GLP-1ダイエットとは?薬の効果・費用・副作用を医師が解説

GLP-1ダイエットは、週1回の注射または1日1回の内服で平均7〜15%の体重減少が報告された医師管理下の自由診療です。
BMI27以上など一定条件を満たす方が対象で、費用目安は月5,000〜30,000円※1です。治療効果や副作用の出方には個人差があります。
食事制限や運動を続けても体重が落ちないと悩む方にとって、医療ダイエットは有力な選択肢です。なかでもGLP-1受容体作動薬は、脳の摂食中枢に働きかけて食事量を抑える作用が確認されています。海外のSTEP 1試験※2では、68週で平均体重減少率 −14.9%が示され、プラセボ群との差が統計的に有意でした。
ただし本治療は自由診療(保険適用外)となるケースが多く、クリニックによって自己負担額が大きく変わります。また吐き気・便秘・低血糖などの副作用が報告されており、適切な用量調整と医師によるフォローアップが欠かせません。
この記事では、GLP-1ダイエットの効果・費用・副作用・保険適用の可否を医師監修で解説します。
※1 掲載費用は2025年4月時点の各クリニック公表価格。薬剤・用量により変動します。
※2 正式名称:「Semaglutide Treatment Effect in People with Obesity (STEP) 1 試験」
GLP‑1ダイエット早わかりQ&A表
| よくある質問 | 結論(ひとことで) |
|---|---|
| どれくらい痩せますか? | 海外STEP-1試験では平均7〜15%の体重減少が報告されています。 |
| 費用はいくらですか? | 自由診療のため月5,000〜30,000円が目安です。薬剤や用量で変動します。 |
| 保険は使える? | BMI35以上+合併症など高度肥満症の条件を満たすと保険適用になる場合があります。 |
| 副作用はありますか? | 吐き気・便秘・低血糖などが報告されており、症状には個人差があります。 |
| リバウンドしませんか? | 生活習慣を継続すると体重の約80%を維持できた報告があります。 |
注釈
- 自由診療の取扱い
本治療は保険適用外(自由診療)です。費用・処方日数・通院頻度は医療機関によって異なります。 - 適応外使用について
国内で肥満症に承認されているGLP‑1受容体作動薬はウゴービ®(セマグルチド)など一部に限られます。減量目的で他薬を使用する場合は適応外使用となり、医師が有効性・安全性を説明した上で処方します。 - 効果・副作用には個人差
体重減少量や副作用(吐き気・低血糖・膵炎など)の発現頻度は個人差があります。自己判断で投薬を中断・変更しないでください。 - 医療情報の性質
当表は情報取得を目的とした一般的解説であり、医療行為の勧誘・誘導を意図するものではありません。治療の要否は必ず医師の診察で判断してください。
はじめに(免責・注意事項)
本記事は、あくまでも一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、医療上の助言や診断、治療を推奨するものではありません。
GLP-1受容体作動薬をはじめとする医薬品や施術は、個人の健康状態や体質によって効果・副作用が異なる可能性があります。投薬や治療を希望される方は、必ず医師をはじめとする医療従事者と相談のうえ、十分な説明を受けてから自己責任においてご判断ください。
また、本記事で紹介する治療法の一部には日本国内で未承認の用途や自由診療に該当するものがあります。その点を十分にご理解いただき、ご自身で最新の情報を確認しながら、適切な医療機関で受診されることをおすすめいたします。
本記事の内容は公開時点の情報に基づいていますが、法改正やガイドラインの変更、医学的知見の進歩等により情報が変わる可能性があります。最新情報につきましては、必ず公的機関や各医療機関の公式情報をご確認ください。
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GLP-1ダイエットとは食欲を抑える作用によって無理のない減量を目指す肥満治療法
GLP-1ダイエットは、過度な食事制限や激しい運動に頼らず、食欲を抑えることで減量を目指す肥満治療法です。※適度な食事管理や運動も併用するとより効果的です。
体内で分泌されるホルモン「GLP-1」の働きを利用し、食欲をコントロールしてダイエットを進められます。
GLP-1とはもともと体内に存在するホルモンで、血糖値の調整や満腹感の維持に関与しています。
この働きを模倣する「GLP-1受容体作動薬」を使い、摂取カロリーを自然に抑えてストレスを感じにくく体重を管理できる点が特徴です。
以下では、GLP-1の働きやGLP-1ダイエットの仕組みについて詳しく解説します。
GLP-1とは血糖値の調整や食欲を抑制するホルモン

GLP-1(グルカゴン様ペプチド−1)は、小腸から分泌されるホルモンで、食事の際に分泌量が増加します。
GLP-1は以下のような働きを持ち、私たちの体内で重要な役割を果たしています。
- 血糖値を下げるためのホルモン「インスリン」の分泌を促進
- 血糖値を上げるホルモン「グルカゴン」の分泌を抑制
- 胃の動きを緩やかにし、満腹感を長時間持続させる
- 脳の満腹中枢へ作用し、過剰な食欲を抑制する
GLP-1が強く作用すると、少量の食事でも比較的満足感を得やすいとされています。
GLP-1は食欲抑制や消化管運動抑制、血糖値上昇抑制などの作用を通じて体重を抑制することが知られており、その特性を活用したダイエットが肥満治療法として注目されています。
GLP-1と同じ機能を持つ「GLP-1受容体作動薬」を使用する

GLP-1ダイエットでは、GLP-1と同じ働きを持つ「GLP-1受容体作動薬」を使用します。
GLP-1受容体作動薬は、体内のGLP-1を模倣しながら分解されにくい構造を持ち、長時間にわたってその作用を持続させます。
- インスリン分泌を促進しながら血糖値を適切な範囲内で維持
- 食事量を減らしても無理なく満足感を得られる
- GLP-1よりも分解されにくく、効果が持続するよう設計
GLP-1受容体作動薬は、糖尿病治療の目的で開発された薬剤であり、日本では主に「2型糖尿病」の治療薬として承認されています。
GLP−1受容体作動薬は、主に膵臓に作用してインスリンの分泌を促す作用を持つ2型糖尿病の注射薬です。
引用元:血糖値を下げる注射薬 | 糖尿病情報センター
一部のケースを除き、ダイエット目的での使用はクリニックで保険適用外の自由診療として処方されます。
GLP-1の減量効果について
GLP-1ダイエットで使用される薬剤(例:セマグルチドやリラグルチドなどのGLP-1受容体作動薬)は、臨床試験において従来の減量薬を上回る顕著な効果を示しました。
海外の大規模試験では、適切な用量でGLP-1薬を使用した場合、平均して初期体重の約15%もの減量が達成され、被験者の約3人に1人は20%以上の大幅な体重減少に成功したと報告されています。
このような減量幅は、従来の医薬品によるダイエットでは得られなかった飛躍的な成果です。
また注射による治療とはいえ、GLP-1受容体作動薬は週1回の自己注射など比較的手軽に使用できる製剤もあり、治療の継続もしやすい点も注目を集める一因です。
食欲を抑える効果が続くため、ダイエットを継続しやすいメリットがある
ダイエットを成功させるには、無理なく継続できることが大切です。
GLP-1ダイエットは、食欲が抑制されることで食事量が減り、減量をサポートする可能性があります。
- 無理な食事制限をしなくても食欲が自然に抑えられる
- 満腹感が持続するため間食や夜食を抑えやすい
- 比較的手間の少ない治療法のため忙しい方でも継続しやすい傾向がある
- 食欲抑制により無理のない減量が期待できる※減量幅には個人差があります
従来のダイエットは極端な食事制限による反動でリバウンドが起こりやすいのに対し、GLP-1ダイエットでは食事量が自然に減るため、ストレスを感じにくく新しい食習慣が身につきやすい傾向があります。
GLP-1ダイエットは、以下のような方に向いています。
- 無理なく食事量を減らしたい方
- 忙しくて運動する時間がない方
- 間食や暴飲暴食を自然に減らしたい方
- リバウンドのリスクを軽減したい方
特に、間食を我慢できない方や、食事を減らすことでストレスを感じる方には有効な場合があります。
GLP-1受容体作動薬を使用することで、日々の生活リズムを大きく変えずに始められる治療法で、健康的な体型づくりをサポートします。
GLP-1ダイエットの種類には飲み薬と注射薬がある

GLP-1ダイエットでは、主に飲み薬と注射薬の2種類が用いられます。
GLP-1受容体作動薬はいずれも血糖値を調整し、満腹感を維持する働きを持っていますが、投与方法や頻度、主成分の違いなどにより、使用感や利便性が異なります。
主要なGLP-1受容体作動薬の比較表
| 薬の種類 | 投与方法 | 主成分 | 投与頻度 | 投与量 |
|---|---|---|---|---|
| リベルサス | 飲み薬 | セマグルチド | 1日1回 | 3mg、7mg、14mg |
| オゼンピック | 注射薬 | セマグルチド | 週1回 | 0.25〜1.0mg |
| ウゴービ | 注射薬 | セマグルチド | 週1回 | 0.25〜1.0mg |
| サクセンダ | 注射薬 | リラグルチド | 1日1回 | 0.6mg~3.0mg |
| ビクトーザ | 注射薬 | リラグルチド | 1日1回 | 0.3mg~1.8mg |
| マンジャロ | 注射薬 | チルゼパチド | 週1回 | 2.5mg~15.0mg |
| ゼップバウンド | 注射薬 | チルゼパチド | 週1回 | 2.5mg~15.0mg |
※リベルサス、オゼンピック、ピクトーザ、マンジャロは2型糖尿病治療薬として承認されていますがそのうち、リベルサス、オゼンピック、ピクトーザについては肥満治療目的では未承認となっています。
※またサクセンダについては国内未承認医薬品です。
※肥満治療薬として国内で承認されているのは、ウゴービ、ゼップバウンドとなります。(2025年3月現在)
※クリニックでは保険適用外の自由診療として処方されます。
GLP-1受容体作動薬は本来2型糖尿病治療薬であり、(一部の薬は国内では肥満症への適応は承認されているものの)基本的には肥満治療に用いる場合は医師の判断のもとで自由診療(自費治療)として行われます。
※肥満治療薬として国内で承認されているのは、ウゴービ、ゼップバウンドとなります。(2025年3月現在)
※クリニックでは保険適用外の自由診療として処方されます
マンジャロとゼップバウンドについてはGLP-1だけでなくGIPにも作用するGIP/GLP-1受容体作動薬となっています。
リベルサスは唯一の飲み薬

リベルサスは、GLP-1受容体作動薬の中で唯一の飲み薬です。
そのため、注射が苦手な方やGLP-1ダイエットを初めて試す方に適しています。
特徴と使用方法
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主成分 | セマグルチド |
| 服用方法 | 1日1回、朝食前の空腹時にコップ約半分の水(約120ml以下)とともに服用。 服用後30分は飲食を控える必要あり。 |
| 保存方法 | 室温保存 |
| 投与量 | 3mgから開始し4週間以上投与後、7mgに増量。 最大14mgまで増量可能。 |
参照:リベルサス錠 添付文書
リベルサスのメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 注射が不要で、痛みなし 飲み薬のため初心者でも始めやすい 外出先でも服用しやすい 保管が簡単(常温保存可能) | 毎日服用する必要がある 空腹時に服用し、30分間飲食を控えるなど制約がある |
メリットとしては、注射不要で痛みがなく、常温で保存可能なため持ち運びしやすい点が挙げられます。
一方、毎日服用する必要がある点や、服用方法に制約がある点はデメリットといえます。
また、一部の論文では、注射薬と比べて作用が弱いとの見解も見受けられます。
経口製剤は注射製剤と比較して体重への作用は弱いものの,自己注射が不可能な肥満 2 型糖尿病患者に有用と考えられる.
引用元:肥満症の薬物療法
リベルサスの承認状況
リベルサスは、国内では2020年に「2型糖尿病治療薬」として承認されていますが、肥満治療目的では未承認です。
アメリカ食品医薬品局(FDA)では、同一成分(セマグルチド)の注射薬が肥満治療薬として承認されています。
米国食品医薬品局は本日、Wegovy(セマグルチド)注射剤(2.4 mg、週1回)を、少なくとも1つの体重関連疾患(高血圧、2型糖尿病、高コレステロールなど)を有する肥満または過体重の成人の慢性的な体重管理に、低カロリー食と運動量の増加に加えて使用することを承認しました。
引用元:FDA Approves New Drug Treatment for Chronic Weight Management, First Since 2014
オゼンピックは週1回投与する注射薬

オゼンピックは週1回、自己注射を行うGLP-1注射薬です。
主成分はリベルサスと同じセマグルチドで、比較的手間が少ない点が特徴です。
特徴と使用方法
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主成分 | セマグルチド |
| 投与方法 | 週1回、同一曜日に投与 |
| 保存方法 | 凍結を避け、2~8℃に保存 |
| 投与量 | 0.25mgから開始し、4週間後に0.5mgへ増量。 最大1.0mgまで調整可能。 |
オゼンピックのメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 週1回の投与で済むため負担が少ない 持続的な食欲抑制と血糖値コントロールが期待できる 自宅で簡単に注射でき、通院の手間がない | 毎回新しい針への交換が必要 注射の痛みを感じる場合がある 冷蔵で保存する必要がある |
メリットとしては、週1回の投与で済むため手間が少なく、持続的な食欲抑制と血糖値コントロール効果を得られる点が挙げられます。
一方で、投与の際に注射に抵抗感があったり、痛みを感じたりする場合もあります。
また、使用の都度針を交換する必要があることや、2~8℃で保存しなければなれない点は、手間に感じるかもしれません。
オゼンピックの承認状況
オゼンピックはリベルサスと同様に、国内では「2型糖尿病治療薬」として承認されていますが、肥満治療目的での使用は未承認のため自由診療となります。
サクセンダ、ビクトーザは1日1回の注射薬

サクセンダとビクトーザは、いずれもリラグルチドを主成分とする1日1回の注射薬です。
成分が同一のため効果や作用に違いはありませんが、1回あたりに投与可能な上限量が異なります。
特徴と使用方法
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主成分 | リラグルチド |
| 投与方法 | 1日1回、可能な限り同じ時刻に投与する。 |
| 保存方法 | 凍結を避け、2~8℃に保存 |
| 投与量 | ビクトーザ:0.3mg から開始し、1 週間以上の間隔で 0.3mg ずつ増量 サクセンダ:0.6mg から開始し、1 週間以上の間隔で 0.6mg ずつ増量 |
参照:ビクトーザ皮下注18mg 添付文書、Saxenda®(リラグルチド)注射剤 使用上の注意
サクセンダ、ビクトーザのメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 毎日投与で習慣化しやすい サクセンダは高用量が可能で強い効果が期待できる ビクトーザは低用量から少しずつ調整できる | 1日1回の自己注射を手間に感じる場合がある サクセンダは高用量のため副作用リスクが高まる可能性がある ビクトーザは低用量のため効果を限定的に感じる可能性がある |
サクセンダは高用量が可能なため強い効果が期待できますが、副作用リスクが高まる可能性があります。
ビクトーザは低用量で少量ずつ調整できる点が魅力ですが、投与量はサクセンダの半分のため、効果を限定的と感じる場合があります。
どちらも1日1回の自己注射が必要な点は、習慣化しやすい反面、継続に手間を感じるかもしれません。
サクセンダとピクトーザの承認状況
サクセンダはアメリカのFDA(米国食品医薬品局)やカナダ、欧州連合(EU)加盟28カ国において肥満治療薬として承認されていますが、国内では未承認です。
Saxenda®は、2014 年 12 月に米国で、2015 年 2 月にカナダで、食事療法と運動療法により体重管理を行っている肥満(BMI 30 kg/m2 以上)、あるいは肥満に関連する合併症を 1 つ以上伴う過体重(BMI 27 kg/m2 以上)の成人の補助療法を適応として承認されました。
引用元:ノボ ノルディスク ファーマ株式会社「ノボ ノルディスク、Saxenda® について肥満症を適応として欧州で承認取得」
2015 年 3 月 23 日、欧州委員会(European Commission)から、欧州連合(EU)加盟 28 カ国で、Saxenda®(一般名:リラグルチド 3 mg)について、肥満症の適応で承認を取得したことを発表しました。
引用元:ノボ ノルディスク ファーマ株式会社「ノボ ノルディスク、Saxenda® について肥満症を適応として欧州で承認取得」
ビクトーザは国内で2型糖尿病の治療薬として承認を得ていますが、肥満治療薬としては未承認です。
マンジャロとゼップバウンドはGIP受容体にも作用する注射薬

マンジャロはGIP受容体にも作用する注射薬「持続性GIP/GLP-1受容体作動薬」で、GLP-1受容体作動薬よりもさらに高い効果※が期待されています。※臨床研究では高い減量効果が報告されていますが、日本で肥満症治療薬として承認されたものではありません。また効果には個人差があります。
GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とは、GLP-1と同様に膵臓に作用するホルモンのことで、インスリンの分泌促進や食欲抑制作用を持ちます。
特徴と使用方法
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主成分 | チルゼパチド |
| 投与方法 | 週1回(同一曜日) |
| 保存方法 | 2~8℃で保存 |
| 投与量 | 2.5mgから開始して4週間投与した後、週1回5mgに増量。 最大15mgまで増量可能。 |
マンジャロのメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| GLP-1受容体作動薬よりも強力な効果が期待できる 週1回の投与で済む 使い切りタイプで手間が少ない | 費用が高額になりやすい 2~8℃の冷蔵保存が必要で持ち運びしにくい |
マンジャロは、GLP-1受容体作動薬よりも強力な食欲抑制効果が期待できます。
また、週1回の注射で、使い切りタイプで針交換の手間がかからないため、忙しい方でも続けやすい点が魅力です。
一方、費用は高額な傾向があり、2~8℃での遮光保存が必要なため、外出先などに持ち運びしにくい点がデメリットとして挙げられます。
マンジャロとゼップバウンドの承認状況
マンジャロは2022年に日本で2型糖尿病治療薬として承認されていますが、肥満治療目的では未承認です。
諸外国では、2型糖尿病治療薬として使用されているほか、「ゼップバウンド」という名称でアメリカの食品医薬品局(FDA)やイギリスの医薬品・医療製品規制庁(MHRA)で肥満治療薬として承認されています。
米食品医薬品局(FDA)は8日、米医薬品大手イーライリリー(LLY.N), opens new tabが開発した肥満症治療薬「ゼップバウンド」(一般名チルゼパチド)を承認した。
英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA)も8日、体重管理と減量を目的としたマンジャロの使用を承認。
引用元:米FDA、イーライリリーの肥満症治療薬を承認 英国でも | ロイター
なお、日本でもゼップバウンドは2024年12月に正式承認され、2025年3月19日に薬価収載※されています。※薬価収載…新薬が薬価基準に収載されること。該当医薬品は保険適用される。(weblioより引用)
飲み薬と注射薬はどっちが良い?ライフスタイル別の選び方
それぞれのGLP-1受容体作動薬の特徴を踏まえて、飲み薬が向いている方、注射薬が向いている方について解説します。
- 注射が苦手な方
- 初めてGLP-1ダイエットを試す方
- 外出先でも手軽に治療を続けたい方
飲み薬は、「注射が苦手」「毎日の服用を習慣化できる」という方には適した治療法の一つです。
特に、初めてGLP-1ダイエットを試す方や、外出先でも手軽に治療を続けたい方には適しています。
また、常温保存が可能で持ち運びしやすいため、仕事や旅行などでスケジュールが不規則な方にも便利です。
- 服用回数を減らしたい
- 自己注射に抵抗がない方
- 投与量を細かく調整したい方
注射薬は「内服薬は服用回数が多いのが懸念」「より強力な減量効果を期待したい」という方に適しています。
週1回投与のタイプは、忙しいライフスタイルでも無理なく続けられる点が魅力です。
また、注射薬は投与量を細かく調整しやすいため、低用量に慣れてきたら徐々に増量し、高い効果を期待したいという方に向いています。
自分の目標や生活スタイルに最適な薬剤を選ぶことで、無理なく継続しやすくなります。
飲み薬と注射薬、それぞれのメリットとデメリットを比較し、医師と相談しながら自分に合ったGLP-1ダイエット法を検討しましょう。
GLP-1ダイエットのリスクや注意点を把握しよう

GLP-1ダイエットは、食欲を自然に抑えてダイエットをサポートする治療法ですが、使ううえでのリスクや注意点を理解しておくことが大切です。
特に、低血糖や急性膵炎などの副作用が報告されているため、起こり得る症状を把握したうえで使用する必要があります。
日本では、肥満治療目的での使用が承認されていない薬剤もあり、重大な副作用が起きた場合に公的救済制度の対象外となる可能性もあります。
また、個人輸入や通販でGLP-1受容体作動薬を購入すると、偽薬や品質不良品による健康被害のリスクが高まるため、必ず医療機関で医師の診察を受け処方を受けるようにしましょう。
本章では、GLP-1ダイエットにおける副作用や救済制度の適用、海外での承認状況、個人輸入のリスクについて詳しく解説します。
低血糖や膵炎など副作用のリスクがある
GLP-1受容体作動薬を使う際には、次のような副作用が確認されています。
特に、低血糖や急性膵炎などの重大な副作用については、十分に理解してから使用を検討する必要があります。
主な副作用とその症状
| 副作用の種類 | 症状 |
|---|---|
| 重大な副作用 | ・低血糖:脱力感、冷汗動悸、頭痛、めまい、視覚異常など ・急性膵炎:嘔吐を伴う激しい腹痛など ・胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸 |
| 比較的頻度の高い副作用 | ・悪心(吐き気):44.2%(プラセボ群17.4%) ・嘔吐:24.8%(プラセボ群6.6%) ・便秘:23.4%(プラセボ群9.5%) ・腹痛:20%(プラセボ群10%) ・下痢:31.5%(プラセボ群15.9%) |
| その他の副作用 | ・胃食道逆流症状、鼓腸、疲労感、食欲減退など |
低血糖の症状(めまい、脱力感など)が現れた場合は、糖分を含む食品を摂取し必要に応じて医師へ連絡することが推奨されます。
急性膵炎の兆候(腹痛、嘔吐など)が現れた場合は、速やかに薬の使用を中止し医療機関を受診してください。
消化器系の症状(吐き気、下痢など)は高頻度で起こりますが、継続使用によって軽減するケースが多いとされています。
また、それらの副作用の多くは治療開始時から用量調整期間(初期20週間)に最も頻繁に発生し、軽度から中等度で一時的なものですが、4.3%の患者が消化器系副作用により治療を中止しています。
症状が持続する場合は、迷わず医師へ相談しましょう。
以下の条件に該当する方は、副作用リスクを考慮し、治療開始前に必ず医師へ十分に相談してください。
- 薬剤の成分に対して過敏症の既往歴がある方
- 膵炎の既往歴がある方
- 重度の胃腸障害(胃不全麻痺など)がある方
- 低血糖を起こしやすい状態にある方(例:栄養不良、飢餓状態、不規則な食事、激しい運動後、過度なアルコール摂取)
- 妊娠中または妊娠の可能性がある女性、授乳中の女性
- 1型糖尿病患者や糖尿病性ケトアシドーシスの方
- 重症感染症や手術など緊急治療が必要な状態にある方
- 甲状腺髄様癌や多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)の家族歴がある方
出典:リベルサス添付文書
ダイエット目的での使用は公的救済制度の対象外
GLP-1受容体作動薬をダイエットや肥満治療目的で使用した場合、公的な医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性が高い点に留意する必要があります。
この制度は、医師の指示通りに適切な使い方をした医薬品による副作用について、国が治療費や障害年金などを給付する公的制度です。
GLP-1受容体作動薬は、日本では「2型糖尿病」の治療薬として承認されていますが、薬によっては肥満治療目的での使用は保険適応外となっています。
適応外の美容・痩身・ダイエット等の目的で使用して,重篤な健康被害が生じたとしても,適正に使用したと認められず,この制度の救済給付を受けられない可能性が非常に高い
引用元:厚生労働省「GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1 受容体作動薬の適正使用について」
日本でも肥満治療薬として承認されている一部のGLP-1受容体作動薬がありますが、これらは高度肥満症(BMI27以上かつ健康障害を伴う場合、またはBMI35以上)の方が対象です。
多くのダイエット希望者はこの基準に該当しないため、公的救済制度の適用外となるケースがほとんどです。
GLP-1ダイエットを始める際は、医師の指導の下で適切に使用し、リスクを十分に理解したうえで判断することが重要です。
海外で承認されているのも高度肥満症の場合のみ
諸外国では、GLP-1受容体作動薬が肥満治療薬として承認されているケースがあります。
しかし、これらは欧米基準の肥満症患者を対象にした治験データに基づき、効果と安全性が確認された上で承認されたものであり、使用対象は高度肥満症や合併症を持つ患者に限定されています。
- BMIが30kg/m2以上、かつ、食事・運動療法で体重管理をする方
- BMIが27kg/m2以上、かつ、2型糖尿病・糖代謝異常などの肥満合併症等を1つ以上伴う方
つまり、諸外国においても肥満症でない方のダイエット目的での使用は承認されておらず、有効性や安全性に関する根拠は不足しているのが現状です。
さらに、日本人はBMIの基準が低く設定されているため、海外の基準で承認された薬を使用しても同様の効果が得られるとは限りません。
日本と海外のBMI基準の違い
| 分類 | 日本肥満学会 | WHO(世界保健機構) |
|---|---|---|
| 普通体重 | BMI 18.5〜25未満 | BMI 18.5〜25未満 |
| 前肥満 | – | 25以上30未満 |
| 肥満 | BMI 25以上 | BMI 30以上 |
参照:BMI – 日本国際医療センターより一部抜粋
GLP-1ダイエットを希望してクリニックで診察を受けたとしても、BMI値が低かったり、医学的に肥満でないと医師が判断した場合などは、GLP-1受容体作動薬が処方されない可能性もあります。
個人輸入や通販での入手は避けるべき
GLP-1受容体作動薬を個人輸入やネット通販で手に入れるのは、重大な健康リスクを伴います。
GLP-1受容体作動薬は医療機関で処方されるべき医療用医薬品であり、個人輸入や通販で購入した場合、品質が保証されないことが多いためです。
- 偽造品や粗悪品の可能性
- 品質が未確認
- 副作用が生じた時に対応不可
- 投与方法や用量を誤解する可能性
海外から個人輸入した薬には、正規品を装った偽物や、不衛生な環境で製造された粗悪品が多く含まれる可能性があります。
また、日本国内で処方される医療用医薬品は法律に基づいて品質や有効性が確認されていますが、個人輸入製品にはその保証がありません。
万が一副作用が発生した場合には、公的救済制度の対象外となるのはもちろん、クリニックによる対応も受けられない場合がほとんどです。
さらに、外国語表記の製品は用法・用量を誤解する可能性もあり、健康被害を引き起こすリスクがあります。
厚生労働省は、個人輸入による医薬品等使用の危険性について、繰り返し警告を発しています。
個人輸入した医薬品が、安全性に問題があり関係当局より注意喚起されている製品であったり、インターネットを介して購入したサプリメントに医薬品が入っていて、実は健康被害が報告されていた製品であったり、また、身体の不調が服用している医薬品やサプリメントが原因であることがわからず救急搬送されるなどのさまざまな事例が報告されています。
引用元:個人輸入やインターネット購入による健康被害 | あやしいヤクブツ連絡ネット
このような健康リスクが伴うため、GLP-1ダイエットを始める際は、必ず医師が診断・管理の下で処方する薬剤を使用してください。
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GLP-1ダイエットを始める前に!本当に必要なのかを見極めるポイント
GLP-1ダイエットで使われる「GLP-1受容体作動薬」は、本来は2型糖尿病治療薬として開発された医療用医薬品です。
しかし近年は美容や肥満治療目的での使用が増え、本来の治療を必要とする糖尿病患者への供給に影響が出ているのが現状です。
GLP-1受容体作動薬について,供給を上回る需要が増加している影響により一部の製剤において限定出荷が生じており,本来の2型糖尿病の治療目的での供給に支障が生ずる懸念があるとの指摘もなされています。
引用元:厚生労働省「GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1 受容体作動薬の適正使用について」
また、前述のとおりGLP-1ダイエットには、有効性や安全性のリスクなど考慮すべき点が多いのも事実です。
そのため、単なる美容目的であれば、GLP-1ダイエットは強く推奨されない方法といえます。
ただし、「間食がやめられない」「食欲を抑えることがストレスになる」などの理由でダイエットの継続が困難な方にとっては、前向きにダイエットと向き合えるきっかけとなるかもしれません。
こうした背景があるため、GLP-1ダイエットを始める前に注意点をよく理解し、自分の目的や状況を明確にしたうえで必要性を慎重に見極めることが重要です。
以下では、GLP-1ダイエットを始める前に確認すべきポイントについて詳しく解説します。
GLP-1ダイエットの費用は医療保険の適用外
GLP-1受容体作動薬は、美容目的やダイエット目的で使う場合、保険適用外となり全額自己負担です。
治療費用はクリニックや治療内容によって異なりますが、次のような費用が想定されます。
- 薬代;全額自己負担
- 診察料:1,500〜3,000円程度
- 配送料(オンライン診療の場合):550〜2,200円程度
また、効果を実感するまでには3〜6ヶ月以上の継続使用が一般的なため、長期的な費用負担を事前に計画する必要があります。
例えば、月額費用が15,000円のプランを選んだ場合、6ヶ月継続すると約9万円、1年間継続すると約18万円の費用が発生します。
GLP-1ダイエットを始める際は、診察時に具体的な費用について確認し、自身の予算内で無理なく続けられるかを検討することが大切です。
3ヶ月〜6ヶ月程度の継続使用が必要
GLP-1ダイエットは即効性を狙うものではなく、時間をかけて少しずつ食事量を調整し、減量を目指す治療法です。
一般的に3〜6ヶ月以上の継続使用が想定されており、急激な体重減少が期待できる方法ではありません。
また、効果の現れ方には個人差があり、同じ期間使用しても体重の変化に違いが生じる可能性があります。
GLP-1ダイエットを始める前には、以下の点について十分に検討することが大切です。
- 継続的な費用負担に対応できるか
- 服用・投与を規則正しく継続できるか
例えば、1日1回の飲み薬や週1回の注射薬には、決まった時間や曜日に服用・投与する必要があるため、生活リズムへの組み込みが必要です。
医師と相談しながら、自分に合った投与量や期間を選択し、無理のないプランを立てることが大切です。
期待どおりに痩せないこともある
GLP-1ダイエットを一定期間続けても、期待どおりの減量効果が得られない場合があります。
その理由として、以下の要因が考えられます。
- 食事量が十分に減らない
- 薬の用法・用量を守れていない
- 生活習慣が改善されていない
GLP-1ダイエットは、GLP-1受容体作動薬の食欲抑制作用により食事量を減らすことで、体重減少を目指す方法です。
食欲抑制が十分に効かない場合は、過食が解消されず減量効果が得られにくいことがあります。
服用を忘れる、空腹時に飲まないなど服用方法の誤りが原因となり、効果が得られにくいケースも考えられます。
また、間食や運動不足などの行動が続いている場合、薬の効果が十分に発揮されない場合もあります。
GLP-1受容体作動薬は食欲を抑える補助的な役割を果たす薬剤であり、適切な食事管理や運動を組み合わせることで効果を最大化できます。
GLP-1ダイエットでは薬だけに頼らず、生活習慣全体の見直しが重要です。
GLP-1受容体作動薬の使用が保険適用されるケース
GLP-1受容体作動薬は、原則として2型糖尿病治療の場合のみ保険適用となります。
2024年2月以降、「ウゴービ」が高度肥満症の治療薬として保険適用対象となりました。
しかし、ウゴービを肥満治療薬として使用できるのは、以下のような高度の肥満症や健康障害を伴う方が対象となります。
- BMIが27以上であり、肥満に関連する健康障害※を2つ以上有する場合
- BMIが35以上の高度肥満症の場合
- 6ヶ月以上の食事療法・運動療法が実施されていること
※肥満に関する健康障害
- 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
- 脂質異常症
- 高血圧
- 高尿酸血症・痛風
- 冠動脈疾患
- 脳梗塞
- 非アルコール性脂肪性肝疾患
- 月経異常・不妊
- 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
- 運動器疾患
- 肥満関連腎臓病
また、日本肥満学会はガイドラインにおいて、処方可能な医療機関に関する厳しい条件を設けており、多くのクリニックではウゴービを保険診療で取り扱うのは難しいのが現状です。
日本循環器学会、日本糖尿病学会、日本内分泌学会のいずれかにより教育研修施設として認定された施設であり、高血圧、脂質異常症又は 2 型糖尿病並びに肥満症の診療に5年以上の臨床経験を有し、日本循環器学会、日本糖尿病学会、日本内分泌学会のいずれかの専門医資格を有する常勤医師(日本肥満学会の専門医を有することが望ましい)が1人以上所属している施設であること
引用元:日本肥満学会「肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント」
したがって、GLP-1ダイエットを希望する方のほとんどは、保険適用要件には該当せず、保険適用外の自由診療にて利用することとなります。
なお、上記要件に該当する場合は、保険診療を行う医療機関で適切な治療を受けることを推奨します。
GLP-1ダイエットだけでは痩せない?効果を高める生活習慣
GLP-1受容体作動薬は食欲抑制をサポートする薬剤ですが、薬だけで理想の体型が手に入るわけではありません。
ダイエット効果を最大限するには、生活習慣の改善が欠かせません。
栄養バランスの取れた食事や適度な運動、飲酒量のコントロールなど、日々の工夫が成功の鍵となります。
また、これらの習慣はリバウンド防止や健康維持にも役立つため、GLP-1ダイエット中に積極的に取り入れることが推奨されます。
ここからは、具体的な生活習慣改善のポイントを解説します。
栄養バランスを意識した食事が大切
GLP-1ダイエットでは薬の作用で食欲が抑制され、食事量が減ることが期待できますが、その分必要な栄養素が不足しやすい点に注意が必要です。
- 基礎代謝の低下:筋肉量の減少により脂肪を蓄積しやすい体質になる
- 便秘:食物繊維や水分不足が原因で排便が滞る
- 低血糖:倦怠感や冷や汗、めまいなどを引き起こす可能性がある
- 免疫低下:感染症への抵抗力が弱まる
栄養不足は基礎代謝の低下を招き、エネルギーを体脂肪として蓄えやすい体質になる場合があるため、結果として痩せにくい体質を作る原因にもなり得ます。
そのため、たとえ食欲が減退しても栄養バランスの良い食事を心がけ、タンパク質など必要な栄養素を十分に摂取することが大切です。
栄養バランスを意識した食事のポイント
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主食・主菜・副菜を揃える | 必要な栄養素をバランスよく摂取できる |
| タンパク質 | 鶏肉や卵、魚介類で筋肉を維持する |
| 食物繊維 | 野菜や全粒穀物で腸内環境をサポート |
| ビタミン・ミネラル | 緑黄色野菜や果物で摂取 |
必要に応じて医師や栄養士と相談し、自身の健康を守りながらダイエットを進めましょう。
食べ過ぎ防止のため「よく噛む」習慣を心がける
GLP-1ダイエットの効果を高めるには、食事中に「よく噛む」習慣を意識することが大切です。
食事開始から満腹感を得るまでには、およそ20分以上かかるといわれています。
その間に早食いすると、体が満腹を感じる前に必要以上に食べてしまうため、肥満のリスクが増大します。
「平成21年国民健康・栄養調査報告」によると、早食い率は肥満の人ほど高い傾向が見られます。
食べる速度が「速い」と回答した人の割合
| 体型別 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 肥満(BMI25以上) | 63.9% | 46.5% |
| 普通体型(BMI18〜25未満) | 47.2% | 36.1% |
| 痩せ型(BMI18未満) | 35.0% | 28.5% |
出典:厚生労働省「平成21年国民健康・栄養調査報告」体型別 食べる速さの状況(20歳以上)より速い回答のみを抜粋
よく噛んでゆっくり食べることは、「肥満症診察ガイドライン」の中でも肥満症対策の行動療法の一つとして挙げられている方法で、厚生労働省も推奨しています。
厚生労働省の検討会では、一口30回噛む習慣を奨める「噛ミング30(カミングサンマル)」運動を提唱しています[4]。
引用元:速食いと肥満の関係 -食べ物をよく「噛むこと」「噛めること」 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
GLP-1ダイエットにおいても、以下のようなさまざまなメリットがあります。
- 脳内の満腹中枢が刺激され、少量の食事でも満足感を得られる
- 咀嚼による刺激が内臓脂肪の燃焼をサポートすることが期待できる
- 食事の消化吸収が緩やかになり、血糖値の急上昇を抑えられる
日々の食事で「よく噛む」習慣を取り入れるためには、以下のポイントを意識しましょう。
- 一口30回以上を目安に噛む
- 根菜やきのこ類など歯応えのある食材を意識して選ぶ
- スマホやテレビを見ながらの「ながら食べ」を避け、食事に集中する
- 食事の合間に水分を摂り、早食いを防ぐ
- 一口ごとに箸を置き、食事の速度を調整する
これらを意識することで、少量の食事でも満足感を得られ、GLP-1ダイエットの効果を高めることができます。
適度な有酸素運動により筋肉量を維持する
GLP-1ダイエットでは食事量が減ることで、筋肉までも落ちてしまうリスクがあります。
筋肉が減少すると基礎代謝が低下し、リバウンドしやすい体質になる可能性があるため、運動で筋肉量を維持することが重要です。
運動しないで、食事の量だけ減らすと・・・ 体脂肪だけではなく、筋肉も一緒に落ちてしまいます。いったん体重を落としても、リバウンドすると、以前よりも体脂肪の割合が増えてしまいます。
引用元:農林水産省「No4 健康な毎日を過ごすために」
- 筋肉量を維持して基礎代謝を保つ
- 有酸素運動により体脂肪を効率的に分解する
- 心肺機能の向上やストレス解消にもつながる
適度な運動により筋肉を維持することで基礎代謝が保たれ、エネルギー消費量を高められるため、ダイエット後のリバウンドリスクを軽減できます。
ウォーキングやジョギングといった適度な有酸素運動を取り入れることで、体脂肪を効率的に燃焼させる効果にも期待できます。
また、心肺機能の向上やストレス解消にもつながり、全身の健康をサポートします。
なお、GLP-1受容体作動薬は血糖値を下げるため、筋トレなどの無酸素運動をすると低血糖のリスクが高くなる場合があります。
医師と相談の上、無理のない範囲で有酸素運動を取り入れましょう。
過度な飲酒を控えて膵臓の負担を軽減する
GLP-1は膵臓に作用しインスリンの分泌を促すホルモンであり、膵臓の健康状態はGLP-1受容体作動薬の効果にも影響し得ます。
過度な飲酒は、間接的に膵臓の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、適度な摂取量を心がけ、膵臓への負担を軽減することが大切です。
アルコールを過剰に飲むことによる膵臓の障害は、肝臓と異なりアルコールそのもの、というよりはアルコールによって体内で生じた炎症物質などに他の要因が加わって膵臓が障害を受けると言われています。
引用元:帝京大学医学部附属病院「肝臓・膵臓とアルコールについてー耳の痛くないお話ー」
また、飲酒による自制心の緩みが過剰な食事摂取を招くリスクも懸念されます。
日頃から飲酒の量が多いと感じる方は、1日あたりの適量を守り、健康やダイエットに悪影響を与えるリスクを軽減しながら楽しむことをおすすめします。
- 厚生労働省が推奨する1日の適量は、1日平均純アルコール量20g(ビール500ml、清酒180ml)が目安。
- 野菜やタンパク質を含む食事と一緒に飲むことで、胃腸や膵臓への負担を軽減する。
- おつまみは揚げ物やお菓子ではなく、枝豆や豆腐など栄養価の高いものを選ぶ。
飲酒がストレス解消の手段になっている場合は、この機会に運動や趣味など別のストレス解消法を取り入れてみるのも良い生活習慣の見直しとなるでしょう。
GLP-1ダイエットに関するよくある質問
GLP-1ダイエットを始めるにあたっては、費用や副作用、効果の出方など多くの疑問が生じるものです。
- GLP-1ダイエットの費用はどれくらい?
- 副作用が出た場合の対応は?
- どのくらいの期間で変化を感じる?
- GLP-1受容体作動薬の違いは?
- 食事制限や運動なしでも大丈夫?
特に、治療期間や費用面に関する不安は多くの方が抱える関心事項と言えるでしょう。
以下では、GLP-1ダイエットに関するよくある質問について詳しく解説します。
- GLP-1ダイエットの費用はどれくらい?
-
GLP-1ダイエットの費用は、使用する薬剤やクリニックによって異なります。
以下に主な薬の種類とその費用の目安をまとめました。
飲み薬- 3mg: 月額5,000〜18,000円(税込)
- 7mg:月額15,000〜25,000円(税込)
- 14mg:月額25,000〜35,000円(税込)
注射薬(GLP-1受容体作動薬)月額15,000〜27,000円(税込)
注射薬(GIP/GLP-1受容体作動薬)月額31,000〜35,000円(税込)
これらに加えて、初診料・再診料、薬の配送料などが別途必要になる場合があります。
費用を確認する際は複数のクリニックを比較し、長期的な金額をシミュレーションして検討するようにしましょう。
- 副作用が出た場合の対応は?
-
GLP-1ダイエット中に副作用が発生した場合は、速やかに医師に相談することが大切です。
特に、嘔吐や激しい腹痛、低血糖症状(めまい、冷や汗など)が出た場合は、ただちに医療機関を受診しましょう。
副作用のリスクを軽減するためには、医師の指示に従い低用量から開始し、用法用量を守って使用することが大切です。
クリニックを選ぶ際には、オンラインでの再診が可能かどうかなど、サポート体制についてもしっかりと確認しておきましょう。
- どのくらいの期間で変化を感じる?
-
GLP-1ダイエットの効果の現れ方には個人差がありますが、一般的に3〜6ヶ月程度の継続使用が推奨されています。
少しずつ食欲抑制に慣れていくことで、自然な体重減少を目指しましょう。
また、途中で短期間に使用をやめるとリバウンドの恐れがあるため、継続期間は医師と相談しながら決めるのがおすすめです。
- GLP-1受容体作動薬のざっくりとした違いは?
-
GLP-1受容体作動薬は、基本的な作用は同じですが、投与方法や投与量、費用が異なります。
医師と相談した上で、自分のライフスタイルに合ったものを選択しましょう。
飲み薬- こんな人向け:注射が苦手な方、毎日服用する習慣をつけやすい方
- メリット:注射薬より費用が安めの場合が多い
注射薬- こんな人向け:毎朝服用するのが難しい方、徐々に増量したい方、週1回の投与で済ませたい方
- メリット:投与量を調整しやすい
- 食事制限や運動なしでも大丈夫?
-
GLP-1受容体作動薬には食欲抑制効果が期待できますが、それだけで理想のダイエット成果を得るのは難しいことがあります。
過度な食事制限や運動は必要ありませんが、効果を高める生活習慣の実践をおすすめします。
効果を高める生活習慣- バランスの良い食事を心がける:GLP-1ダイエットによる栄養不足を避ける
- 食事はゆっくりと時間をかける:噛む回数を増やすことで少量でも満腹感を得やすい
- 適度な有酸素運動を取り入れる:食事量減少による筋肉低下を防ぐ
- 過度な飲酒は控える:膵臓への負担を軽減する
GLP-1ダイエットとオンライン診療の注意点を理解して、無理のない体重管理を目指そう
この記事では、GLP-1ダイエットの基本的な仕組みから薬剤の種類、副作用のリスクと注意点、効果を高める生活習慣まで、幅広く解説してきました。
GLP-1ダイエットを始める前に押さえておきたい重要なポイントは、以下の2つです。
- 副作用やリスクを理解すること
- 費用は長期的な視点で計画すること
GLP-1ダイエットには副作用(低血糖や膵炎など)のリスクがあり、万が一重大な副作用が発生した場合でも、公的救済制度の適用外となることを理解しておきましょう。
また、医療保険が適用されない自由診療であり、3〜6ヶ月以上の継続が一般的なため、長期的な費用計画を立てることが重要です。
オンライン診療を活用すれば、忙しい方でも無理なく治療を始められますが、丁寧な説明や充実したフォロー体制がある信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。
GLP-1ダイエットでは、単に薬を使用するだけではなく、バランスの取れた食事や適度な運動との組み合わせによって、効果を最大限に引き出すことが期待できます。
以下の習慣を取り入れることで、より健康的なダイエットが続けやすくなります。
- 栄養バランスの良い食事で栄養不足を防止する
- ウォーキングやヨガなどの適度な運動を、無理のない範囲で取り入れる
- 飲酒のコントロールで膵臓への負担を減らし、ダイエット効果をサポート
GLP-1ダイエットは体重を減らすだけでなく、健康的な生活習慣を見直すきっかけにもなる肥満治療法です。
医師と相談し、自分に合った方法で健康的な減量を目指しましょう。
ご相談はこちらから▼
萩原 謙 山下 裕玄「肥満症診療ガイドライン 2022 の要旨と概説」 日大医誌,82 (5): 255–261 (2023)
日経メディカル処方薬事典|医療・医薬関係者向け医薬品検索データベース
京都府立大学 農学食科学部 農学生命科学科 「話題の腸ホルモンGLP-1の食欲調節作用について総説を発表しました(動物機能学)」
糖尿病リソースガイド 「GLP-1受容体作動薬は脂肪性肝疾患(MASLD)の治療でも効果 MASLDに2つの異なるタイプが」
National Library of Medicine PubMed 「The physiology of glucagon-like peptide 1」
National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases (NIDDK) 「What’s New in Medications for Weight Management for People with Diabetes」
本記事で説明した治療・薬剤の情報は、あくまで一般的な理解の一助とするものであり、個人の症状や体質、既往症によって適切さが異なる場合があります。
自由診療や未承認の医薬品・適応外使用に関する治療は、国の承認を得た医療行為ではなく、自己責任のもとで行われるものです。必ず担当の医師と十分に相談のうえ、リスクや費用を含め総合的に判断してください。
効果や安全性に関する記述は、あくまで現時点で得られている情報や一般的な臨床データに基づいており、特定の結果を保証するものではありません。また、効果や副作用は個人差があります。
本記事内の情報は最新かつ正確なものであるよう努めていますが、万一内容に誤りがあった場合や情報が更新されていた場合でも、一切の責任を負いかねます。治療を開始する前に、必ず複数の情報源を確認し、医師のカウンセリングを受けるなど、ご自身で十分な情報収集を行ってください。
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