ご予約・お問い合わせ

096-360-9013

熊本市東区佐土原1-16-36

LINEで問い合わせ

マンジャロの副作用と危険性とは?使用前に知っておきたいリスクと対処法

マンジャロの副作用と危険性とは?使用前に知っておきたいリスクと対処法

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、最近登場した注目のGLP-1作動薬です。

もともとは2型糖尿病の治療薬として開発され、血糖値のコントロールに用いられてきましたが、その作用により優れた体重減少効果を示すことから、肥満症の新たな治療法としても期待されています。

実際、海外で実施された臨床試験ではマンジャロ投与群で平均して20%前後もの体重減少が報告されており、この結果を受けてアメリカ食品医薬品局(FDA)は2023年にマンジャロを肥満治療薬(商品名:ゼップバウンド)として承認しました。

このように高い減量効果が注目される一方、薬剤である以上、副作用(好ましくない作用)の存在にも目を向ける必要があります。

マンジャロで起こりうる主な副作用
  • 吐き気、下痢、便秘、食欲不振、嘔吐、胃もたれ(消化不良)、腹痛などの消化器症状
  • 低血糖(他の糖尿病薬との併用時)
  • 急性膵炎(低頻度)
  • 胆嚢炎・胆石症などの重篤な炎症(低頻度)
  • アナフィラキシーなどのアレルギー反応(稀に発症)

効果とリスクの両面を正しく理解し、安全に活用するための知識を身につけましょう。

この記事でわかること
  • マンジャロ使用時に注意すべき副作用とその対処法
  • 安全に使用するための禁忌事項と注意が必要なケース
  • 副作用を防ぐための服用方法と生活上の工夫
  • 治療中に必要な検査や医師との連携ポイント
はじめに(免責・注意事項)

本記事は、あくまでも一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、医療上の助言や診断、治療を推奨するものではありません。

GLP-1受容体作動薬をはじめとする医薬品や施術は、個人の健康状態や体質によって効果・副作用が異なる可能性があります。投薬や治療を希望される方は、必ず医師をはじめとする医療従事者と相談のうえ、十分な説明を受けてから自己責任においてご判断ください。

また、本記事で紹介する治療法の一部には日本国内で未承認の用途や自由診療に該当するものがあります。その点を十分にご理解いただき、ご自身で最新の情報を確認しながら、適切な医療機関で受診されることをおすすめいたします。

本記事の内容は公開時点の情報に基づいていますが、法改正やガイドラインの変更、医学的知見の進歩等により情報が変わる可能性があります。最新情報につきましては、必ず公的機関や各医療機関の公式情報をご確認ください。

目次
  1. マンジャロとは?肥満治療にも注目される新薬の特徴と効果
    1. インスリン分泌促進と食欲抑制:マンジャロの作用機序
    2. 臨床試験で示された高い減量効果
  2. マンジャロの危険性と重篤な副作用について
    1. 消化器系の副作用(吐き気・嘔吐・下痢など)
    2. 低血糖のリスク(糖尿病治療薬との併用時)
    3. 稀に起こる重篤な副作用(急性膵炎・胆嚢炎など)
    4. 副作用が出たときの対処法と受診の目安
  3. マンジャロの危険性を下げるために注意すべきこと
    1. 使用を避けるべき人・注意が必要な人(禁忌と注意事項)
    2. 安全に使用するためのポイント(副作用予防と定期チェック)
  4. マンジャロに関するよくある質問(FAQ)
  5. まとめ:マンジャロの副作用を理解して安全に活用しましょう

マンジャロとは?肥満治療にも注目される新薬の特徴と効果

マンジャロ

マンジャロは、インクレチンと呼ばれる消化管ホルモンを模倣することで血糖値を下げるGLP-1受容体作動薬の一種です。

2022年に米国で2型糖尿病治療薬として承認されて以来、優れた血糖降下作用に加えて体重減少効果も確認されたため、肥満症治療への応用が検討されるようになりました。

マンジャロの特徴は“デュアルインクレチン”とも呼ばれる二重の作用機序にあります。

具体的には、腸から食事の後に分泌されるホルモンであるGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)とGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)の両方の受容体に作用し、インスリン分泌促進と食欲抑制という二つの効果を同時にもたらします。

血糖値が上昇した時にインスリンの分泌を促すことで血糖コントロールを改善すると同時に、胃の内容物排出を遅らせて満腹感を長持ちさせ、脳の満腹中枢にも作用して食欲を抑制します。

これにより、食事の摂取量が自然に減少し、無理のない形での減量につながる点がマンジャロの大きな特徴です。

「カロリー計算をしなくても満腹だと脳に信号を送って食べ過ぎを防ぐ」と専門家が述べているように、マンジャロは生理的メカニズムで食欲を抑えることで減量をサポートします。

また、GLP-1とGIPという二種類の経路に働きかけることで減量効果が相乗的に高まり、減量の停滞期(プラトー)を乗り越える効果も期待されています。

このような作用機序から、マンジャロは従来の治療薬に比べても高い効果を発揮する可能性があると注目されています。

インスリン分泌促進と食欲抑制:マンジャロの作用機序

マンジャロの作用機序は、「インスリンの分泌促進」と「食欲の抑制」という二本柱です。

有効成分チルゼパチドは、食事摂取後に消化管から放出されるホルモンGLP-1とGIPの両方の作用を再現します。

まず、血糖値が高いときに膵臓のβ細胞からのインスリン分泌を促し、血糖を下げる効果があります。

一方で、胃の内容物の排出(胃排泄)を遅らせることで満腹感を持続させ、さらに脳内の受容体に作用して「もう満腹だ」というシグナルを増強します。

平たく言えば、「食べた後の満足感」を強めて食べ過ぎを防ぐのがマンジャロの仕組みなのです。

これにより、患者さん自身が強い意志で食事制限をしなくても摂取カロリーが減少しやすくなります。

たとえば米国の専門医は「カロリー計算をする代わりに、満腹だと脳に伝えて食べる量を減らす薬だ」と述べており、生活習慣の改善と併せて用いることで効率的な減量が期待されています

ただし、作用が強力な分、吐き気や胃もたれなど消化管への副作用も起こりやすくなります(詳細は後述)。

そのため、マンジャロは通常低用量から開始して徐々に増量する方法が採られ、副作用に注意しつつ治療が進められます。

以上のように、マンジャロはホルモンを利用したユニークな作用機序によって血糖値改善と食欲抑制を両立する新薬です。

臨床試験で示された高い減量効果

マンジャロが肥満治療で注目を浴びている最大の理由は、その顕著な減量効果にあります。

臨床試験の結果によれば、マンジャロを週1回投与された被験者は約72週間(1年半弱)で平均して自身の体重の20%前後を減らすことができました

例えば体重100kgの方であれば、およそ20kgもの減量に相当します。

この効果は、従来の肥満治療薬や生活習慣改善のみの場合と比較して飛躍的に大きな減少率です。

2022年に実施された第3相ランダム化比較臨床試験では、チルゼパタイドが72週間で体重を20%減少させることが実証されました。

Weill Cornell Medicine Tirzepatide Enhances Weight Loss with Sustained Treatment but Discontinuation Leads to Weight Regain

こうした試験結果を受け、米国FDAはマンジャロを肥満症治療薬として承認し、BMIが一定以上の肥満患者への使用が公式に認められました。

さらに別の試験では、マンジャロの投与を継続したグループで最終的に平均25%近い体重減少に達したとの報告もあります。

一方で、途中でマンジャロの投与を中止したグループでは減量効果の一部が失われ、体重が半分程度戻ってしまったことも確認されています。

これは、マンジャロの効果を維持するには継続的な治療が重要であることを示唆しています。

専門家も「肥満は高血圧や糖尿病と同じく慢性疾患であり、減量効果を保つには薬を使い続ける必要がある」と指摘しており、マンジャロも例外ではないということです。

したがって、マンジャロによる減量は「魔法の薬で一時的に痩せる」というよりも、長期にわたる体重管理の一環と捉える必要があります。

今後も長期的な有効性と安全性を評価する研究が続けられており、適切な医療管理の下で安全に使用していくことが求められます。

マンジャロの危険性と重篤な副作用について

マンジャロの副作用

効果の高いマンジャロですが、副作用が起こる可能性も十分に理解しておく必要があります。

新しい薬であるマンジャロは、多くの人にとって比較的使いやすいとされていますが、それでも副作用が出ることはめずらしくありません。

副作用として特に報告が多いのは消化器系の症状です。

これはマンジャロの作用機序が消化管ホルモンに働きかけることと関係しており、実際に臨床試験でも吐き気や下痢、便秘など胃腸の不調が生じる傾向が認められました。

メーカーが出している情報によれば、マンジャロで5%以上の患者にみられる頻度の高い副作用は、吐き気、下痢、食欲減退、嘔吐、便秘、消化不良(胃もたれ)、腹痛などです。

多くの場合、これらの症状は投与開始直後や増量時に一時的に起こりやすく、時間の経過とともに改善することが報告されています。

実際、マンジャロの試験では副作用が原因で中止に至ったケースは少数にとどまり、消化器症状も適応が進むにつれて次第に落ち着いていく傾向がみられました。

とはいえ、副作用の現れ方には個人差があり、中には症状が強く日常生活に支障をきたす場合もあります。

そのため、マンジャロを使用する際は事前に考えられる副作用について理解し、適切に対処できるよう備えておくことが大切です。

マンジャロ使用中の主な副作用一覧

主な副作用発生しやすいタイミング備考・対処法
吐き気・嘔吐開始初期・増量時多くは軽度〜中等度。少量の食事、水分補給、脂質控えめ食で対処。
下痢・便秘・胃もたれ・腹痛開始初期・増量時一時的なケースが多いが、症状強い場合は医師と用量相談。
食欲不振継続中もみられる場合あり食事は無理せず少量ずつ摂取。脱水・低血糖に注意。
低血糖(発汗・手の震え・動悸・ふらつき・意識混濁など)糖尿病治療薬との併用時糖尿病薬と併用時に注意。ブドウ糖常備と血糖測定が推奨される。
急性膵炎稀に発症持続する強い腹痛(背中まで響く)や嘔吐があれば、即受診。
胆嚢炎・胆石症稀に発症右上腹部痛・発熱・黄疸など。早期受診・画像検査が必要。
アナフィラキシー・血管浮腫(重度のアレルギー)注射後直後〜数時間以内顔の腫れ、息苦しさ、全身じんましん等。緊急対応が必要。

一方、頻度は高くないものの重篤な副作用の可能性も報告されています。

マンジャロを含むGLP-1作動薬では、急性膵炎(すい臓の急激な炎症)の症例がこれまでに報告されており、添付文書にも「膵炎の徴候があれば使用を中止する」といった警告が記載されています。

また、特に糖尿病治療中の患者さんでインスリン製剤やスルホニル尿素薬などと併用する場合には、低血糖(血糖値の下がりすぎ)に注意が必要です。

マンジャロ自体は血糖が高い時にのみインスリンを分泌させるため単独では低血糖を起こしにくい薬ですが、他の血糖降下薬と一緒に使うと相乗効果で血糖値が過度に下がり、重度の低血糖発作(意識消失や痙攣を伴う低血糖)を起こすリスクがあります。

さらに、胆嚢炎・胆石症など胆嚢に関わる問題もごく稀に指摘されています。

臨床試験の集計では、マンジャロ投与群の0.6%程度に胆石や胆嚢炎などの胆嚢疾患が発生し、プラセボ群(偽薬)では報告が0%だったとのデータがあります。

MOUNJAROプラセボ対照臨床試験において、急性胆嚢疾患(胆石症、胆道仙痛、胆嚢摘出術)は、MOUNJARO投与群の0.6%、プラセボ投与群の0%で報告されました。

DailyMed Label: MOUNJARO- tirzepatide injection, solution

頻度としては非常に低いものの、急激な減量や薬の作用により胆汁の流れが変化して胆石ができやすくなる可能性が考えられています。

以上の重篤な副作用はいずれも発生頻度は稀ですが、万一起こった場合には適切な対処が遅れると重大な結果を招く可能性があります。

マンジャロを使っているときに体調がおかしいと感じたら、そのままにせず、必要に応じてすぐに病院や医師に相談することが大切です。

消化器系の副作用(吐き気・嘔吐・下痢など)

マンジャロで最もよくみられる副作用は、胃腸に関連する症状です。

具体的には、吐き気(悪心)や嘔吐、下痢、便秘、そして胃部不快感(胃もたれ)や腹痛といった消化器系の不調が報告されています。

これらの症状はマンジャロの作用が消化管に及ぶために起こりやすく、特に治療開始初期や用量を増やしたタイミングで現れることが多い傾向があります。

たとえば「食欲がわかない」「少量食べただけで胃が重く感じる」といった感覚や、食後に軽い吐き気を催すケースがよくあります。

多くの場合、症状は軽度から中等度であり、適応とともに時間経過とともに軽減することが知られています。

実際、Weill Cornell MedicineとNewYork-Presbyterian Hospitalが行った臨床試験でも治療を続けるうちに吐き気や下痢といった症状は次第に収まり、長期的に安定して継続できた患者さんが大半でした

とはいえ、個人差が大きい部分でもあるため、日常生活に支障を感じるほど強い症状が出た場合には我慢せず主治医に相談してください。

症状緩和のためにマンジャロの投与量を調整したり、一時的に休薬したりする判断が必要になることもあります。

マンジャロ使用中の消化器系副作用に対する対処法

状況・症状対処法
吐き気・嘔吐がある少量の水分をこまめに補給。
脂っこい食事を避け、無理に食べず経口補水液などで対応。
下痢や腹痛がある脱水を防ぐため、電解質飲料を少しずつ摂取。
水分・塩分のバランスに注意。
食欲不振・胃もたれ消化に良い食事を、少量ずつ・ゆっくり食べる。
脂質や濃い味付けの料理は控える。
症状が強い・長引く主治医に相談。
必要に応じて投与量の調整や一時的な休薬が行われる。
日常生活に支障を感じる強い症状がある医療機関を早めに受診。
制吐剤や点滴など、医師による適切な対応が必要な場合も。

消化器症状への対処法としては、水分をこまめに補給することが基本です。

吐き気や下痢があるときは脱水しやすいので、少しずつでいいので水やスポーツドリンクなどを飲んで、体調をととのえるようにしましょう。

また、食事のとり方を工夫することも有用です。

脂肪分の多い食事や味の濃い料理は吐き気を誘発しやすいため控えめにし、消化に良いものを少量ずつ頻回に食べるようにすると胃腸の負担が軽減されます。

マンジャロの作用で食欲が落ちている場合でも、低血糖を防ぐために規則正しく少量でも栄養を摂ることが大切です。

嘔吐が続くときには無理に食事をせず、経口補水液などでまず水分とミネラルを補給しましょう。

いずれにせよ、症状が長引いたり悪化したりする場合や、耐え難いほど強い吐き気や腹痛がある場合には放置せず医療機関を受診してください。

医師は必要に応じて制吐剤(吐き気止め)を処方したり、点滴での補液を行ったりしてくれるでしょう。

消化器系の副作用はつらいものですが、一時的なケースが多いので、主治医と相談しながら適切に対処すればマンジャロ治療を継続できる可能性があります。

低血糖のリスク(糖尿病治療薬との併用時)

マンジャロ単独では低血糖(血糖値が正常範囲より下がりすぎる状態)を起こしにくい薬です。

これは、マンジャロが血糖値に依存してインスリン分泌を促す仕組みのためで、血糖値が低いときには過剰に血糖を下げる作用は現れにくいからです。

しかし、糖尿病治療薬(特にインスリン製剤や一部の経口薬)と併用する場合には注意が必要です。

マンジャロとこれらの薬を一緒に使うと、血糖を下げる作用が重なって低血糖を引き起こすリスクが高まります。

実際、添付文書にもインスリンやスルホニル尿素薬などのインスリン分泌促進薬との併用時には低血糖に注意と明記されており、必要に応じて他の薬剤の減量を検討するよう勧告されています。

糖尿病を併発していない肥満症の方がマンジャロを使う場合は過度な低血糖の心配は基本的にありませんが、糖尿病を合併している方や医師の判断でインスリン等と併用している方は特に慎重な血糖管理が求められます。

低血糖になると、発汗、動悸、手の震え、ふらつき、さらには意識混濁やけいれんといった症状が現れます。

マンジャロ使用中にこうした低血糖症状に気づいた場合、すぐにブドウ糖(グルコース)や砂糖を含む飲み物・飴などを摂取して血糖を上げる応急処置を行ってください。

マンジャロ使用中の低血糖対処法

状況対処内容
低血糖の初期症状に気づいたとき飴・ブドウ糖・ジュースなどで糖分をすぐ補給する
症状が続く、意識がもうろう周囲に助けを求め、迷わず119番通報を
普段の備え甘い物を携帯、定期的に血糖値をチェック
医師との連携糖尿病薬の量を見直してもらい、低血糖リスクを軽減する

症状が軽快しない場合や意識がもうろうとしている場合には、周囲の人に救急車を呼んでもらうなど速やかな対応が必要です。

予防のためには、血糖値の自己測定(特に糖尿病の方)を適切に行い、低血糖の兆候がないか日頃から確認することが重要です。

また、主治医と相談して他の糖尿病薬の用量調整を行うことも対策の一つです。

例えば、マンジャロを開始するタイミングでインスリン量をあらかじめ減らしておく、あるいは経口薬を減量することで低血糖のリスクを下げることが可能です。

医療者の指示のもとでこうした調整が行われることがありますので、指示に従いましょう。

さらに、低血糖のリスクがある方は常にブドウ糖(経口摂取できる糖分)を携帯し、万一の際にすぐ対処できるよう備えてください。

以上のように適切に管理すれば、マンジャロと他の糖尿病薬を併用する場合でも安全に治療を続けられるでしょう。

稀に起こる重篤な副作用(急性膵炎・胆嚢炎など)

頻度は非常に稀ながら、マンジャロでは重大な副作用の報告もいくつか存在します。

その代表が急性膵炎(すい臓の炎症)と胆嚢炎(胆嚢の炎症)です。

GLP-1作動薬のクラス全体で、急性膵炎の発症が報告されており、マンジャロについても海外の治験で約5,000人中13人(0.23人/100人・年)に急性膵炎が確認されました。

比較対象群では3人(0.11人/100人・年)だったことから、マンジャロ使用によりごく少数ながら膵炎リスクが増加する可能性が示唆されています。

急性膵炎になると上腹部の激痛や吐き気・嘔吐が生じ、痛みはしばしば背中側にまで放散するのが特徴です。

もしマンジャロ使用中に持続する強い腹痛が起こった場合(特に背中に痛みが響くような場合や嘔吐を伴う場合)、それは膵炎発症のサインかもしれません。

そのような症状が出現したら、直ちに医師の診察を受ける必要があります。

医療機関では血液検査(膵酵素の測定)や画像検査で膵炎かどうかを判断し、必要なら入院治療となります。

膵炎が確認された場合、マンジャロなど疑わしい薬剤の使用は中止されます。

急性膵炎の主な初期症状
  • 上腹部の強い痛み(背中に響くことも)
  • 吐き気・嘔吐
  • 発熱
  • 持続する腹部の圧迫感

もう一つ注意すべきは胆嚢(たんのう)のトラブルです。

マンジャロを含むGLP-1作動薬では、急速な体重減少に伴って胆石ができやすくなる可能性が指摘されています。

それに関連して胆石による胆嚢炎や胆管の閉塞が起こるケースが稀ながらあります。

前述のとおり、治験データではマンジャロ群の0.6%に胆石症や胆嚢炎が発生しています。

症状としては、右上腹部~みぞおちにかけての鋭い痛みや発熱、皮膚や白目の黄疸(黄ばみ)などが典型的です。

特に食後に腹部の激痛が出て、それに発熱や黄疸を伴う場合は胆嚢炎・胆管炎の緊急徴候です。

このような胆嚢に関連する症状が現れた場合も一刻も早く医療機関を受診する必要があります。

胆石や胆嚢炎が疑われる場合、医師は超音波検査やCT検査で胆石の有無を調べ、必要に応じて外科的治療(胆石除去や胆嚢摘出)が検討されます。

胆嚢疾患の主なサイン
  • 右上腹部またはみぞおちの鋭い痛み:食後に発生しやすく、突き刺すような強い痛み
  • 発熱:炎症や感染による発熱
  • 黄疸(皮膚や白目の黄ばみ):胆管の詰まりや胆汁の逆流が原因

なお、極めて稀ではありますが、マンジャロには重度のアレルギー反応(アナフィラキシーや血管浮腫)の報告もあります。

注射薬であるため、注射部位が赤く腫れたり痒くなったりする程度の反応は時折ありますが、ごく稀に全身のじんましんや呼吸困難、顔や喉のむくみ(血管浮腫)などの重い過敏症状が起こることがあります。

万一、注射後にこのような全身性のアレルギー症状が出た場合は、直ちに救急診療を受けてください。

総じて、マンジャロで重篤な副作用が起こる可能性は低いもののゼロではありません。

特に膵炎や胆嚢炎のように命に関わる状態に進展しうる副作用については、患者さん自身がその初期症状のサインを知っておくことが重要です。

治療中に「いつもと違う激しい痛み」や「明らかな体調悪化」を感じたら、ためらわず医療者に連絡し指示を仰ぐようにしましょう。

早期に対処すれば重症化を防ぎ、安全に治療を継続することが可能です。

副作用が出たときの対処法と受診の目安

マンジャロ使用中に副作用と思われる症状が出現した場合の対処法と、どの程度で医療機関を受診すべきかの目安について解説します。

まず軽度の症状に対しては、自宅で経過を見る対応で十分なことが多いです。

例えば軽い吐き気や軟便程度であれば、前述したように水分をしっかり補給し、胃に優しい食事を心がけながら様子を見てもよいでしょう。

また、一過性の食欲不振であれば無理に食べず、調子の良いときに消化の良いものを少量摂るなど柔軟に対応してください。

決して自己判断で他の市販薬をむやみに追加しないことも大切です(症状緩和薬を使用する場合は医師や薬剤師に相談しましょう)。

一方、次のような場合は早めに医療機関へ連絡または受診することを強くおすすめします。

医療機関を受診する目安
  • 症状が強く辛い場合:嘔吐が繰り返し起こって水も飲めない、激しい下痢でトイレから離れられない、耐え難い頭痛やめまいがする、など日常生活に支障を来すレベルの副作用が出た場合。
  • 症状が長引く場合:比較的軽い症状でも数日以上続いて改善が見られない場合や、徐々に悪化している場合。
  • 重篤な症状の兆候がある場合:上記の急性膵炎や胆嚢炎の疑いにつながる症状(激しい腹痛、発熱、黄疸、背中に放散する痛み、持続する嘔吐など)や、重度の低血糖症状(意識障害、けいれん)等がみられた場合。
  • アレルギー反応が疑われる場合:注射後に全身にじんましんが広がった、息苦しさや喉の腫れを感じる等のアレルギー症状が出現した場合。

以上のような状況では、自己判断でマンジャロの次回投与を中止することも必要ですが(低血糖リスクを除き、基本的にマンジャロは中断しても急激な禁断症状はありません)、それ以上にまず医療者の判断を仰ぐことが重要です。

症状に応じて、医師はマンジャロの継続可否や他の治療への切り替え、対症療法の指示を出してくれるでしょう。

例えば低血糖であれば糖分の補給と糖尿病薬の調整、膵炎が疑われれば画像検査と専門治療、重い吐き気であれば点滴や制吐薬の使用、といった具合です。

最後に、副作用に対処する上で大切なのは「我慢しすぎないこと」と「適切に医療者を頼ること」です。

マンジャロは有用な薬ですが、体質に合わない場合や体調によっては別の選択肢に切り替えるほうが安全なこともあります。

症状を無理に耐え続けて重篤化させるより、早めに相談して方針を見直す方が結果的に良いケースも少なくありません。

医師や薬剤師に遠慮なく症状を伝え、副作用への不安や疑問があれば質問してください。

きちんとしたサポートを受けながら治療を続けることで、マンジャロの効果をしっかり得ながら、副作用のリスクをできるだけ少なくすることができます。

マンジャロの危険性を下げるために注意すべきこと

マンジャロ(一般名チルゼパチド)は、糖尿病治療薬として高い効果を示す一方で、副作用や使用上の注意点について理解しておくことが重要です。

新しいタイプのGLP-1作動薬であるマンジャロは、血糖コントロールや体重減少に優れた効果をもたらすことが報告されています。

しかし、どんな薬剤にも副作用の可能性があり、安全に使用するためには正しい知識と医師の指導が欠かせません。

マンジャロでよく見られる副作用は、吐き気・下痢・便秘などの消化器の症状です。これらは多くの場合一時的なもので、ほかのGLP-1の薬と同じくらい安全と考えられています。

一方で、高用量では低血糖のリスクや注射部位反応などに注意が必要です。

また、マンジャロには特定の禁忌や注意事項が定められており、例えば甲状腺の特定の腫瘍のリスクに関する警告が存在します。

以下では、マンジャロを安全に活用するために、使用を避けるべき人・注意が必要な人(禁忌と注意事項)および安全に使用するためのポイント(副作用予防と定期チェック)について詳しく説明します。

使用を避けるべき人・注意が必要な人(禁忌と注意事項)

マンジャロには使用が禁忌(絶対に避けるべき)となっている方や、使用に慎重な注意が必要な方がいます。

以下に主な例を挙げます。

甲状腺の髄様がん(MTC)の既往・家族歴がある方、およびMultiple Endocrine Neoplasia症候群 type2 (MEN2) の方

マンジャロは、動物実験で甲状腺のC細胞腫瘍を誘発する可能性が示唆されており、人での明確なリスクは不明ですが、理論上のリスクからこれらの方には使用が禁忌とされています。

同様に、過去に甲状腺の腫瘍に関するリスク要因がある方も原則として避けるよう勧められます。

重篤なアレルギー既往のある方

マンジャロの有効成分チルゼパチドや添加物に対し、アナフィラキシーや血管性浮腫など重い過敏反応を起こしたことがある方も禁忌です。

他のGLP-1受容体作動薬で重大なアレルギーを起こしたことがある場合も、使用は極めて慎重に検討されます。

妊娠中・授乳中の方、または妊娠の可能性がある方

妊娠中の安全性は確立しておらず、動物試験では胎児への奇形など有害影響が報告されています。

そのため妊婦や妊娠を希望する方には原則使用しません。

GLP-1作動薬は妊娠中の使用は安全でないとされており、服用中に妊娠が判明した場合はただちに医師に相談する必要があります。

1型糖尿病の方

マンジャロは2型糖尿病向けに承認された薬であり、1型糖尿病には使用しません。

インスリン分泌がほとんどない1型糖尿病では効果が期待できず、安全性も検証されていないためです。

急性膵炎の既往がある方

GLP-1受容体作動薬全般に、まれに膵炎のリスクが指摘されています。

マンジャロも膵炎患者では十分な試験が行われていないため、過去に膵炎を起こしたことがある方や膵炎のリスクが高い方は慎重な判断が必要です。

服用中に激しい腹痛(特に背部への放散痛)など膵炎を疑う症状が出た場合は、直ちに医療機関を受診してください。

重度の胃腸障害がある方

マンジャロは胃の内容物排出を遅らせる作用があり、消化管の運動機能に影響を与えます。

そのため重い胃腸の通過障害や胃の神経障害(胃不全麻痺など)がある場合は、症状悪化の恐れがあるため使用を避けるか慎重投与が求められます。

胆嚢疾患のある方

急激な体重減少は胆石症や胆嚢炎を誘発することがあり、マンジャロの臨床試験でも報告があります。

既に胆石や胆嚢疾患のある方では症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。

糖尿病性網膜症のある方

血糖コントロールが急速に改善すると、一時的に網膜症が悪化することがあります。

インスリンなどで網膜症の診断を受けている方は、マンジャロ開始前に眼科検査が最新の状態か確認し、治療中も眼症状の変化に注意する必要があります。

腎機能が低下している方や脱水しやすい方

マンジャロの副作用である嘔吐や下痢による脱水は、急性腎障害を引き起こす可能性があります。

既に慢性腎臓病がある方や高齢者など脱水に弱い方では、十分な水分補給と慎重な経過観察が求められます。

腎機能が極端に低下している場合には投与量の調整や他薬への変更を検討することもあります。

以上のように、マンジャロの使用にあたっては患者さん個々の病歴や状態を考慮し、禁忌に該当しないか確認するとともに、慎重なモニタリングが必要なケースでは医師の指導のもと注意深く投与することが大切です。

安全に使用するためのポイント(副作用予防と定期チェック)

マンジャロを安全かつ効果的に活用するためには、以下のポイントに注意してください。

指示された用法用量を守り、徐々に増量する

マンジャロは週1回の皮下注射薬で、治療開始時は低用量(通常2.5mg)から開始し、少なくとも4週間ごとに段階的に増量します。

これは、副作用である吐き気や下痢を和らげ、体が慣れるのを待つための措置です。

医師の指示通りに「低い用量からゆっくり開始する(Start Low, Go Slow)」ことで、副作用の発現を抑え安全性を高めることができます。

副作用症状への対策

投与初期や増量時に現れやすい吐き気や食欲低下などの症状に対しては、少量の食事をゆっくり摂る、脂っこい食品や過度のアルコールを控える、こまめな水分補給を行うといった工夫が有効とされています。

多くの場合、こうした胃腸症状の副作用は時間経過とともに改善します。

一時的な軽度の症状であれば心配いりませんが、症状が強い場合は我慢せず医師に相談し、必要に応じて吐き気止めの処方や用量調整を受けましょう。

併用薬と低血糖への注意

マンジャロ自体は低血糖を起こしにくい薬ですが、インスリン製剤やスルホニル尿素薬など血糖を下げる他の糖尿病薬と併用する場合、低血糖のリスクが高まります。

そのため医師はこれら併用薬の減量を検討したり、患者さんに自己血糖測定を増やすよう指導します。

めまいや冷や汗、動悸など低血糖症状に気づいたら、すぐにブドウ糖(砂糖水や飴、ジュース等)を摂取し、必要なら医療機関を受診してください。

定期的な検査・受診

マンジャロ使用中は、医師の指示するスケジュールで定期的に経過観察を受けることが重要です。

具体的には3か月ごとのHbA1c(ヘモグロビンA1c)測定や体重の記録を行い、血糖コントロールや減量効果を評価します。

腎機能や肝機能も必要に応じて血液検査でチェックします。

また定期受診時には副作用の有無を報告し、医師と相談の上で治療を継続・調整します。

特に治療開始後3か月と6か月目に、効果判定と副作用チェックのための詳しい評価を行うことが推奨されています。

重篤な症状の早期発見

前述の膵炎など重大な副作用はまれですが、万一「激しい持続的な腹痛」「黄疸が出る」「視力の急激な悪化」など普段と明らかに異なる症状が出た場合、すぐに服用を中止し医師に連絡してください。

甲状腺腫瘍に関する警告症状(例:首のしこり、嚥下困難、声のかすれ等)があれば、早めに医療機関で検査を受けることも大切です。

このような重篤な副作用は非常にまれですが、早期対応が重要です。

妊娠・授乳計画の共有

妊娠の可能性がある方は、治療開始前に医師へその旨を伝えてください。

治療中に妊娠が判明した場合は直ちに医師と相談し、必要なら薬の中止や代替治療への切り替えを行います。

避妊が必要な期間についても医師から指示があります(一般に服用中および中止後少なくとも数週間は有効な避妊法を継続することが推奨されます)。

授乳中の安全性も不明なため、授乳中の場合も事前に相談し慎重に対応します。

以上のポイントを守ることで、マンジャロによる治療効果を最大限に引き出しつつ、副作用リスクを最小限に抑えることができます。

必ず処方医の指導の下で使用し、自己判断での増減量や中止は避けてください。

何か不安なことがあれば早めに専門医に相談することが、安全に治療を続ける秘訣です。

マンジャロに関するよくある質問(FAQ)

マンジャロは新しいタイプの薬であるため、その副作用や使い方について様々な疑問を持つ方が少なくありません。

ここでは、患者さんや一般の方向けによく寄せられる質問にQ&A形式でお答えします。

副作用の持続期間から肥満症治療への応用、保険適用や費用、さらには期待できる減量効果まで、マンジャロに関する代表的な疑問点について分かりやすく解説します。

正しい知識を持つことで不安を軽減し、治療に前向きに取り組めるようお役立てください。

マンジャロの副作用(吐き気・下痢)はいつまで続きますか?

吐き気や下痢は、使用開始直後や用量増加時に現れやすいですが、多くは数日~数週間で軽減します。症状がつらい場合は医師に相談し、用量調整や対処療法を行うことで改善が期待できます。

マンジャロは肥満症の治療に使えますか?

はい。マンジャロ(ゼップバウンド)は糖尿病治療薬として開発されましたが、肥満症にも高い減量効果が認められ、2023年にアメリカで肥満症治療薬として承認、日本でも2024年に一部条件下(BMI35以上等)で承認されました。

いずれにせよ肥満症への使用時も医療従事者の管理下で行われ、食事・運動療法の併用が推奨されます。自己判断で入手・使用することは避け、必ず専門医に相談してください。

マンジャロは保険適用されますか?費用はどれくらいかかりますか?

糖尿病治療目的で使用する場合は保険適用となり、3割負担で月4,600~13,800円程度です。肥満症目的では条件付きで保険適用が可能ですが、美容目的では全額自己負担(保険適用外)となります。

マンジャロでどれくらい体重を減らせますか?

海外の臨床試験では、非糖尿病の肥満者で平均16〜22%、糖尿病患者で約12%の減量効果が報告されています。個人差は大きく、減量率は年齢や性別、併存疾患、生活習慣などによって異なります。

マンジャロは強力な食欲抑制・血糖改善効果によって減量を後押ししますが、あくまで補助であり、適切な食事管理や運動療法を並行することが成功の鍵です。

まとめ:マンジャロの副作用を理解して安全に活用しましょう

マンジャロ(チルゼパチド)は、糖尿病治療と体重管理において画期的な可能性を秘めた薬剤ですが、その有用性を最大限に引き出すためには副作用と安全性への十分な理解が欠かせません。

本記事の後半では、マンジャロ使用時の禁忌事項や注意すべき人々、そして安全に使用するための具体的ポイントについて詳しく説明しました。

特に、甲状腺疾患や重篤なアレルギー歴がある方では使用できないことや、消化器症状など一般的な副作用は時間とともに軽減することなどを確認してきました。

また、副作用を最小限にするためには低用量から開始して徐々に増量する計画遵守、定期的な検査と診察によるモニタリング、副作用への適切な対処が重要である点も強調しました。

マンジャロの登場により、従来治療で効果不十分だった方々にも新たな選択肢が提供されつつあります。

しかし、優れた効果の裏にはリスクも存在するため、「効果」と「安全」のバランスをとりながら賢く活用することが求められます。

読者の皆さまには、マンジャロの副作用と安全性について正しい知識を持ち、主治医と十分に相談した上で治療に臨んでいただきたいと思います。

適切な患者教育と医療者のサポートのもとで治療を進めれば、マンジャロは安全に用いることができ、健康改善という大きな果実をもたらしてくれるでしょう。

今回学んだポイントを踏まえ、ぜひ不安を解消しながら前向きに治療に取り組んでください。

ご相談はこちらから▼

LINEバナー
参考文献・参考サイト
免責事項・注意喚起

本記事で説明した治療・薬剤の情報は、あくまで一般的な理解の一助とするものであり、個人の症状や体質、既往症によって適切さが異なる場合があります。

自由診療や未承認の医薬品・適応外使用に関する治療は、国の承認を得た医療行為ではなく、自己責任のもとで行われるものです。必ず担当の医師と十分に相談のうえ、リスクや費用を含め総合的に判断してください。

効果や安全性に関する記述は、あくまで現時点で得られている情報や一般的な臨床データに基づいており、特定の結果を保証するものではありません。また、効果や副作用は個人差があります。

本記事内の情報は最新かつ正確なものであるよう努めていますが、万一内容に誤りがあった場合や情報が更新されていた場合でも、一切の責任を負いかねます。治療を開始する前に、必ず複数の情報源を確認し、医師のカウンセリングを受けるなど、ご自身で十分な情報収集を行ってください。

本記事の内容が特定の治療法の受診を強制・推奨するものではないことを予めご了承ください。

当サイトは本記事を通じて得た情報を活用することに起因するいかなる損害やトラブルに対しても責任を負うものではありません。

記事で取り上げている費用や施術内容などは各医療機関により異なります。詳細や最新の料金・提供内容は、各医療機関の公式ホームページやお問い合わせ窓口等でご確認ください。

法律やガイドラインの改定、医療技術の進歩に伴い、予告なく記事内容を変更・削除する場合があります。

↑