熊本市東区の内科・循環器内科・糖尿病脂質代謝内科・禁煙治療・在宅診療のグレースメディカルクリニック
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「フィナステリドとデュタステリドは何が違うのか」「それぞれに期待できる効果を知りたい」
フィナステリドとデュタステリドは、どちらも乱れたヘアサイクルを整え、薄毛や抜け毛の進行を抑える効果が期待される成分である。
作用がよく似ているため、違いがわからず、どちらを選ぶべきか迷う方も多いだろう。
本記事では、フィナステリドとデュタステリドの主な違いを3つのポイントに分けて解説する。
AGAの症状に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてほしい。
フィナステリドはAGA治療薬「プロペシア」に含まれる主成分であり、デュタステリドは「ザガーロ」の主成分として知られている。
いずれも本来は成分名を指す言葉だが、一般的には薬の名前として使われることも少なくない。
また、女性や小児に一般的なAGA治療薬として使うものではなく、適応や安全性の点から男性AGAを前提に考える薬である。
とくに妊婦・妊娠の可能性がある女性・授乳婦では禁忌や接触注意が重要となる。
※参考:PMDA「プロペシア錠0.2mg/1mg 添付文書」、PMDA「ザガーロカプセル0.1mg/0.5mg 添付文書」
※参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
フィナステリドとデュタステリドの働きを理解するには、まずヘアサイクルとAGAの関係を知っておくことが大切である。
髪の毛は1日あたり約0.3mm伸びるとされているが、永久に伸び続けるわけではない。
毛髪には一定の周期があり、その流れに沿って自然に抜け落ちる。この仕組みがヘアサイクルである。
ヘアサイクルとは、1本の髪が生え始めてから抜けるまでの一連の周期を指し、「成長期」「退行期」「休止期」の3つに分けられる。
なかでも大部分を占めるのが成長期で、この期間に髪は長く太く育っていく。
AGAは、このヘアサイクルが男性ホルモンの影響によって乱れることで起こる。
男性ホルモンの一種であるテストステロンは、5αリダクターゼと結びつくことで「DHT(ジヒドロテストステロン)」へ変化する。
DHTはヘアサイクルの成長期を大きく短縮させるため、髪が十分に育たないまま抜けやすくなり、結果として薄毛や抜け毛が目立つようになる。
フィナステリドとデュタステリドは、いずれも5αリダクターゼの働きを抑える成分である。
薄毛や抜け毛の進行を防ぐ目的で使われることから「守りの薬」と呼ばれることもある。
5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型の2種類がある。
フィナステリドは主にⅡ型に働きかけ、Ⅰ型にはほとんど作用しない。
一方で、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方に作用する点が特徴である。
これらの成分を服用することでDHTの生成が抑えられ、乱れたヘアサイクルを整える効果が期待できる。
フィナステリドとデュタステリドは、どちらもAGA治療で使われる成分であり、働きもよく似ている。
では、両者にはどのような違いがあるのだろうか。
主な違いとして挙げられるのは、作用する5αリダクターゼの種類・半減期・副作用の3点である。
※参考:医療用医薬品:プロペシア(プロペシア錠0.2mg他)
※参考:医療用医薬品:デュタステリド(デュタステリドカプセル0.5mgAV「日医工」)
フィナステリドとデュタステリドの最も大きな違いは、作用する5αリダクターゼの種類である。
フィナステリドはⅠ型にはほとんど作用せず、主にⅡ型を阻害する。
一方、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方に働きかける特徴がある。
※実際の治療選択では、効果実感、副作用、既往歴、継続しやすさを総合して判断
服用した薬は、体内で代謝や排泄が行われることで少しずつ減っていく。
半減期とは、体内に入った薬の血中濃度が半分になるまでの時間を指す言葉である。
つまり、半減期が長いほど、成分が体内にとどまる時間も長くなるということだ。
フィナステリドの終末半減期は一般におよそ5〜6時間前後、デュタステリドは約5週間と理解されることが多い。
デュタステリドは体内に長く残るため、中止後もしばらく影響が続きやすく、献血制限期間が長い理由のひとつでもある。
副作用にも違いがある。
一般的には、デュタステリドの方が男性ホルモンへの作用が強い分、副作用も起こりやすい傾向がある。
日本皮膚科学会のガイドラインに掲載された試験では、デュタステリドの副作用発現率として次のような結果が示されている。
国際臨床試験では、リビドー減少が3.3%、インポテンツが5.4%、射精障害が3.3%であった。
韓国の市販後調査では、リビドー減少が1.3%、インポテンツが1.0%、射精障害が0.1%と報告されている。
さらに、国内の非ランダム化試験では、リビドー減少が8.3%、インポテンツが11.7%、射精障害が5.0%という結果であった。
一方、フィナステリドでも性機能に関する副作用は確認されているが、プロペシア錠の添付文書では、リビドー減少は1~5%未満、インポテンツ・射精障害・精液量減少は1%未満とされている。
ただし、個別試験ではデュタステリドで性機能副作用がやや高めに見えることがある一方、メタ解析では両者の全体的な副作用率に大きな差がないとする結果もある。
効果がやや高い可能性は否定できないが、副作用は個人差が大きいので注意したい。
※参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」
フィナステリドとデュタステリドは、どちらもAGA治療で用いられる成分であり、作用もよく似ている。
その一方で、両者は併用できないため、治療ではどちらか一方を選んで服用することになる。
どちらを選ぶべきかは、医師に相談したうえで、自分の症状や治療方針に合ったものを判断することが大切である。
フィナステリドとデュタステリドの違いを理解するには、まず5αリダクターゼのⅠ型とⅡ型、それぞれの特徴を知っておく必要がある。
5αリダクターゼⅠ型は、体のさまざまな部位にある皮脂腺に多く存在している。
頭皮では、主に側頭部や後頭部に多いとされる。
育毛に関わる因子の生成を助けたり、皮膚の機能を保ったりする働きがある。
5αリダクターゼⅡ型は、前立腺や精巣に多く存在し、頭皮では前頭部や頭頂部に集中している。
頭部以外では発毛に関わる一方で、頭皮では脱毛に関与するとされている。
また、DHT(ジヒドロテストステロン)へ変換されやすいため、AGAとの関係がより深いと考えられている。
※参考:日薬理誌「男性における男性型脱毛症用薬5α-還元酵素II型阻害薬フィナステリド(プロペシア®錠0.2mg・1mg)の薬理学的特性と臨床効果」
5αリダクターゼのⅠ型とⅡ型の両方に作用するからといって、安易にデュタステリドを選べばよいというわけではない。
デュタステリドは作用範囲が広い一方で、副作用のリスクも高くなる傾向があるためである。
ただし、臨床上の差の大きさは人によって異なり、「進行しているなら必ずデュタステリド」と単純には決められない。
効果差の捉え方にはなお検討の余地があり、実際の処方では副作用や治療目標も含めて選ぶことが大切である。
自分に合ったAGA治療薬を選びたい場合は、自己判断で決めるのではなく、AGAクリニックで相談したうえで治療を進めるのが望ましい。
フィナステリドとデュタステリドを服用する際は、事前に押さえておきたい注意点がある。
主なポイントは、次の5つである。
・併用はできない
・女性と子どもは服用できない
・副作用のリスクを確認しておく
・服用する場合は献血の時期に注意する
・AGA以外の薄毛や抜け毛には効果が期待できない
フィナステリドとデュタステリドは通常、どちらか一方を選んで使う。
作用機序が近いために両方を重ねる意義は乏しく、副作用面からも一般的には勧められない。
治療を進める際は、フィナステリドかデュタステリドのいずれか一方を選ぶ必要がある。
服用を続けても効果を実感しにくい場合は、自分で判断して切り替えたり増量したりせず、医師に相談することが大切である。
フィナステリドとデュタステリドは、女性および子どもには使用できない薬である。
対象外の方が誤って服用しないよう、十分に注意しなければならない。
とくに妊娠中の方は、服用だけでなく薬剤に触れること自体も避ける必要がある。
成分が皮膚から吸収されることで、胎児が男児であった場合に生殖器の発育へ影響を及ぼす可能性があるためである。
薄毛や抜け毛に悩む女性には、別の治療法や治療薬が検討されることが多い。
自己判断で服用するのではなく、症状に合った治療プランを選ぶことが重要である。
また、フィナステリドでは近年、自殺念慮・自殺企図・自殺既遂の報告、ならびに精液の質低下や男性不妊症に関する記載が添付文書に追加されている。
デュタステリドでも抑うつ気分、性機能不全、乳房障害、精液特性への影響などを踏まえ、単に「性機能副作用だけ」をみるのではなく安全性情報全体を確認することが重要である。
フィナステリドまたはデュタステリドを服用している場合、服用をやめてから一定期間は献血ができない。
これは、血液中に薬の成分が残っている可能性があり、輸血を受ける人への影響を避ける必要があるためである。
日本赤十字社によると、フィナステリドは服用中止後1カ月間、デュタステリドは6カ月間、献血を控える必要があるとされている。
献血を予定している場合は、あらかじめ期間を確認しておくことが重要である。
フィナステリドとデュタステリドは、DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えることで、AGAによる薄毛や抜け毛の進行を防ぐ薬である。
そのため、AGA以外の原因で起こる脱毛には効果が期待できない。
薄毛や抜け毛の原因としては、AGA以外にもさまざまなものがある。
たとえば、円形や楕円形に突然髪が抜ける円形脱毛症や、髪を強く引っ張る髪型を続けることで起こる牽引性脱毛症などが挙げられる。
さらに、栄養バランスの偏った食生活によって髪に必要な栄養が不足していたり、誤ったヘアケアによって頭皮や毛髪にダメージが蓄積していたりすることも、抜け毛の原因になり得る。
薄毛や抜け毛の原因を自分だけで見極めるのは難しい。
適切な対処につなげるためにも、まずはAGAクリニックなどの医療機関に相談するのがおすすめだ。
AGAクリニックでは、フィナステリドまたはデュタステリドとあわせて、ミノキシジルの併用を勧めるケースが多い。
薄毛や抜け毛の進行を抑えながら発毛も促せるため、より効率よく改善を目指しやすくなるからである。
ミノキシジルはAGA治療で用いられる代表的な成分のひとつであり、ガイドラインでは外用が推奨されている。
一方、内服については安易に推奨できないため、使用を検討する場合は医師と十分に相談する必要がある。
主な作用としては、血流を改善して髪に栄養が届きやすい状態を整えることに加え、IGF・VEGF・HGFなどの成長因子を増やし、細胞の代謝を活発にすることが挙げられる。
こうした働きによって発毛を促すため、ミノキシジルは「攻めの薬」と呼ばれている。
※参考:ミノキシジル添付文書-医薬品医療機器情報提供ホームページ
ここまで、フィナステリドとデュタステリドの違いについて解説してきた。
フィナステリドとデュタステリドは、どちらも薄毛や抜け毛の進行を抑える目的で用いられる成分である。
ただし、デュタステリドはフィナステリドに比べて作用範囲が広い一方で、副作用のリスクも高くなる傾向がある。
効果・副作用・半減期・妊活・安全性情報を総合して、自分に合う選択を医師と一緒に決めるのが最も現実的である。
自分に合う治療薬がわからない方や、フィナステリド・デュタステリドの服用を検討している方は、AGAクリニックに相談するのが安心である。
医師の診察を受けることで、状態や希望に合った治療プランを提案してもらいやすくなるだろう。
一部試験では、デュタステリド0.5mgはフィナステリド1mgより毛髪数の改善が大きかったと報告されている。
これは、デュタステリドが5αリダクターゼのⅠ型・Ⅱ型の両方に作用するためである。
ただし、効果の高さだけを基準にデュタステリドを選べばよいわけではない。
実際には、薄毛が起きている範囲やAGAの進行度、治療に対する希望などを踏まえて、自分に合った薬を選ぶことが重要である。
また、デュタステリドは効果が期待しやすい一方で、副作用のリスクが比較的高い点にも注意が必要だ。
とくに性機能に関する副作用については、国際試験や国内試験で一定割合の報告がある。
そのため、効果だけで判断するのではなく、副作用のリスクも含めて医師と相談しながら選ぶことが大切である。