高血圧で悩んだら何科を受診すべき?病院選びのポイント

高血圧で悩んだら何科を受診すべき?病院選びのポイント

「健康診断で血圧が高いと言われた」「最近、血圧が気になる」――このような悩みを抱えていても、どの診療科を受診すればよいのか迷ってしまう方は少なくありません。

血圧が高いだけでは自覚症状がほとんどないため、放置してしまいがちですが、高血圧は脳卒中や心臓病などの重大な病気を引き起こす可能性があります。

この記事では、高血圧で病院を受診する際にどの診療科を選ぶべきか、また受診の目安やタイミング、初診での流れについて詳しく解説します。

早期の適切な対応によって、将来のリスクを大きく減らすことができますので、ぜひ最後までお読みください。

高血圧で受診すべき診療科
  • 内科または循環器内科が基本の受診先となる
  • かかりつけ医がいる場合はまずそちらに相談
  • 血圧が不安定、胸痛・動悸などがある場合は循環器内科を受診
  • 若年性・二次性・治療抵抗性高血圧は専門外来を受診
  • 合併症がある場合は総合病院や大学病院で治療

結論から言うと、高血圧の診療は内科または循環器内科が基本の受診先となります。

特に診察室血圧で140/90mmHg以上、または家庭血圧で135/85mmHg以上が続く場合は受診を検討しましょう。

適切な診療科を選び、早めに受診することで、脳卒中や心臓病といった合併症のリスクを大きく減らすことができます。

この記事でわかること
  • 高血圧で受診すべき診療科(内科・循環器内科)
  • 病院に行くべき血圧の数値と症状
  • 初診で行われる検査や診察の内容
  • 専門医療機関を選ぶべきケース
はじめに(免責・注意事項)

本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。

血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。

また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。

本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。

目次

高血圧の受診は内科または循環器内科が基本

高血圧と診断された場合、または血圧が気になる場合は、内科あるいは循環器内科を受診するのが一般的です。

日本では推定約4,300万人が高血圧を抱えているとされ、非常に身近な病気であるため、多くの医療機関で診療を受けることができます。

内科で対応できる高血圧の診療

内科は風邪やインフルエンザなど、あらゆる体の不調に幅広く対応する診療科です。

高血圧も生活習慣病の一つとして、内科で十分に診療することができます。

特に高血圧の初期段階や、合併症のない方であれば、内科での治療で十分な場合が多くなっています。

かかりつけ医として通っている内科があれば、まずはそちらで相談するとよいでしょう。

患者さんの体質や既往歴を把握している医師であれば、より個々の状況に合わせた治療方針を立てることができます。

また、日頃から健康状態を把握してもらうことで、血圧の変化にも早期に気づくことができる利点があります。

循環器内科を選ぶべきケースとは

循環器内科は、心臓や血管の病気を専門的に診療する診療科です。

高血圧は血液が血管の壁を押す圧力が高い状態であり、心臓や血管に大きな負担をかけ続けることになります。

高血圧が進行すると動脈硬化や狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの病気を引き起こす可能性があるため、循環器内科での専門的な診療が適している場合があります。

特に次のような状況では、循環器内科の受診を検討するとよいでしょう。

循環器内科の受診を検討すべきケース
  • 一般内科で治療していても血圧が安定しない
  • 薬を飲んでも目標値に達しない、または薬の調整が頻繁に必要
  • 胸の痛み、動悸、息切れ、めまいなどの症状がある
  • 若い年齢で高血圧を指摘された(若年性高血圧)
  • 腎臓やホルモン異常など、二次性高血圧が疑われる

まず、すでに内科で治療を受けているにもかかわらず血圧が安定しない場合です。

薬を飲んでいても目標値に達しない場合や、薬の種類や量を調整する必要がある場合は、循環器の専門知識を持つ医師に相談することで、より適切な治療方針を立てられる可能性があります。

また、高血圧に伴って胸の痛みや動悸、息切れ、めまいなどの症状が出ている場合も、循環器内科への受診が適切です。

これらの症状は心臓や血管に負担がかかっているサインかもしれません。

さらに、若年性の高血圧や、二次性高血圧が疑われる場合も、専門的な検査や診断が必要となるため、循環器内科での診療が推奨されます。

かかりつけ医がいる場合の対応

すでにかかりつけ医がいる方は、まずそちらに相談することをお勧めします。

血圧の測定は多くの診療科で日常的に行われており、高血圧の初期対応は一般内科で十分に可能です。

かかりつけ医との信頼関係があれば、生活習慣の改善指導や、必要に応じた薬物療法の開始もスムーズに進められます。

もし専門的な検査や治療が必要と判断された場合には、かかりつけ医から循環器内科や高血圧専門医への紹介状を書いてもらうことができます。

紹介状があることで、これまでの治療経過や検査データを引き継ぐことができ、スムーズに専門的な診療を受けられるというメリットがあります。

血圧140/90mmHg以上なら受診を検討する目安

血圧がどの程度高ければ医療機関を受診すべきなのか、明確な目安を知っておくことは重要です。

日本高血圧学会のガイドラインや厚生労働省の基準では、診察室血圧で140/90mmHg以上、または家庭血圧で135/85mmHg以上が高血圧の診断基準とされています。

すぐに受診すべき血圧の数値

血圧の数値によって、受診の緊急度は変わってきます。

特に注意が必要なのは、血圧が160/100mmHg以上の場合です。

これは日本高血圧学会の分類でⅡ度高血圧以上に該当し、すぐに医療機関を受診することが強く推奨されます。

このレベルの血圧が続くと、心臓や血管への負担が大きく、合併症のリスクが高まるためです。

一方、140/90mmHg以上160/100mmHg未満のⅠ度高血圧の場合は、まず生活習慣の改善に取り組み、おおむね1か月後に再評価のため医療機関を受診することが推奨されます。

ただし、糖尿病や脂質異常症などの他の危険因子がある場合や、既に心臓や腎臓の病気がある場合は、早めの受診が必要です。

自宅で血圧を測る家庭血圧の場合は、診察室血圧よりも5mmHg低い基準が用いられます。

家庭血圧で135/85mmHg以上が続く場合は、高血圧の可能性があるため受診を検討しましょう。

血圧は常に変動するため、1回だけ高かったからといってすぐに高血圧とは診断されませんが、何度測っても基準を超える場合は医療機関での相談が必要です。

頭痛やめまいなど症状がある場合は緊急受診を

高血圧は通常、自覚症状がほとんどありません。

そのため「サイレントキラー(静かなる殺人者)」とも呼ばれています。

しかし、血圧が極端に高くなった場合には、頭痛、めまい、吐き気、視界のぼやけ、胸の痛み、息切れなどの症状が現れることがあります。

血圧が180/120mmHg以上に達した場合は重症域であり注意が必要です。

症状からみる受診の目安

状況・症状対応の目安受診先
強い頭痛・胸痛・呼吸困難・突然の手足のしびれ・視覚異常・会話困難高血圧緊急症の可能性。すぐに救急車を呼ぶなど、緊急対応が必要救急外来
血圧が180/120mmHg以上だが、明らかな症状がない早めの医療機関受診が望ましい内科または循環器内科
動悸・息切れ・胸の圧迫感・軽いしびれなどが続く心臓や血管への負担のサインの可能性循環器内科

強い頭痛、胸痛、呼吸困難、突然の筋力低下、視覚の異常、会話の困難などの症状を伴う場合は高血圧緊急症(高血圧クリーゼ)の可能性があり、命に関わる危険な状態です。

このような症状がある場合は、すぐに救急車を呼ぶなど緊急の対応が必要です。

一方、血圧が非常に高くても特に症状がない場合は、必ずしも直ちに救急車を呼ぶ必要はありませんが、早めに医療機関を受診しましょう。

また、血圧がそれほど高くなくても、動悸が続く、少し動いただけで息切れがする、胸が締め付けられるような痛みがある、手足のしびれがあるといった症状がある場合は、早めに循環器内科を受診することをお勧めします。

これらは心臓や血管に負担がかかっているサインである可能性があるためです。

健康診断で指摘された場合の対応

健康診断や人間ドックで「血圧が高い」と指摘された場合は、放置せずに対応することが大切です。

健康診断では130/85mmHg以上が保健指導判定値、140/90mmHg以上が受診勧奨判定値とされています。

受診勧奨判定値を超えている場合は、医療機関での診察を受けることが推奨されます。

ただし、医療機関では緊張して血圧が上がってしまう「白衣高血圧」という現象もあるため、自宅でも1週間程度血圧を測定し、その記録を持参して受診するとよいでしょう。

家庭での血圧値は診察室での血圧値よりも、将来の心血管疾患のリスクをより正確に予測できるとされています。

一般集団において、家庭血圧測定はスクリーニング血圧測定よりも死亡率の予測力が高かった。

引用:PubMed Home blood pressure measurement has a stronger predictive power for mortality than does screening blood pressure measurement: a population-based observation in Ohasama, Japan

健康診断で初めて高血圧を指摘された場合でも、焦る必要はありません。

まずは落ち着いて、かかりつけ医や内科、循環器内科を受診し、詳しい検査を受けることから始めましょう。

早期発見・早期治療によって、多くの場合、生活習慣の改善だけで血圧をコントロールできる可能性もあります。

初診では問診・血圧測定・必要に応じて検査を実施

医療機関を初めて受診する際、どのような診察が行われるのかを知っておくと、安心して受診できます。

高血圧の初診では、問診、血圧測定、そして必要に応じて各種検査が行われます。

病院で聞かれる内容と準備しておくこと

初診時の問診では、医師から様々な質問を受けることになります。

初診時の主な質問内容
  • いつ頃から血圧が高いと指摘されたか
  • これまでの最高血圧値
  • 高血圧以外の病気の有無(糖尿病、脂質異常症、心臓病、腎臓病など)
  • 家族に高血圧や心臓病の人がいるか
  • 現在服用している薬やサプリメント
  • アレルギーの有無

また、生活習慣についても詳しく聞かれます。

具体的には、食事内容(特に塩分摂取量)、飲酒習慣、喫煙の有無、運動習慣、睡眠時間、ストレスの状況などです。

これらの情報は、高血圧の原因を探り、適切な治療方針を立てるために重要な手がかりとなります。

受診前に準備しておくとよいものとしては、健康診断の結果(直近1〜2年分)、お薬手帳(他の病院で処方されている薬がある場合)、家庭血圧の記録(自宅で測定している場合)などがあります。

特に家庭血圧の記録は、診察室での一時的な血圧だけでなく、日常生活での血圧変動を把握する上で非常に有用です。

できれば1週間程度、朝と夜の血圧を測定して記録しておくとよいでしょう。

行われる検査の種類

初診時には、高血圧の程度を確認し、二次性高血圧や臓器障害の有無を調べるために、いくつかの検査が行われます。

まず基本となるのが血圧測定です。

診察室では通常、両腕で血圧を測定し、適切な血圧値を確認します。

血圧は時間帯や状況によって変動するため、複数回測定することもあります。

次に血液検査が行われることが一般的です。

血液検査では、腎機能(クレアチニン、尿素窒素)、血糖値、脂質(コレステロール、中性脂肪)、電解質(ナトリウム、カリウムなど)などを調べます。

これらの検査によって、高血圧に伴う臓器障害の有無や、他の生活習慣病の合併を確認することができます。

高血圧診療で行われる主な検査

検査の種類主な目的・確認内容
血圧測定両腕で測定し、正確な血圧値を確認。時間帯や状況による変動を把握
血液検査腎機能(クレアチニン、尿素窒素)、血糖値、脂質、電解質などを測定し、臓器障害や生活習慣病の有無を確認
尿検査尿中のタンパク・血液の有無を調べ、腎臓への影響を評価
心電図検査不整脈や左室肥大など、高血圧による心臓への影響を確認
胸部レントゲン検査心臓の大きさや肺の状態を確認
追加検査(必要に応じて)心臓超音波(心エコー)、頸動脈超音波、眼底検査などで血管や心臓の詳細な状態を評価

尿検査も重要な検査の一つです。

尿中のタンパクや血液の有無を調べることで、腎臓への影響を評価します。

高血圧が長期間続くと腎臓にダメージを与えることがあるため、早期発見が重要です。

心電図検査では、心臓の電気的な活動を記録し、高血圧による心臓への影響(左室肥大など)や不整脈の有無を調べます。

胸部レントゲン検査では、心臓の大きさや肺の状態を確認します。

医療機関によっては、さらに詳しい検査として、心臓超音波検査(心エコー)、頸動脈超音波検査、眼底検査なども行われることがあります。

これらの検査は、高血圧による血管や心臓への影響をより詳しく評価するために有用です。

治療方針の決定と通院の流れ

検査結果が出たら、医師から診断結果と治療方針についての説明があります。

高血圧の治療は、血圧の高さだけでなく、年齢、他の危険因子の有無、臓器障害の程度などを総合的に判断して決定されます。

治療の基本は生活習慣の改善です。

減塩、適正体重の維持、適度な運動、節酒、禁煙などが推奨されます。

血圧が軽度の上昇である場合や、他の危険因子がない場合は、まず生活習慣の改善を数か月間試みて、その効果を見ることもあります。

一方、血圧が高い場合や、糖尿病などの他の危険因子がある場合、すでに臓器障害がある場合などは、生活習慣の改善と同時に薬物治療が開始されることがあります。

高血圧治療の流れと通院の目安

段階主な内容・対応通院の目安
① 検査・診断血圧・血液・尿・心電図などの検査結果をもとに、重症度や合併症の有無を評価
② 生活習慣の改善減塩、体重管理、運動、節酒、禁煙などを実践。軽度高血圧ではまず生活改善から開始数か月間の経過観察
③ 薬物治療の開始血圧が高い、または糖尿病・臓器障害などがある場合に降圧薬を併用約4週間ごとの再診で効果・副作用を確認
④ 継続的な通院血圧が安定してきたら通院間隔を延長し、定期的にコントロールを確認2〜3か月に1回程度

降圧薬にはいくつかの種類があり、患者さんの状態に応じて最適な薬が選択されます。

通院の頻度は、血圧の状態や治療の内容によって異なります。

治療を開始したばかりの時期や薬の調整を行った後は、薬の効果や副作用を確認するため、約4週間ごとの再評価が推奨されます。

血圧が安定してきたら、2〜3か月に1回程度の通院となることもあります。

定期的な通院を続けることで、血圧のコントロール状態を確認し、必要に応じて治療内容を調整していきます。

高血圧専門外来や大学病院を選ぶべきケース

多くの高血圧は一般の内科や循環器内科で十分に治療できますが、一部のケースでは、より専門性の高い医療機関での診療が必要となることがあります。

一般的な治療で改善しない場合

適切な薬物治療を行っているにもかかわらず、血圧が目標値まで下がらない場合があります。

このような状態は「治療抵抗性高血圧」と呼ばれ、高血圧専門医による詳しい評価が必要となる可能性があります。

治療抵抗性高血圧の主な原因
  • 薬の飲み忘れや不規則な服薬
  • 生活習慣の改善が不十分であること
  • 薬の種類や量が適切でないこと
  • 二次性高血圧が見逃されていること
  • 睡眠時無呼吸症候群などの合併症があること

専門医による詳細な評価によって、これらの原因を特定し、適切な対応を行うことが可能になります。

また、複数の降圧薬を服用しているのに血圧が下がらない場合や、薬の副作用が強く出てしまう場合なども、高血圧専門外来での相談が有用です。

専門医は豊富な経験と知識を持っており、より個別化された治療アプローチを提案できる可能性があります。

若年性高血圧や二次性高血圧が疑われる場合

一般的に高血圧は加齢とともに増加する傾向がありますが、若い年齢で高血圧と診断された場合は注意が必要です。

特に30歳代以下で高血圧が見つかった場合は、何らかの原因となる病気が隠れている可能性が高くなります。

二次性高血圧とは、特定の病気が原因で起こる高血圧のことで、全体の約1〜2割を占めます(本態性高血圧が約8〜9割)。

二次性高血圧の原因となる主な病気
  • 腎臓の病気
  • 副腎の病気(原発性アルドステロン症、褐色細胞腫など)
  • 甲状腺の病気
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 大動脈の異常

これらの病気が原因の場合、その病気を治療することで高血圧も改善する可能性があるため、適切な診断が重要です。

若年性の高血圧や、急に血圧が上がった場合、薬が効きにくい場合などは、二次性高血圧の可能性を考慮して、専門医療機関での精密検査を受けることが推奨されます。

大学病院や高血圧専門外来では、二次性高血圧の診断に必要な高度な検査を実施することができます。

合併症がある場合の専門医連携

高血圧に他の病気が合併している場合は、複数の専門医が連携して治療にあたることが必要となる場合があります。

例えば、心筋梗塞や狭心症などの心臓病を合併している場合は循環器内科、脳梗塞や脳出血の既往がある場合は脳神経内科や脳神経外科、腎臓病を合併している場合は腎臓内科といった具合です。

合併症に応じた専門医の例

合併している病気・症状対応する主な診療科主な役割
心筋梗塞・狭心症などの心臓病循環器内科心機能や冠動脈の評価・治療を行う
脳梗塞・脳出血などの脳血管障害脳神経内科/脳神経外科脳の血流管理や再発予防を行う
腎臓病(慢性腎臓病など)腎臓内科腎機能の保護と薬剤調整を行う
糖尿病などの代謝疾患糖尿病内科/内分泌内科血糖・ホルモン管理を行い、血圧治療と連携
重度・複合病態(多臓器障害など)総合病院・大学病院各科連携による包括的治療を実施

これらの専門医が揃っている大学病院や総合病院では、各科の医師が情報を共有しながら、総合的な治療方針を立てることができます。

特に特定機能病院などの高度医療を提供する施設では、多診療科・多職種による連携体制が整っており、重症・複合病態への対応が可能です。

また、重度の臓器障害がある場合や、入院治療が必要な場合なども、設備の整った大規模医療機関での治療が適していることがあります。

ただし、初めから大学病院を受診する必要は必ずしもありません。

まずはかかりつけ医や近隣の医療機関で相談し、必要に応じて紹介状を書いてもらう形で専門医療機関を受診するのがスムーズです。

紹介状のご提示により、当院と地域の病院および診療所を結び、患者さんの病状に適した質の高い医療を提供することができます。

引用:東海大学医学部付属病院 初診の方へ

紹介状があることで、これまでの経過や検査結果を引き継ぐことができ、待ち時間も短くなる場合があります。

よくある質問(FAQ)

血圧が少し高いだけでも病院に行くべきですか?

血圧が140/90mmHg以上であれば、一度医療機関を受診して相談することをお勧めします。

軽度の高血圧でも、長期間放置すると心臓や血管に負担がかかり、将来的に重大な病気につながる可能性があります。

ただし、他に危険因子がなく、血圧が軽度の上昇にとどまっている場合は、まず生活習慣の改善を試みることもあります。

自己判断せず、医師に相談して適切な対応を決めることが大切です。

内科と循環器内科、どちらを選ぶべきですか?

初めて高血圧を指摘された場合や、合併症のない軽度の高血圧であれば、一般内科で十分に対応できます。

かかりつけ医がいる場合は、まずそちらに相談するとよいでしょう。

一方、すでに治療を受けているのに血圧が安定しない場合、心臓や血管の症状がある場合、若年性の高血圧である場合などは、循環器内科での専門的な診療が適している可能性があります。

近所のクリニックと総合病院、どちらがいいですか?

一般的な高血圧の診療であれば、近所のクリニックで十分な場合が多いです。

通いやすさは継続的な治療において重要な要素となります。

ただし、精密検査が必要な場合や、複数の病気を合併している場合、重度の臓器障害がある場合などは、検査設備が整った総合病院での診療が適していることもあります。

まずは近くの医療機関で相談し、必要に応じて紹介してもらう形でよいでしょう。

初診時に持参すべきものはありますか?

健康保険証とお薬手帳は必ず持参しましょう。

健康診断の結果があれば、直近1〜2年分を持っていくとよいでしょう。

また、自宅で血圧を測定している場合は、その記録も持参すると診断の参考になります。他の医療機関からの紹介状がある場合は、それも忘れずに持っていきましょう。

薬を飲み始めたら一生続けなければいけませんか?

必ずしもそうとは限りません。

降圧薬には睡眠薬のような習慣性はなく、体質が改善すれば減量や中止が可能な場合もあります。

実際に、生活習慣の改善によって降圧薬が不要になる方もいます。

ただし、遺伝的な要因が強い場合や、血管の硬化が進んでいる場合は、長期的な服薬が必要となることもあります。

薬の必要性は個々の状況によって異なるため、自己判断で中止せず、必ず医師と相談しながら決めていくことが大切です。

まとめ

高血圧で悩んだら、内科または循環器内科を受診することが基本となります。

血圧が140/90mmHg以上続く場合は、症状がなくても医療機関での相談を検討しましょう。

特に160/100mmHg以上の場合や、頭痛・胸痛などの症状がある場合は、すぐに受診することが重要です。

初診では問診、血圧測定、血液検査や尿検査、心電図などの検査が行われ、その結果をもとに治療方針が決定されます。

多くの場合、生活習慣の改善と必要に応じた薬物療法によって、血圧をコントロールすることが可能です。

かかりつけ医がいる場合は、まずそちらに相談し、必要に応じて専門医への紹介を受けるとスムーズです。

一般的な治療で改善しない場合や、若年性高血圧、合併症がある場合などは、高血圧専門外来や大学病院での診療も検討しましょう。

高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれ、自覚症状がないまま進行します。

早期発見・早期治療によって、脳卒中や心臓病といった重大な合併症を予防することができます。

血圧が気になる方は、ためらわずに医療機関を受診し、適切な管理を始めることをお勧めします。

定期的な血圧測定と、医師との継続的なコミュニケーションが、健康な生活を送るための第一歩となります。

参考文献・参考サイト

特定非営利活動法人 日本高血圧学会 「高血圧治療ガイドライン2019

厚生労働省 健康づくりサポートネット高血圧

国立研究開発法人 国立循環器病研究センター 高血圧

特定非営利活動法人 日本高血圧学会 「高血圧治療ガイドライン2019 一般向け解説冊子

特定非営利活動法人 日本高血圧学会 「特定健診における受診勧奨判定値についての正しいご理解を

慶應義塾大学保健管理センター 「高血圧治療ガイドライン2019の改訂ポイント

J-STAGE 「高血圧緊急症の診断と治療の ポイント

厚生労働省 「受診勧奨判定値について

一般社団法人 日本循環器病予防学会 「血圧測定法

PubMed Home blood pressure measurement has a stronger predictive power for mortality than does screening blood pressure measurement: a population-based observation in Ohasama, Japan

医療ガバナンス学会「初診外来で高血圧患者をどう診るか

J-STAGE 「高血圧患者へのアプローチ

British Medical Journal The difference in blood pressure readings between arms and survival: primary care cohort study 

National Center for Biotechnology Information Recommendations – Guideline for the pharmacological treatment of hypertension in adults

American Heart Association Journals Resistant Hypertension: Detection, Evaluation, and Management: A Scientific Statement From the American Heart Association

European Society of Cardiology What is new in resistant hypertension?

PubMed Central Obstructive Sleep Apnea and Hypertensive Heart Disease: From Pathophysiology to Therapeutics

National Institute for Health and Care Excellence Recommendations | Hypertension in adults: diagnosis and management

National Center for Biotechnology Information Secondary Hypertension

厚生労働省「紹介状を持たずに特定の病院を受診する場合等の「特別の料金」の見直しについて

東海大学医学部付属病院 初診の方へ

横浜市立大学附属病院 初めて受診される方へ

PubMed Central Clonidine withdrawal. Mechanism and frequency of rebound hypertension

この記事を書いた人

伊藤 信久のアバター 伊藤 信久 医師・グレースメディカルクリニック院長

福岡県出身。鹿児島大学医学部卒業後、大学病院の心臓外科に勤務。冠動脈バイパス術・弁置換術などの高度な心臓手術を多数担当。
その後、恩師が開業したクリニックで一次診療に従事。地域医療の最前線で多くの患者と向き合う中で「患者さんに最も近い距離で診療すること」の重要性を再認識し、開業医として地域医療に貢献することを決意。2014年に熊本市でグレースメディカルクリニックを開設した。現在は院長として、高血圧をはじめとする循環器・生活習慣病の診療に注力。心臓外科で培った循環器の知見を活かし、「血圧から全身を守る医療」をモットーに地域の健康づくりと啓発活動を続けている。

主な資格・所属学会
・日本外科学会
・日本循環器学会
・点滴療法研究会

地域の“かかりつけ医”として、高血圧を中心とした生活習慣病の早期発見と予防、継続的な血圧管理に力を注ぎ、患者一人ひとりの「より良い血圧コントロールと健康」の実現を目指している。

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