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グレープフルーツと血圧の薬の飲み合わせを解説!食べてしまったときの対処法

グレープフルーツと血圧の薬の飲み合わせを解説!食べてしまったときの対処法

高血圧の治療でお薬を飲んでいる方にとって、グレープフルーツは注意が必要な果物です。

血圧を下げるために飲んでいる薬の効果を思わぬ形で強めてしまい、体調不良を引き起こす可能性があります。

この記事では、グレープフルーツと血圧の薬の関係、そして万が一食べてしまった場合の対処法について、医学的根拠に基づいて解説します。

グレープフルーツが血圧の薬に与える影響
  • フラノクマリン類が薬を分解する酵素を強力に阻害
  • 薬が分解されずに血液中に過剰に吸収され、血中濃度が大幅に上昇する
  • 特にカルシウム拮抗薬で影響が強く出やすい
  • 影響は3日間持続するため、服薬期間中は常に避ける必要がある
  • ジュースや皮利用食品でも同様の注意が必要

結論から申し上げると、血圧の薬を飲んでいる方は、グレープフルーツやグレープフルーツジュースを避けることが推奨されます。

特にカルシウム拮抗薬と呼ばれるタイプの血圧の薬を服用している方は、グレープフルーツに含まれる成分が薬の効き目を強めすぎてしまい、血圧が下がりすぎるリスクがあります。

万が一食べてしまった場合は、めまいや動悸などの症状に注意し、気になる症状があればすぐに医療機関を受診してください。

この記事でわかること
  • グレープフルーツが血圧の薬と相性が悪い理由
  • 特に注意が必要な血圧の薬の種類
  • グレープフルーツを食べてしまったときの対処法と症状
  • 何時間空けても影響が残る理由
  • 代わりに食べられる果物
はじめに(免責・注意事項)

本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。

血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。

また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。

本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。

目次

グレープフルーツが血圧の薬の効き目を強めすぎてしまう

グレープフルーツと血圧の薬を一緒に摂取すると、薬が効きすぎてしまい、血圧が必要以上に下がってしまうことがあります。

この相互作用は、グレープフルーツに含まれる特定の成分が体内で薬を分解する仕組みを妨げることで起こります。

健康のために選んだグレープフルーツが、かえって体調不良を引き起こす原因となってしまうのです。

この相互作用は1989年にカナダの研究者によって偶然発見されて以来、多くの研究で確認されており、現在では医療現場で広く知られるようになっています。

ベイリー博士はアルコールの味を隠すためにグレープフルーツジュースを使用し、偶然の発見をしました。

引用:London Health Sciences Centre Citrus surprise: A juicy discovery at LHSC changed drug safety around the world

特に、カルシウム拮抗薬と呼ばれるタイプの血圧の薬を飲んでいる方は、この相互作用について正しく理解しておく必要があります。

ここでは、なぜグレープフルーツが薬の効き目を強めてしまうのか、そのメカニズムと特に注意が必要な薬の種類について詳しく解説します。

薬を分解する働きが弱まり血圧が下がりすぎる

私たちの体には、口から入った薬を適切に処理するための仕組みが備わっています。

小腸の細胞には「CYP3A4(シップスリーエーフォー)」という酵素があり、この酵素が薬を分解して、体内に吸収される薬の量を調節しています

しかし、グレープフルーツに含まれる「フラノクマリン類」という成分は、このCYP3A4酵素の働きを強力に抑えてしまいます。

その結果、本来であれば分解されるはずの薬がそのまま血液中に吸収され、薬の血中濃度が通常よりもかなり高くなってしまうのです。

グレープフルーツと薬の相互作用のメカニズム

通常の状態グレープフルーツ摂取後
CYP3A4酵素が薬を適切に分解CYP3A4酵素の働きが約47%低下
適量の薬が血液中に吸収される過剰な薬が血液中に吸収される
血圧が適切に下がる血圧が下がりすぎる可能性

具体的には、グレープフルーツジュース200mL程度を飲むだけでも、腸にあるCYP3A4酵素の量が約47%低下することが報告されています。

グレープフルーツ摂取後4時間以内に、腸管内のCYP 3A4濃度は47%低下する可能性があります。

引用:American Academy of Family Physicians Management of Grapefruit-Drug Interactions

これにより、血圧を下げる薬が体内に過剰に残り、血圧が下がりすぎてめまいや立ちくらみ、動悸などの症状が現れる可能性があります。

カルシウム拮抗薬を飲んでいる方は特に注意が必要

血圧を下げる薬にはいくつかの種類がありますが、その中でも「カルシウム拮抗薬」と呼ばれるタイプの薬は、グレープフルーツとの相互作用が特に強いことが知られています。

カルシウム拮抗薬に分類される代表的な薬には、以下のようなものがあります。

特に注意が必要なカルシウム拮抗薬(ジヒドロピリジン系)

一般名主な商品名グレープフルーツの影響
ニフェジピンアダラート、セパミット強い
フェロジピンスプレンジール非常に強い(血中濃度2~8倍)
ニソルジピンバイミカード強い
アムロジピンノルバスク、アムロジン比較的弱い(約15~16%上昇)

これらの薬は、血管を広げて血圧を下げる働きをしますが、CYP3A4酵素によって代謝されるため、グレープフルーツの影響を強く受けます。

研究によると、フェロジピンという薬をグレープフルーツジュースと一緒に服用した場合、薬の血中濃度が通常の2倍から8倍にまで上昇することが報告されています。

個人差が大きいため、人によっては予想以上に強い影響が出る可能性があります。

一方で、同じカルシウム拮抗薬でもアムロジピン(商品名:ノルバスク、アムロジンなど)は、グレープフルーツの影響が小さい(血中濃度の上昇は約15~16%程度)とされていますが、完全に影響がないわけではないため、注意が必要です。

自分が飲んでいる薬がグレープフルーツと相互作用を起こすかどうかわからない場合は、必ずかかりつけ医や薬剤師に確認してください。

グレープフルーツを食べてしまったときの対処法

もしグレープフルーツやグレープフルーツジュースをうっかり摂取してしまった場合でも、慌てる必要はありません。

まずは落ち着いて、自分の体の状態を確認することが大切です。

グレープフルーツと薬の相互作用によって、すぐに重篤な症状が出るとは限りませんが、血圧が下がりすぎている可能性を考慮して、適切な対応をとることが重要です。

特に、めまいや動悸などの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。

また、症状がない場合でも、念のためかかりつけ医に相談しておくことで、安心して過ごすことができます。

ここでは、グレープフルーツを食べてしまった後に気をつけるべき症状と、具体的な対処法について解説します。

めまいや動悸などの症状が出たらすぐ受診

グレープフルーツと血圧の薬の相互作用によって、血圧が下がりすぎている場合、以下のような症状が現れることがあります。

血圧が下がりすぎたときの主な症状
  • めまいやふらつき
  • 立ちくらみ
  • 動悸(心臓がドキドキする感じ)
  • 頭痛
  • 顔のほてりや赤み
  • 強い疲労感や脱力感

これらの症状が現れた場合は、血圧が下がりすぎている可能性があります。

特に、立ち上がるときにめまいがする、歩いていてふらつく、動悸が続くといった症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

受診の際は、「グレープフルーツを食べた(または飲んだ)」ことと、「どのような薬を飲んでいるか」を必ず医師に伝えましょう。

これにより、適切な処置を受けることができます。

症状がなくてもかかりつけ医に相談を

グレープフルーツを食べた直後に特に症状がなくても、念のためかかりつけ医や薬を処方してもらっている医療機関に連絡して相談することをおすすめします。

医師や薬剤師は、あなたが飲んでいる薬の種類や量、グレープフルーツを食べた量などを総合的に判断して、適切なアドバイスをしてくれます。

場合によっては、数日間は血圧を測定して様子を見るように指示されたり、一時的に薬の量を調整したりすることもあります。

また、今後グレープフルーツを避けるべき期間や、代替となる果物についても相談するとよいでしょう。

自己判断で薬を減らしたり中止したりすることは絶対に避けてください。

時間を空けても2~3日は影響が続く可能性がある

「グレープフルーツジュースを飲んでから時間を空けて薬を飲めば大丈夫」「朝にグレープフルーツを食べて、夜に薬を飲めば問題ないだろう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、残念ながらこの方法では相互作用を避けることはできません。

グレープフルーツの影響は、摂取後も長時間にわたって体内に残り続けるのです。

この持続性は、グレープフルーツに含まれる成分が体内の酵素に対して特殊な作用を及ぼすことに起因しています。

数時間や半日程度時間を空けても、薬の分解を妨げる作用は続いているため、相互作用のリスクは十分に残っています。

ここでは、なぜ時間を空けても影響が続くのか、そのメカニズムと具体的な持続期間について詳しく解説します。

体内に残る成分が長時間薬の分解を妨げ続ける

グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類は、CYP3A4酵素に対して「不可逆的な阻害」を引き起こします。

これは、一度酵素の働きを止めてしまうと、その酵素自体が新しく作られるまで回復しないということを意味します。

グレープフルーツ摂取後の酵素回復の時間経過

経過時間CYP3A4酵素の回復率相互作用のリスク
摂取直後約50%以下に低下非常に高い
24時間後約50%程度高い
72時間後(3日後)ほぼ100%に回復低下

研究によると、グレープフルーツを摂取してから約24時間経過しても、酵素の働きは元の50%程度しか回復しません。

完全に元の状態に戻るまでには、72時間(3日間)程度かかるとされています。

回復は3日以内にほぼ完了し、これはメカニズムに基づく阻害後の酵素再生と一致する。

引用:PubMed Time course of recovery of cytochrome p450 3A function after single doses of grapefruit juice

つまり、朝にグレープフルーツジュースを飲んで、夜に薬を飲んだとしても、あるいは1日時間を空けたとしても、相互作用のリスクは十分に残っているのです。

そのため、血圧の薬を飲んでいる期間中は、常にグレープフルーツを避ける必要があります。

ジュースやサプリメントにも同じ成分が含まれている

グレープフルーツの果肉だけでなく、グレープフルーツジュース、グレープフルーツの皮を使ったマーマレード、グレープフルーツエキスを含むサプリメントなども同様に注意が必要です。

特に市販のジュースには、大量の果実を絞って作られたものや濃縮還元タイプのものがあり、果肉を食べるよりも多くのフラノクマリン類を摂取してしまう可能性があります。

コップ1杯(約200mL)のグレープフルーツジュースでも十分に相互作用が起こることが報告されています。

グレープフルーツ1個またはグレープフルーツジュース200mLを摂取するだけで、臨床的に重要な全身薬物濃度の上昇とそれに続く副作用を引き起こすことができます。

引用:PubMed Central Grapefruit–medication interactions: Forbidden fruit or avoidable consequences?

また、実験レベルでは加熱によりフラノクマリン類が大幅に減少することが報告されていますが、家庭での調理条件で完全に無害化できるとは限らないため、グレープフルーツを使った料理やお菓子も避けることをおすすめします。

グレープフルーツ以外にも、同じフラノクマリン類を多く含む柑橘類として以下の食品が挙げられます。

これらの果物も同様に避けるべきです。

グレープフルーツ以外にも避けるべき柑橘類
  • 文旦(ぶんたん)
  • ダイダイ
  • ライム
  • 八朔(はっさく)
  • 夏みかん
  • スウィーティー

みかんやオレンジなど他の果物は基本的に問題なし

グレープフルーツを避けなければならないとなると、「他の果物も食べられないのでは」「柑橘類は全部ダメなのでは」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、ご安心ください。

グレープフルーツとの相互作用が問題となるのは、フラノクマリン類という特定の成分を含む一部の柑橘類に限られており、多くの果物は問題なく食べることができます。

むしろ、果物にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、健康維持に役立ちます。

特に、高血圧の方にとっては、カリウムを多く含む果物を適度に摂取することが血圧管理にも良い影響を与える可能性があります。

ここでは、安心して食べられる果物と、特におすすめの果物について詳しくご紹介します。

同じ柑橘類でも成分が異なるため安心して食べられる

柑橘類の中でも、温州みかん、レモン、バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、かぼす、すだちなどは、フラノクマリン類をほとんど含んでいないため、血圧の薬との相互作用の心配はほとんどありません。

安心して食べられる柑橘類
  • 温州みかん
  • レモン
  • バレンシアオレンジ
  • ネーブルオレンジ
  • かぼす
  • すだち

ただし、果皮にはフラノクマリン類が含まれる場合があるため、皮ごと使用するマーマレードなどには注意が必要です。

これらの果物は、グレープフルーツとは異なる成分で構成されており、CYP3A4酵素を阻害する作用がないためです。

柑橘類が全て危険というわけではないので、安心して召し上がっていただけます。

ただし、柑橘類の品種は多様で、見た目では判断しにくい場合もあります。

購入する際には、商品の表示をよく確認したり、わからない場合は避けるようにしたりすることをおすすめします。

特に、グレープフルーツとみかんの交配種など、複雑な品種の場合は注意が必要です。

カリウムを多く含むバナナやキウイもおすすめ

血圧が気になる方には、カリウムを多く含む果物を積極的に摂取することもおすすめです。

カリウムには、体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する働きがあり、血圧を下げる効果が期待できます。

バナナ、キウイフルーツ、アボカド、メロンなどは、カリウムが豊富に含まれており、高血圧の方にとって血圧管理に役立つ栄養素です。

ただし、ACE阻害薬やARBカリウム保持性利尿薬を服用している方は、高カリウム血症のリスクがあるため、これらの高カリウム食品の過剰摂取を避け、適切な摂取量について医師に相談してください。

カリウムを多く含む果物
  • バナナ
  • キウイフルーツ
  • アボカド
  • メロン

また、りんご、いちご、ぶどう、桃、梨など、一般的な果物のほとんどは問題なく食べられます。

ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な果物を適度に摂取することは、健康維持にも役立ちます。

よくある質問

グレープフルーツを少量なら食べても大丈夫ですか?

少量でも避けることをおすすめします。

研究によると、グレープフルーツ1個の果肉やコップ1杯(約200mL)のジュースでも、薬との相互作用が起こる可能性があります。

少量だから安全という基準はないため、血圧の薬を飲んでいる期間中は完全に避けるのが安全です。

グレープフルーツを食べてから何日経てば影響がなくなりますか?

グレープフルーツの影響は、摂取後3日間(72時間)程度続くとされています。

体内の酵素が完全に回復するまでに時間がかかるため、一度食べてしまった場合は、その後数日間は薬の効果が強く出る可能性があります。

症状がなくても念のため医師に相談することをおすすめします。

すべての血圧の薬がグレープフルーツと相性が悪いのですか?

いいえ、すべての血圧の薬がグレープフルーツと相互作用を起こすわけではありません。

特に注意が必要なのは、カルシウム拮抗薬の中でもジヒドロピリジン系と呼ばれる薬です。

ACE阻害薬やARBなど他の降圧薬ではグレープフルーツとの相互作用は原則ありませんが、カリウムを多く含む食品との相互作用など別の注意点があります。

自分が飲んでいる薬とどの食品に注意すべきかは、薬剤師や医師に確認してください。

まとめ

グレープフルーツと血圧の薬、特にカルシウム拮抗薬との組み合わせは、薬の効果を強めすぎてしまい、血圧が下がりすぎるリスクがあります。

これは、グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類が、薬を分解する酵素の働きを長時間(2~3日間)にわたって妨げるためです。

もしグレープフルーツを食べてしまった場合は、めまいや動悸などの症状に注意し、気になる症状があればすぐに医療機関を受診してください。

症状がなくても、念のためかかりつけ医に相談することをおすすめします。

一方で、温州みかんやレモン、バレンシアオレンジなどは問題なく食べられます。

バナナやキウイなどカリウムが豊富な果物は、カルシウム拮抗薬を服用している方には血圧管理にも役立ちますが、ACE阻害薬やARBを服用している方は摂りすぎに注意し、医師に相談してください。

大切なのは、自分が飲んでいる薬とグレープフルーツの相互作用について正しく理解し、適切に避けることです。

わからないことがあれば、遠慮なく医師や薬剤師に相談してください。

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