「薄毛は中高年の悩み」と思われがちですが、実は20代でもAGA(男性型脱毛症)を発症するケースは少なくありません。

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」によれば、20代男性の約10%がAGAを発症しているとされています。

AGAの主な原因は、遺伝的要因と男性ホルモンの影響によるものです。

20代は仕事や環境の変化によるストレス、不規則な生活習慣、食生活の乱れなどが重なりやすい時期でもあり、これらの要素がAGAの発症や進行に関わっている可能性もあります。

また、ヘアサイクルの関係からAGAは早めの治療が重要となります。

AGAは進行性の症状ですが、早期から医師の診断を受けて適切に対応することで、進行を遅らせることが期待されます。

自分自身の髪の健康について関心を持ち、変化に気づいたら医療機関への相談を検討しましょう。

まずはここをチェック!20代AGA早わかりQ&A

よくある疑問ひとことで回答
20 代でもAGAになる?なる。約10%が発症
初期サインは?M字の後退・つむじのボリューム低下
放置すると進行する?進行性なので早期対策必須
治療で回復する?医師の薬物療法で進行抑制・発毛可

本記事では、20代のAGAについて初期症状の見分け方から原因、対策方法、治療する際の注意点まで詳しく解説します。

AGA治療を始める前には、副作用のリスクや継続的な費用負担、治療効果には個人差があることなどを理解しておくことも大切です。

20代で薄毛に悩んでいる方は、AGAに関する理解を深め、適切な判断をするための参考にしてください。

この記事でわかること
  • 20代男性のAGA発症率と年代比較
    └ 日本皮膚科学会ガイドラインに基づく「約10%」の数字と30〜40代との違いがわかる
  • 20代特有の3大リスク要因(遺伝・DHT・生活習慣)
    └ 家族歴、男性ホルモン分泌ピーク、新社会人ストレスなど年齢固有の背景を整理
  • 早期治療のメリットと“毛包が生きているうち”に始める理由
はじめに(免責・注意事項)

本記事は、あくまでも一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、医療上の助言や診断、治療を推奨するものではありません。

AGA治療薬をはじめとする医薬品や施術は、個人の健康状態や体質によって効果・副作用が異なる可能性があります。治療を希望される方は、必ず医師をはじめとする医療従事者と相談のうえ、十分な説明を受けてから自己責任においてご判断ください。

20代でもAGA発症リスクあり!年齢別の発症率と初期症状の特徴

薄毛というと中高年の悩みというイメージが強いかもしれませんが、20代の若い世代でもAGA(男性型脱毛症)を発症するリスクがあります。

株式会社エムボックスが実施した「10・20代の薄毛に関する意識調査」によると、約6割の方が20代前半までに薄毛を意識し始めているという結果が出ました。

この数字からも、若年層における薄毛の悩みが決して珍しいものではないことがわかります。

薄毛の悩みを感じ始めた年齢(n=56、HIX(ヒックス)調べ)

年齢割合
10〜14歳36.5%
15〜19歳7.7%
20〜24歳25.0%
25〜29歳30.8%

出典:株式会社エムボックス「10・20代の薄毛に関する意識調査」より一部抜粋

AGAは思春期以降の男性に発症する可能性があり、通常は時間をかけて徐々に進行していくことが特徴です。

症状に気がつくのは20代後半から30代にかけてが多く、40代以降になると、いわゆるM字やO字・U字型といった特徴的な脱毛パターンが完成する傾向にあります。

日本人男性の場合には 20 歳代後半から 30 歳代にかけて著明となり,徐々に進行して 40 歳代以後に完成される.

引用元:眞鍋求,他.「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」.日本皮膚科学会雑誌,127(13),2763–2777(2017).

初期段階では気づきにくい場合もあるため、気になる変化があれば医師に相談することが重要です。

20代男性の10%がAGAを発症している

日本皮膚科学会のガイドラインによれば、日本人男性の場合、20代でも約10%がAGAを発症していることが示されています。

年齢が上がるにつれて割合は増加しますが、全体の平均では約30%の方が発症しており、AGAは多くの成人男性が抱える悩みです。

この統計から、AGAは決して中高年だけの問題ではなく、20代の若い世代にも十分に起こりうる現象だということがわかります。

20代で約10%、30代で20%、40代で30%、50代以降で40数%と年齢とともに高くなる

引用元:眞鍋求,他.「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」.日本皮膚科学会雑誌,127(13),2763–2777(2017).

AGAの発症には、遺伝的要因や男性ホルモンの影響、生活習慣など複数の要因が絡み合っています。

そのため、家族に薄毛の方がいる場合や、不規則な生活を送っている若い世代でも発症リスクがあることを認識しておく必要があります。

初期症状は頭頂部のボリューム低下やおでこの後退

AGAの初期症状は、頭頂部のボリューム低下やおでこの生え際の後退として現れることが多い傾向にあります。

頭頂部や前頭部は、男性ホルモンの影響を受けやすい部位であるためです。

AGAの進行パターンは「ハミルトン・ノーウッド分類」によって7段階に分類され、日本ではこれに頭頂部の薄毛を加えた分類方法が広く使用されています。

初期段階(Ⅰ〜Ⅲ)から徐々に髪が細くなり、薄毛の範囲が広がっていくことが特徴です。

ハミルトン・ノーウッド分類

段階症状の特徴
Ⅰ型生え際のわずかな後退
Ⅱ型生え際の後退が2cm程度
Ⅲ型生え際の後退が2cm以上・頭頂部の密度低下
Ⅲvertex型頭頂部のみの薄毛
Ⅳ型前頭部と頭頂部の薄毛範囲が拡大
Ⅴ型前頭部と頭頂部の境目が細くなってくる
Ⅵ型前頭部と頭頂部がほぼ一体化
Ⅶ型側頭部や後頭部を除き全体的な薄毛

参考:今川賢一郎.「美容医療の基礎知識第8回『AGA治療、植毛』」.国民生活,2024年6月号(142).

また、抜け毛の増加や、太く長かった髪が徐々に軟毛化していく現象も初期症状として注目すべきです。

日本皮膚科学会のガイドラインでは、AGAの進行に伴い、健康な髪が次第に細く短い軟毛へ置き換わっていくことが報告されています。

臨床的には前頭部や頭頂部の頭髪が,軟毛化して細く短くなり,最終的には頭髪が皮表に現れなくなる現象である

引用元:眞鍋求,他.「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」.日本皮膚科学会雑誌,127(13),2763–2777(2017).

シャワーや洗髪時に以前より多くの髪が抜ける、頭頂部の髪が細くなった感じがするといった変化を感じたら、AGAの初期症状かもしれません。

ただし、生まれつきの髪質やおでこの形には個人差があるため、自己判断のみに頼るのは避けるべきです。

これらの初期症状に心当たりがある場合は、医師による適切な診断を受けることをおすすめします。

20代がAGAを発症する3つの原因!遺伝・ホルモンバランス・生活習慣の関係

20代でAGA(男性型脱毛症)を発症する原因は、主に「遺伝」「ホルモンバランス」「生活習慣」の3つが考えられます。

20代がAGAを発症する3つの原因
  • 遺伝:家族歴による影響
  • ホルモンバランス:男性ホルモン(DHT)による毛髪成長期の短縮
  • 生活習慣:不規則な食生活、ストレスなど

若いうちから発症するケースでは、遺伝的要因やホルモンバランスの影響が強い傾向にありますが、生活習慣の乱れなどが絡み合い、進行を加速させる可能性もあります。

自分の家族にAGAの方がいる場合や、不規則な生活を送っている場合は注意が必要です。

それぞれの要因がどのように20代のAGA発症に関わっているのかを理解することで、早期発見のきっかけとなるでしょう。

遺伝と男性ホルモン(DHT)の影響

AGAの発症には、遺伝的要因と男性ホルモン(DHT)が大きく関わっています。

母方の祖父や父親にAGAの傾向がある場合、子どもも発症する可能性が高まることが知られています。

DHT(ジヒドロテストステロン)は男性ホルモン(テストステロン)から変換される物質であり、毛髪成長期を短縮させる働きがあります。

男性型脱毛症の発症には遺伝と男性ホルモンが関与する

引用元:眞鍋求,他.「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」.日本皮膚科学会雑誌,127(13),2763–2777(2017).

AGAの発症メカニズムとして、以下のような過程が考えられています。

AGAを発症するしくみ
  1. 男性ホルモン(テストステロン)が5α還元酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)に変換される
  2. DHTが毛根の受容体に結合し、髪の成長を抑制する信号を出す
  3. 結果として毛髪の成長期が短くなり、十分に成長する前に抜け落ちるようになる
  4. 繰り返されるうちに髪が徐々に細く短くなり、最終的に薄毛が進行する

遺伝的影響が現れる仕組みには、主に2つの要素があります。

1つは、男性ホルモンであるテストステロンから変換されるDHTの生成されやすさです。

もう1つは、頭皮の毛包がDHTに対してどれだけ敏感に反応するかという活性度の高さです。

例えば、母方の祖父が薄毛(AGA)である場合、その遺伝子が孫に伝わりAGAを発症する可能性が高まります。

こうした遺伝的背景がある方は、早めの対策や定期的に頭皮状況をチェックすることが望ましいでしょう。

ホルモンバランスの影響は年齢を問わない

AGAの直接的な原因となるのが、男性ホルモンの一種であるテストステロンから変換されたジヒドロテストステロン(DHT)です。

テストステロンは5α-還元酵素という酵素によってDHTに変換され、DHTが毛根に作用することでAGAが引き起こされます。

注目すべきは、テストステロンの分泌は思春期以降に活発になり、20代前後でピークを迎えるという点です。

テストステロンの基準値を参考にすると、20代は他の年代と比較して高い傾向にあります。

日本人男性のフリーテストステロン値の年代別基準値

年齢テストステロン基準値(pg/mL)
20歳代8.5~27.0
30歳代7.6~23.1
40歳代7.7~21.6
50歳代6.8~18.4
60歳代6.0~18.4

出典:岩本晃明,他.「日本人成人男子の総テストステロン, 遊離テストステロンの基準値の設定」.日本泌尿器科学会雑誌,95(6),751–760(2004).をもとに作成。
※総テストステロン基準値は加齢の影響が少ないため20〜77歳全体で2.01~7.50ng/mL (平均±2SD)。

前述のとおり、AGA発症には遺伝など複数の要素が関連しており、テストステロンが多いからといってAGAを発症しやすいわけではありません。

しかし、ホルモンバランスの観点から見ると、20代を含め全年代の男性にAGA発症のリスクがあるといえます。

また、ストレスや睡眠不足などによるホルモンバランスの乱れも、20代特有の生活環境から生じやすいと考えられます。

ホルモンバランスの影響は年齢を問わず現れるため、20代であっても油断はできません。

新生活での生活習慣の乱れやストレスも要因になり得る

20代は大学卒業や就職など、生活環境が大きく変化する時期です。

環境変化に伴う生活習慣の乱れやストレスは、AGAの発症や進行を促進する要因となり得ます。

特に食生活、睡眠、ストレスによる影響は、髪の健康に密接に関わっています。

農林水産省の「食育に関する意識調査報告書(令和7年3月)」によれば、「主食・主菜・副菜を3つそろえて食べることが1日に2回以上ある」に「ほとんどない」と回答した方の割合は、20代男性が32.6%と全世代の中で最も高いことが報告されています。

栄養バランスに配慮した食生活に関する調査結果(n=1050)

年齢層ほぼ毎日週に4〜5日週に2〜3日ほとんどない無回答
20代26.7%18.6%22.1%32.6%0.0%
30代25.0%19.4%34.3%21.3%0.0%
40代33.3%25.7%26.4%14.6%0.0%
50代26.6%31.4%29.3%12.8%0.0%
60代36.9%25.7%28.0%8.9%0.5%
70歳以上45.2%21.3%23.5%9.0%1.0%

出典:農林水産省『食育に関する意識調査報告書(令和7年3月)』「図2-2-1 栄養バランスに配慮した食生活」より男性の回答のみ抜粋。

食生活の偏りは、髪の毛の健康を維持するために必要な栄養素の不足につながり、特に亜鉛、鉄分、ビタミン類の欠乏症はAGAを併発する可能性のある疾患とされています。

また、厚生労働省の「令和6年版厚生労働白書」による調査では、仕事や職業生活に関する強い不安やストレスを感じている労働者の割合は82.2%に達しています。

20代では「仕事の失敗、責任の発生」「仕事の量」によるストレスの割合が高いことも注目すべきポイントです。

過度なストレスは血行不良を引き起こし、頭皮環境の悪化につながる可能性があります。

ストレスを受け続けるとこの2つの神経のバランスが崩れ交感神経が優位になり続けて、だるさ、血行不良による冷えやコリ、不眠、胃腸障害などが起こり「自律神経失調症」状態となります。

引用元:ストレスとは | 専門家コラム | 働く女性の心とからだの応援サイト

こうした食生活の乱れやストレス、不規則な生活リズム、睡眠不足などが複合的に作用し、若くしてAGAを発症・進行させる要因となるかもしれません。

AGA治療の早期開始の重要性と20代で考慮すべきポイント

AGA(男性型脱毛症)は、放置することで薄毛がさらに進行していく特徴があります。

毛根が失われた状態を元に戻すことは容易ではないため、症状に気づいた早い段階での対応が推奨されています。

AGA治療は、医師による適切な診断と治療のもと、進行を遅らせることが期待されている治療法です。

一方で、AGA治療には継続的なケアが必要となるという特性も理解しておくことが大切です。

20代のうちから治療を開始した場合、長期にわたって時間や費用を投じることになり、生涯を通じての負担が大きくなる可能性もあります。

以下では、AGA治療を20代で始めることの重要性や考慮すべきポイントについて解説します。

毛根の健康が維持されている段階で治療を開始できる

AGAは毛髪の成長サイクルに影響を与える疾患です。

通常の場合、髪の毛は「成長期・退行期・休止期」からなるサイクルを繰り返していますが、AGAでは成長期が短くなり、早く休止期へ移行してしまいます。

その結果、髪が十分に成長する前に抜け落ち、次第に細く短い毛が増えていきます。

AGAの影響によるヘアサイクルの変化

項目内容通常の期間AGA発症後の変化
成長期髪が伸び続ける時期約2〜6年約数カ月〜1年に短縮される
退行期成長が止まり、毛根が小さくなる時期約2〜3週間早めに移行する
休止期古い毛が抜け落ち、新しい髪に生え変わる準備期間約3〜4カ月早めに移行し、長く停滞する

参考:乾重樹.「毛と毛包の解剖・毛髪異常(AGA)」.香粧会誌,42(2),93–97(2018).

ヘアサイクルを繰り返すごとに、髪の毛を作るための細胞は徐々に機能が低下していきます。

毛根の状態が比較的良好な段階で治療を開始することで、治療効果が高まる可能性があるため、変化に気づいた早い段階での医療機関への相談が推奨されています。

効果的に治療を進める為には理想を言えば,治療の開始時期は薄毛が気になり始めたとき,他の疾患同様,早期発見,早期治療が基本となる

引用元:松山淳.「臨床発毛医学の現状と展望 2018」.国際抗老化再生医療学会雑誌,1,25–30(2018).

20代のうちはAGAが初期段階である場合が多く、毛根の機能がまだ十分に保たれている時期に治療を開始できる場合があります。

「薄くなってきたかも」と感じた段階で適切な対応を講じることで、毛根の健康が維持されている段階で治療開始できる可能性が高まります。

治療の選択肢の幅が広がる可能性がある

AGAの進行度に応じて、治療方法の選択肢が変わることがあります。

早期の段階ではさまざまな選択肢から個々の状態に合った対応を検討できる場合があり、症状が進行した場合と比較して選択できるオプションの幅が広がる可能性があります。

反対に、AGAが進行して毛根の機能が低下している場合は、治療方法が限定される可能性があることを理解しておきましょう。

現状では完全に毛根がなくなった部分,元から毛がない部分に関しては自毛植毛やかつらといった方法しか選択の余地がない

引用元:松山淳.「臨床発毛医学の現状と展望 2018」.国際抗老化再生医療学会雑誌,1,25–30(2018).

このことから、変化に気づいた早い段階で医療機関に相談することで、より多くの選択肢の中から自分に適した対応法を検討できる可能性があるといえます。

ただし、どのような対応方法にも個人差があることを理解し、医師と相談しながら進めることが大切です。

早く始めるほど長期的な手間や費用が発生する

20代からAGA治療を開始する場合、長期にわたる時間的・経済的な制約があります。

AGA治療を続けるためには、定期的な医療機関への通院や日々のケア、治療薬の継続的な使用などが必要です。

日常生活の中で手間を感じる場合があり、若いうちから始めるほど長期間にわたってその手間が続きます。

また、経済的な側面も重要な検討ポイントです。

AGA治療の費用は治療法や医療機関によって異なりますが、一般的な薬物治療の場合、月々4,000〜20,000円程度の費用が目安として考えられます。※治療費用はクリニックによって異なるため、詳細については各医療機関にお問い合わせください。

20代から始めれば、その分だけ長期間の費用負担が生じることを念頭に置く必要があるでしょう。

医療機関での相談を通じて、自分のライフスタイルや経済状況に合った対応法を選び、無理のない範囲で継続できる方法を見つけることが大切です。

治療費用の参考情報について

以下クリニックのウェブサイトにおける内服薬・外用薬の通常価格を参考にしています(2025年4月時点)。

  • スマイルAGAクリニック
  • 湘南美容クリニック
  • ゴリラクリニック
  • AGAスキンクリニック
  • デジタルクリニック
  • DMMオンラインクリニック
  • クリニックフォア
  • Oops HAIR
  • Dクリニック

治療中断による再発リスクの可能性

AGA治療は一度効果が現れても、その状態を維持するためには継続的な取り組みが必要です。

薬物治療などによって状態が改善されたとしても、途中で治療を中断すると徐々に元の状態に戻っていく可能性があります。

内服を中止すると3〜6ヶ月で効果が消失する

引用元:坪井良治.「男性型脱毛症治療の現状と今後の展望」.日本薬理学雑誌,133(2),78–81(2009).

※あくまでも一般的な情報であり、薬剤の効果には個人差があります。

このような特性があるため、20代からAGA治療を始める場合、長期間にわたって継続する必要があることを前提に考える必要があります。

途中で中断した場合の影響についても、事前に医師からしっかりと説明を受け、理解しておくことが大切です。

特に若い時期から始める場合は、今後のライフスタイルや経済状況に応じて柔軟に対応できる治療計画を立てるとよいでしょう。

20代で始めるAGA対策を紹介!セルフケアと医療機関での治療

20代でAGA(男性型脱毛症)の兆候が見られた場合、早期からの適切な対策が重要です。

AGA対策には大きく分けて「自分でできるセルフケア」と「医療機関での治療」の2つのアプローチがあります。

AGAは進行性の症状であるため、適切な対応が遅れると症状が進行する可能性があります。

特に20代は社会人としての新生活が始まったり、一人暮らしを始めたりなど生活環境が大きく変化する時期であり、内的要因による頭皮環境への影響も考えられます。

そのため、髪の健康に関する正しい知識を身につけ、自分に合った対策を早めに始めることが大切です。

以下では、20代から始められるAGA対策について詳しく解説します。

生活習慣の改善とセルフケア

日々の生活習慣は、髪や頭皮の健康状態に影響を与える可能性があります。

不規則な食生活や睡眠不足、過度なストレスは、頭皮環境を悪化させる要因の一つです。

また、頭皮のべたつきや乾燥、フケなどの頭皮トラブルも、健康な髪の成長を妨げる場合があります。

セルフケアを日常生活に取り入れることで、髪と頭皮の健康維持を心がけましょう。

AGAリスク軽減のために意識したいセルフケア方法
  • 食生活:バランスの良い食事でタンパク質・ビタミン・ミネラル(鉄や亜鉛)を摂取
  • 睡眠:6時間以上の質の良い睡眠で成長ホルモンの分泌を促進
  • ストレス:適度な運動や趣味で上手にストレス発散
  • 頭皮ケア:丁寧な洗髪で頭皮を清潔に保つ

ただし、セルフケアだけではAGAの進行を遅らせることが難しい場合もあります。

症状が気になる場合は、セルフケアと並行して医師への相談も検討しましょう。

AGA専門クリニックでの治療

AGA専門クリニックでは、家族歴や生活習慣、頭髪状態の確認などの診察を通じて、個々の症状に適した治療方針が提案されます。

自己判断ではなく専門医の診断を受けることで、より適切な対応が可能です。

AGAの進行が初期段階である場合、内服薬や外用薬などの薬物治療が選択肢として提示される場合があります。

AGA内服薬・外用薬の特徴
  • 内服薬:AGAの原因物質である男性ホルモン(DHT)の生成を抑制
  • 外用薬:頭皮の血流を改善し発毛を促進

参考:坪井良治.「男性型脱毛症治療の現状と今後の展望」.日本薬理学雑誌,133(2),78–81(2009).

これらの薬剤は、髪の成長促進や進行抑制が期待される治療法として使用されますが、どの薬剤を使用するかは、症状の程度や体質などを考慮して医師が判断します。

なお、AGA治療は保険適用外のため、費用は全額自己負担となります。

また、治療の効果には個人差があり、効果が実感できるまでには一定期間の継続が必要です。

治療を始める際には、効果や副作用、費用面などについて医師と十分に相談し、自分のペースで続けていくことが大切です。

定期的に診察を受けながら、医師の指導のもとで治療を進めていきましょう。

20代のAGA治療で失敗しないために知っておくべき注意点

AGA(男性型脱毛症)は進行性の症状であるため、早期に適切な対応を始めることが一般的に推奨されています。

ただし、AGA治療には副作用や費用面での注意点があることを理解してから開始するべきです。

これらに対する理解が不十分なまま治療を開始してしまうと、思わぬ後悔につながる可能性があります。

将来の後悔を軽減するためにも、正しい知識を持って医療機関に相談し、自分が受ける治療への理解を深めたうえで治療を始めるようにしましょう。

ここでは、20代でAGA治療を考える際に注意すべきポイントについて解説します。

性機能障害や皮膚トラブルなど副作用のリスク

AGA治療薬には、副作用として性機能障害や皮膚トラブルなどが報告されています。

以下に、内服薬と外用薬の主な副作用をまとめました。

AGA治療薬の主な副作用

治療方法主な副作用
内服薬(5α還元酵素阻害薬)肝機能障害、リビドー減退、勃起機能不全
射精障害、精液量減少、乳房圧痛
乳房肥大、抑うつ症状、めまいなど
外用薬(発毛剤)頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、ふけ
使用部位の熱感、頭痛、気が遠くなる、めまい
胸の痛み、心拍が速くなる、急激な体重増加、手足のむくみなど

参考:5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 ◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠 添付文書 / ミノキシジルローション5%「JG」添付文書

内服薬は男性ホルモンに関連する作用を持つため、主に性機能に関する副作用が多く見られます。

外用薬では、頭皮の炎症やかぶれなどの皮膚トラブルが生じる可能性があるため、外見への影響も考慮する必要があります。

副作用はすべての人に発現するわけではありませんが、その可能性について十分理解しておくことが重要です。

AGA治療薬の副作用については医師と十分に相談し、自分のライフスタイルに合わせて判断することが望ましいでしょう。

治療中に何らかの異変を感じた場合は、自己判断で使用を中止せず、すぐに医師に相談するようにしましょう。

自由診療のため費用は全額自己負担となる

AGA治療は美容目的とみなされるため、公的健康保険の適用外となる「自由診療」に分類されます。

自由診療では、治療費用は全額が自己負担となり、医療機関によって費用が大きく異なる場合があります。

そのため、医療機関を選ぶ際には複数クリニックを比較し、適正な価格であることを判断してから契約するようにしましょう。

20代のうちは経済的に安定していない場合も多いため、無理のない範囲で続けられる金額であることも考慮すべきポイントです。

また、医療機関によっては初診料や検査費用、定期的な通院費用など、さまざまな費用が発生する可能性があります。

治療を検討する際には、事前に費用総額を確認し、医師と相談のうえ自分の経済状況に合った計画を立てることが重要です。

治療効果には個人差があり長期的な継続が必要

AGA治療薬については、効果が現れるまでに一定期間の継続使用が必要とされています。

3ヵ月の連日投与により効果が発現する場合もあるが、効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要である

引用元:5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 ◎男性型脱毛症用薬◎ フィナステリド錠 添付文章

※上記は一般的な情報であり、治療効果の現れ方には個人差があります。

ヘアサイクルが正常に戻るまでには時間がかかるため、治療を始めてすぐに目に見える変化が現れることは多くありません。

治療を始める際には、すぐに劇的な効果を期待するのではなく、長期的な視点で取り組む姿勢が大切です。

また、AGA治療の効果の現れ方は、個人の体質や症状の程度によって異なる場合があり、期待したほどの効果が得られないこともあります。

効果が現れるまでの期間や可能性について医師とよく相談し、現実的な期待値を持って治療に臨むことが重要です。

定期的に医師の診察を受けて経過を確認し、必要に応じて治療計画を見直すことも検討するとよいでしょう。

20代のAGAに関するよくある質問

20代のAGA(男性型脱毛症)について、多く寄せられる質問をまとめました。

20代のAGAに関するよくある質問
  • AGAは20代でも発症しますか?
  • 20代でAGAになったらどうすればいいですか?
  • AGA治療薬は20代でも使用できますか?
  • 20代の女性でもAGAになりますか?

若い年代でも発症する可能性があるAGAについて、正しい知識を身につけることで、適切な対応につなげましょう。

気になる症状がある場合は、自己判断せず医療機関に相談することをおすすめします。

AGAは20代でも発症しますか?

20代でもAGAを発症する可能性があります。

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」によれば、20代男性の約10%がAGAを発症しているとされています。

頭頂部のボリューム低下やおでこの後退など気になる変化があれば、医療機関に相談することをおすすめします。

20代でAGAになったらどうすればいいですか?

まずは自己判断せず、皮膚科やAGAを専門とする医療機関で適切な診断を受けることが大切です。

医師による診断の結果、AGAと判断された場合は、生活習慣の見直しや適切な治療について相談しましょう。

AGAは進行性のため、早めに気づくことが重要です。

日々髪の変化を観察し、気になる症状があれば早めに医療機関を受診することをおすすめします。

AGA治療薬は20代でも使用できますか?

医師による診察を受け、適切な診断のもとで処方された場合、20歳以上の男性は使用できます。

ただし、治療薬には副作用のリスクがあるため、医師からの十分な説明を受け、理解したうえで使用することが重要です。

自分の健康状態や生活スタイルに合わせた適切な治療法を、医師と相談しながら決めていくことをおすすめします。

20代の女性でもAGAになりますか?

女性の場合、男性型脱毛症とは異なる「女性型脱毛症(FAGA)」を発症することがあります。

FAGAは一般的に頭頂部全体が薄くなる特徴があり、男性のようなM字型やO字型にはなりにくい傾向があります。

20代女性でも発症する可能性があり、男性とは異なる原因も考えられるため、女性の薄毛を専門とする医療機関への相談をおすすめします。

20代でAGAを発症したら早めに医療機関へ相談しよう

この記事では、20代のAGA発症リスクや初期症状の見分け方、原因と対策、治療を始める際の注意点について解説しました。

AGA(男性型脱毛症)は、20代の若い年齢でも発症する可能性があります。

頭頂部のボリューム低下やおでこの後退、髪質の変化など、気になる症状がある場合は、自己判断せずに医療機関での適切な診断を受けることが大切です。

20代のAGAについて、重要ポイントを以下にまとめます。

AGAを発症する主な原因は、遺伝的要因と男性ホルモン(DHT)の影響です。

しかし、20代は新しい環境への適応やストレスが多い時期であり、これらがAGAの発症や進行に影響を与える場合があります。

早めに変化に気づき、医師に相談することで、毛根の健康が比較的維持されている段階から適切な対応を始められる可能性が高まります。

AGA治療を検討する際は、副作用のリスクや費用面での負担、長期的な継続の必要性などを考慮しましょう。

治療は自由診療となるため費用は全額自己負担となり、効果の現れ方には個人差があることも理解しておく必要があります。

また、治療を中断すると症状が元に戻る可能性があるため、経済的・時間的な面も含めて長期的な視点で考えることが大切です。

20代でAGAの兆候に気づいたら、まずは医療機関に相談し、正確な診断と自分に合った対応方法について検討することをおすすめします。

早めの対応により、将来の選択肢を広げることができるでしょう。