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顔がほてると感じたら高血圧のサイン?関係性と注意すべき症状

顔がほてると感じたら高血圧のサイン?関係性と注意すべき症状

「顔がほてる、顔が熱く感じる」

こうした症状を感じて「もしかして血圧が高いせい?」と心配になる方は少なくありません。

特に、周囲が涼しいのに自分だけ顔が火照っていたり、人前で急に顔が赤くなったりすると、体に何か異常があるのではないかと不安になるものです。

実際、血圧が高いことと顔のほてりには何か関係があるのでしょうか。

血圧が高い状態(高血圧)は、日本だけでなく世界中で大きな問題になっています。

アメリカでは大人の約半分が高血圧で、その多くの方は自分が高血圧だと気づかずに生活しています。

高血圧は「静かな殺し屋(サイレントキラー)」とも呼ばれています。

これは、体に異変を感じないまま静かに進行し、ある日突然、心臓の病気や脳の血管が詰まる・破れるといった命に関わる病気を引き起こすからです。

顔がほてる症状と高血圧の関係性
  • 高血圧自体が直接的にほてりを引き起こすことは少ない​
  • 血圧調整時の血管拡張反応により顔の血流が増えほてりを感じる​
  • 自律神経(交感神経)の乱れで体温調節機能に影響が出る​
  • カルシウム拮抗薬など降圧薬の血管拡張作用で副作用として生じる​
  • ストレスや飲酒など共通の原因で血圧上昇とほてりが同時に現れやすい

一方で、顔がほてる症状は、いろいろな理由で起こります。

暑い場所にいる、辛いものを食べた、お酒を飲んだ、緊張やストレスを感じた、更年期(閉経前後の時期)、皮膚の病気など、血圧以外にも多くの原因が考えられます。

実は、「顔がほてる=血圧が高い」という単純な関係ではなく、両者の関係はもう少し複雑なのです。

では、顔のほてりと血圧の高さは本当に関係があるのでしょうか。

また、どんなときに注意が必要なのでしょうか。

さらに、血圧が高い人が顔のほてりを感じやすいとすれば、それはなぜなのでしょうか。

この記事では、顔のほてりと高血圧の関係について、科学的な根拠をもとにわかりやすく説明します。

顔がほてったときにどう対処すればいいか、どんな症状が出たら病院に行くべきか、そして普段の生活で何に気をつければいいかについてもお伝えします。

自分の体のサインを正しく理解して、適切に対応することで、重大な病気を防ぐことができます。

この記事でわかること
  • 顔のほてりと高血圧の本当の関係
  • 血圧が高い人が顔のほてりを感じやすい理由
  • 顔のほてり以外で注意すべき症状
  • 顔がほてったときの対処法と病院に行くタイミング
  • 普段の生活でできる予防策
はじめに(免責・注意事項)

本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。

血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。

また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。

本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。

目次

顔がほてるのは高血圧が原因なの

顔がほてると、多くの方が「血圧が高いのでは?」と心配されます。

しかし、医学的に見ると、高血圧と顔のほてりの関係は、一般的に考えられているほど単純ではありません。

実は、血圧が高いこと自体が直接的に顔のほてりを引き起こすことは少なく、多くの場合、他の理由が関わっています。

とはいえ、血圧が高い人が顔のほてりを経験しやすいことも事実です。

これは、血圧の高さと顔のほてりに共通する原因があったり、血圧が高いことで体に起こる変化が間接的にほてりを引き起こしたりするためです。

また、血圧を下げる薬の副作用として顔がほてることもあります。

ここでは、顔のほてりと高血圧の関係について詳しく見ていきましょう。

まず、血圧が高いからといって必ずしも顔がほてるわけではないという事実、次に顔のほてりを引き起こすいろいろな原因、そして最後に、それでも血圧が高い人が顔のほてりを感じやすい理由について説明します。

これらを理解することで、自分の症状を正しく判断し、適切に対処できるようになります。

高血圧だからといって必ず顔がほてるわけではない

まず知っておいていただきたいのは、血圧が高いこと自体が直接的に顔のほてりを引き起こすわけではないという事実です。

アメリカ心臓協会(AHA)の報告によると、多くの人が「血圧が高いと、顔のほてり、頭痛、鼻血、イライラ、汗をかく、眠れないなどの症状が出る」と思っていますが、実際にはこれらの症状は通常、血圧が高いことで起こるものではありません。

高血圧は「静かな殺し屋(サイレントキラー)」と呼ばれるように、多くの場合、体に何の変化も感じません。

アメリカ国立保健統計センター(NCHS)のデータによると、血圧が高い大人のうち、約4割の方は自分が高血圧であることに気づいていないという報告があります。

つまり、体に何も感じないために、知らないうちに血圧の高い状態が続いてしまうケースが非常に多いのです。

血圧が高いことによる症状が現れるのは、血圧が極端に高くなった場合(上の血圧が180以上、または下の血圧が120以上)に限られることが多く、このような状態を「高血圧の緊急事態(高血圧クリーゼ)」と呼びます。

この状態では、激しい頭痛、目がよく見えない、胸の痛み、息苦しさなどの深刻な症状が出て、すぐに病院に行く必要があります。

顔のほてる原因は血圧以外にもたくさんある

顔のほてりは、いろいろな理由で起こるよくある症状です。

血圧との関連を疑う前に、まず他の可能性を考えることが大切です。

顔のほてりを引き起こす主な原因としては、次のようなものがあります。

顔のほてりを引き起こす主な原因
  • 環境による原因
    • 暑い場所にいる
    • 直射日光を浴びている
    • 急に暑い場所から涼しい場所に移動した(またはその逆)
  • 食べ物や飲み物による原因
    • 唐辛子などの辛い食べ物
    • 熱い飲み物やスープ
    • お酒を飲むこと
  • 気持ちや感情による原因
    • ストレスを感じている
    • 緊張している
    • 恥ずかしいと感じている
  • ホルモンバランスによる原因
    • 更年期(閉経前後の時期)によるホルモンの変化
    • ホットフラッシュ(急に暑くなる症状)
  • その他の原因
    • 酒さ(しゅさ、ロゼアとも言います)という顔が赤くなる皮膚の病気
    • 薬の副作用
    • アレルギー反応

​​このように、顔のほてりは血圧以外にも多くの理由で起こる症状で、ほてりを感じたからといってすぐに血圧が高いと心配する必要はありません。

飲酒など特定の状況では血圧上昇とほてりが同時に起こる

とはいえ、特定の状況では血圧の上昇と顔のほてりが同時に起こることがあります。

これは、血圧が高いこと自体が直接的に顔のほてりを引き起こすというよりも、血圧の上昇と顔のほてりの両方を同時に引き起こす「共通の原因」があるためです。

例えば、ストレスは血圧を一時的に上げると同時に、顔の血管を広げてほてりを引き起こします。

お酒を飲むことも同じで、血圧を上げることと顔のほてりの両方を同時に引き起こす可能性があります。

辛い食べ物や暑い環境も、一時的に血圧を上げながら顔のほてりも引き起こすことがあります。

特にアジア系の人々(日本人、韓国人、中国人など)は、お酒を体の中で分解する仕組みに関する遺伝的な特徴により、お酒を飲んだときに顔が赤くなりやすい傾向があります。

研究によると、飲酒習慣がある人で、お酒を飲んだときに顔が赤くなる体質の場合、赤くならない人に比べて血圧が高くなるリスクが高い可能性があることがわかっています。

これらの知見は、飲酒に関連する高血圧の閾値は、フラッシャー群では非フラッシャー群よりも低く、リスクは高いことを示唆している。

引用:PubMed Hypertension associated with alcohol consumption based on the facial flushing reaction to drinking

つまり、「顔のほてり=血圧が高い」という単純な関係ではなく、「ある特定の状況で、顔のほてりと血圧の上昇が同時に起こりやすい」という理解が正しいのです。

高血圧の人が顔のほてりを感じる3つの理由

血圧が高い人が顔のほてりを感じやすいのには、いくつかの医学的な理由があります。

血圧が高いこと自体が直接の原因ではなくても、血圧が高いことで体に起こる変化や、血圧を下げるための薬が、顔のほてりを引き起こすことがあるのです。

第一の理由は、血管が広がって血の流れが増えることです。

血圧が高い状態が続くと、体は血圧を調整しようとしていろいろな反応を起こし、その過程で顔の血管が広がることがあります。

第二の理由は、体温や血管の調整をする神経(自律神経)のバランスが乱れることです。

血圧が高いと、この神経に影響が出て、結果として顔のほてりが現れることがあります。

第三の理由は、血圧を下げる薬、特にカルシウムチャネルブロッカー(カルシウム拮抗薬)という種類の薬の副作用です。

これらの薬は血管を広げて血圧を下げますが、同時に顔の血管も広げるため、ほてりを引き起こすことがあります。

これらの理由を理解することで、自分の顔のほてりがどこから来ているのかを推測しやすくなり、適切な対処法を選ぶことができます。

それでは、それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

血管が広がって血流が増えるため

血圧が急に上がったとき、体には血圧を下げようとする仕組みがあります。

首や心臓の近くにある「圧受容体」というセンサーが血圧の上昇を感知すると、体は緊張をゆるめて血管を広げる反応を起こします。

顔には細かい血管がたくさん集まっており、皮膚のすぐ下を通っているため、血管が広がると血流が増えて温かく感じやすくなります。

この血流の増加が、顔のほてりとして感じられることがあります。

血管が広がることで血液が流れやすくなり、血圧を下げようとするのです。

ただし、これは急な血圧の変化に対する一時的な反応です。

長期間にわたって高血圧が続いている場合は、体の状態が異なります。

慢性的な高血圧では、むしろ血管が硬くなったり狭くなったりして、血液が流れにくい状態になっています。

また、長く高血圧が続くと、血圧を感知するセンサーが「この高い血圧が普通だ」と誤って記憶してしまうことがあるため、高血圧の方すべてがほてりを感じるわけではありません。

体温調整がうまくいかなくなるため

血圧が高いと、体温調節や血管、心臓の動きなどを自動的に調整する神経(自律神経)のバランスに影響が出ることがあります。

自律神経は、私たちが意識しなくても自動的に働く体の機能を調整しています。

血圧が高い人では、交感神経(体を活動的にする神経)が働きすぎている傾向があります。

特にストレスが加わると、交感神経の活動がさらに高まり、血管の調整や体温調節の機能に影響が出ることがあります。

ストレスを感じると、ストレスホルモン(コルチゾールやアドレナリン)が分泌され、心臓の動きが速くなり、血管が縮んで血圧が上がります。

同時に、顔の血管が広がって顔が赤くなることがあります。

慢性的にストレスを感じていると、この反応が繰り返され、顔のほてりを頻繁に感じる原因となります。

血圧の薬の副作用で起こる場合もある

意外に思われるかもしれませんが、血圧を下げるために使う薬の副作用として、顔のほてりが現れることがあります。

特に、「カルシウムチャネルブロッカー(カルシウム拮抗薬)」と呼ばれる種類の血圧の薬は、顔のほてりを引き起こすことがよく知られています。

アメリカ国立衛生研究所(NIH)の医学文献によると、カルシウムチャネルブロッカーの一般的な副作用として、次のようなものが報告されています。

カルシウムチャネルブロッカーの主な副作用
  • 頭痛
  • めまい
  • 顔のほてり(フラッシング)
  • 吐き気
  • 疲れやすさ
  • 便秘
  • 足のむくみ
  • 動悸(胸がドキドキする感じ)
  • 脈が遅くなる
  • 発疹

特にジヒドロピリジン系というタイプのカルシウムチャネルブロッカー(ニフェジピン、アムロジピンなど)は、血管を広げる作用が強いため、ほてり、頭痛、めまい、動悸といった血管が広がることに関連した副作用が現れやすい傾向があります。

これらの薬は、血管の壁にあるカルシウムの通り道をふさぐことで血管を広げ、血圧を下げる働きをします。

血管が広がると血液が流れるときの抵抗が減って血圧が下がるのですが、同時に顔の血管も広がるため、顔が赤くなったり、ほてりを感じたりすることがあるのです。

もし血圧の薬を飲み始めてから顔のほてりが気になるようになった場合は、薬の副作用の可能性があります。

自分の判断で薬をやめることは危険ですので、必ず主治医に相談してください。

薬の種類を変えたり、量を調整したりすることで、副作用を軽くできる場合があります。

顔のほてりと一緒に出たら要注意な症状

顔のほてりだけであれば、多くの場合、一時的なもので心配いりません。

しかし、顔のほてりに加えて他の症状が同時に現れる場合は、血圧が危険なレベルまで上がっているか、血圧が高い状態が続いたことで大切な臓器にダメージが出ている可能性があります。

特に注意が必要なのは、脳、心臓、腎臓といった命を保つために重要な臓器に関連する症状です。

血圧が高い状態は通常、体に何も感じませんが、血圧が極端に高くなったり、長い間放っておいたりすると、これらの臓器に深刻なダメージを与えます。

その結果、脳の血管が詰まる・破れる(脳卒中)、心臓の病気(心臓発作、心不全)、腎臓の病気(腎不全)といった命に関わる状態になる可能性があります。

ここでは、顔のほてりと一緒に現れたら特に注意すべき3つの症状グループについて説明します。

これらの症状が現れた場合は、単なる一時的なほてりではなく、すぐに医療の助けが必要な可能性があります。

自分や家族の症状を正しく判断し、適切なタイミングで病院を受診することが、重大な病気を防ぐ鍵となります。

頭がズキズキ痛む・めまいがする

顔のほてりと同時に激しい頭痛やめまいを感じる場合は、血圧が非常に高くなっている可能性があり、注意が必要です。

血圧が極端に高い場合(通常180/120以上)には、突然激しい頭痛が起こることがあり、これは「血圧の緊急事態(高血圧クリーゼ)」と呼ばれる危険な状態のサインです。

ただし、一般的な頭痛の大半は偏頭痛や緊張型頭痛であり、頭痛があるからといって必ずしも血圧が高いとは限りません。

世界保健機関(WHO)によると、非常に高い血圧(通常180/120以上)では、頭痛、目がよく見えない、胸の痛みなどの症状が現れる可能性があります。

また、めまいやふらつきは、血圧が急に変わることで脳への血液の流れが不安定になって起こります。

特に注意が必要な症状
  • 今まで経験したことがないような突然の激しい頭痛
  • 目の前がぐるぐる回るような激しいめまい
  • 立ち上がると気が遠くなるような感覚
  • 吐き気や嘔吐を伴う頭痛
  • 目がかすむ、または一部が見えなくなる

これらの症状が同時に現れた場合は、血圧が危険なレベルまで上がっている可能性があり、脳卒中や心臓発作のリスクが高まっている状態かもしれません。

すぐに病院に行くか、救急車を呼ぶ必要があります。

胸がドキドキする・息苦しい

顔のほてりと一緒に胸がドキドキする感覚(動悸)や息切れ、息苦しさを感じる場合、血圧が高いことで心臓に負担がかかっている可能性があります。

血圧が高いと心臓に大きな負担がかかります。

血圧が高いと、心臓はより強い力で血液を送り出さなければならず、心臓の筋肉が疲れてしまいます。

その結果、胸がドキドキする感じや脈が乱れるといった症状が現れることがあります。

動悸や息切れは不整脈、貧血、肺の病気など、他の原因でもよく見られる症状です。

息切れや息苦しさは、血圧が高い状態が進んで心臓の働きが弱くなる「心不全」の初期段階に入っている可能性を示す重要なサインです。

また、肺の血管の血圧が高くなる状態(肺高血圧症)でも、普段の活動中に息切れを感じることがあります。

特に注意すべき症状
  • じっとしているときや軽い動き(階段を上る、歩くなど)でも息切れを感じる
  • 横になると息苦しくなり、起き上がると楽になる
  • 胸が圧迫されるような感じや、締め付けられるような痛みを感じる
  • 胸のドキドキが突然始まり、不規則なリズムで脈打つ感じがある
  • 冷や汗が出ながら胸が苦しい

これらの症状は、心臓発作や脈の乱れ(不整脈)、心不全など、命に関わる状態のサインである可能性があります。

特に胸の痛みや圧迫感を伴う場合は、すぐに救急医療を受ける必要があります。

手足がむくむ・体がだるい

顔のほてりと同時に、手足のむくみや全身の倦怠感(体がだるい)を感じる場合、血圧が高いことで腎臓や心臓に影響が出ている可能性があります。

血圧が高いと腎臓にダメージを与える大きな原因の一つです。

腎臓は体の中の水分と塩分のバランスを調整する大切な臓器ですが、血圧が高いことで腎臓の血管が傷つくと、この働きが弱くなります。

その結果、体の中に余分な水分がたまり、むくみとして現れます。

特に足首や足の甲、すねなどに現れやすく、指で押すとへこんだままになることがあります。

また、血圧が高いことで心臓への負担が大きくなると、心臓が血液を送り出す力が弱くなり、全身に十分な血液を送ることができなくなります。

この状態を「心不全」と呼びます。

心不全の初期症状として、疲れやすさ、だるさ、むくみなどが現れます。

体のだるさや疲れやすさは、血圧が高いことで臓器への酸素や栄養が十分に届かなくなっているサインでもあります。

心臓が強く働かなければならないため、エネルギーが使われてしまい、常に疲れを感じるようになります。

早めに病院を受診すべき症状
  • 朝起きても疲れが取れず、一日中だるさが続く
  • 足のむくみが夕方になるとひどくなり、靴が入らなくなる
  • 顔や手もむくんでいる
  • 体重が急に増えた(水分がたまっている可能性)
  • おしっこの量が減った、またはおしっこの色が濃くなった

これらの症状は、腎臓の働きが弱くなっていることや心不全が進んでいる可能性があり、放っておくと重大な病気につながるリスクがあります。

顔がほてった時の対処法と病院に行く目安

顔がほてったとき、どのように対処すればよいのでしょうか。

また、どんな場合に病院を受診すべきなのでしょうか。

これらの判断は、自分の健康を守る上でとても大切です。

多くの場合、顔のほてりは一時的なもので、簡単な方法で良くなります。

涼しい場所に移動する、冷たいタオルで顔を冷やす、深呼吸をするといった方法で、ほてりは自然と落ち着いてきます。

しかし、ほてりに加えて他の症状が現れたり、ほてりが長い時間続いたりする場合は、病院での診察が必要かもしれません。

特に、血圧が極端に高くなっている場合や、脳卒中や心臓発作といった緊急事態のサインが現れている場合は、一刻を争う状況です。

このような場合、適切なタイミングで救急車を呼ぶことが、命を救うことにつながります。

ここでは、顔がほてったときにすぐに試せる対処法と、すぐに病院に行くべき症状について、具体的に説明します。

これらの知識を持っていることで、いざというときに冷静に対応でき、重大な病気を防ぐことができます。

今すぐできる対処法

顔のほてりを感じたとき、まず試していただきたい方法をいくつかご紹介します。

これらは一時的にほてりを和らげる方法ですが、根本的な原因への対処も忘れないようにしてください。

顔のほてりへの対処法
  1. 涼しい場所に移動する
    暑い場所にいる場合は、エアコンのある部屋や日陰など、涼しい場所に移動することが最も効果的です。体温が下がることで、顔のほてりも自然と落ち着いてきます。
  2. 冷たいタオルや冷却シートを当てる
    特に首の後ろや額、脇の下など大きな血管が通っている部分に当てると、体温が下がりやすくなります。ただし、氷を直接肌に当てるのは避けてください。肌が傷つく(凍傷)原因になることがあります。
  3. 深呼吸をして心を落ち着ける
    ストレスや緊張で顔がほてっている場合、深くゆっくりした呼吸をすることで、リラックスする神経(副交感神経)が働き、心拍数や血圧が落ち着きます。鼻からゆっくり息を吸い込み、口からゆっくり吐き出すという呼吸を数回繰り返してみましょう。
  4. 水分をゆっくり飲む
    体の水分が足りないと血液が濃くなり、循環に負担がかかることがあります。常温または冷たい水をゆっくり飲むことで、体温を下げ、体の水分バランスを整えることができます。
  5. きつい服を緩める
    ネクタイ、ベルト、襟元がきつい服などは血液の流れを妨げることがあるので、少し緩めてリラックスしましょう。
  6. 横になって休む
    横になることで心臓への負担が減り、血圧が安定しやすくなります。めまいがある場合は、足を少し高くして休むと効果的です。

こんな時はすぐに病院へ

顔のほてりが単なる一時的な症状であれば心配ありませんが、次のような状況ではすぐに病院に行くか、救急車を呼ぶ必要があります。

すぐに救急車を呼ぶべき症状

症状の種類具体的な症状
頭痛・脳の症状・今まで経験したことがないような突然の激しい頭痛
・吐き気や嘔吐を伴う激しい頭痛
視力の異常・視野の一部が見えなくなる
・二重に見える
・目がかすむ
胸の症状・胸が締め付けられる感じ
・重いものが乗っている感じ
・腕や顎、背中に広がる痛み
呼吸の異常・息苦しさや呼吸が苦しい
・安静時でも息切れを感じる
意識・神経の異常・めまいや意識がぼんやりする
・顔や体の片側がしびれる、動かしにくい
・ろれつが回らない、言葉が出てこない
血圧の異常・上の血圧が180以上、または下の血圧が120以上
・5分後に測り直しても同じように高い

これらの症状が一つでも当てはまる場合は、様子を見ずに、すぐに救急車を呼ぶか、最寄りの救急病院を受診してください。

血圧が高いことによる病気(高血圧クリーゼなど)は、早く治療を始めれば防げるものも多いため、すばやい対応がとても大切です。

顔のほてりを予防するために普段から心がけたいこと

顔のほてりや高血圧を予防するためには、普段の生活での取り組みが何よりも大切です。

薬による治療も効果的ですが、生活習慣を改善することは薬と同じくらい、あるいはそれ以上に効果があることが多くの研究でわかっています。

世界保健機関(WHO)やアメリカ疾病予防管理センター(CDC)などの国際的な保健機関は、血圧が高くなることを防ぎ、管理するために、生活習慣の改善を最初の選択肢として勧めています。

特に、食事、運動、ストレス管理の3つは、血圧が高くなることを防ぐだけでなく、心臓の病気、脳卒中、糖尿病など、いろいろな生活習慣病の予防にも効果があります。

これらの生活習慣の改善は、特別な道具や大きなお金を必要とせず、今日からでも始められるものばかりです。

完璧を目指す必要はありません。

小さな変化を少しずつ積み重ねていくことで、長い目で見ると大きな効果が得られます。

ここでは、科学的な根拠に基づいた、顔のほてりと高血圧を予防するための具体的な方法を3つに分けて説明します。

これらを普段の生活に取り入れることで、健康的で快適な生活を送ることができます。

塩分を控えめにして野菜を多く食べる

食生活を改善することは、血圧が高くなることを防ぎ、顔のほてりの原因となる血圧の急な変動を防ぐためにとても大切です。

特に、DASH食(高血圧を予防するための食事法)は、科学的に効果が証明されている食事パターンです。

アメリカ国立衛生研究所(NIH)によると、DASH食は血圧を下げるために特別に考えられた、柔軟でバランスの取れた食事計画です。

この食事法は、アメリカの健康雑誌の2025年版で「最高の心臓に優しい食事」および「最高の高血圧予防食」に選ばれています。

DASH食の基本原則

食品グループ推奨内容具体例
野菜と果物1日に手のひら1杯分を5〜9回分トマト、ほうれん草、りんご、バナナなど
全粒穀物精製されていない穀物を選ぶ玄米、全粒粉パン、蕎麦など
乳製品低脂肪または無脂肪を選ぶ低脂肪牛乳、ヨーグルト、チーズ
たんぱく質魚、鶏肉、豆類、ナッツ類を中心にサバ、サンマ、鶏肉、豆腐、納豆など
塩分1日5グラム未満(小さじ1杯弱)醤油、味噌、塩を控えめに
脂肪植物性油を使用オリーブオイルなど
甘いもの控えめに甘い飲み物やお菓子を減らす
控えたい食品
  • 加工食品(インスタント食品、ハム、ソーセージなど)
  • 牛肉や豚肉などの赤い肉(週に数回程度に)
  • 体に良くない脂肪(バター、ラードなど)
  • 砂糖が多い飲み物やお菓子

DASH食の効果は科学的に証明されています。

NIHが資金を出した研究によると、DASH食を実践すると、高血圧ではない人では上の血圧が3.5、下の血圧が約2低下しました。

高血圧の人では、上の血圧が約11下がり、下の血圧が約6下がったという報告があります。

高血圧症(収縮期血圧 > または =140 mm Hg、拡張期血圧 > または =90 mm Hg、またはその両方)の被験者 133 名では、組み合わせ食によって収縮期血圧と拡張期血圧が対照食よりもそれぞれ 11.4 mm Hg と 5.5 mm Hg 減少しました(それぞれ P < 0.001)。

引用:PubMed A clinical trial of the effects of dietary patterns on blood pressure. DASH Collaborative Research Group

無理のない範囲で体を動かす習慣をつける

適度な運動は、血圧が高くなることを防ぎ、改善するのにとても効果的です。

運動は血圧を下げるだけでなく、心臓を強くし、ストレスを減らし、体重管理にも役立ちます。

世界保健機関(WHO)は、大人に対して週に少なくとも150分の中くらいの強さの運動、または75分の強めの運動を勧めています。

また、週に2回以上、主要な筋肉を鍛える筋力トレーニングを行うことも推奨されています。

WHO推奨の運動量

運動の種類週あたりの目安具体例
中強度の運動150分以上速歩き、軽いジョギング、自転車こぎ、水泳、ダンス、庭仕事
高強度の運動75分以上ランニング、激しいスポーツ
筋力トレーニング週2回以上主要な筋肉群を鍛える運動

※中くらいの強さの運動とは、話しながらできるけど歌うことは難しい程度の運動です。

アメリカ心臓協会の科学的声明によると、運動は血圧を下げる効果があり、特に血圧が高い人では上の血圧が5〜9下がる可能性があります。

また、運動は心臓の動きを遅くし、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の働きを良くする効果もあります。

運動を始めるときの注意点
  • これまで運動習慣がなかった方や、持病がある方は、運動を始める前に医師に相談する
  • 無理をせず、自分のペースで始める(最初は1日10分程度から)
  • 運動の前後には、ストレッチや準備運動、整理運動を行う
  • 運動中は適度に水分補給をする
  • 普段の生活の中で体を動かす工夫をする(階段を使う、一つ手前の駅で降りて歩くなど)

研究によると、運動は体を緊張させる神経(交感神経)の働きを減らし、血管を広げる効果があります。

運動を続けた人では、全身の血管の抵抗が低下したという報告もあります。

Heffernan らは、若い黒人および白人男性のコホートで、レジスタンストレーニング後に末梢微小血管抵抗が減少し、抵抗動脈の血管拡張能が増加したことも観察している。

引用:PubMed Central Exercise Training Reduces Peripheral Arterial Stiffness and Myocardial Oxygen Demand in Young Prehypertensive Subjects

疲れやストレスをためこまない

ストレスをうまく管理することは、血圧が高くなることを防ぎ、管理する上でとても大切です。

慢性的なストレス(長く続くストレス)は血圧を上げ、顔のほてりを含むいろいろな症状を引き起こす可能性があります。

ストレスが血圧に与える影響について、アメリカ心臓協会は次のように説明しています。

ストレスを感じると、体は「闘争・逃走反応」と呼ばれる生理的な反応を起こします。

この反応では、アドレナリンなどのストレスホルモンが分泌され、心臓の動きが速くなり、血管が縮んで血圧が一時的に上がります。

短い期間のストレス反応は正常で役に立つものですが、長く続くストレスは問題です。

慢性的なストレスは、体を常に「高速モード」の状態に保ち、血圧が続けて高くなる、不健康な生活習慣(食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎ、運動不足など)の原因となります。

効果的なストレス管理方法
  1. 深呼吸や瞑想を実践する: 毎日数分間、静かな場所で深くゆっくりした呼吸を行うことで、リラックスする神経(副交感神経)が働き、血圧が下がります。
  2. ヨガを取り入れる: ヨガは呼吸法、瞑想、体のポーズを組み合わせた心と体の調和法で、血圧を下げる効果があることが多くの研究で示されています。
  3. 十分な睡眠を取る: 大人は毎晩7〜9時間の睡眠を取ることが推奨されています。睡眠不足は血圧を上げ、ストレスホルモンの分泌を増やします。
  4. 家族や友人とのつながりを大切にする: 家族や友人と話をすること、信頼できる人に悩みを相談することは、ストレスを減らす強力な方法です。
  5. 自分の好きなことをする時間を作る: 趣味、音楽鑑賞、読書、料理、ガーデニングなど、自分が楽しめる活動を定期的に行うことで、ストレスを解消し、前向きな気持ちを保つことができます。
  6. 感謝の気持ちを持つ: 毎日、感謝できることを3つ書き出す「感謝日記」をつけることで、ポジティブな気持ちを育て、ストレスに対する回復力を高めることができます。
  7. お酒やカフェインを控えめにする: お酒の飲み過ぎは血圧を上げ、睡眠の質を下げます。カフェインも一時的に血圧を上げる効果があります。

もしストレスが自分では管理できないほど強い場合や、不安やうつの症状が続く場合は、専門家(心療内科医、精神科医、カウンセラーなど)に相談することをお勧めします。

心理療法は、ストレスへの対処法を学び、心の健康を改善するのに効果的です。

よくある質問(FAQ)

顔がほてるだけで高血圧と診断されますか

いいえ、顔のほてりだけで高血圧と診断されることはありません。

高血圧の診断は、血圧計で実際に測った数値に基づいて行われます。

世界保健機関(WHO)によると、2回の違う日に測った血圧が、上の血圧が140以上、または下の血圧が90以上であれば高血圧と診断されます。

顔のほてりは高血圧の確実なサインではないため、気になる場合は血圧を測って確認することが大切です。

顔のほてりは高血圧以外の病気でも起こりますか

はい、顔のほてりは高血圧以外にもいろいろな原因で起こります。

更年期障害、甲状腺の働きが活発になる病気(甲状腺機能亢進症)、酒さ(しゅさ)という顔が赤くなる皮膚の病気、アレルギー反応、薬の副作用、お酒を飲むこと、辛い食べ物、感情的なストレスなど、多くの要因が顔のほてりを引き起こす可能性があります。

顔のほてりが頻繁に起こる、他の症状を伴う、日常生活に支障が出るといった場合は、病院で原因を調べてもらうことをお勧めします。

血圧を測るタイミングはいつがいいですか

血圧は1日の中で変わるため、できるだけ同じ時間、同じ条件で測ることが理想的です。

血圧測定のベストタイミング

測定時間タイミング注意点
起きてトイレに行った後
朝食や薬を飲む前
測る前の5分間は座って安静にする
寝る前カフェインやタバコ、運動は避ける
正しい測定方法
  • 背もたれのある椅子に座る
  • 足を床につける
  • 腕を心臓の高さに保つ
  • 何回か測って平均を取る
高血圧は完治しますか

高血圧のほとんどは「本態性高血圧」と呼ばれ、はっきりした原因がわからないタイプです。

この場合、完全に治るというよりも、一生管理していく病気と考えられています。

ただし、生活習慣の改善(塩分を減らす、運動する、体重を管理する、ストレスを管理するなど)によって、薬を減らしたり、場合によっては薬なしで血圧をコントロールできるようになる可能性はあります。

一方、肥満や腎臓の病気など特定の原因がある「二次性高血圧」の場合は、その原因を治療することで高血圧が良くなることがあります。

まとめ

顔のほてりと高血圧の関係について、科学的な根拠をもとに詳しく説明してきました。

大切なポイントをまとめます。

血圧が高いこと自体が直接的に顔のほてりを引き起こすわけではなく、顔のほてりには暑さ、辛い食べ物、お酒、ストレス、更年期障害など、いろいろな原因があります。

ただし、特定の状況では、血圧の上昇と顔のほてりが同時に起こることがあります。

また、血圧を下げる薬の副作用や、ストレスによる自律神経の変化によって、顔のほてりを感じることがあります。

顔のほてりに加えて、激しい頭痛、めまい、胸の痛み、息切れ、むくみなどの症状が現れた場合は、血圧が危険なレベルに達している可能性があり、すぐに病院を受診する必要があります。

特に血圧が180/120以上の場合や、突然の激しい症状がある場合はすぐの対応が必要です。

高血圧と顔のほてりを予防するためには、普段の生活での取り組みがとても大切です。

DASH食を参考にした塩分を減らして栄養バランスの良い食事、週150分以上の適度な運動、十分な睡眠とストレス管理といった生活習慣の改善が効果的です。

高血圧は多くの場合、体に何も感じないまま進行します。

そのため、定期的に血圧を測ることが何よりも大切です。

家庭用の血圧計を使って毎日血圧を測る習慣をつけることで、早い段階で異常を見つけ、適切に対処できます。

顔のほてりが気になる場合は、まず血圧を測ってみましょう。

そして、生活習慣を見直し、必要に応じて病院を受診することをお勧めします。

高血圧は適切に管理すれば、心臓の病気や脳卒中といった深刻な病気を予防できます。

健康な生活を送るために、できることから少しずつ始めていきましょう。

参考文献・参考サイト

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