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夜中に息苦しくて目が覚める原因と対処法を解説!いびきや呼吸停止との関係

夜中に息苦しくて目が覚める原因と対処法を解説!いびきや呼吸停止との関係

夜中に突然息苦しくなって目が覚める、パートナーから「呼吸が止まっていた」と指摘される、いびきがひどくて熟睡できない。

このような睡眠中の呼吸の問題は、単なる疲れやストレスだけが原因ではない可能性があります。

実は、これらの症状の背景には睡眠時無呼吸症候群をはじめとする様々な疾患が潜んでいることがあり、放置すると日中の強い眠気による事故リスクの増加や、心血管疾患のリスク上昇につながる可能性があります。

夜中に息苦しくて目が覚める主な原因
  • 睡眠時無呼吸症候群による上気道の閉塞と繰り返す呼吸停止
  • 心不全による肺うっ血と起座呼吸
  • 逆流性食道炎による胃酸の食道逆流と気道刺激
  • 気管支喘息やCOPDによる夜間の気道狭窄
  • パニック障害や不安障害による過呼吸発作と窒息感

睡眠中の息苦しさや呼吸停止は、睡眠時無呼吸症候群、心不全、逆流性食道炎、気管支喘息、パニック障害など、複数の原因が考えられます。

それぞれの原因により対処法も異なるため、まずは自分の症状を正確に把握することが重要です。

この記事では、夜間の息苦しさの主な原因と、症状別のセルフチェック方法、適切な受診のタイミング、そして今夜からできる対処法について詳しく解説します。

この記事でわかること
  • 夜中に息苦しくて目が覚める5つの主な原因
  • 症状から推測できる疾患とセルフチェック方法
  • 病院を受診すべきタイミングと適切な診療科
  • 今夜から実践できる具体的な対処法と予防策
目次

夜中に息苦しくて目が覚める5つの主な原因

夜間の息苦しさで目が覚める症状には、様々な原因が考えられます。

睡眠中は体の状態が日中とは異なり、横になることで血液の分布が変化したり、自律神経のバランスが変わったりすることで、普段は気づかない病気の症状が現れやすくなります。

ここでは、夜間の息苦しさを引き起こす代表的な5つの原因について、それぞれの特徴や発生のメカニズムを詳しく解説します。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)による呼吸停止

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まったり、浅くなったりする疾患です。

アメリカ国立心肺血液研究所によると、睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に何度も呼吸が止まったり再開したりする一般的な疾患であり、体が十分な酸素を得られなくなる可能性があります。

最も一般的なタイプである閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、睡眠中に上気道が何度も塞がることで起こります。

肥満、大きな扁桃腺、ホルモンレベルの変化などの要因により気道が狭くなり、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まる可能性があります。

アメリカでは成人の少なくとも2,500万人が閉塞性睡眠時無呼吸症候群に罹患していると推定されており、この疾患は高血圧、心疾患、2型糖尿病、脳卒中、うつ病のリスクを増加させる慢性疾患です。

世界的には、軽度から重度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群を持つ成人は9億3,600万人に上ると推定されています。

日本を含むアジア人は、西洋人と比較して平均BMIが低いにもかかわらず、睡眠時無呼吸症候群の有病率は同程度であることが報告されており、肥満以外のリスク要因が疾患の病因に寄与していることを示しています。

睡眠時無呼吸症候群の主な症状としては、大きないびき、睡眠中の呼吸停止(パートナーによる目撃)、あえぎや窒息感で目覚める、日中の過度の眠気、朝の頭痛、集中力の低下などがあります。

未治療の睡眠時無呼吸症候群は、脳卒中や心臓発作などの深刻な問題のリスクを増加させるため、早期の診断と治療が重要です。

心不全による起座呼吸や夜間発作性呼吸困難

心不全は、心臓が体の需要に応じて十分な血液を送り出せない状態です。

夜間の息苦しさは心不全の重要な症状の一つであり、特に起座呼吸(横になると息苦しく、体を起こすと楽になる)と発作性夜間呼吸困難(睡眠中に突然息苦しくなって目が覚める)は、心不全を示唆する特徴的な症状です。

起座呼吸は、横になることで下肢や内臓から肺への血液の再分配が起こることによって生じます。

正常な人ではこの影響はほとんどありませんが、心疾患により左心室が追加の血液量を送り出せない患者では、肺活量と肺コンプライアンスが著しく低下し、その結果息切れが生じます。

さらに、うっ血性心不全の患者では肺循環がすでに過負荷状態にある可能性があり、横になることでさらに症状が悪化します。

発作性夜間呼吸困難は、通常就寝後1〜2時間後に患者を睡眠から覚醒させる急性の重度の息切れの発作です。

これは肺うっ血によるものであり、患者は恐ろしい窒息感とともに目を覚まします。

患者は通常、ベッドサイドに座り、足を下ろし、症状を悪化させる可能性のある歩行やその他の活動を控えます。

睡眠中の呼吸中枢の反応性低下や心筋のアドレナリン作動性活動の低下など、追加のメカニズムが発作性夜間呼吸困難の原因となる可能性があります。

起座呼吸と発作性夜間呼吸困難の特徴

症状名特徴原因発症状況
起座呼吸横になると息苦しく、起きると楽横臥位で血液が肺に戻り、肺うっ血が悪化就寝・仰向け時に発生
発作性夜間呼吸困難睡眠中に突然息苦しく覚醒肺うっ血+睡眠中の呼吸・心機能低下就寝1〜2時間後に発症

心不全の診断には、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)検査が有用です。

BNPは心臓の負荷に応じて心室から分泌されるホルモンで、心不全の診断において高い感度と特異度を持つバイオマーカーとして利用されています。

逆流性食道炎(GERD)による胸焼けと息苦しさ

逆流性食道炎(GERD)は、胃酸が食道に逆流することで起こる疾患で、夜間の息苦しさの重要な原因の一つです。

夜間の逆流性食道炎は、より重篤な形態のGERDと関連しており、特に非定型的/食道外症状や、食道炎、狭窄、バレット食道、食道腺癌などの粘膜損傷の合併症と関連しています。

研究によると、GERDの症状を持つ人の70〜75%が夜間の胸焼けを経験し、これらの人の約40%が夜間の胸焼けが睡眠を妨げると報告しています。

夜間のGERDは日中のGERDとは異なり、より深刻な疾患として認識されています。

横になることで重力が胃酸を下に保つ助けをしなくなり、逆流が起こりやすくなります。

さらに、睡眠中は唾液の産生が減少し、胃酸を中和する重要な力が低下します。

睡眠中の嚥下の減少により、胃酸を押し下げる重要な力も減少します。

夜間GERDの症状には、胸焼け、逆流(口の中に酸っぱいまたは苦い味がする)、咳や窒息感での覚醒、胸痛などがあります。

これらの症状は睡眠の質を低下させ、日中の機能にも影響を与える可能性があります。

夜間のGERD症状を持つ患者は、症状を持たない人と比較して生活の質が実質的に低下していることが報告されています。

治療には、プロトンポンプ阻害薬(PPI)が第一選択薬として使用されますが、夜間の症状に対しては、就寝前のH2受容体拮抗薬の追加投与が有効な場合があります(ただし長期使用では効果が減弱する可能性があります)。

また、生活習慣の改善として、就寝前の食事を避ける、頭部を挙上して寝る、左側を下にして寝るなどの対策も推奨されています。

気管支喘息やCOPDによる夜間の呼吸困難

夜間喘息は、夜間に悪化する喘息と定義され、症状の増加、薬物の必要性の増加、気道反応性の亢進、肺機能の悪化と関連しています。

夜間の喘息症状は古くから認識されており、喘息患者の大部分に影響を与えると考えられています。

研究によると、喘息患者の44〜61%が夜間喘息を経験すると推定されています。

さらに、夜間喘息は睡眠の質を低下させ、生活の質を低下させ、日中の認知能力を低下させる。全体として、夜間喘息の有病率は喘息患者の44~61%と推定されている。

引用:PubMed Nocturnal Asthma

夜間喘息のメカニズムは、概日リズムと密接に関連しています。

体内時計は、アドレナリン、コルチゾール、メラトニンなどのホルモンに影響を与え、これらのホルモンは1日を通して変化し、夜間の喘息症状を引き起こす可能性があります。

エピネフリンレベルと最大呼気流量は午前4時頃に最も低く、ヒスタミンレベルは同じ時間に最高になる傾向があります。

このエピネフリンレベルの低下により、睡眠中の夜間喘息を起こしやすくなる可能性があります。

夜間喘息の誘因には、睡眠中の気道の狭窄、気道の冷却と水分喪失、横になることによる分泌物の蓄積、胃食道逆流症などがあります。

寝室のアレルゲン(ダニ、ペットの毛など)への曝露も夜間喘息のリスクを高める可能性があります。

症状には、胸部圧迫感、息切れ、咳、喘鳴などがあり、睡眠を不可能にし、日中の疲労感や過敏性を引き起こす可能性があります。

夜間喘息に対する治療法はありませんが、吸入ステロイドなどの日常的な喘息薬が炎症を軽減し、夜間症状を予防するのに非常に効果的です。

長時間作用型気管支拡張薬、徐放性テオフィリン、ロイコトリエン修飾薬、抗コリン薬なども利用可能な治療法です。

夜間・早朝に喘息死が多いとする過去の報告はありますが、現代の治療環境下では一律には言えないため、適切な管理が重要です。

パニック障害や不安障害による過呼吸症状

夜間パニック発作は、睡眠中に突然起こる強い恐怖の発作で、パニック障害を持つ人によく見られます。

パニック障害患者の44〜71%が少なくとも1回の夜間パニック発作を報告しています。

夜間パニック発作は通常、ノンレム睡眠中に起こり、就寝後30分から3時間半の間に最も頻繁に発生します。

夜間パニック発作の症状は日中のパニック発作と似ていますが、研究によると夜間パニック発作を持つ人は、より重度の呼吸症状を経験する可能性があります。

夜間パニック発作の主な症状
  • 息切れや窒息感
  • 心臓発作を起こしているような感覚
  • 動悸
  • 発汗
  • 震え
  • 胸痛
  • 激しい恐怖感
  • 手足のしびれやうずき

症状は通常10分以内にピークに達し、その後徐々に治まります。

夜間パニック発作の原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与している可能性があります。

遺伝、脳の化学物質、小児期の経験、高い不安などの性格特性により、特定の人々はパニック発作を起こしやすくなる可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群との関連も報告されており、睡眠時無呼吸症候群を持つ患者では、間欠的な低酸素血症によりパニック障害のリスクが高まる可能性があることが示されています。

治療には、認知行動療法(CBT)と薬物療法の組み合わせが推奨されます。

CBTは否定的な思考や行動を変え、前向きな対処戦略を提供することで、パニック発作を引き起こす可能性のある不安を軽減し、発作中の症状を管理するのに役立ちます。

薬物療法としては、抗うつ薬や抗不安薬がパニック発作の頻度と重症度を軽減する可能性があります。

症状別セルフチェックと疑われる病気

夜間の息苦しさには様々な原因があり、その症状の特徴から原因となる病気をある程度推測することができます。

ただし、これらは目安であり、正確な診断には医療機関での検査が必要です。

以下では、症状の特徴から疑われる病気について解説します。

複数の症状が重なる場合もあるため、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診することをお勧めします。

いびきと日中の眠気がある場合

大きないびきをかき、日中に強い眠気を感じる場合は、睡眠時無呼吸症候群が強く疑われます。

睡眠時無呼吸症候群の診断基準では、1時間あたり5回以上の無呼吸・低呼吸があり、日中の過度の眠気を伴う場合に睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

いびきは睡眠時無呼吸症候群患者の94%に見られますが、いびきをかく人全てが睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。

睡眠時無呼吸症候群の可能性を示すその他の症状には、朝の頭痛、口の渇き、集中力の低下、記憶力の低下、性欲の減退、夜間頻尿などがあります。

パートナーからの呼吸停止の目撃は、診断において重要な情報となります。

以下の特徴がある場合は、さらにリスクが高くなります。

睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなる特徴
  • 肥満(BMI30以上)
  • 首周りが太い(40cm以上、評価ツールにより基準が異なります)
  • あごが小さい
  • 扁桃腺が大きい

日中の眠気の程度を評価するには、エプワース眠気尺度(ESS)が有用です。

これは8つの状況での眠気を0〜3点で評価し、合計11点以上で日中の過度の眠気があると判断されます。

ただし、睡眠時無呼吸症候群患者の中には日中の眠気を自覚しない人もおり、特に女性では男性と比較して日中の眠気を報告することが少ないという報告もあります。

いびきや無呼吸などの典型的なOSAの症状は、通常、臨床面接でのみ現れるため、女性では報告が少ない可能性がある。

引用:MDPI Gender Differences in Obstructive Sleep Apnea: The Value of Sleep Questionnaires with a Separate Analysis of Cardiovascular Patients

未治療の睡眠時無呼吸症候群は、高血圧のリスクを約2倍心房細動の発症リスクを約2倍(横断研究では有病率が約4倍という報告もあります)、脳卒中のリスクを2〜3倍心不全のリスクを2〜3倍に増加させるという研究結果があります。

また、交通事故のリスクもメタ解析では約2.4倍、中央値は2〜3倍の範囲で増加することが報告されています。

これらのリスクを考慮すると、いびきと日中の眠気がある場合は、早期に睡眠専門医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。

横になると苦しく枕を高くすると楽になる場合

横になると息苦しさが増し、上体を起こしたり枕を高くしたりすると楽になる症状は、起座呼吸と呼ばれ、心不全の特徴的な症状です。

この症状は、横になることで下肢や腹部の血液が心臓に戻り、肺への血流が増加することで起こります。

健常者では問題になりませんが、心機能が低下している場合は肺うっ血を引き起こし、息苦しさが生じます。

起座呼吸の程度は、必要とする枕の数で評価されることがあります。

例えば、「何個の枕を使って寝ていますか?」「数週間前や数か月前は何個の枕で寝ていましたか?」という質問により、症状の変化を把握できます。

重度の起座呼吸がある場合、患者はベッドで寝ることができず、リクライニングチェアや椅子で寝ることを選択する場合があります。

発作性夜間呼吸困難は、睡眠開始後1〜2時間で突然息苦しくなって目が覚める症状で、これも心不全の重要な症状です。

患者は窒息感や恐怖感とともに目を覚まし、ベッドサイドに座って足を下ろすことで症状の改善を図ります。

この症状は肺うっ血によるもので、「心臓喘息」と呼ばれることもあります。

心不全の他の症状として、下肢のむくみ、体重増加(水分貯留による)、疲労感、運動耐容能の低下、夜間頻尿などがあります。

これらの症状は徐々に進行することが多いため、自覚しにくい場合があります。

研究によると、起座呼吸または発作性夜間呼吸困難のいずれかを持つ人の約20%未満が実際に心不全であることが示されていますが、これらの症状がない人の99%は心不全を持っていないことも示されており、除外診断には有用です。

結論として、起座呼吸または産後うつ病のいずれかを有する人のうち、確診HFを有するのはわずか20%未満であり、地域社会における有病HFの診断における有用性は限定的である。

引用:PubMed Central Value of Orthopnea, Paroxysmal Nocturnal Dyspnea, and Medications in Prospective Population Studies of Incident Heart Failure

咳や痰が続いている場合

夜間に咳や痰の症状が悪化し、息苦しさを伴う場合は、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患が疑われます。

喘息の4つの主要な症状は、喘鳴、咳(しばしば夜間に悪化)、息切れ、胸部圧迫感です。

これらの症状は通常断続的に現れ、数時間から数日間続き、誘因の除去や喘息薬の投与により改善します。

咳や痰が続いている場合のセルフチェックポイント

チェックポイント疑われる疾患補足
夜間に咳や痰が悪化する喘息、COPD特に咳が夜間に強くなる場合は夜間喘息の可能性
喘鳴や胸部圧迫感がある喘息数時間〜数日続き、薬で改善することが多い
慢性的な咳や痰があるCOPD喫煙歴がある場合は要注意
鼻づまりや鼻水、後鼻漏があるアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎横になると鼻汁が喉に流れ咳を誘発
ペットの毛・ダニ・カビに触れると症状悪化アレルギー性疾患寝室環境の見直しが有効

夜間の咳の悪化は、夜間喘息の特徴的な症状です。

肺機能は自然に夜間に低下し、睡眠中に筋肉がリラックスすると上気道が狭くなり、肺の抵抗が増加します。

喘息患者では、この正常な変動が増幅され、日中と夜間で最大50%の変動を示すことがあります。

また、睡眠中のコルチゾールレベルの低下が気道閉塞に寄与する可能性があるという研究もあります。

慢性的な咳や痰がある場合は、COPDの可能性も考慮する必要があります。

COPDは主に喫煙が原因で起こる進行性の肺疾患で、慢性気管支炎と肺気腫を含みます。

COPDの患者では、夜間の低酸素血症が起こりやすく、これが睡眠の質を低下させ、日中の症状を悪化させる可能性があります。

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎による後鼻漏も、夜間の咳の原因となることがあります。

横になることで鼻汁が喉の奥に流れ込み、咳反射を引き起こします。

この場合、鼻づまりや鼻水、くしゃみなどの鼻症状を伴うことが多いです。

環境アレルゲン(ダニ、カビ、ペットの毛など)への曝露が症状を悪化させる可能性があるため、寝室の環境整備も重要です。

胸焼けや酸っぱいものが込み上げる場合

夜間に胸焼けがあり、口の中に酸っぱいまたは苦い味が込み上げてくる場合は、逆流性食道炎(GERD)が疑われます。

GERDは胃酸が食道に逆流することで起こり、横になると症状が悪化する特徴があります。

夜間のGERD症状は、より重篤な形態のGERDと関連しており、食道の合併症のリスクが高いことが知られています。

夜間GERDの典型的な症状には、以下のようなものがあります。

夜間GERDの主な症状
  • 胸焼け(胸の中央部の灼熱感)
  • 逆流(酸っぱいまたは苦い液体が喉や口に上がってくる感覚)
  • 胸痛
  • 嚥下困難
  • 慢性的な咳
  • 声のかすれ

これらの症状により睡眠から覚醒することがあり、睡眠の質が著しく低下する可能性があります。

研究によると、夜間の胸焼けを経験する人の75%が睡眠に影響があると報告し、40%が翌日の機能に影響があると報告しています。

そのうち75%は症状が睡眠に影響を与えたと回答し、63%は胸やけが睡眠の質を低下させたと感じており、40%は夜間の胸やけが翌日の活動能力を低下させたと感じていました。

引用:PubMed Nighttime heartburn is an under-appreciated clinical problem that impacts sleep and daytime function: the results of a Gallup survey conducted on behalf of the American Gastroenterological Association

GERDによる夜間の咳や息苦しさは、いくつかのメカニズムで起こります。

胃酸が喉頭まで逆流すると気管支痙攣を刺激し、急速で浅い呼吸を引き起こす可能性があります。

また、胃酸が気管、気道、肺に滴下すると、重度の反応を引き起こし、気道刺激、粘液産生の増加、気道の狭窄を引き起こす可能性があります。

肥満、妊娠、ヘルニア、喫煙、アルコール摂取、特定の食品(脂肪分の多い食品、チョコレート、カフェイン、辛い食品、柑橘類など)がGERDのリスク要因となります。

また、カルシウム拮抗薬、抗コリン薬、ベンゾジアゼピン系薬剤などの薬剤も下部食道括約筋を弛緩させ、逆流を悪化させる可能性があります。

病院を受診すべきタイミングと診療科の選び方

夜間の息苦しさは、軽度のものから生命に関わる重篤なものまで様々です。

適切なタイミングで適切な診療科を受診することが、早期診断と治療につながります。

ここでは、緊急受診が必要な症状、症状に応じた診療科の選択、受診時に医師に伝えるべき情報について詳しく解説します。

症状の程度や頻度、随伴症状などを総合的に判断し、躊躇せずに医療機関を受診することが大切です。

緊急受診が必要な危険な症状

夜間の息苦しさの中でも、以下のような症状がある場合は、直ちに救急外来を受診するか、救急車を呼ぶ必要があります。

これらは心筋梗塞、急性心不全、重篤な不整脈、肺塞栓症などの生命に関わる疾患の可能性があるためです。

緊急受診が必要な危険な症状

症状考えられる疾患補足・注意点
胸痛(圧迫感・締め付け感)、左腕・首・顎への放散痛心筋梗塞冷や汗・吐き気を伴う場合は特に危険
突然の激しい息苦しさ(座位でも改善なし)急性肺水腫、肺塞栓症呼吸困難が急速に悪化する
意識低下、顔や唇のチアノーゼ重度低酸素血症会話困難、呼吸停止の可能性あり
血圧低下、不整脈(極端な頻脈・徐脈)重篤な不整脈脈が乱れる、極端に遅い・速い
ピンク色の泡状の痰急性肺水腫重要な危険サイン
非典型症状(疲労感、食欲不振など)高齢者・糖尿病患者の心疾患症状が軽くても要注意

胸痛を伴う息苦しさ、特に胸の圧迫感や締め付けられるような痛みがある場合は、心筋梗塞の可能性があります。

痛みが左腕、首、顎に放散する場合や、冷や汗、吐き気を伴う場合は特に危険です。

また、突然発症した激しい息苦しさで、座位でも改善しない場合は、急性肺水腫や肺塞栓症の可能性があります。

意識レベルの低下、顔面や口唇のチアノーゼ(青紫色になる)、極度の呼吸困難で会話ができない、血圧の著しい低下や脈拍の異常(不整脈、極端な頻脈・徐脈)なども緊急性の高い症状です。

ただし、これらの数値は目安であり、症状全体で危険度を判断することが重要です。

また、ピンク色の泡状の痰が出る場合は、急性肺水腫を示唆する重要な所見です。

高齢者や糖尿病患者では、典型的な症状が現れにくいことがあります。

なんとなく調子が悪い、いつもと違う疲労感がある、食欲がないなどの非特異的な症状でも、重篤な疾患が隠れている可能性があるため、注意が必要です。

また、心疾患や呼吸器疾患の既往がある人、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を服用している人は、症状が軽くても早めに受診することが推奨されます。

家族やパートナーが呼吸停止を目撃した場合は、その頻度や持続時間にかかわらず、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、早期に専門医療機関での睡眠検査を受けることが重要です。

このような場合、心血管イベントのリスクが著しく高まるため、速やかに専門医療機関を受診すべきです。

症状に応じた適切な診療科の選択

夜間の息苦しさの原因により、受診すべき診療科は異なります。

初診時は内科や呼吸器内科を受診し、必要に応じて専門診療科に紹介してもらうのが一般的ですが、特徴的な症状がある場合は、直接専門診療科を受診することも可能です。

いびきや日中の眠気が主症状の場合は、睡眠外来または呼吸器内科が適切です。

多くの総合病院には睡眠センターや睡眠外来が設置されており、睡眠時無呼吸症候群の専門的な診断と治療を受けることができます。

耳鼻咽喉科でも睡眠時無呼吸症候群の診療を行っている施設があり、特に扁桃肥大や鼻中隔彎曲症などの上気道の構造的問題が原因の場合は、外科的治療の適応を含めて相談できます。

起座呼吸や下肢のむくみ、体重増加などの症状がある場合は、循環器内科の受診が推奨されます。

心不全の診断には、心エコー検査、心電図、BNP検査などの専門的な検査が必要であり、循環器専門医による評価が重要です。

また、不整脈が疑われる場合も循環器内科での精査が必要です。

症状別・受診に適した診療科

主な症状推奨診療科主な検査・診療内容
いびき、日中の眠気睡眠外来、呼吸器内科睡眠時無呼吸症候群の検査・治療
扁桃肥大、鼻中隔彎曲症など上気道の構造異常耳鼻咽喉科外科的治療の適応判断
起座呼吸、下肢のむくみ、体重増加、不整脈疑い循環器内科心エコー、心電図、BNP検査
胸焼け、逆流症状消化器内科上部消化管内視鏡、24時間pHモニタリング
咳、痰、喘鳴など呼吸器症状呼吸器内科肺機能検査、胸部X線・CT
アレルギー関与の疑いアレルギー科アレルギー検査、環境要因評価
精神的ストレス、不安、パニック発作疑い心療内科、精神科心理評価、必要に応じ薬物療法(内科での除外診断後)

胸焼けや逆流症状が主体の場合は、消化器内科が適切です。

上部消化管内視鏡検査により食道炎の程度を評価し、適切な治療方針を決定できます。

また、24時間食道pHモニタリング検査により、実際の酸逆流の程度を客観的に評価することも可能です。

咳や痰、喘鳴などの呼吸器症状が主体の場合は、呼吸器内科が第一選択となります。

肺機能検査、胸部X線検査、胸部CT検査などにより、喘息やCOPDの診断が可能です。

アレルギーが関与している場合は、アレルギー科での精査も有用です。

精神的ストレスや不安が強く、パニック発作が疑われる場合は、心療内科や精神科の受診を検討します。

ただし、身体疾患を除外することが重要であるため、まず内科で基本的な検査を受けてから精神科を受診することも推奨されます。

受診時に医師に伝えるべきポイント

医師が正確な診断を行うためには、患者からの詳細な情報が不可欠です。

受診前に症状を整理し、以下のポイントを明確に伝えることで、効率的な診察と適切な検査の選択が可能になります。

症状の発症時期と頻度について、いつから症状が始まったか、週に何回程度起こるか、症状が起こる時間帯(就寝直後、深夜、明け方など)を具体的に伝えます。

症状の持続時間も重要で、数分で改善するのか、朝まで続くのかを記録しておきます。

また、症状の変化(悪化傾向、改善傾向、変動など)も診断の手がかりになります。

症状の詳細な性状を説明することも重要です。

受診時に医師に伝えるべき症状の変化
  • 息苦しさの程度(会話ができない、横になれない、歩けないなど)
  • 随伴症状(胸痛、動悸、咳、痰、発汗、めまいなど)
  • 症状を改善させる要因(体位変換、薬の使用、窓を開けるなど)
  • 悪化させる要因(特定の食事、ストレス、運動など)

既往歴と現在治療中の疾患、服用中の薬剤(市販薬、サプリメントを含む)、アレルギーの有無も必ず伝えます。

家族歴も重要で、特に心疾患、呼吸器疾患、睡眠時無呼吸症候群の家族歴がある場合は申告します。

生活習慣については、喫煙歴(本数と年数)、飲酒習慣、運動習慣、職業(粉塵や化学物質への曝露)、最近の体重変化、ストレスの有無などを伝えます。

パートナーからの情報も診断に有用です。

いびきの大きさと頻度、呼吸停止の目撃、睡眠中の体動、日中の居眠りの頻度などは、本人が自覚していないことが多いため、可能であればパートナーも一緒に受診することが推奨されます。

症状日記をつけている場合は、それを持参すると医師の理解が深まります。

今夜から実践できる対処法と予防策

夜間の息苦しさを改善するためには、原因疾患の治療と並行して、日常生活での対処法を実践することが重要です。

これらの対処法は、症状の軽減だけでなく、睡眠の質の向上や疾患の進行予防にも役立ちます。

ただし、これらは補助的な対策であり、根本的な治療の代替にはならないことを理解しておく必要があります。

症状が続く場合は、必ず医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

寝姿勢の工夫と適切な枕の高さ

睡眠時の体位は、夜間の息苦しさに大きく影響します。

仰向けで寝ると、重力により舌根が沈下し気道を狭くするため、睡眠時無呼吸症候群の症状が悪化します。

側臥位、特に左側を下にして寝ることで、気道の開通性が保たれやすくなります。

研究によると、睡眠時無呼吸症候群患者の約半数は体位依存性があり、側臥位により症状の改善が期待できますが、改善の程度は個人差があります。

体位療法はAHIを54.1%(平均値比[ROM] 0.459、95%信頼区間[CI] 0.394–0.534)有意に減少させ、最低酸素飽和度を3.3%(ROM 1.033、95%信頼区間[CI] 1.020–1.046)上昇させた。

引用:Sleep Medicine Research Positional Therapy for Obstructive Sleep Apnea: Therapeutic Modalities and Clinical Effects

研究では、心不全による起座呼吸がある場合は、上体を30〜45度程度挙上することで症状が改善したことが示されています。

電動ベッドやリクライニングチェアの使用、または複数の枕やクッションを使って上体を起こすことが有効です。

逆流性食道炎の場合も、頭部挙上が有効です。

ベッドの頭側を10〜20cm程度高くすることで、重力により胃酸の逆流を防ぐことができます。

枕だけを高くすると首や背中に負担がかかるため、マットレス全体を傾斜させる(くさび型ウエッジの使用など)方法が推奨されます。

また、左側を下にして寝ることで、胃と食道の解剖学的な位置関係から逆流が起こりにくくなります

枕の高さと硬さも重要です。

高すぎる枕は頸部を過度に屈曲させ、気道を狭くする可能性があります。

逆に低すぎる枕は、舌根沈下を助長する可能性があります。

枕の高さは個人差が大きく理想値は一概に定まりませんが、横向きに寝た時に頭から背骨までが一直線になる高さを目安とすると良いでしょう。

寝室環境の改善方法

寝室の環境を整えることは、夜間の息苦しさの改善に重要な役割を果たします。

特にアレルギーが関与する喘息の場合、寝室のアレルゲンを減らすことが症状改善につながります。

室温と湿度の管理が重要です。

冷たい空気は気道を刺激し、喘息症状を悪化させる可能性があります。

寝室の温度は18〜22度、湿度は40〜60%に保つことが推奨されますが、アレルゲン抑制を目的とする場合は湿度50%未満が望ましいとされています。

エアコンや加湿器を適切に使用し、急激な温度変化を避けることが大切です。

ただし、加湿器の過度な使用はカビやダニの繁殖を促進する可能性があるため注意が必要です。

寝室環境改善のチェックリスト

項目基準・内容
室温・湿度管理・温度:18〜22度
・湿度:40〜60%(アレルゲン対策時は50%未満)
・温度調整:エアコン・加湿器で急激な変化を避ける
・加湿:加湿器の過度な使用は避ける
ハウスダスト・ダニ対策・寝具洗濯:週1回以上
・洗濯温度 :60度以上の高温
・寝具カバー:防ダニカバー使用
・床材:カーペット除去
・掃除:HEPAフィルター付き掃除機で定期清掃
ペットのアレルゲン対策・ペットを寝室に入れない
・定期的な掃除機かけ
・空気清浄機の使用でペットの毛やフケを除去
空気の質改善・定期的な換気
・HEPAフィルター付きの空気清浄機の使用
・花粉の飛散時期には窓を閉める
煙の回避・寝室での喫煙禁止

ハウスダストやダニ対策も重要です。

週1回以上の頻度で寝具を洗濯し、60度以上の高温で洗濯・乾燥させることでダニを効果的に除去できます。

防ダニカバーの使用、カーペットの除去、定期的な掃除機かけ(HEPAフィルター付きが望ましい)も有効です。

CDCのガイドラインでは、寝室のアレルゲンを減らすことで夜間喘息のリスクを低減できることが示されています

ペットのアレルゲン対策として、ペットを寝室に入れないことが推奨されます。

ペットの毛やフケは一般的な喘息の誘因であり、定期的な掃除機かけと空気清浄機の使用に加えて、ペットを寝室から遠ざけることが有効です。

空気の質を改善するため、定期的な換気と空気清浄機の使用が推奨されます。

特に花粉症がある場合は、花粉の飛散時期には窓を閉め、HEPAフィルター付きの空気清浄機を使用することが有効です。

タバコの煙は絶対に避けるべきで、家族に喫煙者がいる場合は屋外での喫煙を徹底する必要があります。

就寝前の生活習慣の見直し

就寝前の行動や習慣は、夜間の息苦しさに大きく影響します。

特に食事のタイミングと内容は重要で、就寝3時間前までに夕食を済ませることが推奨されます。

これにより胃内容物の逆流リスクを減らし、GERDによる症状を予防できます。

以下の食品は、下部食道括約筋を弛緩させたり、胃酸分泌を増加させたりして、逆流を促進する可能性があるため避けるべきです。

避けるべき食品
  • 高脂肪食
  • チョコレート
  • カフェイン含有飲料(コーヒー、紅茶、コーラ)
  • アルコール
  • 辛い食品
  • 酸性の強い食品(柑橘類、トマトなど)

夕食は消化の良い軽めの食事とし、食後すぐに横にならないことが大切です。

アルコールは上気道の筋肉を弛緩させ、気道の虚脱を起こしやすくします。

また、レム睡眠を抑制し、睡眠の後半で反跳的にレム睡眠が増加することで、睡眠時無呼吸が悪化する可能性があります。

就寝前4時間以内の飲酒は避けることが推奨されます。

喫煙は気道の炎症を引き起こし、粘液分泌を増加させるため、夜間の呼吸器症状を悪化させます。

禁煙が最も効果的ですが、困難な場合でも就寝前の喫煙は避けるべきです。

受動喫煙も同様に有害であり、家族の協力を得て室内での喫煙を避ける必要があります。

適度な運動は睡眠の質を改善しますが、就寝直前の激しい運動は避けるべきです。

運動により交感神経が活性化し、体温が上昇するため、入眠困難や睡眠の質の低下を招く可能性があります。

就寝近くの高強度運動は避けることが推奨されますが、中等度の運動については個人差があるため、自分の体調に合わせて調整することが大切です。

症状記録の付け方と活用法

症状の記録は、原因の特定と治療効果の評価に非常に有用です。

詳細な症状日記をつけることで、医師との情報共有が円滑になり、適切な診断と治療につながります。

記録すべき項目として、以下の内容などがあります。

記録すべき主な項目
  • 就寝時刻と起床時刻
  • 夜間覚醒の回数と時刻
  • 覚醒時の症状(息苦しさの程度、動悸、咳、胸痛など)
  • 覚醒後の対処法と効果
  • 朝の体調(頭痛、口渇、疲労感など)
  • 日中の眠気の程度(1〜10のスケールで評価)

週末と平日で睡眠パターンが異なる場合は、それも記録します。

生活習慣との関連を見るため、以下の内容なども必要になります。

生活習慣に関連した記録事項
  • 食事内容と時刻(特に夕食)
  • アルコール摂取量
  • カフェイン摂取の有無と時刻
  • 運動の有無と強度
  • ストレスレベル
  • 服薬状況(睡眠薬、鎮痛薬なども含む)、体重の変化

女性の場合は月経周期との関連も重要で、ホルモン変動が症状に影響する可能性があります。

最近はスマートフォンアプリやウェアラブルデバイスを使った睡眠記録も可能です。

これらは睡眠時間、睡眠の深さ、体動、心拍数、血中酸素飽和度などを自動的に記録できます。

ただし、医療機器ではないため、診断には使用できませんが、睡眠パターンの把握や治療効果の確認には有用です。

記録した情報は、月単位でパターンを分析することが重要です。

症状が悪化する曜日、時間帯、季節などのパターンがあるか、特定の行動や環境と症状の関連があるか、治療開始後の変化などを確認します。

この情報を医師と共有することで、より個別化された治療計画の立案が可能になります。

よくある質問(FAQ)

夜中に息苦しくて目が覚めるのは病気のサインですか?

夜中に息苦しくて目が覚める症状は、必ずしも病気を意味するわけではありませんが、頻繁に起こる場合や日常生活に支障をきたす場合は、何らかの疾患が潜んでいる可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群、心不全、逆流性食道炎、喘息、パニック障害などが原因として考えられます。

週に2回以上症状がある場合や、日中の眠気、疲労感が強い場合は、医療機関での検査を受けることをお勧めします。

早期診断により適切な治療を受けることで、症状の改善と合併症の予防が期待できます。

いびきをかく人は必ず睡眠時無呼吸症候群なのでしょうか?

いびきをかく人全てが睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。

研究によると、睡眠時無呼吸症候群患者の94%にいびきが見られますが、いびきをかく人の中で実際に睡眠時無呼吸症候群と診断されるのは一部です。

単純いびき症と呼ばれる、呼吸停止を伴わないいびきもあります。

ただし、大きないびきに加えて、日中の眠気、起床時の頭痛、夜間頻尿、集中力低下などの症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高くなります。

確定診断には睡眠検査が必要です。

市販薬で対処しても問題ありませんか?

市販薬での対処は一時的な症状緩和には有効な場合がありますが、根本的な原因の治療にはなりません。

また、誤った薬の使用により症状が悪化したり、重要な病気の発見が遅れたりする可能性があります。

特に睡眠薬や抗不安薬は、睡眠時無呼吸症候群を悪化させる可能性があるため注意が必要です。

症状が続く場合は、自己判断で市販薬を使い続けるのではなく、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることが重要です。

パートナーのいびきや呼吸停止に気づいたらどうすべきですか?

パートナーのいびきや呼吸停止に気づいた場合は、その頻度と持続時間を記録し、本人に伝えることが大切です。

本人は睡眠中の症状を自覚していないことが多いため、客観的な情報提供が診断に重要です。

可能であれば、動画を撮影して医師に見せることも有用です。

早期診断と治療により、心血管疾患のリスクを減らし、生活の質を改善できます。

睡眠時の呼吸を自分でチェックする方法はありますか?

睡眠時の呼吸を自分でチェックする方法として、スマートフォンアプリやウェアラブルデバイスの使用があります。

これらは睡眠中の体動、いびき、血中酸素飽和度などを記録できます。

ただし、これらは医療機器ではないため、診断には使用できません。

より正確な評価には、簡易睡眠検査装置(自宅で使用可能)や、医療機関での終夜睡眠ポリグラフ検査が必要です。

症状がある場合は、これらのデータを参考にしながら、医療機関での正式な検査を受けることをお勧めします。

まとめ

夜中に息苦しくて目が覚める症状は、様々な疾患のサインである可能性があり、放置すると健康に深刻な影響を与えることがあります。

睡眠時無呼吸症候群、心不全、逆流性食道炎、気管支喘息、パニック障害など、原因は多岐にわたりますが、それぞれに特徴的な症状があり、適切な検査により診断が可能です。

症状の特徴を把握し、適切な診療科を受診することが早期診断への第一歩となります。

いびきと日中の眠気があれば睡眠外来や呼吸器内科、起座呼吸やむくみがあれば循環器内科、胸焼けがあれば消化器内科など、症状に応じた専門医の診察を受けることが重要です。

緊急性の高い症状がある場合は、躊躇せずに救急外来を受診すべきです。

日常生活での対処法も症状改善に有効です。

適切な寝姿勢の工夫、寝室環境の整備、就寝前の生活習慣の見直し、症状記録の継続など、今夜から実践できる対策があります。

これらは補助的な対策ですが、医学的治療と併用することで、より良い治療効果が期待できます。

夜間の息苦しさは生活の質を著しく低下させるだけでなく、未治療のまま放置すると心血管疾患などの重篤な合併症のリスクを高めます。

症状を我慢せず、早期に医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることで、健康的な睡眠と充実した日常生活を取り戻すことができます。

本記事の情報を参考に、自分の症状を正しく理解し、適切な行動をとっていただければ幸いです。

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この記事を書いた人

伊藤 信久のアバター 伊藤 信久 医師・グレースメディカルクリニック院長

福岡県出身。鹿児島大学医学部卒業後、大学病院の心臓外科に勤務。冠動脈バイパス術・弁置換術などの高度な心臓手術を多数担当。
その後、恩師が開業したクリニックで一次診療に従事。地域医療の最前線で多くの患者と向き合う中で「患者さんに最も近い距離で診療すること」の重要性を再認識し、開業医として地域医療に貢献することを決意。2014年に熊本市でグレースメディカルクリニックを開設した。現在は院長として、ポリソムノグラフィーなど最新の睡眠検査設備を導入し、CPAP療法・口腔内装置・生活習慣指導を組み合わせた包括的なSAS診療を提供。心臓外科で培った循環器の知見を活かし、「眠りから全身を守る医療」をモットーに地域の健康づくりと啓発活動に取り組んでいる。

主な資格・所属学会
・日本外科学会
・日本循環器学会
・点滴療法研究会

地域の“かかりつけ医”として、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする生活習慣病の早期発見と予防に力を注ぎ、患者一人ひとりの「より良い眠りと健康」の実現を目指している。

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