高血圧の治療で定期的に通院している方にとって、「毎回病院に行くのが大変」「薬をもらうためだけに長時間待たされる」といった悩みは切実なものです。
仕事や家事で忙しい中、月に一度の通院時間を確保するのは想像以上に負担が大きく、特に働いている方や高齢の方にとっては大きな課題となっています。
そこで注目されているのが、2022年4月から始まった「リフィル処方せん」という新しい仕組みです。
この制度を使えば、病状が落ち着いている方は1回の診察で最大3回まで薬を受け取ることができます。
通院回数が減るだけでなく、病院でかかる費用も節約でき、通院にかかる時間も大幅に減らせます。
- 1回の診察で最大3回、高血圧の薬を受け取れる
- 2回目・3回目は診察不要で薬局のみで受け取り可能
- 血圧安定かつ定期検査が不要な状態が利用条件
- 薬局で毎回薬剤師が体調確認し、異変時は受診を勧められる
- 治療開始直後・薬の調整中・血圧変動が大きい場合は対象外
ただし、すべての患者さんが使えるわけではありません。
血圧が安定していることや、薬の量を変える必要がない状態であることなど、医師が「この方なら大丈夫」と判断した場合にのみ発行される仕組みです。
また、期間中も薬剤師が定期的に体調を確認し、必要があれば病院での診察を勧めることがあります。
この記事では、リフィル処方せんの基本的な仕組みから、高血圧の方が利用する際のメリット、使える条件、実際の受け取り方まで、わかりやすく解説していきます。
高血圧は体の不調を感じにくい病気ですが、薬をきちんと飲み続けることで脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気のリスクを下げることができます。
リフィル処方せんは、そうした治療をより続けやすくするための仕組みです。
まずは基本的な内容から見ていきましょう。
- リフィル処方せんの仕組みと通常の処方せんとの違い
- 高血圧でリフィル処方せんを使うメリット
- リフィル処方せんを使える条件と使えないケース
- 実際の受け取り方と使い方の手順
はじめに(免責・注意事項)
本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。
血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。
また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。
本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。
リフィル処方せんなら、2・3回目は診察なしで薬がもらえる
リフィル処方せんとは、病状が落ち着いている患者さんに対して医師が発行する、繰り返し使える処方せんのことです。
「リフィル(refill)」という言葉は英語で「詰め替え」や「補充」を意味し、まさに薬を「おかわり」できる処方せんというイメージです。
通常の処方せんは医師の診察を受けるたびに発行され、1回だけ使えます。
しかしリフィル処方せんを使えば、1回の診察で発行された1枚の処方せんで、決められた期間内に最大3回まで繰り返し薬局で薬を受け取ることができます。
この制度は海外では以前から使われており、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなど多くの国で日常的に利用されています。
日本では患者さんの通院の負担を減らすことと、医療をもっと効率的にすることを目指して、2022年度に始まりました。
厚生労働省の調査によると、利用する方は年々増えており、特に高血圧や糖尿病といった生活習慣病を持つ患者さんに多く活用されています。
始まった当初は病院側も慎重でしたが、患者さんからの希望も増えてきて、だんだんと広まってきている状況です。
症状が安定している患者さんの負担を減らす制度
リフィル処方せんが導入された背景には、高齢化が進んで長く付き合う病気を持つ患者さんが増えていることがあります。
日本では高血圧や糖尿病といった生活習慣病の患者さんが年々増えており、定期的な通院が大きな負担となっていました。
厚生労働省の調査によると、リフィル処方せんが多く使われている疾患は以下のとおりです。
- 高血圧性疾患
- 糖尿病
- 脂質異常症(コレステロールや中性脂肪の値が高い病気)
- アレルギー性鼻炎(花粉症など)
これらは病状が落ち着いていれば、毎回医師の診察を受けなくても薬を続けられる病気です。
この制度は患者さんの通院の負担を減らすだけでなく、病院側にとっても外来の負担が軽くなり、医師が一人ひとりの患者さんにより多くの時間をかけられるようになるという効果も期待されています。
通常の処方せんは1回限りだが、リフィルは繰り返し使える
通常の処方せんとリフィル処方せんの最も大きな違いは、使える回数です。
以下の表で違いを確認してみましょう。
通常の処方せんとリフィル処方せん違い
| 項目 | 通常の処方せん | リフィル処方せん |
|---|---|---|
| 使用回数 | 1回のみ | 最大3回まで |
| 有効期限(1回目) | 発行日を含めて4日以内 | 発行日を含めて4日以内 |
| 有効期限(2回目以降) | なし | 次回調剤予定日の前後7日以内 |
| 薬局での体調確認 | 毎回 | 毎回 |
| 医師の診察 | 毎回必要 | 初回のみ(期間中も体調変化時は受診可能) |
例えば、30日分の薬が書かれたリフィル処方せんを3回使えば、合計90日分の薬を1回の診察で受け取ることができます。
ただし、薬は3回に分けて薬局で受け取る必要があり、90日分をまとめて受け取ることはできません。
これは薬剤師が定期的に患者さんの様子や体調を確認するためです。
リフィル処方せんには「リフィル可」という欄があり、そこにチェックマークが入っていれば、それがリフィル処方せんであることがわかります。
また、全部で何回使えるか(2回または3回)も書いてあります。
高血圧でリフィル処方せんを使う3つのメリット
リフィル処方せんを利用すると、患者さんは具体的にどんな良いことがあるのでしょうか。
ここでは特に高血圧の治療を受けている方にとっての利点を3つご紹介します。
高血圧は日本人に最も多い生活習慣病の一つで、日本高血圧学会によると約4,300万人が高血圧と推定されています。
その多くの方が定期的に通院して薬を飲み続けていますが、体の不調がないために治療をやめてしまうケースも少なくありません。
リフィル処方せんは、こうした患者さんが治療を続けやすくするための工夫が盛り込まれた制度です。
通院回数が減ることで時間やお金の負担が軽くなるだけでなく、薬局という身近な場所で定期的に健康チェックを受けられることで、かえって治療が続けやすくなる効果も期待されています。
ここからは、具体的なメリットを一つずつ見ていきましょう。
通院が最大3ヶ月に1回で済む
リフィル処方せんを使う最大のメリットは、病院に行く回数を大幅に減らせることです。
例えば30日分の薬をもらっている場合、普通なら毎月1回通院する必要がありますが、リフィル処方せんを3回使えば、通院は3ヶ月に1回で済むようになります。
高血圧の治療では、体の調子が良くても定期的に薬を飲み続ける必要があります。
しかし、働いている方にとっては平日に病院を受診する時間を作るのが難しく、子育て中の方や家族の介護をしている方にとっても通院は大きな負担となります。
また、高齢の方の場合、足腰が弱くなると遠くの病院まで通うこと自体が難しくなることもあります。
リフィル処方せんを使えば、こうした通院にかかる移動時間や待ち時間を大きく減らせます。
予約していても待合室で30分以上待たされた経験は多くの方がしていると思いますが、そうしたストレスからも解放されます。
再診料がかからず医療費を節約できる
リフィル処方せんを使うもう一つの大きなメリットは、病院でかかる費用を減らせることです。
通常、病院を受診するたびに再診料(診察代)がかかりますが、リフィル処方せんを使って薬局で薬を受け取る場合、医師の診察を受けないため再診料が不要になります。
- 再診料:約750円(3割負担で約230円)
- 処方せん料:約600円(3割負担で約180円)
- 合計:約1,350円(3割負担で約410円)
※上記の金額は目安です。診療報酬改定や医療機関の区分、加算状況によって実際の金額は異なります。
3回リフィル処方せんを使った場合、2回分の受診費用が節約できるため、合計で数千円の医療費削減につながります。
また、通院回数が減ることで、病院に行くための交通費も減らせます。
バスや電車を使って通院している方であれば、交通費の節約効果も見逃せません。
個人の医療費が減るだけでなく、社会全体で見ても医療費を抑えることにつながります。
政府の計算では、リフィル処方せんを活用することで医療費の効率化効果(改定率ベースで0.1%程度)が期待されています。
仕事や家事で忙しくても薬を切らさずに済む
高血圧の治療で最も大切なのは、薬を切らさずに飲み続けることです。
しかし、忙しい毎日の中で定期的に通院するのは想像以上に大変です。
仕事の都合で病院に行く日を延ばしているうちに薬がなくなってしまったり、体調が悪くないからと自分の判断で薬を飲むのをやめてしまう方も少なくありません。
高血圧は「サイレントキラー(静かな殺し屋)」とも呼ばれ、自覚症状がほとんどないまま病気が進む特徴があります。
症状がないからといって治療をやめると、血管が傷んで固くなり(動脈硬化)、脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気につながるリスクが高まります。
リフィル処方せんを使えば、病院に行く回数は減りますが、薬局には定期的に訪れる必要があるため、薬を続けやすくなります。
薬局は病院よりも身近な場所にあることが多く、開いている時間も長いため、仕事帰りなどに立ち寄りやすいというメリットもあります。
また、新型コロナウイルス感染症のような感染症が流行っている時期には、病院への通院回数を減らすことで感染するリスクを下げることもできます。
リフィル処方せんを使えるのはどんな人?
リフィル処方せんは便利な仕組みですが、すべての患者さんが使えるわけではありません。
安全に薬を飲み続けるため、使える条件が決められています。
医師は患者さんの病状が落ち着いているか、他に病気がないか、薬をきちんと飲めているか、副作用が出ていないかなどを総合的に見て、リフィル処方せんを出すかどうかを決めます。
「病状が落ち着いている」という言葉は抽象的に聞こえるかもしれませんが、医学的にははっきりした基準があります。
血圧の数値が目標の範囲内で安定していること、同じ薬を一定期間続けていること、副作用が出ていないこと、定期的な検査が必要ない状態であることなどが判断の材料となります。
また、処方される薬の種類によっても制限があり、法律で決められた使えない薬もあります。
ここでは、リフィル処方せんを使える条件と使えないケースについて、具体的に見ていきましょう。
血圧が安定していて定期的な検査が不要な方
リフィル処方せんを使える最も重要な条件は、「病状が落ち着いている」ことです。
高血圧の場合、具体的には以下のような状態が目安となります。
- 血圧が治療の目標値の範囲内で安定している(例:病院で測った血圧が140/90mmHg未満、家で測る血圧では135/85mmHg未満が目安、ただし医師の判断によります)
- 同じ内容の処方が長い期間続いている
- 薬の副作用が出ていない
- 定期的な血液検査や心電図検査などが必要ない状態
血圧が治療の目標値の範囲内で安定していることが第一条件です。
一般的には病院で測った血圧が140/90mmHg未満、家で測る血圧では135/85mmHg未満に保てていることが望ましいとされていますが、最終的な利用可否は医師が判断します。
ただし、年齢や他に病気があるかどうかによって目標値は変わるため、主治医が一人ひとりに合わせて判断します。
また、同じ内容の処方が長い期間続いていることも大事なポイントです。
薬の種類や量が頻繁に変わっている場合や、血圧の上がり下がりが大きい場合は、リフィル処方せんの対象にはなりません。
さらに、定期的な血液検査や心電図検査などが必要ない状態であることも条件の一つです。
高血圧の治療では、腎臓の働きや体の中の塩分バランスを確認するために定期的な検査が必要になることがありますが、そうした検査が必要ない程度に状態が安定していなければ、リフィル処方せんは出されません。
医師は患者さんの全身の状態、他に病気があるか、薬の副作用が出ていないかなどを総合的に見て、リフィル処方せんを出すのが適切かどうかを決めます。
血圧の変動が大きい方や薬の調整中の方は対象外
一方で、以下のような状況の方はリフィル処方せんの対象外となります。
- 高血圧の治療を始めたばかりの方
- 薬の種類や量を調整している最中の方
- 季節によって血圧が大きく変わる方
- 複数の病気を抱えていて頻繁に医師の診察が必要な方
- 処方される薬が対象外のもの(新しい薬、麻薬、向精神薬、湿布薬など)
まず、高血圧の治療を始めたばかりの方や、薬の種類や量を調整している最中の方は対象になりません。
治療を始めたばかりの時期は血圧の上がり下がりが大きく、薬の効き具合や副作用を頻繁に確認する必要があるためです。
血圧が目標値に達して安定した状態が数ヶ月続いてから、初めてリフィル処方せんの対象となります。
また、季節によって血圧が大きく変わる方も注意が必要です。
一般的に血圧は冬に上がりやすく、夏に下がりやすい傾向があります。
こうした変化が大きい方の場合、医師が定期的に血圧を確認しながら薬の量を調整する必要があるため、リフィル処方せんは適さないことがあります。
冬季の日中の血圧上昇は、他の季節と比較した冬季の心血管疾患(CVD)イベントの発生率増加と関連している可能性が高い。
引用:PubMed Seasonal variation in blood pressure: current evidence and recommendations for hypertension management
複数の病気を抱えている方や、たくさんの薬を飲んでいる方も、慎重な判断が必要です。
例えば、高血圧に加えて糖尿病や心不全なども治療中で、頻繁に医師の診察が必要な場合は、リフィル処方せんの対象とならないことがあります。
さらに、処方される薬の種類にも制限があります。
- 新しく発売された薬(投薬期間に制限がある新薬など)
- 麻薬
- 向精神薬
- 覚醒剤の原料になる薬
- 一部の湿布薬
高血圧の治療で一般的に使われるカルシウム拮抗薬(血管を広げる薬)、ARB(血圧を上げる物質を抑える薬)、ACE阻害薬(ARBと同じような働きをする薬)、利尿薬(余分な水分を出す薬)などは対象となりますが、処方の内容によっては使えない場合もあります。
リフィル処方せんの受け取り方と使い方の手順
リフィル処方せんを実際に使うには、どのような手続きが必要なのでしょうか。
ここでは、発行されてから受け取るまでの具体的な流れをご説明します。
リフィル処方せんの使い方は、通常の処方せんとは違う部分があります。
特に2回目以降の薬を受け取る時には有効期限があり、それを過ぎると処方せんが使えなくなってしまいます。
また、薬局での対応も普段とは違う部分があり、薬剤師が果たす役割がとても重要になります。
リフィル処方せんは「診察なしで薬がもらえる」仕組みではなく、「医師と薬剤師が協力して患者さんを見守る」仕組みです。
そのため、薬局では毎回体調の確認があり、場合によっては病院での診察を勧められることもあります。
ここでは、初めてリフィル処方せんを使う方にもわかりやすいよう、発行されてから3回目を受け取るまでの流れを順を追って説明していきます。
まず医師に「リフィル処方せん希望」と伝える
リフィル処方せんを使いたい場合は、まず診察の時に医師にその旨を伝えてください。
医師があなたの病状が落ち着いていて、薬剤師と協力しながら一定期間、処方せんを繰り返し使えると判断した場合に、リフィル処方せんが発行されます。
ただし、リフィル処方せんを出すかどうかは医師の医学的な判断で決まるため、希望すれば必ず発行されるわけではありません。
病状が落ち着いているか、他に病気がないか、薬の種類などを総合的に見て、医師がリフィル処方せんが適切かどうかを決めます。
発行されたリフィル処方せんには、「リフィル可」の欄にチェックマークが入り、全部で何回使えるか(2回または3回)が書いてあります。
処方せんの様式自体は普段のものとほぼ同じですが、この部分を確認することでリフィル処方せんかどうかがわかります。
なお、厚生労働省の調査では、リフィル処方せんを出したことがある病院は約4割にとどまっており、まだ十分に広まっているとは言えない状況です。
患者さんからの希望が少ないことや、長期間分の処方で対応できることなどが理由として挙げられています。
もし利用したい場合は、遠慮せずに医師に相談してみましょう。
薬局で薬を受け取る際の流れと有効期限
リフィル処方せんをもらったら、薬局で薬を受け取ります。
以下のステップで進めていきます。
- 1回目の受け取り
- 発行された日を含めて4日以内に薬局に行く
- 薬剤師が処方の内容を確認し、服薬状況や体調を質問
- 「次回も同じ薬局で受け取ってください」という説明を受ける
- 処方せんは薬局で保管するか、自分で保管する
- 2回目・3回目の受け取り
- 次回調剤予定日(次に薬をもらう予定の日)の前後7日以内に薬局に行く
- 例:次回調剤予定日が6月13日の場合、6月6日~6月20日の間に受け取り可能
- 薬剤師が体調の変化を確認
- 必要に応じて受診を勧められることもある
薬局では薬剤師が処方の内容を確認し、あなたが薬をきちんと飲めているか、体調に変化はないかなどを質問します。
リフィル処方せんでは医師の診察回数が減る分、薬剤師が患者さんの様子を続けて確認する役割がとても大切になります。
1回目に薬を受け取る時、薬剤師から「次回も同じ薬局で薬を受け取ってください」という説明があります。
これは、続けて健康状態を管理するために推奨されていることで、同じ薬局を使うことで薬剤師があなたの様子を把握しやすくなります。
1回目の薬を受けった後、処方せんは薬局で保管するか、患者さん自身が保管します。
電子処方せん(データで管理される処方せん)に対応している病院・薬局であれば、紙の処方せんを持っていく必要がなく、なくす心配もありません。
一部の薬局では、リフィル処方せんの原本を薬局で預かるサービスを提供しているところもあります。
2回目以降は、前回の薬がなくなる頃に薬局を訪れます。
具体的には、薬剤師から教えてもらう「次回調剤予定日(次に薬をもらう予定の日)」の前後7日以内(※医療機関等の指示に従ってください)が有効期限となります。
例えば、次回調剤予定日が6月13日の場合、6月6日から6月20日までの間に薬をもらうことができます。
体調変化があれば途中でも受診が必要
リフィル処方せんを使っている期間中でも、体調に変化があった場合はすぐに病院を受診してください。
リフィル処方せんで薬をもらっている期間が終わる前でも、いつでも受診できます。
- 血圧が急に上がったり下がったりした
- 副作用と思われる症状が出た(めまい、ふらつき、むくみ、咳など)
- 新しい症状が出た
- 薬を飲み忘れることが増えた
- 体調に不安を感じることがある
薬局で2回目や3回目の薬を受け取る時、薬剤師があなたの様子や体調の変化を確認します。
その時、薬剤師が「リフィル処方せんで薬を出すのは適切でない」と判断した場合、薬を出さずに病院での診察を勧めることがあります。
例えば、血圧が大幅に上がっている、副作用の症状が出ている、薬の飲み忘れが多いなどの状況が見られた場合です。
保険薬局の保険薬剤師は、リフィル処方箋により調剤を行うに当たって、患者の服薬状況等の確認を行い、リフィル処方箋により調剤を行うことが不適切と判断した場合には、調剤を行わず、受診勧奨を行うとともに、処方医に情報提供を行う。
引用:厚生労働省「保険調剤の理解のために (令和7年度)」
また、次に薬をもらう予定の日に薬局に来なかった場合、薬剤師から電話などで連絡が来ることがあります。
これは、薬を飲み続けているか、体調に変化はないかを確認するためです。
リフィル処方せんは便利な仕組みですが、あくまでも病状が落ち着いている方のための制度です。
自分の判断で受診を控えるのではなく、気になる症状があれば早めに医師に相談することが大切です。
医師の診察と薬剤師による健康チェック、そして患者さん自身の健康管理、この3つが揃って初めて安全に治療を続けることができます。
よくある質問
- リフィル処方せんはどの病院でも発行してもらえますか
-
リフィル処方せんは、医師が医学的に適切と判断した場合に発行されます。
すべての病院で対応しているわけではなく、まだ発行したことがない病院も多く存在します。
利用したい場合は、まずかかりつけの病院に相談してみてください。
- リフィル処方せんをなくした場合はどうすればいいですか
-
リフィル処方せんをなくした場合、原則として再発行はできません。
病院を受診して新たに処方せんを発行してもらう必要があります。
紙の処方せんを保管するのが不安な方は、電子処方せんの利用や、薬局で預かってもらうサービスの利用を検討してみてください。
- 途中で薬局を変えることはできますか
-
できますが、推奨されません。
続けて健康状態を管理してもらうため、同じ薬局を使うことが望ましいとされています。
やむを得ず薬局を変える場合は、前の薬局から必要な情報を提供してもらうことができます。
- リフィル処方せんの期間中に病状が変わったらどうすればいいですか
-
すぐに病院を受診してください。
リフィル処方せんで薬をもらっている期間中でも、いつでも受診できます。
血圧が急に変わった、副作用が出た、新しい症状が出たなど、気になることがあれば遠慮せずに医師に相談しましょう。
- 長期処方とリフィル処方せんの違いは何ですか
-
長期処方は一度に長い期間分(例えば90日分)の薬をまとめて受け取る方法です。
一方、リフィル処方せんは薬を数回に分けて受け取り、その都度薬剤師が体調を確認します。
リフィル処方せんの方が、定期的に薬剤師のチェックを受けられるという特徴があります。
まとめ
リフィル処方せんは、病状が落ち着いている高血圧患者さんの通院の負担を軽くし、医療費を節約できる便利な仕組みです。
1回の診察で最大3回まで薬を受け取ることができ、仕事や家事で忙しい方でも治療を続けやすくなります。
ただし、リフィル処方せんを使えるのは医師が病状が安定していることを確認した方に限られ、血圧の上がり下がりが大きい方や薬の調整中の方は対象外となります。
また、期間中も薬剤師が定期的に体調を確認し、必要があれば病院での診察を勧めることがあります。
高血圧の治療で最も大切なのは、薬を切らさずに飲み続けることです。
リフィル処方せんは、そのための選択肢の一つとして有効な手段となります。
利用したい方は、まず主治医に相談してみてください。
病状が落ち着いていれば、より負担の少ない形で治療を続けることができるかもしれません。
薬を飲み続けることと並行して、塩分を控えることや適度な運動といった生活習慣の改善も忘れずに行いましょう。
医師の診察、薬剤師による健康チェック、そしてご自身の健康管理、この3つが揃って初めて高血圧を適切にコントロールすることができます。
厚生労働省 導入から2年超 使おう! リフィル処方箋
健康保険組合連合会 リフィル処方せん
National Health Service How to order a repeat prescription
Frontiers in Medicine A VOSviewer-Based Bibliometric Analysis of Prescription Refills
厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和5年度調査)の 報告案について」
厚生労働省「リフィル処方箋のファイル形式について」
特定非営利活動法人 日本高血圧協会 協会概要
厚生労働省北海道厚生局「別表第一 医科診療報酬点数表」
財務省「財政制度等審議会 財政制度分科会(令和4年4月13日)資料の一部訂正について」
Centers for Disease Control and Prevention About High Blood Pressure
厚生労働省 長期処方・リフィル処方の活用について
特定非営利活動法人 日本高血圧学会「一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子」
厚生労働省保険局医療課医療指導監査室「保険調剤確認事項リスト (薬局) 令和7年度改訂版」
厚生労働省「長期処方及びリフィル処方箋の 実施状況調査報告書(案) <概要>」
政府広報オンライン 「リフィル処方箋」を知っていますか?1度の診察で最大3回まで薬の処方を受けられます!
京都府薬剤師会 「令和 5 年 6 月 4 日(日)薬局業務研修会(Web 開催)」
厚生労働省「保険調剤の理解のために (令和7年度)」
桑名市 リフィル処方せんをご存じですか?


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