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GLP‑1ダイエット保険適用の条件と肥満外来の流れを解説

GLP‑1ダイエット保険適用の条件と肥満外来の流れを解説

GLP-1ダイエットとは、本来は糖尿病治療薬であるGLP-1受容体作動薬を用いて体重減少を図る医療ダイエットのことです。

海外で「痩せる注射」として注目され、日本でもSNSなどで話題になりました。

しかし、単に「痩せたい」だけの目的で誰もが使えるわけではなく、医師の管理下で「肥満症」という病態に該当する人のみが対象になります。

日本では2023年に初めて肥満症治療薬としてGLP-1製剤セマグルチド(商品名ウゴービ®)が承認され、2024年2月から保険診療で使用可能になりました。

ただし適用には厳しい条件があり、十分な安全管理体制のある専門医療機関でのみ処方されます。

GLP‑1ダイエットの保険適用判定基準 早見表

判定項目保険適用となる基準 
BMI35 以上
  └ 合併症の有無にかかわらず対象(高度肥満症)
27 〜 34.9
  └ 下記(1)(2)(3)のいずれかを2つ以上合併している場合
必須の肥満関連合併症
(1)(2)(3)
(1) 高血圧症 / 脂質異常症 / 2型糖尿病のいずれかを薬物治療中
(2) 冠動脈疾患・脳血管疾患・閉塞性睡眠時無呼吸症候群など主要合併症
(3) 高尿酸血症、非アルコール性脂肪肝疾患、月経異常・不妊、関節症、肥満関連腎臓病 など計11疾患
生活習慣療法の実施6か月以上の食事・運動療法を行い、減量効果が不十分と医師が判断した場合に薬物療法を追加
治療実施施設肥満症診療経験と重篤副作用対応体制を持つ専門医療機関(高度肥満症外来など)
その他留意点・妊娠中/授乳中は禁忌
・美容目的など適応外使用は保険対象外
・投与前に急性膵炎・甲状腺髄様癌の既往を除外する
※2024年2月時点 ウゴービ®添付文書・厚労省通知に基づく

以下では、GLP-1ダイエットが保険適用となる条件や、実際の肥満外来での診療プロセス、自費診療クリニックとの違いについてわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • GLP-1ダイエット(GLP-1受容体作動薬による肥満治療)は保険適用になるのか、その判断基準と条件
  • 肥満症と診断されるためのBMI基準や合併症など、保険適用のための具体的なプロセス
  • 高度肥満症外来など専門医療機関での治療ステップと、初診から薬物療法開始までの流れ
  • 肥満外来で受ける診療の具体的な流れ(初診、検査、生活習慣指導など)
  • 保険適用される肥満症治療薬「ウゴービ」の処方条件と投与計画(スケジュール)
  • 自由診療(自費)のクリニックで行うGLP-1ダイエットとの違いと、それぞれの選び方のポイント
はじめに(免責・注意事項)

本記事は、あくまでも一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、医療上の助言や診断、治療を推奨するものではありません。

GLP-1受容体作動薬をはじめとする医薬品や施術は、個人の健康状態や体質によって効果・副作用が異なる可能性があります。投薬や治療を希望される方は、必ず医師をはじめとする医療従事者と相談のうえ、十分な説明を受けてから自己責任においてご判断ください。

また、本記事で紹介する治療法の一部には日本国内で未承認の用途や自由診療に該当するものがあります。その点を十分にご理解いただき、ご自身で最新の情報を確認しながら、適切な医療機関で受診されることをおすすめいたします。

本記事の内容は公開時点の情報に基づいていますが、法改正やガイドラインの変更、医学的知見の進歩等により情報が変わる可能性があります。最新情報につきましては、必ず公的機関や各医療機関の公式情報をご確認ください。

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目次
  1. GLP‑1ダイエットは保険適用できる?その条件をわかりやすく解説
    1. 保険適用の判断基準はBMIと合併症によって決まる
    2. 専門医療機関(高度肥満症外来)での治療のステップ
  2. 肥満外来で受ける診療の流れと治療内容
    1. 保険で使える薬「ウゴービ」はどう進める?
  3. GLP-1ダイエット費用を保険診療と自費診療で比較する
    1. 保険診療時の自己負担例
    2. 自費診療(注射・経口薬)の相場とオンライン診療の目安
  4. よくある質問(FAQ)
  5. まとめ

GLP‑1ダイエットは保険適用できる?その条件をわかりやすく解説

GLP‑1ダイエットを保険診療で受けるためには、「肥満症」という明確な診断基準を満たす必要があります。

単なる美容目的の減量では健康保険は適用されず、適応外使用は安全性も確認されていないため推奨されません。

厚生労働省も「肥満症治療」として使用する場合のみ保険適用と認めており、糖尿病や高血圧など医学的理由のある場合に限られます

具体的には、日本肥満学会の定義する「肥満症」に該当することが前提です。

肥満症とはBMI(体格指数)25以上で肥満に関連する健康障害を併せ持ち、医学的に減量が必要と判断される状態を指します。

さらにウゴービ®(セマグルチド)など肥満症治療薬の保険適用は、その中でも特に重度の肥満症に限定されています。

保険適用となる条件
  • BMIが27以上かつ肥満に関連する健康障害を2つ以上有する
  • BMIが35以上

上記のいずれかに該当し、かつ高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかを合併していること

例えば身長165cmの場合、体重約95kgでBMI35に達し、73.5kgでBMI27となります。

このように一定以上の高度肥満(高度肥満症)でなければ、保険でGLP‑1注射を受けることはできません。

また、これらの条件を満たしていても、十分な減量努力(食事・運動療法)を行って効果不十分であることが確認された場合に初めて薬物療法が検討されます。
※参考:肥満症の効能又は効果を有するセマグルチド(遺伝子組換え)製剤に係る最適使用推進ガイドラインの策定に伴う留意事項について

さらに、安全性確保のため副作用時に適切な対応が可能な専門施設でのみ使用すべきとされています。

つまり、GLP‑1ダイエットは「誰でも気軽に受けられる痩身法」ではなく、医学的に減量が必要と認められた一部の肥満症患者のみが保険診療で受けられる治療なのです。

保険適用の判断基準はBMIと合併症によって決まる

肥満症かどうかを判断するには、まずBMI値に基づいて評価します。

BMI(体格指数)=体重(kg)÷身長(m)2で算出され、日本ではBMI25以上を「肥満」と定義します。

しかし「肥満」=即治療が必要とは限らず、重要なのは合併する健康障害の有無です。

医師は身長体重の測定に加え、血圧測定や血液検査などを行い、高血圧・脂質異常症・高血糖(糖尿病)といった代表的な合併症の有無をチェックします。

肥満に関連する健康障害11項目

糖尿病予備群・2型糖尿病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症(痛風)、冠動脈疾患(心筋梗塞)、脳梗塞、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、月経異常・不妊、睡眠時無呼吸症候群、整形外科的障害(膝関節症など)、肥満関連腎臓病

これらのうち少なくとも1つ以上該当し、なおかつBMI25以上の場合に「肥満症」と診断され、治療の対象になるのです。

特にBMIが35を超えるような高度肥満(欧米基準でいう重度肥満に相当)では、合併症の有無にかかわらず健康リスクが極めて高いため、「高度肥満症」として専門的治療が強く考慮されます。

実際、GLP‑1肥満症治療薬の適応基準もBMIと合併症の組み合わせで定められており、BMI35以上で高血圧・脂質異常症・糖尿病のいずれかがある場合、またはBMI27以上35未満で上記いずれかに加えて肥満関連健康障害が2つ以上ある場合に限定されています。

例えば前述のとおり身長165cmなら体重約95kg以上でBMI35、73kg以上でBMI27となります。

こうした数値基準に照らし合わせ、医師が「医学的に減量を要する肥満症かどうか」を総合的に判断するわけです。

診断プロセスでは、必要に応じて内臓脂肪の蓄積程度を評価することもあります(腹囲測定や腹部CT検査で内臓脂肪面積を測定し100cm2超なら肥満症と判定)。

また、肥満の二次的原因(内分泌疾患や服薬の影響など)がないかも確認されます。

これら一連の診察・検査を経て、「あなたは肥満症に該当します」「合併症として高血圧と脂肪肝があります」といった診断が下されれば、保険適用での治療(GLP‑1注射等)へと進む条件が整うことになります。

逆に言えば、BMIや合併症の基準を満たさない場合、GLP‑1薬の処方は原則として保険では認められず、生活習慣の改善指導が中心となります。

専門医療機関(高度肥満症外来)での治療のステップ

保険適用でGLP‑1ダイエットを受けるには、厚生労働省が定めた要件を満たす専門医療機関で治療する必要があります。

いわゆる「高度肥満症外来」は、大規模病院(大学病院や総合病院など)に設置された肥満症専門の外来で、肥満症診療の経験豊富な医師や管理栄養士、場合によっては運動指導士や心理士など幅広い職種のチームで患者を支援します。

一般的なクリニックでも肥満症の初期診療は可能ですが、重度の肥満症患者については早い段階で専門施設へ紹介し、体系的な治療教育を受けてもらうことが推奨されています。

実際、ウゴービ処方の条件を満たすような患者さんは紹介状を持って専門外来を受診するケースが多いでしょう。

専門外来での治療ステップは、大きく分けて「評価・目標設定」→「生活習慣改善(食事・運動療法)」→「薬物療法の導入検討」という流れになります。

専門外来での治療ステップ

STEP
評価・目標設定

まず初回受診時に詳細な問診・診察と検査結果の評価が行われ、肥満症の程度や合併症の有無を確認します。

その上で医師から現在の健康リスクについて説明を受け、最初の減量目標が設定されます。

日本肥満学会のガイドラインでは、「まず3~6か月で現在体重の3%以上減量する」という短期目標を立てるのが基本です(高度肥満症では5~10%減量が目安)。

例えば体重100kgの方なら、まずは3~6か月で3~5kg程度の減量を目指す計算です。

この目標設定にあたっては年齢や合併症の状態も考慮されます。

STEP
生活習慣改善(食事・運動療法)

目標が決まったら、具体的な治療計画に沿って食事療法と運動療法が開始されます。

食事療法では管理栄養士の指導のもと、適切なカロリー設定と栄養バランスの取れた食事プランが提示されます(一般的に肥満症では標準体重に25kcal/kgを乗じたカロリー以下を目安とし、高度肥満症では20~25kcal/kgに制限するなど)。

極端な断食ではなく、無理なく継続できる食事内容(例:低脂肪食や適度な低炭水化物食等)が提案され、必要に応じて食事記録や栄養カウンセリングも行われます。

運動療法についても医師や場合によっては理学療法士等から指導があります。

有酸素運動を中心に、可能であれば筋力トレーニングも取り入れるよう助言されます。

特に高齢の肥満症患者では筋力低下を防ぐため、筋トレも併用しながら進めることが望ましいとされています。

こうした生活習慣改善の期間中は、通常毎月1回程度の頻度で外来フォローがあります。

毎回体重や血圧・血糖値などの経過を確認し、患者さんの食事・運動の取り組み状況をヒアリングして軌道修正を図ります。

数か月経過後、設定した減量目標を達成できていれば引き続き生活習慣改善を継続しつつ、次の目標を設定して治療を続行します。

STEP
薬物療法の導入検討

生活習慣改善で十分な減量効果が得られなかった場合には、治療方針の見直しが行われます。

具体的には食事療法のさらなる強化(必要であれば超低エネルギー食〈VLCD〉の導入など)や、薬物療法の追加が検討されます。

この判断も専門医療機関ならではの慎重なプロセスで、患者さんの意思も確認しながら次のステップに進みます。

なお、場合によっては肥満外科手術(減量手術)の適応を検討することもあります。

特にBMI35以上で深刻な合併症があるケースでは、薬物療法に加えて外科的治療を提案されることもあります。

いずれにせよ、専門外来では患者一人ひとりの状態に合わせて最適な治療戦略が段階的に講じられていくのが特徴です。

肥満外来で受ける診療の流れと治療内容

肥満外来は「診断→生活習慣改善→薬物療法の要否判断」という3ステップで進みます。

まず医師が肥満度と合併症を客観的に評価し、短期の減量目標を共有。その目標に向けて 3〜6か月、食事・運動・行動療法を集中的に行います。

そして6ヶ月以上の生活習慣療法を行っても十分に痩せられなかった人のみが薬物療法の検討対象となる、という順序です。診療の全体像をタイムラインで示すと下表のようになります。

タイムライン主な内容所要
初診身長・体重・BMI、血圧測定/採血(脂質・HbA1c など)/腹囲や腹部エコーを行い、肥満症かどうかを確定1日
目標設定「3〜6か月で体重3〜5 %減」など無理のない短期目標を設定同日
生活習慣療法① 食事:標準体重×25 kcal/日を目安にカロリー制限
② 運動:有酸素150 分/週+筋トレ週2回
③ 行動:食事記録・睡眠管理で習慣を可視化
3〜6か月
経過判定月1回のフォロー外来で体重変化と検査データを確認。
6ヶ月以上経っても目標未達なら薬物療法または方針見直し
随時

保険で使える薬「ウゴービ」はどう進める?

生活習慣療法で成果が出なかった場合に、初めてウゴービ®(セマグルチド)などの薬物療法が選択肢に上がります。

適応の可否は BMI と合併症の組み合わせで厳格に判定されるので、保険診療のハードルは比較的高めです。

判定フロー内容
適応条件A:BMI35以上(高度肥満症)
B:BMI27〜34.9 かつ 肥満関連疾患2つ以上 かつ 高血圧/脂質異常症/2型糖尿病のいずれかを治療中
導入タイミング生活習慣療法を6か月以上実施しても目標減量に届かない場合
投与ステップ(週1回自己注射)0.25 mg → 0.5 mg → 1.0 mg → 1.7 mg → 2.4 mg(各4週ごと増量)
フォロー体制開始4か月は月1回、その後は2〜3か月ごとに外来。体重・副作用・血液検査をチェック
投与期間の目安最大68週。目標達成後は維持量に減らすか中止を検討
メモ
  • 漸増投与により吐き気などの副作用を抑えつつ効果を高めます。
  • 薬を使っても食事・運動療法は継続必須。これがリバウンド防止の土台になります。
  • 投与は必ず重篤副作用に対応できる専門外来で管理され、安全確保が最優先です。

このように、GLP‑1ダイエットの保険診療では「まず生活習慣療法で減量を試みる → 達成できない場合に限り厳格な基準で薬を追加」という流れが徹底されており、気軽に受けられる痩身法ではない点が最大の特徴です。

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GLP-1ダイエット費用を保険診療と自費診療で比較する

保険診療で GLP‑1薬を使えるのは 「医学的に肥満症」と診断された人 に限られます。

一方、BMI がさほど高くなくても「注射より飲み薬で体重を管理したい」「美容目的で数kg 落としたい」という場合は、自由診療(全額自己負担) を検討することになります。

ここでは 保険あり/保険なし の費用感と特徴を並べて整理し、どちらのルートが自分に合うか判断しやすくしました。

保険診療時の自己負担例

公的医療保険が使えると 薬価の3割(高齢者は1〜2割)だけ 支払えば済むため、費用負担は大幅に軽減されます。

費目金額の目安備考
ウゴービ®皮下注2.4 mg
(週1回 ×4本/月)
42,960円 → 自己負担約13,000円薬価10,740円×4本を3割負担
初診・再診料+採血約3,000〜5,000円 → 自己負担1,000〜1,500円月1回フォロー
月合計1.5〜2万円程度用量が上がる5か月目以降の目安

ウゴービ®の場合、初月は0.25mgから開始して段階的に増量し、約5か月かけて最大2.4mgまで用量を上げていきます。

最大用量の2.4mgを週1回ペースで使用する段階では、薬剤費の総額は月あたり約4.3万円になりますが、自己負担3割なら約1.3万円/月に抑えられます。

保険診療の場合、診察料や血液検査料も保険が適用されるため、必要な検査やフォローアップを受けやすい利点があります。

さらに、1か月の自己負担総額が高額(標準報酬の場合おおよそ9万円程度超)になった際には高額療養費制度が適用され、上限額を超える支出は後から払い戻しされます。

高額療養費制度

同じ月の自己負担が所得区分ごとの上限(例:一般所得層で約9万円)を超えた分は後日払い戻し。GLP‑1治療単独で上限に達することは稀ですが、合併症治療と合算される場合に備え覚えておくと安心です。

もっとも、GLP‑1治療単独で高額療養費の上限に達するケースは稀ですが、合併症治療など他の医療費と合算される場合には、この制度によって自己負担額のキャップが効く仕組みです。

保険診療を受けられる立場にあるなら、経済負担を減らしつつ適切な医療管理が受けられるため、まず専門医に相談して適応条件に該当するか確認すると良いでしょう。

自費診療(注射・経口薬)の相場とオンライン診療の目安

美容やダイエット目的でGLP‑1薬を利用する場合は自由診療扱いとなり、費用は全額自己負担です。

保険適用外となるケースでは、本来糖尿病治療薬として承認されているGLP‑1受容体作動薬を医師の判断で適応外処方してもらう形になります。

そのため、薬剤費だけでなく診察費用も含め、クリニックごとに設定された料金を自分で支払う必要があります。

比較項目保険診療自由診療
対象者高度肥満症など厳格BMI25未満〜軽度肥満も可
主な薬剤ウゴービ®注射サクセンダ®・オゼンピック®注射
リベルサス®経口錠 など
月額目安1.5〜2万円注射 4〜10万円
飲み薬 1〜3万円
診療フロー生活療法6か月以上→薬開始オンライン初診〜当日処方も可
フォロー月1で採血・副作用チェッククリニックごとに検査頻度が異なる
メリット低コスト/手厚い管理間口が広い/注射・経口を選べる
注意点対象者が限定高額・自己管理負担が大きい

※サクセンダ®注射は1か月 8〜15 万円、オゼンピック®注射は用量次第で 5〜10 万円。経口リベルサス®14 mg 毎日服用なら薬剤費約1.5 万円/月(診察料別)。料金はクリニックによって変動します。

注射タイプのGLP‑1薬を自費で使う場合の費用相場は月あたり数万円〜10万円前後と高額です。

例えば、自宅で毎日自己注射するタイプは月に4〜5本のペン型注射が必要となり、クリニックによっては1か月あたり4〜10万円前後の費用設定がされています

※自費診療の価格は医療機関によって異なります。上記の例は美容クリニック等の公表料金を参考にした一例であり、実際の費用は各クリニックにお問い合わせください。

週1回注射のオゼンピック®(セマグルチド)をダイエット目的で利用する場合も、1本で1か月もつわけではなく用量次第では複数本が必要になるため、月数万円以上のコストがかかるのが一般的です。

一方、経口薬タイプ(錠剤)のGLP‑1製剤も存在し、日本ではリベルサス®(セマグルチドの経口薬)が糖尿病治療薬として承認されています。

リベルサス®を適応外で減量目的に処方してもらう場合、薬価は14 mg錠で1錠あたり約488.5円です。

最大用量14 mgを毎日服用すると薬剤費だけで月1.5万円程度になりますが、少量から開始して様子を見る場合は月数千円台から試すことも可能です。

費用のリアルな例

薬剤用法薬剤費 (目安)総額例*
サクセンダ®注射1.8 mg 毎日1 ペン 約25,000 円ペン 4〜5 本で 8〜15 万円/月
オゼンピック®注射週1 (0.25→1 mg)1 本 15,000〜20,000 円用量次第で 5〜10 万円/月
リベルサス®錠3→7→14 mg 毎日14 mg 錠 約490 円最大用量で 1.5 万円/月

※診察料・指導料を含めると+数千〜数万円/月

経口薬は注射に比べ手軽に始められますが、効果も若干マイルドであるため減量幅が小さい可能性があります。

そのため多くのクリニックでは、まず飲み薬で様子を見て効果が不十分なら注射薬に切り替えるといった柔軟なプランを提示しています。

なお近年は、オンライン診療による「GLP‑1ダイエットプログラム」も増えてきました。

オンラインの場合、初回は対面診察が必要な場合もありますが、2回目以降はビデオ通話診療と郵送処方で継続できる利便性があります。

費用面では対面診療に比べ割安な設定のところもあり、例えば経口薬コースは月額1万円以下から、注射薬コースでも月2〜3万円台から設定しているサービスがあります。

クリニック選びによって費用体系は様々ですが、「○ヶ月コース一括○○円」といった定額パッケージ料金を提示するケースも多く、自身の予算や目標に応じて選択することが可能です。

ただし極端に安価なプランの場合、サポート内容や使用薬剤の種類・用量が限定的である可能性もあるため、費用だけでなく提供される医療の質も考慮してクリニックを選ぶことが大切です。

費用対効果を高めるポイント

自費でGLP‑1ダイエットに取り組む場合は、少ない投資で最大の成果を上げる工夫が欠かせません。

一番重要なのは、医師の指示通りに正しく薬剤を使用し、生活習慣の改善と併行することです。

GLP‑1薬は食欲抑制などによって減量を後押ししますが、摂取カロリーを適切に管理し運動を組み合わせることで、薬の効果をより引き出すことができます。

その他、医療費控除(年間10万円超の医療費が対象)を確定申告で申請することで所得税の還付を受けることもできます。

費用対効果を最大化する4つのコツ
  1. 用法・用量を厳守 – 医師の指示通りステップアップし、自己判断の増量・中断は避ける。
  2. 生活習慣を並行改善 – 目標体重(kg)×25 kcal/日を目安に食事管理。有酸素 150 分/週+筋トレで筋量維持。
  3. 定期フォローで軌道修正 – オンライン診療でも月1回は診察し、体重・副作用・血液データを共有して用量や指導内容を細かく調整。
  4. 公的制度のフル活用 – 条件を満たしたら保険診療へ切替、年間医療費が 10 万円超なら確定申告で医療費控除を申請。

以上のように、多角的に工夫することでGLP‑1ダイエットの費用対効果を最大化し、無理のない範囲で理想の体重に近づくことができるでしょう。

よくある質問(FAQ)

GLP‑1ダイエットは誰でも受けられますか?

医療上の必要性がある場合に限られます。

日本ではGLP‑1受容体作動薬は本来糖尿病治療薬ですが、肥満症(BMI25以上かつ健康障害を合併)の治療薬としてのみ公的承認されています。

単に「少し痩せたい」「美容のため痩身したい」というだけでは保険適用は受けられず、こうしたケースでGLP‑1を用いるのは適応外(未承認)使用となります。

適応外使用は医師の判断で可能ですが、安全性に十分配慮しながら慎重に行われるべきものです。

GLP‑1ダイエットは保険診療でできますか?

特定の条件を満たせば保険診療が可能です。

肥満症と診断され、かつ高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法と運動療法を行っても効果不十分な場合に限り、GLP‑1肥満症治療薬(ウゴービ®など)の処方が保険適用となります。

この条件に該当しない場合(例えばBMIがそれほど高くない、明らかな健康障害を伴わない肥満など)は、保険では治療を受けられず自費診療となります。

ただし今後適応が拡大されたり、新薬が承認されれば条件が変わる可能性もありますので、詳しくは主治医に確認してください。

どのくらいの体重が減りますか?

個人差はありますが、臨床試験では1年あまりで体重の10〜15%減が報告されています。

たとえばセマグルチド(ウゴービ®2.4 mg)を用いた国際試験では、68週間(約16か月)で平均13%以上の体重減少が達成されました。

10 kg前後の減量に成功したケースも多く見られています。

ただし減量幅には個人差があり、開始時の体格や併用する生活習慣改善の程度によって結果は異なります。

一般に、治療開始後数週間で緩やかな体重減少が始まり、その後6か月〜1年かけて徐々に減っていくパターンが多いです。

無理のないペースで続けることが大切です。

まとめ

GLP-1ダイエットは、ホルモン作用を利用した新しい医療ダイエットとして注目を集めています。

もともと糖尿病治療薬として開発されたGLP-1受容体作動薬を適切に用いることで、食欲の抑制や血糖コントロール改善を通じて体重減少をもたらすことができます。

日本でも2023年にウゴービ®(セマグルチド)が肥満症治療薬として承認され、一定の条件下で保険適用されるようになりました。

これにより、従来は自費で高額になりがちだった治療が、対象者にとっては公的保険の範囲で受けられるようになった点は大きな前進です。

ただし、美容目的では保険適用されず、自費診療となります。

総括すると、GLP-1ダイエットは医学的エビデンスに基づく減量法であり、従来の努力だけのダイエットでうまくいかなかった人々にとって福音となる可能性があります。

費用面では保険適用の拡大により今後恩恵を受ける人も増えるでしょう。

とはいえ、治療の適否や進め方は専門医と十分に相談し、無理のない計画で行うことを強くお勧めします。

正しいアプローチでGLP-1ダイエットに取り組み、健康的な体重と生活習慣を手に入れましょう。

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参考サイト

聖マリアンナ医科大学病院「肥満症の薬物療法(ウゴービ®)による治療について

日本内科学会「肥満症の日常診療:最近のアプローチ・私の工夫」雑誌第104巻第4号

厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」高額療養費制度の概要説明(2022年改定)

​糖尿病リソースガイド「GLP-1受容体作動薬『ウゴービ皮下注』が発売 肥満症治療薬として30年ぶりの新薬」(2024年2月)

日本肥満学会「肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント」(2023年11月25日)

厚生労働省「新医薬品一覧表(令和5年11月22日収載)」ウゴービ皮下注 薬価リスト(2023年)

日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会『糖尿病標準診療マニュアル2025』GLP-1作動薬の適正使用に関する記載(2025年版)

PMDA「ウゴービ皮下注 添付文書」副作用(重大な副作用およびその他の副作用一覧)

糖尿病リソースガイド「東アジア臨床試験(STEP6試験)の結果」ウゴービ68週投与時の体重減少率に関する記載(2024年)

一宮市立市民病院 薬剤部「肥満症と治療について」適応外使用に関する厚労省・学会からの注意喚起(2024年)

免責事項・注意喚起

本記事で説明した治療・薬剤の情報は、あくまで一般的な理解の一助とするものであり、個人の症状や体質、既往症によって適切さが異なる場合があります。

自由診療や未承認の医薬品・適応外使用に関する治療は、国の承認を得た医療行為ではなく、自己責任のもとで行われるものです。必ず担当の医師と十分に相談のうえ、リスクや費用を含め総合的に判断してください。

効果や安全性に関する記述は、あくまで現時点で得られている情報や一般的な臨床データに基づいており、特定の結果を保証するものではありません。また、効果や副作用は個人差があります。

本記事内の情報は最新かつ正確なものであるよう努めていますが、万一内容に誤りがあった場合や情報が更新されていた場合でも、一切の責任を負いかねます。治療を開始する前に、必ず複数の情報源を確認し、医師のカウンセリングを受けるなど、ご自身で十分な情報収集を行ってください。

本記事の内容が特定の治療法の受診を強制・推奨するものではないことを予めご了承ください。

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記事で取り上げている費用や施術内容などは各医療機関により異なります。詳細や最新の料金・提供内容は、各医療機関の公式ホームページやお問い合わせ窓口等でご確認ください。

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