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血圧が高い時の過ごし方|今すぐできる対処法と日常で気をつけること

血圧が高い時の過ごし方|今すぐできる対処法と日常で気をつけること

健康診断で血圧が高いと指摘されたり、自宅で測定したら普段より数値が高かったりすると、不安になりますよね。

「このまま放っておいていいのだろうか」「今すぐ何かした方がいいのだろうか」と心配になる方も多いと思います。

血圧が高い状態は、適切に対処しないと脳卒中や心筋梗塞などの深刻な病気につながる可能性があります。

しかし、正しい知識を持って適切に対応すれば、リスクを大きく減らすことができます。

血圧が高い時の過ごし方
  • 椅子に座るか横になって安静にし、深呼吸でリラックスする
  • 常温の水をコップ1杯ゆっくり飲む(冷水・アルコール・カフェインは避ける)
  • 激しい運動や熱いお風呂、急激な温度変化を避ける
  • 5〜10分安静後に血圧を測定し、日時・状況・症状を記録する
  • 血圧180/120mmHg以上は直ちに受診が必要
  • 強い頭痛・胸痛・視覚異常などの症状があれば緊急受診する

血圧が高い時には、まず安静にして深呼吸などでリラックスすることが大切です。

激しい運動や熱いお風呂は避け、血圧が180/120mmHg以上の場合や強い頭痛・胸痛などの症状がある場合は速やかに医療機関を受診する必要があります。

この記事では、血圧が高い時の正しい過ごし方について、医学的根拠に基づいて詳しく解説していきます。

この記事でわかること
  • 血圧が高い時の具体的な対処法
  • 避けるべき行動と医療機関を受診すべきタイミング
  • 日常生活で気をつけるポイント(食事・入浴・運動・ストレス管理)
  • 血圧が高い時に現れる症状と危険なサイン
はじめに(免責・注意事項)

本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。

血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。

また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。

本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。

目次

血圧が高い時の正しい過ごし方

血圧が普段より高くなっている時や、測定して高い数値が出た時には、適切な対処が必要です。

ここでは、血圧が高い時に今すぐできる対処法から避けるべき行動、医療機関を受診すべきタイミングまで、具体的にご説明します。

血圧は一時的に上昇することもあれば、持続的に高い状態が続くこともあります。

一時的な上昇であれば適切な対処で落ち着くことが多いですが、持続的に高い場合や症状を伴う場合は医療機関での評価が必要になります。

アメリカ疾病予防管理センターによれば、血圧が180/120mmHg以上になると高血圧クライシスと呼ばれる危険な状態であり、直ちに医療機関を受診する必要があります。

急に血圧が上がった時の基本対処法

血圧が急に上がった時は、まず落ち着いて安静にすることが最も重要です。

立っている場合は椅子に座るか、可能であれば横になって休みましょう。

楽な姿勢をとることで、体への負担が軽減され、血圧が落ち着きやすくなります。

座る場合は、背もたれのある椅子に深く腰かけ、足を床にしっかりつけて安定した姿勢を保ちます。

横になる場合は、頭を少し高くした状態が望ましいとされています。

この時、きつい服装をしている場合は、ベルトやネクタイを緩めるなど、体を締め付けているものを緩めると良いでしょう。

周囲の環境も大切です。

静かで涼しい場所で休むことで、体がリラックスしやすくなります。

騒がしい場所や人混みの中にいる場合は、可能であれば静かな場所に移動することをおすすめします。

効果的なリラックス方法

血圧が上がっている時は、体が緊張状態にあることが多いため、意識的にリラックスすることが効果的です。

深呼吸は最もシンプルで効果的な方法の一つです。

深呼吸の方法として、ゆっくりと鼻から息を吸い込み、口からゆっくりと吐き出すことを繰り返します。

吸う時は3〜4秒かけて、吐く時は5〜6秒かけて行うと良いでしょう。

この呼吸を5〜10回繰り返すことで、心拍数が落ち着き、血圧も下がりやすくなる可能性があります。

腹式呼吸も効果的です。

お腹に手を当てて、息を吸う時にお腹が膨らむのを感じながら、ゆっくりと深く呼吸します。

このような呼吸法は、副交感神経を活性化させ、体をリラックスさせる効果が期待できます。

また、目を閉じて、肩の力を抜き、全身の緊張を意識的に解いていくことも有効です。

特に肩や首、顎などは無意識に力が入りやすい部分なので、意識して力を抜くようにしましょう。

水分補給の考え方

血圧が高い時の水分補給については、適度な量を心がけることが大切です。

脱水状態になると血液が濃縮され、かえって血圧が上昇する可能性があるため、適切な水分補給は重要です。

ただし、一度に大量の水を飲むのではなく、コップ1杯程度の水をゆっくりと飲むことが推奨されます。

冷たすぎる水は避け、常温または少しぬるめの水が適しています。

一部の研究では冷水摂取により一過性の血圧上昇が報告されているため、常温の水が無難です。

アルコールやカフェインを含む飲み物は避けるべきです。

これらは一時的に血圧を上昇させる可能性があり、また利尿作用があるため脱水を招く恐れがあります。

特に血圧測定前30分以内の摂取は避けることが推奨されています。

血圧測定後30分以内に喫煙、アルコール摂取、カフェイン摂取、運動をした場合、測定値が高くなる可能性があります

引用:Centers for Disease Control and Prevention Measuring Your Blood Pressure

測定と記録の重要性

血圧が高いと感じた時は、可能であれば血圧を測定し、その値を記録することが重要です。

家庭用血圧計があれば、5〜10分程度安静にした後に測定します。

測定する際は、正しい姿勢と方法で行うことが大切です。

椅子に座り、背もたれに背中をつけ、足を床につけた状態で測定します。

腕の位置は心臓の高さに合わせ、カフ(腕に巻く部分)は素肌または薄い衣服の上に正しく巻きます。

測定した値は日時とともに記録しておきましょう。

どのような状況で血圧が上がったのか、その時の症状なども一緒にメモしておくと、医療機関を受診する際に役立ちます。

1回の測定だけで判断せず、数分おいて2〜3回測定し、その平均をとることで、より正確な値を把握することができます。

避けるべき行動

血圧が高い時には、さらに血圧を上昇させる可能性のある行動を避けることが重要です。

激しい運動は絶対に避けてください。

ランニングや筋力トレーニング、重い物を持ち上げるなどの行動は、血圧をさらに上昇させる可能性があります。

運動は血圧管理に有効ですが、血圧が高い時に行うのは危険です。

熱いお風呂やサウナも避けるべきです。

高温の環境は血管を急激に拡張させ、その後の血圧変動を大きくする可能性があります。

急激な温度変化も避けましょう。

暖かい部屋から寒い屋外へ出る、冷たいプールから熱いお風呂に入るなど、急激な温度変化は血圧を大きく変動させる可能性があります。

過度な飲酒や喫煙も控えるべきです。

これらは血圧を上昇させる要因となります。

また、塩分の多い食事も避け、できるだけ薄味の食事を心がけましょう。

ストレスの多い状況や興奮する状況からも、可能な限り離れることが望ましいです。

仕事や家事は一時的に中断し、まずは体を休めることを優先してください。

医療機関を受診すべきタイミング

血圧が高い時、どのような場合に医療機関を受診すべきか、正しく判断することは非常に重要です。

緊急受診が必要な場合として、血圧が180/120mmHg以上の場合があります。

これは高血圧クライシスと呼ばれる危険な状態です。

このような著しい血圧上昇は、適切な治療を受けないと臓器障害を引き起こす可能性があります。

また、血圧の数値に関わらず、以下のような症状がある場合は直ちに救急車を呼ぶか、医療機関を受診してください。

数値に関わらず直ちに受診が必要な危険な症状
  • 強い頭痛、今まで経験したことのない激しい頭痛
  • 胸の痛みや圧迫感、息苦しさ
  • 視界のぼやけ、二重視、一時的な視力喪失
  • めまい、意識障害、ろれつが回らない
  • 体の一部の動かしにくさやしびれ
  • 吐き気や嘔吐
  • 止まらない鼻血

強い頭痛や、今まで経験したことのないような激しい頭痛が突然起こった場合は要注意です。

胸の痛みや圧迫感、息苦しさを感じる場合も危険な状態の可能性があります。

視界がぼやける、二重に見える、一時的に見えなくなるなどの視覚の変化も、重要な警告サインです。

めまいや意識がもうろうとする、ろれつが回らない、体の一部が動かしにくい、しびれるなどの神経症状が現れた場合は、脳卒中の可能性も考えられるため、一刻も早い対応が必要です。

吐き気や嘔吐を伴う場合や、鼻血が止まらない場合なども、医療機関での評価が必要です。

血圧が170mmHg前後で症状がない場合でも、その状態が続く場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。

世界保健機関(WHO)によれば、血圧140/90mmHg以上が高血圧と診断される基準であり、適切な評価と治療が必要とされています。

すでに高血圧の治療を受けている方で、普段よりも著しく血圧が高い場合や、薬を服用しているのに血圧が下がらない場合も、医師に相談すべきタイミングです。

血圧が高い人が日常生活で気をつけること

血圧が高い方や高血圧と診断された方は、日常生活の中で様々な点に注意を払うことで、血圧を適切に管理し、合併症のリスクを減らすことができます。

ここでは、食事、入浴、運動、ストレス管理、血圧測定の習慣化という5つの重要な側面について、具体的にご説明します。

日常生活での適切な管理は、薬物療法と同様に、あるいはそれ以上に重要です。

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によれば、健康的な生活習慣の改善により、薬を使わずに血圧を下げることができる場合もあり、また薬物療法を受けている場合でも、生活習慣の改善により薬の効果を高めることができるとされています。

食事で意識すべきポイント

食事は血圧管理において最も重要な要素の一つです。

特に塩分の摂取量をコントロールすることが、血圧を下げる上で大きな効果を発揮します。

減塩は血圧管理の基本です。

アメリカ国立心肺血液研究所(NHLBI)が推奨するDASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食事法によれば、塩分摂取を1日2,300mg以下、理想的には1,500mg以下に抑えることで、血圧を大きく下げることができることが示されています。

また、DASH食と減塩を組み合わせた研究によれば、高血圧のある方で平均11.5mmHg、高血圧のない方でも7.1mmHgの収縮期血圧の低下が見られました。

高ナトリウムレベルのコントロール食と比較して、低ナトリウムレベルのDASH食では、高血圧のない参加者の平均収縮期血圧が7.1 mmHg低下し、高血圧の参加者では11.5 mmHg低下しました。

引用:PubMed Effects on blood pressure of reduced dietary sodium and the Dietary Approaches to Stop Hypertension (DASH) diet. DASH-Sodium Collaborative Research Group

日本の食生活では、醤油、味噌、漬物、加工食品などから多くの塩分を摂取しがちです。

調味料は計量して使う、薄味に慣れる、加工食品よりも新鮮な食材を選ぶなどの工夫が効果的です。

食品を購入する際は栄養表示を確認し、塩分(ナトリウム)の含有量が少ないものを選ぶことも大切です。

一方で、積極的に取り入れたい栄養素もあります。

世界保健機関(WHO)は、高塩分摂取と低カリウム摂取が高血圧のリスク要因であるとしており、カリウムの十分な摂取を推奨しています。

血圧管理のために積極的に取りたい栄養素

栄養素主な働き・効果多く含む食品
カリウム余分な塩分(ナトリウム)を排出し、血圧を下げるほうれん草、ブロッコリー、トマト、バナナ、オレンジ、豆類、ナッツ類
カルシウム血管の収縮を抑え、血圧を安定させる低脂肪乳製品、小魚、大豆製品、海藻類
マグネシウム血管を拡張し、血圧を下げる働き海藻類、ナッツ、豆類、全粒穀物
食物繊維コレステロールを低下させ、血圧上昇を防ぐ全粒穀物、野菜、果物
良質なタンパク質血管機能を保ち、代謝をサポート魚、鶏肉、大豆製品

カリウムは余分な塩分を体外に排出する働きがあり、血圧を下げる効果が期待できます。

カリウムを多く含む食品として、野菜(ほうれん草、ブロッコリー、トマトなど)、果物(バナナ、オレンジ、メロンなど)、豆類、ナッツ類などがあります。

カルシウムとマグネシウムも血圧管理に重要です。

低脂肪の乳製品、小魚、大豆製品、海藻類などから摂取できます。

食物繊維を多く含む全粒穀物、野菜、果物も積極的に取り入れましょう。

DASH食の基本は、野菜や果物を豊富に、全粒穀物を中心に、魚や鶏肉などの良質なタンパク質を適度に摂取し、赤身肉や砂糖、飽和脂肪酸を控えるというバランスの良い食事です。

この食事法は、アメリカ心臓協会からも推奨されており、血圧だけでなく、心臓病のリスクも減らす効果が期待できます。

また、過度なアルコール摂取は血圧を上昇させる可能性があります。

飲酒する場合は、適量を守ることが大切です。

一般的に、男性では1日2杯以下、女性では1日1杯以下が目安とされています。

入浴時の過ごし方

入浴は日本の文化に深く根付いた習慣ですが、血圧が高い方は入浴方法に注意が必要です。

適切な入浴は血圧管理に良い効果をもたらす可能性がある一方で、不適切な入浴は危険を伴うこともあります。

お風呂の温度は41度以下、できれば38〜39度程度のぬるめのお湯が推奨されます。

カナダ医学協会雑誌に掲載された研究によれば、治療を受けている高血圧患者でも40度のお湯に10分間浸かることは概ね安全とされていますが、これはあくまで治療中で安定している方の場合です。

高温のお湯は血管に大きな負担をかける可能性があるため、血圧が著しく高い状態では入浴を控えるべきです。

入浴時間も重要です。

長時間の入浴は避け、10分程度を目安にしましょう。

長時間熱いお湯に浸かると、血圧が大きく変動したり、脱水症状を起こしたりする可能性があります。

血圧が高い方の入浴方法
  • お湯の温度は38〜39度のぬるめ、上限は41度まで
  • 入浴時間は10分程度を目安にする
  • 入浴前後にコップ1杯の水を飲み、水分補給を忘れない
  • 浴室・脱衣所は事前に暖め、温度差をなくす
  • 急に立ち上がらず、浴槽の縁で一呼吸おいてから出る
  • 血圧が180/120mmHg以上の場合は入浴を避ける
  • 飲酒後や体調不良・めまい時の入浴は控える

入浴前後の水分補給も忘れずに行いましょう。

入浴により発汗するため、脱水状態になると血液が濃縮され、血圧に影響を与える可能性があります。

入浴前にコップ1杯の水を飲み、入浴後も水分を補給することが推奨されます。

浴室と脱衣所の温度差にも注意が必要です。

特に冬場は、脱衣所や浴室を事前に暖めておくことで、急激な温度変化による血圧の上昇を防ぐことができます。

寒い脱衣所で服を脱ぐと血圧が上がり、熱いお湯に入るとさらに血管に負担がかかります。

お風呂から出る時は、急に立ち上がらず、ゆっくりと立ち上がるようにしましょう。

急に立ち上がると、血圧が急激に下がり、めまいや立ちくらみを起こす可能性があります。

浴槽の縁に座って一呼吸置いてから、ゆっくりと立ち上がるのが安全です。

血圧が180/120mmHg以上の高血圧クライシスの状態では、入浴は避けるべきです。

また、飲酒後の入浴も血圧の変動を大きくするため危険です。

体調が悪い時や、めまいを感じる時なども入浴を控えましょう。

運動との付き合い方

適度な運動は血圧を下げる効果があり、高血圧の予防と管理に非常に有効です。

しかし、運動の種類や強度、タイミングには注意が必要です。

アメリカ疾病予防管理センターが推奨する運動ガイドラインによれば、成人は週に150〜300分の中強度の有酸素運動、または75〜150分の高強度の有酸素運動、あるいはその組み合わせを行うことが推奨されています。

これは1日あたり約30分、週5日程度の運動に相当します。

中強度の運動とは、息が少し上がる程度で、会話はできるが歌は歌えない程度の運動です。

具体的には、早歩き、軽いジョギング、サイクリング、水泳、ダンスなどが含まれます。

国際的な研究のメタ分析によれば、有酸素運動により収縮期血圧が平均3〜5mmHg、拡張期血圧が2〜4mmHg低下することが示されています。

この効果は高血圧のある方でもない方でも見られ、継続的な運動により持続的な血圧低下が期待できます。

血圧を下げるための運動と注意点

項目有酸素運動筋力トレーニング
目的血圧を下げ、心肺機能を高める筋肉量を維持・増加し、代謝と血流を改善
推奨頻度・時間週5日・1日30分(週150〜300分)週2〜3回(全身をバランスよく)
強度の目安息が少し上がるが会話はできる程度(中強度)軽〜中程度の負荷で10〜15回を1セット
主な種目ウォーキング、サイクリング、軽いジョギング、水泳などスクワット、腕立て伏せ、ダンベル運動など
注意点無理をせず徐々に時間・強度を増やす息を止めずにゆっくり行う(いきみ禁止)
ポイント継続することで血圧低下と心血管リスク低減有酸素運動と組み合わせると効果が高まる

筋力トレーニングも血圧管理に有効です。

週に2日以上、主要な筋肉群を鍛える運動を行うことが推奨されています。

ただし、息を止めて力むような運動は血圧を急激に上げる可能性があるため避けるべきです。

軽い重さで、呼吸を止めずに行うことが大切です。

避けるべき運動もあります。

血圧が著しく高い時(180/110mmHg以上)の激しい運動は危険です。

また、ウエイトリフティングのように瞬間的に大きな力を出す運動や、息を止めて行う運動も、血圧を急激に上昇させる可能性があります

運動を始める前には、必ず医師に相談することをおすすめします。

特に心臓病や糖尿病などの持病がある方、長期間運動をしていなかった方は、適切な運動の種類と強度について医師の指導を受けることが重要です。

運動は少しずつ始め、徐々に時間や強度を増やしていくことが大切です。

いきなり激しい運動をすると、けがや体調不良の原因になります。

また、運動前後のウォーミングアップとクールダウンも忘れずに行いましょう。

ストレス管理と十分な睡眠

ストレスと睡眠不足は、どちらも血圧に悪影響を与える可能性があります。

適切なストレス管理と質の良い睡眠は、血圧コントロールに欠かせない要素です。

ストレスは血圧を一時的に上昇させることが知られています。

アメリカ心臓協会によれば、ストレスを受けると体は「闘争または逃走反応」を示し、ストレスホルモンが分泌されて心拍数が上がり、血管が収縮して血圧が上昇します

短期的なストレスは問題ありませんが、長期的なストレスは持続的な血圧上昇につながる可能性があります。

効果的なストレス管理方法
  • 十分な休息とリラックス時間を確保する
  • 深呼吸・瞑想・ヨガを毎日数分行う
  • 家族や友人との会話・交流を大切にする
  • 1日7〜9時間の睡眠を心がける
  • 寝室環境を整え、カフェインやスマホを控える
  • いびきや日中の眠気がある場合は医師に相談する

効果的なストレス管理方法として、まず十分な休息を取ることが基本です。

忙しい日々の中でも、自分のための時間を確保し、好きなことをしてリラックスする時間を持つことが大切です。

深呼吸や瞑想、ヨガなどのリラクゼーション技法も有効です。

1日に数分でも、静かな場所でゆっくりと深呼吸をすることで、心身をリラックスさせることができます。

社会的なつながりも重要です。

家族や友人と話をしたり、趣味の集まりに参加したりすることで、ストレスを軽減できる可能性があります

孤立はストレスを増大させるため、人とのつながりを大切にしましょう。

睡眠も血圧管理に極めて重要です。

研究によれば、睡眠時間が短い(5時間以下)場合、高血圧のリスクが1.61倍になることが示されています。

睡眠時間が5時間以下の人では7時間の場合と比較して高血圧の調整前ORは1.61(95%信頼区間:1.28~2.02)でした。

引用:PubMed Central Relationship between Duration of Sleep and Hypertension in Adults: A Meta-Analysis

また、睡眠不足は交感神経を活性化させ、ストレスホルモンを増加させることで血圧を上昇させる可能性があります。

成人には1日7〜9時間の睡眠が推奨されています。

質の良い睡眠を確保するために、規則正しい就寝・起床時間を保つ、寝室を快適な温度に保つ、就寝前のカフェインやアルコールを避ける、寝る前のスマートフォンやパソコンの使用を控えるなどの工夫が効果的です。

睡眠時無呼吸症候群など、睡眠の質を低下させる病気がある場合は、適切な治療を受けることも重要です。

いびきがひどい、日中の眠気が強いなどの症状がある場合は、医師に相談しましょう。

血圧測定の習慣化

家庭での定期的な血圧測定は、血圧管理において非常に重要な役割を果たします。

医療機関での測定だけでなく、日常的に自分で血圧を測ることで、より正確な血圧の状態を把握できます。

家庭血圧測定の重要性は、多くの研究で示されています。

アメリカ心臓協会とアメリカ医師会の共同声明によれば、家庭血圧測定を含む自己管理プログラムは、血圧コントロールの改善に効果的であり、心血管疾患のリスクを減らす可能性があるとされています。

正しい測定方法を身につけることが大切です。

正しい測定方法のポイント
  • 朝と就寝前の1日2回測定する
  • 測定前5分は安静にし、喫煙・カフェイン・運動を避ける
  • 背もたれのある椅子に座り、腕を心臓の高さに置く
  • カフは素肌または薄い衣服の上に正しく巻く
  • 1〜2分間隔で2〜3回測り、平均値を記録する
  • 測定日時・体調・服薬状況も一緒にメモする
  • 上腕式の自動血圧計を使用する
  • 測定結果で自己判断せず、医師に相談する

測定は朝起きてトイレを済ませた後、朝食や薬を服用する前、および就寝前の1日2回行うことが推奨されています。

測定前の5分間は安静にし、カフェインやアルコールの摂取、喫煙、運動を避けます。

測定時の姿勢も重要です。

背もたれのある椅子に深く座り、足を床につけ、腕は心臓の高さで机などに置きます。

カフは素肌または薄い衣服の上に巻き、締め付けすぎず緩すぎないように調整します。

測定は1回だけでなく、1〜2分の間隔をあけて2〜3回行い、その平均値を記録することで、より正確な値が得られます。

測定した日時と血圧の値は必ず記録し、医療機関を受診する際に持参しましょう。

体調や服用した薬、特別なことがあった日などもメモしておくと役立ちます。

家庭用血圧計は、上腕式で自動測定できるタイプが推奨されています。

手首式や指式の血圧計は測定誤差が大きくなる可能性があるため、できれば上腕式を選びましょう。

ただし、家庭血圧測定は自己判断での治療変更のためのものではありません。

測定結果に基づいて薬を自己判断で増減したり、中止したりすることは危険です。

血圧の変化や気になることがあれば、必ず医師に相談しましょう。

血圧が高い時に現れる症状

血圧が高い状態は、多くの場合、自覚症状がないまま進行します。

しかし、血圧が著しく高くなった場合や、急激に上昇した場合には様々な症状が現れることがあります。

ここでは、血圧が高い時に注意すべき症状と、特に危険なサインについて説明します。

注意すべき症状

ほとんどの高血圧患者は症状を感じませんが、血圧が非常に高くなると、頭痛、視界のぼやけ、胸の痛みなどの症状が現れることがあります。

頭痛は血圧が高い時によく見られる症状です。

特に後頭部や頭全体が重く感じられることがあります。

しかし、通常の頭痛と区別がつきにくいため、血圧を測定して確認することが重要です。

今まで経験したことのないような激しい頭痛の場合は、高血圧緊急症の可能性があり、すぐに医療機関を受診する必要があります。

めまいやふらつきも血圧が高い時に起こりうる症状です。

特に立ち上がった時にふらつく場合は、血圧の変動が関係している可能性があります。

ただし、めまいは様々な原因で起こるため、血圧との関連を確認することが大切です。

血圧が高い時に注意すべき症状

症状の内容考えられる原因・背景対応の目安
頭痛(後頭部や頭全体の重さ・圧迫感)血圧上昇による血管拡張や緊張血圧を測定し、続く場合は受診
めまい・ふらつき(立ち上がり時のふらつき、平衡感覚の異常)血圧変動・脳血流の変化安静にし、頻発する場合は受診
動悸(胸がドキドキする、脈が不規則)血圧上昇や不整脈放置せず医師に相談
息切れ・呼吸困難(少しの動作で息切れ、横になっても苦しい)血圧上昇による心負担早めの受診を推奨
鼻血(出血が止まりにくい、頻繁に起こる)血管への圧負荷出血が長引く場合は受診
顔のほてり・赤み(顔が熱い、のぼせる)血管拡張・血圧上昇一時的でも血圧確認を推奨
その他(吐き気、胸痛、視界のぼやけなど)高血圧クライシスの前兆症状が強い場合はすぐ受診

動悸や胸がドキドキする感覚を覚えることもあります。

心臓が速く打つ、不規則に打つと感じる場合は、血圧だけでなく心臓のリズムにも問題がある可能性があるため、医師の診察を受けることをおすすめします。

息切れや呼吸が苦しいと感じることも、血圧が高い時の症状として現れることがあります。

少し動いただけで息が上がる、横になっていても呼吸が苦しいなどの症状がある場合は注意が必要です。

鼻血が出た場合、高血圧が直接の原因とは限りませんが、血圧が高い状態では止血が困難になる可能性があります。

頻繁に鼻血が出る、なかなか止まらない場合は、医師に相談しましょう。

顔が赤くなる、のぼせるような感覚も血圧上昇と関連することがあります。

ただし、これらの症状だけで血圧が高いと判断することはできません。

研究によれば、高血圧クライシス(血圧180/120mmHg以上)の患者では、頭痛、胸痛、めまい、息切れ、吐き気などが報告されていますが、症状の出現頻度は研究により異なります。

危険なサイン

血圧が著しく高くなり、臓器に障害を起こしている可能性がある場合、より深刻な症状が現れることがあります。

これらの症状がある場合は、直ちに救急医療を受ける必要があります。

強い胸の痛みや圧迫感は、心臓への血流が不足している可能性を示すサインです。

心筋梗塞や狭心症などの重篤な状態が考えられるため、すぐに救急車を呼ぶべきです。

胸の痛みが腕や顎、背中に広がる場合も危険です。

激しい頭痛、特に突然始まった今まで経験したことのないような頭痛は、高血圧性脳症や脳出血の可能性があります。

頭痛に加えて吐き気や嘔吐を伴う場合は、特に注意が必要です。

血圧が高い時の危険なサイン

症状の部位・種類具体的な症状考えられる疾患・危険性対応
胸の痛み・圧迫感胸の強い痛み、腕・顎・背中への放散痛心筋梗塞・狭心症直ちに救急車を呼ぶ
頭痛突然の激しい頭痛、今までにない痛み、吐き気や嘔吐を伴う高血圧性脳症・脳出血緊急受診が必要
視覚異常視界がぼやける、二重に見える、一時的に見えなくなる脳・眼の血管障害すぐに医療機関へ
言語・運動障害ろれつが回らない、言葉が出にくい、片側の手足のしびれや麻痺脳卒中一分一秒を争う、救急要請
意識障害意識がもうろうとする、混乱、けいれん脳への血流障害・脳症緊急治療が必要
呼吸困難息苦しさが急激に悪化、座位でも呼吸困難急性心不全・肺水腫直ちに救急車を呼ぶ
その他の全身症状頭痛、めまい、胸痛、息切れ、尿量減少、視覚変化、嘔吐など高血圧緊急症血圧値に関わらず緊急受診

視覚の異常、例えば突然視界がぼやける、二重に見える、一時的に見えなくなるなどの症状は、脳や目の血管に問題が生じている可能性があります。

視覚の変化は重大なサインです。

ろれつが回らない、言葉が出にくい、他人の言っていることが理解できないなどの言語障害や、顔や手足の片側がしびれる、動かしにくい、力が入らないなどの運動麻痺は、脳卒中の可能性を示す重要なサインです。

これらの症状が現れた場合は、一分一秒を争う状況ですので、直ちに救急車を呼んでください。

意識がもうろうとする、混乱する、けいれんを起こすなどの意識障害も、脳への血流や酸素供給に問題がある可能性を示します。

息苦しさが急激に強くなり、座っていても呼吸が困難な場合は、急性心不全や肺水腫の可能性があります。

この場合も緊急の治療が必要です。

さらに高血圧緊急症では、頭痛、めまい、意識レベルの変化、息切れ、胸痛、尿量の減少、嘔吐、視覚の変化などの症状に注意が必要とされています。

これらの症状がある場合は、血圧の数値に関わらず、すぐに医療機関を受診すべきです。

よくある質問(FAQ)

血圧が高い時は横になったほうがいい?

血圧が高い時は、横になるよりも座った姿勢で休む方が推奨されます。

椅子に深く腰かけ、背もたれに背中をつけて、足を床にしっかりとつけた状態が理想的です。

ただし、めまいが強い場合や気分が悪い場合は、安全のために横になることも選択肢となります。

血圧を下げる飲み物や食べ物はある?

特定の食べ物や飲み物で血圧を急激に下げることは期待できません。

ただし、長期的には、カリウムを多く含む野菜や果物、低脂肪の乳製品などを含むバランスの良い食事が血圧管理に役立つ可能性があります。

緑茶ハイビスカスティーにも小程度の降圧効果が報告されていますが、血圧が高い時に特定の食品だけに頼るのではなく、安静にして適切な対処を取ることが重要です。

血圧が高い時にお風呂に入っても大丈夫?

血圧が180/120mmHg以上の場合は入浴を避けるべきです。

それ以下の数値で治療を受けている場合は、日本の公的機関では41度以下のお湯に10分程度の入浴が推奨されています。

ただし、熱いお風呂や長時間の入浴は避け、症状がある場合や体調が悪い時は、シャワーで済ませるか入浴を控えることをおすすめします。

市販の薬で血圧を下げても良い?

血圧を下げる薬は医師の処方が必要です。

市販されている血圧を下げる薬はなく、自己判断で薬を服用することは危険です。

また、市販の風邪薬や痛み止めの中には、血圧を上げる成分が含まれているものもあります。

高血圧がある方は、市販薬を購入する前に薬剤師に相談するか、医師に確認することが大切です。

血圧が170を超えたらすぐに病院に行くべき?

血圧が170mmHg前後の場合、症状がなければ直ちに救急受診が必要というわけではありませんが、安静にして様子を見て、持続する場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。

ただし、頭痛、胸痛、視覚の変化、息切れなどの症状を伴う場合は、血圧の数値に関わらず速やかに受診が必要です。

血圧が180/120mmHg以上の場合は、症状の有無にかかわらず医療機関を受診すべきです。

まとめ

血圧が高い時は、まず安静にして深呼吸などでリラックスすることが基本です。

激しい運動や熱いお風呂、急激な温度変化は避け、適度な水分補給を心がけましょう。

血圧を測定して記録することも重要です。

血圧が180/120mmHg以上の場合や、頭痛・胸痛・視覚の変化・息切れ・神経症状などを伴う場合は、直ちに医療機関を受診する必要があります。

これらは高血圧緊急症の可能性があり、適切な治療を受けないと重篤な合併症につながる恐れがあります。

日常生活では、減塩を中心としたバランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレス管理が血圧コントロールに重要です。

入浴は41度以下のぬるめのお湯で10分程度にとどめ、家庭での定期的な血圧測定を習慣化することで、自分の血圧の状態を把握できます。

血圧が高いと指摘された場合や、高血圧と診断された場合は、自己判断せずに医師の指導のもとで適切な治療と生活習慣の改善を行うことが大切です。

薬物療法が必要な場合も、生活習慣の改善を併せて行うことで、より良い血圧コントロールが期待できます。

血圧管理は一生涯続く取り組みです。

日々の小さな積み重ねが、将来の脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気の予防につながります。

定期的に医療機関を受診し、血圧の状態を確認しながら、健康的な生活を心がけていきましょう。

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