を厳守し、食後に服用しましょう。
整腸剤ビオスリーのよくある質問|Q&A
整腸剤ビオスリーをこれから使ってみたい、現在使用中…の方でも実は知らない細かい疑問があるかと思います。
ここからはビオスリーに関する以下のよくある質問5つに回答していきます。
Q1|整腸剤ビオスリーとビオフェルミンの違いは何ですか?
菌の種類 | |
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ビオスリー |
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ビオフェルミン |
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ビオスリーとビオフェルミンはどちらも効能・効果は「整腸・便秘・軟便・腹部膨満感」と一緒ですが、大きく違うのが配合されている菌です。
また、ビオスリーはどの剤形でも配合されている菌の種類は同じですが、ビオフェルミンは錠剤と配合散で配合されている菌の種類が違います。
ビオスリーもビオフェルミンも効能・効果は同じですが、腸内フローラは人によって異なります。そのため、配合されている菌が違うため、どちらの方が合う・合わないはあるかもしれませんね。
ちなみに、2つとも副作用はなく、併用も可能ですが、それによって整腸効果が高まるというわけではありません。
Q2|市販のビオスリーと病院で処方されるビオスリーは同じものですか?
市販のビオスリーと病院で処方されるビオスリーは同じ菌が入っています。医薬部外品か、治療目的で処方される医薬品かの違いです。
ビオスリーは、1988年までは病院で処方される医療用のものだけでしたが、お客様の声で薬局などで誰でも購入できるビオスリーHが発売されるようになりました。
Q3|ビオスリーは過敏性腸症候群にも効果はありますか?
病院でビオスリーが処方されるのは、主に以下のような病気のときです。
- 胃腸炎
- 下痢
- 便秘
- 下痢便秘交代症
- 急性・慢性腸炎
- 過敏性腸症候群 など
過敏性腸症候群とは、通常の検査では腸に異常がないにも関わらず、慢性的に腹部膨張感や腹痛、下痢や便秘などの異常を感じる症候群です。
過敏性腸症候群は日常生活で何らかのストレスで腸の働きが悪くなって起こるため「心身症」の一つとも言われています。
腸の働きを良くするビオスリーは、過敏性腸症候群の方にも効果があります。できれば、食習慣や生活習慣の改善もすれば、さらに効果は高まりますね。
Q4|ビオスリーは毎日服用しても身体に問題ありませんか?
ビオスリーを毎日服用しても身体に問題はありません。そもそも整腸剤は、腸内環境を整える善玉菌が主成分なため、習慣性がなく長期にわたって飲み続けても身体に影響はないのです。
また、経口摂取した善玉菌は腸内に定着はせず、1~2週間で消えてしまいます。このため、整腸剤であるビオスリーも長期的に服用することをおすすめします。
Q5|牛乳アレルギーがありますが、ビオスリーを服用しても大丈夫ですか?
現在、ビオスリーの製造過程で粉乳は使用していないため、牛乳アレルギーが出る可能性は低いのですが、賦形剤として乳糖が含有されています。
乳糖は乳汁から製造されるため、ごくごく少量ですがタンパク質が含まれる可能性があるため、心配な方は一度医療機関に相談しましょう。
整腸剤ビオスリーについてまとめ
整腸剤ビオスリーは腸を良好な状態に保つ善玉菌を増加させ、悪玉菌の増殖を抑えることで、整腸・便秘・軟便・腹部膨満感などの症状を改善する効果があります。
ビオスリーには3つの菌(酪酸菌、乳酸菌、糖化菌)が、緻密に計算し配合されたことにより、「棲む場所」「働き」が連鎖して、効果が倍増するようになっています。
その相乗効果により腸内フローラの改善や、大腸のバリア機能の改善を促し、よりよい整腸作用へと導いてくれるのです。
ビオスリーは腸活の最終目標である短鎖脂肪酸を効率良く増加させる整腸剤です。腸活には「ダイエット効果」「アレルギー症状の緩和」「免疫機能を高める」など多くのメリットがあります。健康維持のためにもビオスリーを続けることをおすすめします。