玉ねぎは血圧を下げるって本当?効果的な食べ方と注意点を医師が解説

玉ねぎは血圧を下げるって本当?効果的な食べ方と注意点を医師が解説

「血圧が高めだから、食事で何とかしたい」「玉ねぎが血圧に良いって聞いたけど本当?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

高血圧は20歳以上の日本人の約2人に1人が抱える健康課題です。

放っておくと心臓病や脳卒中など、命に関わる病気につながる恐れがあります。

厚生労働省の調査によれば、日本人の高血圧で一番多い原因は塩分の摂りすぎです。

でも、食事の内容を見直すことで血圧をコントロールできる可能性があります。

玉ねぎが血圧に与える影響
  • 抗酸化作用をもつケルセチンを多く含み、血管の健康を守る
  • 含硫化合物(辛味成分)には血液を固まりにくくする働きがある
  • ケルセチンの海外研究で血圧低下が確認されている
  • 生で食べると硫黄化合物を効率よく摂れるが、加熱すると食べやすい利点も
  • 血圧管理には玉ねぎだけでなく、減塩など生活改善が必要

玉ねぎは世界中で広く食べられている身近な野菜です。

最近の研究では、玉ねぎに血圧を下げる可能性のある成分が含まれていることが分かってきました。

特にアメリカやヨーロッパで行われた研究では、玉ねぎに含まれる「ケルセチン」という成分が血圧に良い影響を与えることが報告されています。

ただし、玉ねぎさえ食べれば血圧が正常になるというわけではありません。

食生活全体のバランスや生活習慣の改善が欠かせません。

この記事では、玉ねぎと血圧の関係について、科学的な根拠とともに詳しく解説します。

どのような成分が血圧に影響を与えるのか、どのくらいの量を食べれば良いのか、注意すべき点は何か、そして他のどんな食材と組み合わせると効果的なのか、医師の視点から分かりやすくお伝えします。

血圧が気になる方、食事で健康管理をしたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 玉ねぎに含まれる血圧に関わる成分とその働き
  • 海外の研究で示された玉ねぎの血圧への影響
  • 血圧対策に効果的な玉ねぎの食べ方と摂取量
  • 玉ねぎを食べる際の注意点と副作用
  • 玉ねぎと組み合わせたい血圧に良い食材
はじめに(免責・注意事項)

本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。

血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。

また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。

本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。

目次

玉ねぎには血圧を下げる成分が含まれている

なぜ玉ねぎが血圧に影響を与える可能性があるのでしょうか。

それは主に2つの大切な成分が含まれているためです。

一つは「ケルセチン」という成分で、もう一つは特有の辛味や香りに関わる「含硫化合物(硫黄を含む成分)」です。

どちらも玉ねぎ特有のものではありませんが、玉ねぎには比較的多く含まれています。

そして何より、玉ねぎは毎日の料理で使いやすいという大きな利点があります。

ケルセチンは体に良いポリフェノールの仲間として注目されています。

海外では高血圧の患者さんを対象にした研究も行われています。

含硫化合物は玉ねぎの辛味や香りのもとになっている成分群です。

生の玉ねぎに含まれる硫黄化合物には血液が固まりにくくする作用(抗血小板作用)があることが研究で示されています。

これらの成分がどのように血管や血圧に影響を与えるのか、また実際の研究ではどのような結果が得られているのか、詳しく見ていきましょう。

ただし、食品の効果には個人差があります。

すべての人に同じ効果が現れるわけではないことも理解しておく必要があります。

ケルセチンと硫黄化合物が血管に働きかける

玉ねぎに含まれる代表的な成分の一つが「ケルセチン」です。

ケルセチンは体に良いポリフェノールの仲間です。

玉ねぎの外側の茶色い皮や、私たちが食べる白い部分にたくさん含まれています。

このケルセチンには強い抗酸化作用があり、血管の健康を守る大切な働きをします。

抗酸化作用というのは、体の中で発生する「サビ」のようなものを防ぐ働きです。

体の中では日々「活性酸素」という物質ができます。

この活性酸素が増えすぎると、血管を傷つけてしまいます。

ケルセチンには、この活性酸素を減らす働きがあると考えられています。

ケルセチンが血圧を下げる仕組みとして考えられている仮説
  • 血管の内側の細胞を元気にして、血管を広げやすくする
  • 血圧を上げる酵素の働きを抑える
  • 血管の炎症を抑え、血管の健康維持に役立つ
  • 抗酸化作用で血管の老化を防ぐ

ケルセチンが血圧に影響を与える仕組みについては、いくつかの仮説が研究されています。

一つは血管の内側を覆っている細胞を元気にする働きです。

血管の内側の細胞は「一酸化窒素」という物質を作り出しています。

この一酸化窒素には血管を広げる作用があります。

ケルセチンは血管の内側の細胞を元気にすることで、血管が柔らかく広がりやすくなると考えられています。

また、ケルセチンには血圧を上げる働きをする酵素(アンジオテンシン変換酵素)を抑える作用も想定されています。

この酵素は体の中で血圧を上げる物質を作り出すため、その働きを抑えることで血圧の上昇を防ぐことが期待されています。

ただし、実際のヒトでの研究では、ケルセチンの摂取により血圧は低下したものの、これらの仮説を裏づける指標(酸化ストレスマーカーや酵素活性など)に変化が見られないこともあり、血圧低下の詳しい仕組みはまだ完全には解明されていません

もう一つの大切な成分が、特有の辛味や香りに関わる「硫黄化合物」です。

硫黄化合物(辛味成分など)に期待される働き
  • 血液が固まりにくくする作用(抗血小板作用)
  • 血管の健康維持への関与

生の玉ねぎに含まれる硫黄化合物には、血液が固まりやすくなるのを防ぐ働き(抗血小板作用)があることが研究で示されています。

玉ねぎを切ると細胞が壊れ、酵素の働きによって硫黄化合物が作られます

そのため、調理方法によって含まれる量が変わることがあります。

海外の研究で血圧低下の効果が確認されている

玉ねぎやケルセチンが本当に血圧に効果があるのか、海外では患者さんに実際に試してもらう研究が行われています。

主な研究結果

研究対象者ケルセチン量期間結果
アメリカの研究高血圧患者730mg/日4週間上の血圧-7mmHg、下の血圧-5mmHg
ヨーロッパの研究過体重~肥満の前高血圧・高血圧患者162mg/日6週間高血圧グループで上の血圧-3.6mmHg

アメリカの研究では、高血圧の患者さんに毎日730mgのケルセチンを4週間摂ってもらいました。

その結果、上の血圧が平均で7mmHg、下の血圧が平均で5mmHg下がったことが報告されました。

この効果は、すでに血圧が高い段階の人で特にはっきりと現れました。

血圧が少し高めという程度の人では、明らかな変化は見られませんでした。

対照的に、ステージ1高血圧者では、ケルセチン治療後に収縮期血圧(-7 +/- 2 mmHg)、拡張期血圧(-5 +/- 2 mmHg)、および平均血圧(-5 +/- 2 mmHg)の低下が観察されました(P < 0.01)。

引用:PubMed Quercetin reduces blood pressure in hypertensive subjects

また、ヨーロッパで行われた別の研究では、過体重~肥満で血圧が高めの患者さん(前高血圧または高血圧ステージI)に、玉ねぎの外皮から抽出したケルセチンを試してもらいました。

1日162mgを6週間摂ってもらったところ、やはり血圧が下がることが確認されています。

この研究では24時間ずっと血圧を測る装置を使いました。

特に24時間血圧測定で高血圧の基準(上の血圧135mmHg超または下の血圧85mmHg超)に該当したグループでは、24時間平均の上の血圧が3.6mmHg低下したと報告されています。

高血圧患者サブグループにおいて、ケルセチンはプラセボと比較して24時間収縮期血圧を−3.6 mmHg(P =0.022)低下させた(平均治療差、−3.9 mmHg、P =0.049)。

引用:PubMed Central Effects of a quercetin-rich onion skin extract on 24 h ambulatory blood pressure and endothelial function in overweight-to-obese patients with (pre-)hypertension: a randomised double-blinded placebo-controlled cross-over trial

動物を使った実験でも、ケルセチンを含む餌を与えたネズミでは血圧の上昇が抑えられたという報告があります。

これらの研究では、ケルセチンが心臓が大きくなりすぎるのを防ぐ効果も観察されています。

単に血圧を下げるだけでなく、心臓や血管の健康を総合的に守る可能性が示されているのです。

ただし、すべての研究で同じ結果が出ているわけではありません。

研究によっては、はっきりとした血圧の低下が見られなかったケースもあります。

効果には個人差があると考えられます。

また、これらの研究の多くはケルセチンを取り出したサプリメントを使っています。

玉ねぎそのものを食べた場合の効果とは違う可能性があることも知っておく必要があります。

血圧対策における玉ねぎの調理法のポイント

玉ねぎを血圧対策に取り入れる場合、どのように食べるのが良いのでしょうか。

調理の仕方や食べる量によって、得られる効果が変わってくる可能性があります。

玉ねぎに含まれる体に良い成分は、熱や水に対して弱いものもあれば強いものもあります。

そのため、どのように食べるかが大切になってきます。

生で食べる方が硫黄化合物を損なわずに摂れる利点がある一方で、加熱すると消化しやすくなり、たくさんの量を無理なく食べられるという良い点もあります。

また、玉ねぎの種類によっても成分の含まれる量が違うことが分かっています。

赤玉ねぎや紫玉ねぎは、普通の黄色い玉ねぎや白い玉ねぎに比べてケルセチンがたくさん含まれているという報告もあります(品種・部位・栽培・分析法により幅があります)。

ここでは、より効果的に玉ねぎを活用するためのポイントをご紹介します。

ただし、一番大切なのは無理なく続けられる方法を見つけることです。

毎日の食事に取り入れやすい形で、長く続けることが何よりも重要です。

生の玉ねぎなら血圧に良い成分が壊れにくい

玉ねぎに含まれる成分は、加熱すると一部が失われたり変化したりすることがあります。

特に辛味や香りの元となる成分(含硫化合物)は熱に弱い性質があります。

長い時間加熱すると減ってしまうのです。

そのため、硫黄化合物などを重視する場合は、生のまま食べる方が有利だと考えられています。

調理方法による成分の違い

調理方法メリットデメリット
硫黄化合物(辛味成分)を最大限摂取できる辛味が強く、胃腸への刺激が大きい
加熱(炒める・煮る)甘みが増して食べやすい、消化しやすい、たくさん食べられる硫黄化合物が減少しやすい

生の玉ねぎをサラダに入れたり、薄く切って水にさらしてから料理に添えたりする方法がおすすめです。

ただし、生の玉ねぎは辛味が強く、胃腸への刺激も大きくなります。

食べすぎには注意が必要です。

一方で、加熱した玉ねぎにも良いところはあります。

加熱すると甘みが増して食べやすくなるため、たくさんの量を無理なく食べられます。

また、ケルセチンの一部は加熱しても残ります。

加熱することで消化がしやすくなるという利点もあります。

炒め物や煮物、スープなど、いろいろな料理に玉ねぎを使うことで、飽きずに続けやすくなります。

効果的な玉ねぎの使い方
  • 切った後5〜10分置いてから調理する(成分が増える)
  • 生で食べる場合は薄切りにして水にさらす(辛味が和らぐ)
  • 外側の層も活用する(ケルセチンが多い)
  • 赤玉ねぎや紫玉ねぎを選ぶ(ケルセチンが豊富)

玉ねぎを切ってから少し置いておくと、酵素の働きで血液に良い働きをするとされる成分(含硫化合物)が活性化すると言われています。

切ってから10分〜15分程度空気にさらしてから調理することで、その働きを活かせる可能性があります(※ケルセチンの量は変わりません)。

1日に中サイズ半分程度が適量

玉ねぎを毎日どのくらい食べれば良いのでしょうか。

はっきりとした決まりはありませんが、いくつかの研究結果から目安を考えることができます。

海外の研究でケルセチンが血圧を下げる効果が確認された量は、1日あたり160mgから700mg程度(サプリメント等を使用)でした。

普通の玉ねぎ(中サイズ1個で約200g)に含まれるケルセチンの量は、種類によって違いますが、食べられる部分100gあたり約20mgから60mg程度とされています。

つまり、食事だけで研究と同量を摂るのは困難ですが、毎日の積み重ねが大切です。

玉ねぎの種類別ケルセチン含有量(目安)

玉ねぎの種類ケルセチン含有量(100gあたり)特徴
赤玉ねぎ・紫玉ねぎ約40〜60mgケルセチンが豊富
黄玉ねぎ約20〜40mg一般的な玉ねぎ
白玉ねぎ約15〜30mg辛味が少ない
1日の摂取目安
  • 1/4〜1/2個程度(無理なく続けられる範囲で)
  • サラダ、炒め物、煮物などで無理なく取り入れる
  • 週に数回から始めて、徐々に習慣化する

ただし、これはあくまで目安です。

玉ねぎの種類や育て方によって、ケルセチンの含まれる量は大きく変わります。

赤玉ねぎや紫玉ねぎは白や黄色の玉ねぎに比べてケルセチンがたくさん含まれているという報告もあります。

また、外側の層に近い部分ほどケルセチンが多いので、できるだけ外側の層も使うと良いでしょう。

大切なのは、無理なく続けられる量を見つけることです。

1日に中サイズの玉ねぎ半分くらいであれば、サラダに入れたり、炒め物や煮物の材料として使ったりすることで、無理なく毎日の食事に取り入れられるでしょう。

週に数回、意識して玉ねぎを使った料理を作ることから始めてみるのも良い方法です。

玉ねぎだけでは血圧は十分に下がらない

玉ねぎに血圧を下げる可能性のある成分が含まれているのは本当です。

しかし、玉ねぎを食べるだけで高血圧が良くなるわけではありません。

高血圧は塩分の摂りすぎ、太りすぎ、運動不足、お酒の飲みすぎ、ストレスなど、いろいろな原因が絡み合って起こります。

厚生労働省も指摘しているように、日本人の高血圧の主要な原因の一つは塩分の摂りすぎです。

玉ねぎを毎日食べていても、塩辛い食事を続けていれば血圧は下がりません。

また、玉ねぎには体に良い成分が含まれていますが、食べすぎると胃腸に負担がかかったり、いろいろな副作用を引き起こしたりする可能性があります。

ここでは、玉ねぎを食べる際の注意点と、高血圧を改善するために必要な総合的な生活習慣の見直しについて解説します。

玉ねぎはあくまで食事改善の一部として位置づけましょう。

バランスの取れた食生活と健康的な生活習慣を心がけることが何よりも大切です。

玉ねぎの食べ過ぎは胃腸の不調を招く恐れがある

玉ねぎには体に良い成分が含まれていますが、食べすぎるといろいろな不調を引き起こす可能性があります。

特に生の玉ねぎをたくさん食べた場合、胃腸への刺激が強くなります。

玉ねぎの食べ過ぎで起こりうる副作用
  • 胃腸への刺激
    • 胃痛、胸やけ、吐き気
    • 特に空腹時の生の玉ねぎは刺激が強い
  • お腹の不調
    • お腹の張り、ガス、腹痛
    • 過敏性腸症候群の方は特に注意
  • 大量摂取により出血しやすくなる可能性
    • 血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は医師に相談
  • アレルギー症状(まれ)
    • 皮膚のかゆみ、発疹
    • 目の充血
    • 息苦しさ

玉ねぎに含まれる辛味成分(含硫化合物)は、胃の粘膜を刺激する作用があります。

適量であれば問題ありませんが、食べすぎると胃が痛くなったり、胸やけがしたり、吐き気がしたりすることがあります。

特にお腹が空いているときに生の玉ねぎをたくさん食べると、胃への刺激が強くなりやすいので注意が必要です。

また、玉ねぎには「フルクタン」という炭水化物が含まれています。

フルクタンは小腸であまり吸収されず、大腸で腸内細菌によって分解されるため、ガスが発生しやすくなります。

その結果、お腹が張ったり、不快感があったり、腹痛が起きたりすることがあります。

過敏性腸症候群の方では、この症状が特に出やすいことが知られています。

FODMAPは小腸に到達するとゆっくりと移動し、水分を引き寄せます。大腸に入ると、腸内細菌によって発酵され、ガスが発生します。

引用:Monash University FODMAP About FODMAP and IBS

さらに、玉ねぎには血液を固まりにくくする作用があります。

そのため、出血しやすい病気がある方や、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は摂取前に医師に相談してください。

玉ねぎをたくさん食べることで、出血しやすくなったり、あざができやすくなったりする可能性があります。

手術の予定がある場合は、サプリメントや濃縮エキスなどの大量摂取を控えるよう医師から指示される場合があります。

玉ねぎアレルギーをお持ちの方もまれにいらっしゃいます。

アレルギー症状としては、皮膚がかゆくなったり、発疹が出たり、目が充血したり、息苦しくなったりすることがあります。

玉ねぎを食べた後にこのような症状が出た場合は、すぐに病院を受診してください。

減塩や運動など生活習慣全体の見直しが必要

厚生労働省の調査によれば、日本人の高血圧で一番多い原因は塩分の摂りすぎです。

玉ねぎを食べることで少しは血圧が下がる可能性がありますが、毎日の食事で塩分を摂りすぎていれば、その効果は消えてしまいます。

塩分摂取の現状と目標

対象現状(平均)目標
男性10.5g/日6g未満/日
女性9.0g/日6g未満/日

※摂取量は厚生労働省「令和4年国民健康・栄養調査」を参照

日本高血圧学会のガイドラインでは、高血圧の方は1日の塩分を6g未満にすることを目標にしています。

しかし、厚生労働省の「令和4年国民健康・栄養調査」によると、日本人が実際に摂っている塩分の量は、男性で平均10.5g、女性で平均9.0gです。

目標値を大きく超えています。

醤油や味噌などの調味料だけでなく、ハムやベーコンなどの加工食品、外食の料理にもたくさんの塩分が含まれています。

日頃から意識して減塩に取り組むことが大切です。

玉ねぎをはじめとする野菜には、カリウムという栄養素が含まれています。

カリウムには体の中の余分な塩分を外に出す働きがあり、血圧を下げる効果が期待できます。

ただし、腎臓の働きが悪くなっている方では、カリウムの摂取を制限する必要がある場合もあります。

腎臓病の治療を受けている方は、主治医に相談してください。

高血圧を改善する生活習慣のポイント
  1. 減塩
    • 1日6g未満を目標にする
    • 調味料や加工食品に注意
    • 薄味に慣れる
  2. 適度な運動
    • ウォーキング、軽いジョギング、水泳など
    • 週に数回、1回30分程度
    • 血管を柔らかくし、血流を改善
  3. 体重管理
    • 適正体重を保つ
    • 心臓への負担を減らす
    • 玉ねぎは低カロリーで食物繊維が豊富
  4. 節酒
    • お酒は適量を守る
    • 飲みすぎは血圧を上げる
  5. ストレス管理と十分な睡眠
    • ストレスをうまく発散
    • 質の良い睡眠を取る
  6. 禁煙
    • タバコは血管を傷つける
    • 高血圧のリスクを高める

また、適度な運動も血圧管理には欠かせません。

ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動を週に数回、1回30分くらい行うことで、血圧を下げる効果が期待できます。

運動は血管を柔らかくし、血液の流れを良くする働きがあります。

太りすぎも高血圧の大きな原因です。

体重が増えると心臓への負担が大きくなり、血圧が上がりやすくなります。

適正体重を保つことで、血圧を下げることができます。

玉ねぎはカロリーが低く、食物繊維も含まれているので、体重管理にも役立つ食材と言えるでしょう。

さらに、お酒の飲みすぎやストレス、睡眠不足なども血圧に影響を与えます。

お酒は適量を守り、十分な睡眠を取り、ストレスをうまく発散することも大切です。

薬を飲んでいる方へ
  • 医師の指示に従って薬をきちんと飲む
  • 自己判断で薬をやめたり減らしたりしない
  • 食事や生活習慣の改善で血圧が安定しても、薬の調整は必ず医師と相談

すでに高血圧の治療を受けている方は、医師の指示に従って薬をきちんと飲むことが最も重要です。

玉ねぎを食べることは補助的な対策の一つと考えてください。

決して自己判断で薬をやめたり減らしたりしないでください。

食事や生活習慣の改善で血圧が安定してきた場合でも、薬の調整については必ず医師と相談してください。

玉ねぎと組み合わせると良い血圧対策の食材

玉ねぎだけでも血圧に良い影響を与える可能性がありますが、他の食材と組み合わせることで、より効果的な血圧対策ができます。

血圧管理に効果的な食事のとり方として、アメリカの国立心肺血液研究所(NHLBI)が提唱する「DASH食」という食事療法が世界的に知られています。

DASH食は野菜や果物をたくさん摂り、玄米などの全粒穀物、低脂肪の牛乳やヨーグルト、魚、鶏肉、豆類、ナッツ類を適度に取り入れます。

そして、赤身の肉や甘いものを控えめにする食事パターンです。

たくさんの大規模な研究で、DASH食を実践することで血圧が下がり、心臓病や脳卒中のリスク低減に関連することが報告されています。

玉ねぎはこのDASH食の中でも野菜として大切な役割を果たします。

ここでは、玉ねぎと相性の良い食材や、血圧対策に効果的な食材の組み合わせについて解説します。

バランスの取れた食事を心がけることが、長く健康を保つことにつながります。

魚や葉物野菜と一緒に摂り、バランスの良い食事を目指す

血圧管理に効果的な食事のとり方として、アメリカの国立心肺血液研究所が提唱する「DASH食」という方法が広く知られています。

DASH食は野菜や果物、玄米などの全粒穀物、低脂肪の牛乳やヨーグルトをたくさん摂ります。

そして魚や鶏肉、豆類、ナッツ類を適度に取り入れ、赤身の肉や甘いものを控えめにする食事パターンです。

玉ねぎはこのDASH食の中でも野菜として大切な役割を果たします。

DASH食では1日に野菜を4〜5皿分、果物を4〜5皿分摂ることが勧められています。

玉ねぎを毎日の料理に使うことで、この目標を達成しやすくなります。

玉ねぎと組み合わせたい血圧に良い食材

食材カテゴリー具体例主な栄養素・効果玉ねぎとの組み合わせ例
青魚サバ、イワシ、サンマオメガ3脂肪酸(血管の炎症を抑える)サバの味噌煮に玉ねぎを加える、イワシのマリネに玉ねぎを添える
葉物野菜ほうれん草、小松菜マグネシウム、カリウム(血管を広げる)玉ねぎと一緒に炒める、サラダに混ぜる
トマトトマト、ミニトマトリコピン(抗酸化作用)玉ねぎとトマトのスープ、煮込み料理
豆類大豆、小豆、ひよこ豆食物繊維、タンパク質玉ねぎと豆のスープ、サラダ
ナッツ類アーモンド、クルミ良質な脂質サラダに玉ねぎとナッツを散らす
低脂肪乳製品牛乳、ヨーグルトカルシウム(血管の収縮をコントロール)玉ねぎを使った料理と組み合わせる
全粒穀物玄米、全粒粉パン、オートミール食物繊維、ビタミンB群玉ねぎの炊き込みご飯(玄米)、全粒粉パンと玉ねぎのスープ

特に相性が良いのが青魚です。

サバやイワシ、サンマなどの青魚には「オメガ3脂肪酸」という体に良い成分がたくさん含まれています。

血管の健康維持に寄与する可能性が報告されています。

玉ねぎと青魚を組み合わせた料理、例えばサバの味噌煮に玉ねぎを加えたり、イワシのマリネに玉ねぎの薄切りを添えたりすることで、それぞれの栄養素を同時に摂取できます。

ほうれん草や小松菜などの葉物野菜も優れた組み合わせです。

これらの野菜にはマグネシウムやカリウムがたくさん含まれており、血管を広げて血圧を下げる働きがあります。

玉ねぎと葉物野菜を一緒に炒めたり、サラダに混ぜたりすることで、栄養バランスの良い一品になります。

トマトも血圧対策に良い食材です。

トマトには「リコピン」という体に良い成分が含まれており、血管の健康を守る働きがあります。

玉ねぎとトマトを使ったスープや煮込み料理は、手軽に作れて栄養も豊富です。

豆類やナッツ類もおすすめです。

大豆や小豆などの豆類には食物繊維やタンパク質がたくさん含まれていて、血圧を安定させる効果が期待できます。

アーモンドやクルミなどのナッツ類には良質な脂質が含まれており、適量を摂ることで心臓や血管の健康に良い影響を与えます。

玉ねぎのサラダにナッツをふりかけたり、玉ねぎと豆を使ったスープを作ったりすると良いでしょう。

低脂肪の牛乳やヨーグルトも血圧管理に役立ちます。

これらにはカルシウムがたくさん含まれています。

カルシウムには血管の収縮をコントロールする働きが示唆されています。

玉ねぎを使った料理に乳製品を組み合わせることで、栄養バランスがさらに良くなります。

玄米や全粒粉のパン、オートミールなどの全粒穀物も忘れてはいけません。

これらには食物繊維やビタミンB群がたくさん含まれていて、血糖値や血圧を安定させる働きがあります。

玉ねぎを使った炊き込みご飯を玄米で作ったり、全粒粉のパンに玉ねぎのスープを添えたりすることで、バランスの良い食事になります。

バランスの良い食事のポイント
  • 特定の食材だけに頼らない
  • いろいろな食材を組み合わせる
  • 玉ねぎを中心に、魚、野菜、豆類、全粒穀物を取り入れる
  • 無理なく続けられる献立にする

大切なのは、特定の食材だけに頼るのではなく、いろいろな食材を組み合わせてバランス良く食べることです。

玉ねぎを中心に、魚、野菜、豆類、全粒穀物などを毎日の食事に取り入れていくことで、無理なく健康的な食生活を続けられます。

よくある質問

玉ねぎを毎日食べれば薬は不要ですか

いいえ、玉ねぎを食べるだけで血圧の薬が不要になることはありません。

玉ねぎには血圧を下げる可能性のある成分が含まれていますが、その効果は補助的なものです。

すでに高血圧の治療を受けている方は、医師の指示に従って薬を続けてください。

食事の改善は治療の一部として大切ですが、決して自己判断で薬をやめないようにしましょう。

玉ねぎの辛味成分が苦手ですが、効果は変わりますか

玉ねぎの辛味成分である含硫化合物にも血圧に良い影響を与える可能性がありますが、加熱すると辛味は和らぎます。

加熱した玉ねぎでもケルセチンなどの体に良い成分は一部残りますので、生の玉ねぎが苦手な方は炒めたり煮たりして食べても大丈夫です。

自分が続けやすい方法で取り入れることが大切です。

血圧の薬を飲んでいても玉ねぎを食べて大丈夫ですか

普通の食事の範囲内で玉ねぎを食べることは問題ありませんが、玉ねぎには血液を固まりにくくする作用があります。

そのため、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は注意が必要です。

また、たくさん食べると薬の効果に影響を与える可能性もあります。

心配な場合は主治医や薬剤師に相談してください。

サプリメントで玉ねぎの成分を摂るのはどうですか

玉ねぎやケルセチンのサプリメントも市販されていますが、食品から摂る方が安全性が高く、他の栄養素も一緒に摂れる利点があります。

サプリメントは成分が濃縮されているため、摂りすぎてしまうリスクもあります。

サプリメントの使用を考えている場合は、まず医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

まとめ

玉ねぎには血圧を下げる可能性のあるケルセチンや含硫化合物(辛味成分)といった成分が含まれています。

海外の研究では、サプリメント等で高用量を摂取した場合に、一定の血圧を下げる効果が確認されています。

しかし、玉ねぎだけで高血圧が良くなるわけではありません。

減塩をはじめとする食生活全体の見直しと、適度な運動、体重管理などの生活習慣改善が大切です。

玉ねぎを毎日の食事に取り入れる際は、生で食べる方が体に良い成分をたくさん摂れる可能性がありますが、加熱調理でも成分を摂ることができます。

研究で使われたサプリメントのような劇的な変化は難しいですが、日々の健康サポートとして1日に中サイズ半分くらいを目安に、無理なく続けることをおすすめします。

ただし、食べすぎると胃腸の調子が悪くなる恐れがあるため、適量を心がけてください。

玉ねぎと青魚や葉物野菜などを組み合わせることで、より効果的な血圧対策ができます。

特定の食材だけに頼るのではなく、バランスの良い食事を続けることが、長く健康を保つことにつながります。

血圧が気になる方、すでに高血圧と診断されている方は、食事の改善とともに定期的な健康診断を受け、必要に応じて病院を受診することが大切です。

気になる症状がある場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。

参考文献・参考サイト

厚生労働省 e-ヘルスネット  高血圧

World Health Organization  Hypertension

PubMed Central  Enzyme That Makes You Cry–Crystal Structure of Lachrymatory Factor Synthase from Allium cepa

PubMed  Effect of Processed Onions on the Plasma Concentration of Quercetin in Rats and Humans

PubMed Central  Therapeutic Potential of Quercetin to Decrease Blood Pressure: Review of Efficacy and Mechanisms

PubMed  Effect of Processing and Cooking Conditions on Onion (Allium cepa L.) Induced Antiplatelet Activity and Thiosulfinate Content

PubMed Central  Steam-cooking rapidly destroys and reverses onion-induced antiplatelet activity

PubMed Quercetin reduces blood pressure in hypertensive subjects

PubMed Central Effects of a quercetin-rich onion skin extract on 24 h ambulatory blood pressure and endothelial function in overweight-to-obese patients with (pre-)hypertension: a randomised double-blinded placebo-controlled cross-over trial

PubMed Quercetin-supplemented diets lower blood pressure and attenuate cardiac hypertrophy in rats with aortic constriction

PubMed Effects of Quercetin on Blood Pressure: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials

PubMed Central Variation of quercetin glycoside derivatives in three onion (Allium cepa L.) varieties

PubMed Effect of processing and cooking conditions on onion (Allium cepa L.) induced antiplatelet activity and thiosulfinate content

Mayo Clinic Heartburn: Symptoms and causes

Monash University FODMAP About FODMAP and IBS

Harvard Health Publishing Irritable Bowel Syndrome

Anaphylaxis UK Onion and Garlic Allergy

特定非営利活動法人 日本高血圧学会 減塩・栄養委員会

厚生労働省 令和4年国民健康・栄養調査報告

American Heart Association How Potassium Can Help Control High Blood Pressure

American Heart Association Getting Active to Control High Blood Pressure

MedlinePlus DASH Eating Plan

Harvard T.H. Chan School of Public Health Diet Review: DASH

National Heart, Lung, and Blood Institute DASH Eating Plan

National Institutes of Health, Office of Dietary Supplements Omega-3 Fatty Acids – Health Professional Fact Sheet

PubMed Central Lycopene and Vascular Health

PubMed Central Dairy Consumption, Blood Pressure, and Risk of Hypertension: An Evidence-Based Review of Recent Literature

この記事を書いた人

伊藤 信久のアバター 伊藤 信久 医師・グレースメディカルクリニック院長

福岡県出身。鹿児島大学医学部卒業後、大学病院の心臓外科に勤務。冠動脈バイパス術・弁置換術などの高度な心臓手術を多数担当。
その後、恩師が開業したクリニックで一次診療に従事。地域医療の最前線で多くの患者と向き合う中で「患者さんに最も近い距離で診療すること」の重要性を再認識し、開業医として地域医療に貢献することを決意。2014年に熊本市でグレースメディカルクリニックを開設した。現在は院長として、高血圧をはじめとする循環器・生活習慣病の診療に注力。心臓外科で培った循環器の知見を活かし、「血圧から全身を守る医療」をモットーに地域の健康づくりと啓発活動を続けている。

主な資格・所属学会
・日本外科学会
・日本循環器学会
・点滴療法研究会

地域の“かかりつけ医”として、高血圧を中心とした生活習慣病の早期発見と予防、継続的な血圧管理に力を注ぎ、患者一人ひとりの「より良い血圧コントロールと健康」の実現を目指している。

コメント

コメントする

目次