血圧の薬を長年飲み続けている方の中には、「血圧も安定してきたし、そろそろ薬をやめられないだろうか」と考える方が少なくありません。
薬を毎日飲み続けることへの負担や副作用への不安から、できれば薬に頼らない生活を送りたいと思うのは自然なことです。
実際、インターネットで検索すると「血圧の薬は一生やめられない」という情報と「生活習慣を改善すればやめられる」という相反する情報が混在しており、どう判断すればよいのか迷ってしまう方も多いでしょう。
しかし、ここで最も重要なのは、血圧の薬を自己判断で中止することは予想以上に危険を伴うということです。
医師に相談せず自分の判断で薬をやめてしまうと、血圧が急激に上がり、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる病気のリスクが急速に高まる可能性があるのです。
家で測った血圧計が正常値を示していても、それは薬がしっかり効いているからこその数値であり、薬をやめれば数日のうちに元の高い状態に戻ってしまうケースがほとんどです。
- 条件が揃えば薬をやめられる可能性はあるが、自己判断は厳禁
- 急にやめると血圧が跳ね上がり、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まる
- やめられる条件は血圧が安定、薬が少ない、生活習慣の大幅改善など
- 薬を減らすには減塩、運動、減量など生活習慣の改善が必須
- 少しずつ減らし毎日血圧を測りながら医師と相談して進める
一方で、すべての高血圧患者が一生薬を飲み続けなければならないわけではありません。
条件が揃えば、医師の判断のもとで薬を減らしたり、完全にやめたりできるケースも存在します。
特に、食事や運動などの生活習慣を徹底的に改善して血圧が大きく下がった方、もともと軽い高血圧だった方、高血圧の原因となっていた別の病気が治った方などでは、薬を減らす、あるいは完全にやめられる可能性があります。
実際の研究でも、きちんと条件を満たした患者さんでは一定の割合で薬なしでの血圧コントロールが可能であることが示されています。
重要なのは、減薬や中止を考える場合は必ず医師と相談し、しっかりとした計画のもとで少しずつ進めることです。
血圧の変化の様子、使っている薬の種類、他の病気を持っているか、生活習慣がどれくらい改善されたかなどを総合的に見たうえで、あなたにとって最適な治療方針を決定する必要があります。
この記事では、血圧の薬をやめることに関する正しい知識と、安全に減薬・中止を進めるための具体的な方法について、医学的な根拠に基づいて詳しく解説します。
- 血圧の薬を自己判断でやめてはいけない医学的理由
- 医師が減薬・中止を検討する具体的な条件
- 薬を減らすために今日から始められる生活習慣改善
- 減薬・中止を進める際の正しい手順と注意点
- 血圧の薬に関する誤解の真実
はじめに(免責・注意事項)
本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。
血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。
また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。
本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。
自己判断で血圧の薬をやめると命に関わる危険がある
血圧の薬を突然やめることは、想像以上に深刻な危険を伴います。
多くの研究が、血圧の薬を急にやめることで重大な健康被害が起きる可能性を指摘しています。
薬をやめた直後は特に体調に変化を感じなくても、体の中では血圧がぐんぐん上がり始めており、その状態が続くことで血管や臓器に深刻なダメージが蓄積していきます。
特に、長年高血圧を患っている方、すでに心臓や腎臓に負担がかかっている方、複数の薬を飲んでいる方では、薬を急にやめることによる危険性はさらに高まります。
実際に医療現場では、自己判断で薬をやめたことにより脳卒中や心筋梗塞を起こし、救急車で運ばれてくるケースが後を絶ちません。
高血圧は「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ばれるように、症状がないまま静かに体を蝕んでいくため、薬をやめた後の危険性を軽く考えてしまいがちです。
ここでは、自己判断で薬をやめることがなぜ危険なのか、その医学的な理由を詳しく説明します。
薬をやめると数日で血圧が急上昇する
血圧の薬を突然やめると、薬の効果が切れた時点から血圧は上がり始めます。
研究によると、薬の種類や患者さんの状態にもよりますが、薬をやめてから数日のうちに、血圧が薬を飲む前のレベルまで戻る、あるいはそれ以上に跳ね上がることが報告されています。
特に注意が必要なのは「リバウンド現象」と呼ばれる反応です。
これは、薬を急にやめたことで体が過剰に反応し、薬を飲む前よりもさらに血圧が高くなってしまう現象です。
例えるなら、ずっと押さえつけていたバネを急に放すと、元の位置よりも勢いよく跳ね上がってしまうのと似ています。
このリバウンド現象は、特定の種類の血圧の薬でより起こりやすいことがわかっています。
- 動悸(心臓がドキドキする)
- 発汗(普段より汗をかく)
- イライラ感や神経過敏
- 頭痛
- 吐き気
家で測った血圧計が正常値を示していても、それは薬がしっかり効いているからこその数値です。
薬をやめれば、体の中の血圧を調節する仕組みは、薬が入ってくる前の状態に戻ろうとします。
長年高血圧だった方の場合、薬なしでは体が高い血圧を「これが普通」と認識しているため、薬をやめるとあっという間に元の高い状態に戻ってしまうのです。
脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まる
血圧が急に上がることは、単に数値が高くなるというだけの問題ではありません。
それは脳や心臓、腎臓といった大切な臓器に直接的なダメージを与える可能性があります。
高血圧が続くと、血管の壁には常に強い圧力がかかり続けます。
水道のホースに強い水圧がかかり続けると徐々に傷んでいくのと同じように、血管も少しずつもろくなっていきます。
この状態で血圧がさらに急上昇すると、もろくなった血管が破れて脳出血を起こしたり、血管が詰まって脳梗塞を引き起こしたりする危険性が高まります。
心臓でも同じように、心臓に血液を送る血管(冠動脈)が詰まって心筋梗塞を起こす可能性が増大します。
大規模な研究では、血圧の薬をやめたグループと飲み続けたグループを比較した結果、しっかりと医師の管理下にあっても、一部の患者さんでは血圧のコントロールが難しくなることが示されています。
それでも、AHT を中止すると、参加者の 64 % で血圧がコントロールできず、このうち 1 名で虚血性脳卒中が発生した。
引用:Oxford Academic Stopping antihypertensive Treatment amOng hypertensive patients in Primary care: the STOP-Trial
特に以前に心臓や脳の病気になったことがある方、糖尿病や腎臓病を持っている方では、血圧の急激な変動が命に関わる結果をもたらす可能性がより高くなります。
国内外の病院では、血圧の薬を急にやめたことによる高血圧緊急症の症例が報告されています。
高血圧緊急症とは、血圧が180/120mmHg(上が180、下が120という非常に高い値)以上に急上昇し、脳や心臓、腎臓などの臓器に急激な障害が生じる状態です。
この状態では、すぐに病院での治療が必要となり、場合によっては入院が必要になります。
薬の種類によっては反動で血圧が跳ね上がる
すべての血圧の薬が同じように作用するわけではなく、薬の種類によって急にやめたときの危険性の程度は異なります。
特に注意が必要な薬のタイプがいくつかあります。
血圧の薬の種類と急にやめたときのリスク:
| 薬の種類 | 一般的な薬の名前の例 | 急にやめたときのリスク |
|---|---|---|
| β遮断薬 | メトプロロール、アテノロールなど | 心拍数の急上昇、動悸、胸の不快感。狭心症や心筋梗塞の既往がある方は特に危険 |
| 中枢性降圧薬 | クロニジン、メチルドパなど | イライラ、頭痛、発汗、動悸、血圧の大幅な上昇 |
| ACE阻害薬 | エナラプリル、リシノプリルなど | 離脱症状のリスクは比較的低いが、血圧が再上昇する可能性はある |
| ARB | ロサルタン、バルサルタンなど | 離脱症状のリスクは比較的低いが、血圧が再上昇する可能性はある |
| カルシウム拮抗薬 | アムロジピン、ニフェジピンなど | 離脱症状のリスクは比較的低いが、血圧が再上昇する可能性はある |
心臓の動きを穏やかにして血圧を下げるタイプの薬(β遮断薬)は、急にやめると心拍数が急激に上がり、動悸や胸の不快感を感じることがあります。
さらに、もともと狭心症や心筋梗塞になったことがある方では、この薬を突然やめることで心臓への負担が増し、狭心症の発作が起きやすくなったり、最悪の場合は心筋梗塞を引き起こしたりする可能性があります。
脳に作用して血圧を下げるタイプの薬(クロニジンやメチルドパなどの中枢性降圧薬)も、急にやめると離脱症状を起こしやすい薬です。
これらの薬を高用量で長期間使っている場合、突然やめるとイライラする、頭が痛い、汗をかく、動悸がするといった症状とともに、血圧が薬を飲む前のレベルを大きく超えて上昇することがあります。
一方、ACE阻害薬やARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)、カルシウム拮抗薬といった薬は、比較的このような離脱症状が起こりにくいとされていますが、それでも急にやめると血圧は上がります。
特に複数の種類の血圧の薬を飲んでいる場合、それらをすべて同時にやめてしまうと、血圧が急上昇する危険性はさらに高まります。
重要なのは、どんな種類の血圧の薬であっても、必ず医師の指導のもとで少しずつ減らしていくべきだということです。
自分が飲んでいる薬の名前や種類がわからない場合は、薬の袋や説明書を確認するか、薬局や病院に問い合わせてください。
医師の判断で薬を減らせる・やめられるのはこんなとき
血圧の薬は必ずしも一生飲み続けなければならないわけではありません。
条件が揃い、医師が総合的に判断すれば、薬を減らしたり、完全にやめたりできるケースもあります。
重要なのは、「条件が揃えば」という前提です。
単に家で測った血圧計が正常値を示しているだけでは不十分で、その状態が長期間続いていること、食事や運動などの生活習慣が根本的に改善されていること、他の病気のリスクが低いことなど、複数の条件を満たす必要があります。
医師は、患者さんの年齢、高血圧になってからの期間、心臓や腎臓などに障害がないか、使っている薬の種類と量、家族に高血圧の人がいるか、生活習慣がどれくらい改善されたかなどを細かく評価し、薬を減らす・やめることが安全かどうかを慎重に判断します。
研究によると、きちんと条件を満たした患者さんでは一定の割合で薬なしでの血圧コントロールが可能ですが、その成功率は時間とともに下がっていくことも示されています。
ここでは、医師がどのような基準で薬を減らす・やめることを検討するのかを具体的に説明します。
- 血圧が一定期間、継続して安定している(診察室で140/90mmHg未満、家庭で135/85mmHg未満)※基準はガイドラインやリスクによる
- 単剤療法(1種類の薬のみ)で血圧がコントロールされている
- 生活習慣の改善により血圧が大きく低下している
- 高血圧による臓器障害(心臓、腎臓、脳など)がない、または軽度
- 合併症(糖尿病、心疾患、脳血管疾患など)のリスクが低い
- 患者さんが家庭血圧測定を継続でき、定期的な受診ができる
数ヶ月以上血圧が安定して正常範囲を保っている
薬を減らす・やめることを検討する最も重要な条件の一つは、血圧が長い期間にわたって安定していることです。
ここでいう「長い期間」とは、最低でも6ヶ月から1年程度、できれば1年以上を指します。
血圧が安定しているとは、病院での測定値がずっと140/90mmHg(上が140、下が90)未満、家庭血圧では135/85mmHg未満を維持できている状態を意味します。
ただし、病院での測定だけでは不十分です。
病院で測ると緊張して普段より高めに出ることがあるため、最近の研究では、24時間つけっぱなしで測る血圧計や、毎日家で測る血圧のほうが、より正確に血圧の状態を反映することが示されています。
研究によると、血圧の薬をやめられる可能性がある患者さんの特徴として、1種類の薬だけで血圧がコントロールされていること、薬をやめる前の血圧が比較的低めで安定していることが挙げられています。
実際、きちんと選ばれた患者さんでは、薬をやめても6ヶ月後に約4割、1年後でも約4割の方が正常血圧を維持できたという報告があります。
降圧薬の中止後、正常血圧を維持している人の割合の調整平均値は、6ヶ月時点で0.37、2年以上時点で0.26でした。
引用:PubMed Central Withdrawal of antihypertensive medication: a systematic review
ただし、2年以上の長期で見ると、正常血圧を維持できる割合は約2割半まで減ってしまうことも示されています。
これらの数字が示すように、薬をやめられる可能性はあるものの、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
医師は、個々の患者さんの血圧の変化の様子、治療を続けてきた期間、使っている薬の種類などを総合的に評価して判断します。
減塩や運動などの生活改善で血圧が大きく下がった
食事や運動などの生活習慣の改善によって血圧が大きく下がった場合、薬を減らす・やめられる可能性が高まります。
特に重要なのは、体重を減らすこと、塩分を控えること、運動習慣をつけることといった要素です。
体重管理は血圧コントロールにおいて非常に効果的です。
研究では、十分な減量ができれば、血圧の薬をやめても正常血圧を維持できる可能性が高まることが示されています。
特に太りすぎが原因で高血圧になった方の場合、適正体重に近づけることで血圧が驚くほど改善することがあります。
塩分を控えることも強力な効果を持ちます。
減塩(例:1日6g未満)を行うことで、上の血圧が数mmHg程度下がることが複数の研究で確認されています(効果には個人差があります)。
日本人は平均で1日約10g前後の塩分を摂っていると言われていますので、半分程度に減らすイメージです。
運動習慣も重要な要素です。
週に3回以上、1回30分程度の有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳、自転車こぎなど)を1〜3か月程度続けることで、上の血圧を5〜8mmHg程度下げる効果が期待できます。
ある研究では、生活習慣改善に積極的に取り組んだグループでは、一定数の患者さんが長期にわたり薬なしを維持できた一方、生活習慣を戻した群では再発率が高かったことが報告されています。
これらのデータは、5年間血圧をコントロールした高血圧患者において、減量またはナトリウム制限を行うと、薬物療法からの離脱成功率が2倍以上になることを示しています。
引用:JAMA Network Dietary Therapy Slows the Return of Hypertension After Stopping Prolonged Medication
この結果は、薬を減らす・やめるためには、継続的な生活習慣の改善が欠かせないことを示しています。
年齢や体調の変化で薬の調整が必要になった
高齢になると、血圧の管理の仕方が変わることがあります。
特に75歳以上の高齢者では、血圧を下げすぎることによる副作用(立ちくらみ、転倒、腎臓の機能低下など)の危険性と、高血圧による合併症の危険性のバランスを慎重に考える必要があります。
最近の研究では、高齢者において血圧の薬を慎重に減らす・やめることが、必ずしも心臓や脳の病気や死亡率の増加につながらない可能性が示唆されています。
血圧の薬を中止しても、心臓発作、脳卒中、入院、または死亡のリスクは増加しないという証拠の確実性は低い、または非常に低いことがわかりました。
引用:PubMed Central Withdrawal of antihypertensive drugs in older people
特に体が弱ってきている高齢者や、たくさんの薬を飲んでいる方では、血圧の薬を含めた薬の見直しが勧められることがあります。
また、妊娠を希望する女性の場合、一部の血圧の薬は赤ちゃんに影響を与える可能性があるため、薬の種類を変更したり、できれば生活習慣改善だけでコントロールを試みたりすることがあります。
さらに、最初に高血圧の原因となっていた別の病気(甲状腺の病気、副腎の病気、腎臓の血管の問題など)が治療されて良くなった場合、血圧の薬が不要になることもあります。
医師は、これらの要素を総合的に評価し、患者さん一人ひとりに最適な治療方針を決定します。
薬を減らす・やめることを考える際は、必ず医師に相談し、定期的に経過を見てもらいながら慎重に進めることが重要です。
薬を減らすために自分でできる血圧を下げる生活習慣
血圧の薬を減らす・やめることを考える場合、生活習慣の改善は避けて通れません。
むしろ、生活習慣の改善こそが、薬を減らすための最も確実で長続きする方法と言えます。
多くの研究が、適切な生活習慣改善は血圧の薬1種類分と同じくらい、あるいは場合によってはそれ以上の効果をもたらすことを示しています。
特に、塩分を控えること、運動習慣をつけること、体重を減らすことの3つは「血圧を下げる三本柱」とも呼ばれ、これらを組み合わせることで大きな効果が期待できます。
実際、ある総合的な研究では、これら3つを含む生活習慣改善プログラムにより、参加者の血圧が平均で上が16mmHg、下が10mmHg低下したことが報告されており、これは複数の血圧の薬を飲んだ場合に匹敵する効果です。
重要なのは、これらの改善を一時的なものではなく、一生続けられる習慣として身につけることです。
ここでは、医学的な根拠に基づいた、今日から始められる具体的な方法を紹介します。
生活習慣改善による血圧低下効果の目安:
| 生活習慣の改善項目 | 具体的な目標 | 期待できる血圧低下効果 |
|---|---|---|
| 塩分制限 | 1日6g未満(小さじ1杯程度) | 上の血圧 約4mmHg低下 |
| 体重減少 | 3〜5kg以上の減量 | 体重1kgあたり上の血圧 約1mmHg低下 |
| 有酸素運動 | 週3〜5回、1回30分程度 | 上の血圧 5〜8mmHg低下 |
| 節酒 | 男性1日2杯以下、女性1日1杯以下 | 上の血圧 2〜4mmHg低下 |
| DASH食(野菜・果物中心の食事) | 毎日の食事に取り入れる | 上の血圧 8〜14mmHg低下 |
塩分を1日6g未満に減らすだけで血圧は下がる
塩分を控えることは、最も効果的で確実な血圧管理方法の一つです。
多くの研究が、塩分摂取量を減らすことが血圧を下げることに直接的な効果をもたらすことを証明しています。
世界保健機関(WHO)は、大人の1日の塩分摂取量を5g未満(小さじ1杯弱)にすることを推奨していますが、日本高血圧学会では高血圧患者さんに対して1日6g未満(小さじ1杯程度)という目標を設定しています。
さらに厳しく1日3.8g(小さじ3分の2程度)まで減らすと、もっと大きな効果が得られることも報告されています。
具体的には、塩分摂取量を1日当たり約1g減らすごとに、上の血圧(収縮期血圧)が平均して約1mmHg前後低下することが示唆されています。
もし今の塩分摂取量が1日10gで、それを6gまで減らせば、約4mmHgの血圧低下が期待できる計算になります。
これは、血圧の薬1種類分に相当する効果です。
塩分を減らすための実践的な方法としては、インスタント食品や外食を控えることが最も効果的です。
買い物をするときは食品のラベルを確認し、ナトリウム(塩分のもと)の量が少ない製品を選ぶ習慣をつけましょう。
醤油やソースは料理に「かける」のではなく小皿に入れて「つける」ようにし、使う量を減らします。
味付けには、レモン汁、お酢、ハーブ、スパイス、生姜、にんにくなどを活用すると、塩分を減らしても美味しく食べられます。
注意すべきは、塩分は目に見えない形で多くの食品に含まれているということです。
塩分が多い食品の例(1食分あたりの塩分量):
| 食品 | 1食分の量 | 塩分量 |
|---|---|---|
| 食パン | 6枚切り1枚 | 約0.8g |
| カップ麺 | 1個 | 約5〜6g |
| 梅干し | 1個 | 約2〜3g |
| 味噌汁 | 1杯 | 約1.5〜2g |
| ハム | 2枚 | 約0.5〜1g |
| たくあん | 3切れ | 約1g |
| ラーメン(外食) | 1杯 | 約6〜8g |
| 漬物 | 小鉢1杯 | 約2〜3g |
例えば、食パン1枚にも約0.8gの塩分が含まれており、6枚切りの食パンを2枚食べただけで1.6gの塩分を摂ってしまいます。
漬物、味噌汁、ハム・ソーセージなどの加工肉、カップ麺、インスタント食品なども塩分が多い食品の代表例です。
ウォーキングなど軽い運動を週3回以上続ける
定期的な運動は、血圧の薬に匹敵する血圧を下げる効果を持つことが多くの研究で確認されています。
特に有酸素運動は、高血圧の予防と治療の両方において強く推奨されています。
有酸素運動とは、ウォーキング、ジョギング、水泳、自転車こぎ、ダンスなど、一定時間続けて行う運動のことです。
研究によると、週に3〜5回、1回30分程度の中くらいの強さの有酸素運動を続けることで、上の血圧を5〜8mmHg、下の血圧を3〜5mmHg程度下げる効果が期待できます。
中くらいの強さの運動とは、「少し息が弾むけど、おしゃべりはできる」程度の強さを指します。
具体的には、早歩き程度のウォーキングが最も取り組みやすく、続けやすい運動として推奨されています。
1日に30分まとまった時間が取れない場合は、10分ずつ3回に分けて行っても同じ効果が得られることが示されています。
有酸素運動に加えて、週に2回程度の軽い筋力トレーニングを組み合わせると、さらに効果的です。
筋力トレーニングは、スクワット、腕立て伏せ、ダンベル運動など、軽い負荷をかける運動を指します。
ただし、息を止めて行う重いものを持ち上げるような筋力トレーニングは血圧を急激に上げる可能性があるため、高血圧の方は避けるべきです。
運動の効果は、運動を始めてから数週間から数ヶ月で現れ始めます。
重要なのは、短期間で効果を求めるのではなく、長期的に続けることです。
運動を習慣にするためには、自分が好きな活動を選ぶこと、無理のない目標から始めること、できれば家族や友人と一緒に行うことなどが効果的です。
体重を3〜5kg減らすと血圧も下がりやすい
太りすぎは高血圧の主な原因の一つであり、体重を減らすことは血圧を下げることに極めて効果的です。
研究では、体重を1kg減らすごとに、上の血圧が約1mmHg下がることが示されています(研究により幅あり)。
体重減少1kgあたりで血圧低下は、収縮期血圧で-1.05 mmHg(95% CI、-1.43~-0.66)、拡張期血圧で-0.92 mmHg(95% CI、-1.28~-0.55)でした。
引用:PubMed Influence of weight reduction on blood pressure: a meta-analysis of randomized controlled trials
もし今BMI(体格指数、身長と体重から計算する肥満度)が25以上の方であれば、まずは3〜5kgの減量を目標にしてみましょう。
この程度の体重減少でも、血圧に明らかな改善が見られることが多くあります。
さらに、十分な減量を達成できれば、血圧の薬を減らす、あるいはやめられる可能性が高まります。
体重管理の基本は、食べるカロリーと消費するカロリーのバランスです。
急激なダイエットではなく、1ヶ月に1〜2kg程度のペースで、ゆっくりと確実に体重を減らすことが推奨されます。
食事面では、果物、野菜、玄米などの全粒穀物を豊富に含み、低脂肪の牛乳・ヨーグルトや魚、鶏肉、豆類などの良質なタンパク質を適度に摂る食事パターンが有効です。
ジュースやコーラなどの砂糖入り飲料、お菓子、揚げ物などの高カロリー食品を控えることも重要です。
前述の運動習慣も、体重管理において欠かせない要素です。
食事制限だけでなく、運動も組み合わせることで、より効果的に体重を減らし、かつ筋肉量を維持しながら健康的に減量できます。
ある総合的な研究では、食事改善、運動、体重管理を組み合わせた生活習慣改善プログラムを4ヶ月間行った結果、参加者の血圧が平均で上が16mmHg、下が10mmHg低下したことが報告されています。
これは、複数の血圧の薬を飲んだ場合に匹敵する効果です。
その他、お酒の飲む量を控えること(男性は1日2杯以下、女性は1日1杯以下)、十分な睡眠をとること(1日7〜9時間)、ストレスをうまく管理することなども血圧コントロールに有効です。
これらの生活習慣改善は、一つだけでも効果がありますが、組み合わせることでさらに大きな効果が得られます。
血圧の薬を減らす・やめるときは必ず医師と一緒に進める
生活習慣を改善し、血圧が安定してきたとしても、薬を減らす・やめるプロセスは慎重に、計画的に進める必要があります。
自己判断での急な減薬や中止は、これまで述べてきたように重大な危険を伴います。
一方、医師の指導のもとで少しずつ進めれば、安全に減薬・中止を実現できる可能性があります。
このプロセスには通常、数ヶ月から1年以上の時間がかかり、その間も継続的に血圧を測り続け、定期的に医学的な評価を受けることが欠かせません。
医師は、血圧の変化の様子だけでなく、心電図や血液検査などを通じて、薬を減らすことが心臓や腎臓などの臓器に悪影響を及ぼしていないかを確認しながら進めていきます。
患者さん側も、家での血圧測定を習慣化し、体調の変化に敏感になることが求められます。
薬を減らす・やめることは一度始めたら必ず成功するというものではなく、途中で血圧が上がってくれば元の治療に戻ることもあります。
それは失敗ではなく、あなたの体にとって今はその治療が最適だという医学的な判断です。
ここでは、安全に薬を減らす・やめるための具体的な方法と注意点を説明します。
薬の量を少しずつ減らして様子を見る
血圧の薬の減量や中止は、必ず少しずつ段階的に行うことが原則です。
急に薬を半分にしたり、完全にやめたりすることは、前述したリバウンド現象(血圧が跳ね上がる現象)や離脱症状(薬をやめることで起きる体調不良)の危険性を高めます。
- 開始前の確認
- 医師と相談し、減薬が可能かどうか評価してもらう
- 家庭血圧測定を開始し、2週間程度のベースラインを記録する
- 第1段階(1〜2ヶ月)
- 医師の指示に基づき、薬の量を段階的に減らす(例: 40mg → 20mg)
- 毎日朝晩の血圧を測定し記録する
- 1ヶ月後に受診し、血圧の変化を確認
- 第2段階(さらに1〜2ヶ月)
- 血圧が安定していれば、さらに減量(例: 20mg → 10mg)
- 血圧測定と記録を継続
- 定期的な受診を続ける
- 第3段階(さらに1〜2ヶ月)
- 最終的に薬を完全に中止
- 中止後も少なくとも3〜6ヶ月は血圧測定と定期受診を継続
一般的な進め方としては、まず今飲んでいる薬の量を少し減らし、数週間から数ヶ月かけて血圧の変化を観察します。
例えば、1日40mgの薬を飲んでいる場合、まず20mgに減らして1ヶ月様子を見る、といった具合です。
血圧が安定していれば、さらに10mgに減らす、最終的に薬をやめる、というように階段を降りるように段階を踏んでいきます。
複数の種類の血圧の薬を飲んでいる場合は、一度にすべての薬を減らすのではなく、1種類ずつ順番に減らしていくのが一般的です。
どの薬から減らすかは、薬の種類、患者さんの状態、血圧のコントロール状況などを考えて医師が判断します。
薬を減らすペースは人によって大きく異なり、数ヶ月から1年以上かかることもあります。
焦らず、医師の指示に従って進めることが重要です。
もし減量中に血圧が上がってきた場合は、元の量に戻すか、別の治療法を検討します。
毎日朝晩の血圧を測って記録する
薬を減らす・やめることを進める際には、家での血圧測定が非常に重要です。
病院で測る血圧は緊張などの影響で高めに出ることがあり(これを「白衣高血圧」と言います)、日常の血圧を正確に反映しないことがあります。
- 測定のタイミング
- 朝:起床後1時間以内、トイレの後、朝食・薬を飲む前
- 夜:就寝前
- 測定前の準備
- 5分程度静かに座って落ち着く
- 深呼吸をしてリラックスする
- 測定中は会話をしない
- 測定方法
- 腕を心臓の高さに保つ
- 腕帯(カフ)を正しく巻く
- 背もたれのある椅子に座り、足を床につける
- 記録すること
- 日付と時間
- 上の血圧(収縮期血圧)
- 下の血圧(拡張期血圧)
- 脈拍
- 体調の変化(頭痛、めまい、胸の違和感など)
家庭血圧測定の基本は、朝と夜の1日2回、できれば毎日同じ時間に測ることです。
朝は起きてから1時間以内、トイレに行った後、朝ごはんや薬を飲む前に測ります。
夜は寝る前に測ります。
測る前には5分程度静かに座ってリラックスし、落ち着いた状態で測りましょう。
記録は、日付、時間、血圧の値(上の血圧/下の血圧)、脈拍を含めて、ノートやスマホのアプリに記入します。
体調の変化(頭が痛い、めまいがする、胸が苦しいなど)があれば、それも一緒に記録しておくと、医師が判断する際の参考になります。
家庭血圧の一般的な降圧目標は135/85mmHg(上が135、下が85)未満とされていますが、年齢や持病により目標値は異なります。
普段より高い値が続く場合、医師に連絡・相談しましょう(具体的な日数や基準値は医師にあらかじめ確認しておきましょう)。
薬を減らす・やめることを進めている最中は特に、血圧の変動に敏感になり、異常に気づいたら早めに対処することが大切です。
月に1回は受診して血圧の変化を確認する
薬を減らす・やめることを進めている間は、通常よりも頻繁に病院を受診し、医師に経過を見てもらう必要があります。
状況によりますが、減薬中は例えば月に1回程度など、こまめな受診が推奨されることが多いです。
受診時には、家で測った血圧の記録を持っていき、医師に見せましょう。
医師は、家庭血圧のデータと病院での測定値を総合的に見て、薬を減らすペースが適切か、さらに減らしても大丈夫か、あるいは元の量に戻すべきかを判断します。
場合によっては、24時間つけっぱなしで測る血圧計(24時間自由行動下血圧測定、略してABPM)を使うこともあります。
これは、携帯型の血圧計を24時間つけて、一定の間隔で自動的に血圧を測る検査です。
この検査により、夜寝ている間を含めた1日の血圧の変動パターンを詳しく把握でき、より正確な評価が可能になります。
また、薬を減らす・やめる過程では、血圧だけでなく、心電図検査、血液検査(腎臓の機能や体の中のミネラルバランスなど)を定期的に行うことも重要です。
これらの検査により、血圧の薬を減らすことが体に悪影響を及ぼしていないかを確認できます。
もし薬を減らす・やめた後に再び血圧が上がってきた場合でも、早期に発見して対処すれば、深刻な合併症を防ぐことができます。
自己判断で受診をやめたり、受診の間隔を延ばしたりせず、医師の指示に従って定期的に経過を見てもらうことが、安全に薬を減らす・やめるための鍵となります。
血圧の薬についてよく聞く誤解
血圧の薬に関しては、多くの誤解や不安があります。
インターネットや口コミで広がった不正確な情報により、必要な治療を避けてしまったり、逆に過度に心配してしまったりする方も少なくありません。
医学的な根拠に基づいた正確な知識を持つことは、適切な治療を続けるために非常に重要です。
特に、「一度飲んだら一生やめられない」「血圧が下がったら薬は不要」「副作用が怖い」といった誤解は、多くの患者さんが抱いている共通の不安です。
これらの誤解は、部分的には本当のことを含んでいるため、余計に判断が難しくなっています。
例えば、確かに多くの高血圧患者さんでは長期的な薬物療法が必要ですが、すべての患者さんが該当するわけではありません。
また、副作用の危険性は存在しますが、適切な管理により多くの場合は避けたり軽くしたりすることが可能です。
ここでは、患者さんからよく聞かれる疑問について、医学的な根拠に基づいて正確な情報をお伝えします。
一度飲んだら一生やめられないは本当か
「血圧の薬は一度飲み始めたら一生やめられない」という話を聞いたことがある方は多いでしょう。
しかし、これは必ずしも正確ではありません。
確かに、多くの高血圧患者さんでは長期間の薬物療法が必要になります。
これは、高血圧の多くが本態性高血圧(はっきりとした原因がわからない高血圧)であり、遺伝的な体質や年齢による血管の変化など、根本的に治すことが難しい要因によるものだからです。
しかし、前述したように、適切な条件が揃えば薬を減らす、あるいは完全にやめられる可能性はあります。
研究では、食事や運動などの生活習慣を徹底的に改善し、医師のしっかりとした管理のもとで薬を減らす・やめることを進めた場合、一部の患者さんでは長い期間にわたって正常血圧を維持できることが示されています。
重要なのは、薬をやめられるかどうかは人によって大きく異なるということです。
高血圧の程度、高血圧になってからの期間、他の病気を持っているか、生活習慣改善がどれくらいできているかなどによって、可能性は大きく異なります。
また、たとえ一度薬をやめられたとしても、再び血圧が上がることもあり、その場合は再度薬を飲む必要があります。
しかしながら、血圧上昇が認められ、薬剤の再開が必要となる患者もいます。
引用:PubMed Central Deprescribing antihypertensive drugs in frail older adults
「一生飲み続ける覚悟」も「いつかはやめられる希望」も、どちらも持ちすぎないバランスが大切です。
今の時点での血圧コントロールを最優先に考え、医師と相談しながら最善の治療方針を見つけていくことが重要です。
血圧が下がったから薬は不要の落とし穴
家で血圧を測ったら正常値だったので、「もう薬は必要ないだろう」と自己判断で飲むのをやめてしまう方がいます。
しかし、これは大変危険な考え方です。
血圧が正常範囲にあるのは、薬がしっかり効いているからこその結果です。
薬をやめれば、多くの場合、数日から数週間のうちに血圧は再び上がります。
これは、高血圧の原因(血管が硬くなっていること、体質的な要因、生活習慣など)が解消されていないためです。
例えるなら、これは屋根に穴が開いた家に住んでいて、バケツで雨漏りを受け止めている状態に似ています。
バケツを置いている間は床が濡れませんが、バケツを取り除けばすぐに床は水浸しになります。
屋根の穴(高血圧の根本原因)を修理しない限り、バケツ(血圧の薬)は必要なのです。
さらに問題なのは、薬をやめたことで血圧が上がっていても、体の調子に変化を感じないことが多いということです。
高血圧は「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ばれるように、症状なく静かに体を蝕んでいきます。
気づいたときには、脳卒中や心筋梗塞といった重大な病気を起こしてしまう可能性があります。
血圧が安定していて薬をやめたいと考えるなら、まず医師に相談してください。
医師は、血圧の変化の様子、生活習慣の状況、他の病気のリスクなどを総合的に見て、薬を減らす・やめることが可能かどうかを判断します。
たとえ血圧が正常であっても、医師が「まだ薬を続けましょう」と言うのには、医学的な理由があるのです。
副作用が心配だからやめたいという不安
血圧の薬の副作用を心配して、薬をやめたいと考える方は少なくありません。
確かに、どんな薬にも副作用の危険性はありますが、適切に管理すれば多くの場合、問題なく使用できます。
血圧の薬の主な副作用と対処法:
| 薬の種類 | よくある副作用 | 対処法 |
|---|---|---|
| ACE阻害薬 | 空咳 | ARBへの変更で改善することが多い |
| カルシウム拮抗薬 | 足のむくみ、ほてり | 減量、またはACE阻害薬/ARBへの変更・併用など |
| 利尿薬 | トイレが近くなる、だるさ | 服用時間の調整、量の調整 |
| β遮断薬 | 疲れやすい、手足の冷え | 別の種類の薬への変更 |
| ARB | めまい、ふらつき等 | 量の調整、服用時間の変更 |
血圧の薬の一般的な副作用には、めまい、立ちくらみ、疲れやすい、頭が痛い、足がむくむ、咳が出るなどがあります。
これらの副作用が出た場合、すぐに薬をやめるのではなく、まず医師に相談することが大切です。
多くの場合、薬の種類を変えたり、量を調整したりすることで、副作用を軽くしながら効果的な血圧管理を続けることができます。
例えば、ある種類の薬(ACE阻害薬)で空咳が出る場合、同じような効果を持つ別の薬(ARB)に変えることで咳が治まることがあります。
別の薬(カルシウム拮抗薬)で足がむくむ場合、薬を減量したり、別の種類の薬(ACE阻害薬やARBなど)に変更・追加したりすることで改善することがあります。
重要なのは、副作用の危険性と高血圧を放置する危険性を天秤にかけることです。
軽い副作用があっても、それによって脳卒中や心筋梗塞を防げるなら、薬を続ける価値は十分にあります。
一方、副作用が日常生活に大きな支障をきたす場合は、治療方針の見直しが必要です。
また、副作用だと思っていた症状が、実は高血圧そのものや他の病気による症状だったというケースもあります。
「薬のせいで体がだるい」と思っていたら、実は血圧が高すぎることが原因だった、ということもあるのです。
副作用が心配な場合は、まず医師や薬剤師に具体的な症状を伝えてください。
副作用なのか、他の原因によるものなのかを見極め、最適な対処法を一緒に考えることができます。
自己判断で薬をやめることだけは、絶対に避けてください。
よくある質問(FAQ)
- 血圧が正常になったので薬をやめても大丈夫ですか
-
血圧が正常値を示していても、それは薬が効いている結果です。
自己判断で薬をやめると、数日から数週間で血圧が再び上がる可能性が高いです。
薬をやめることを考える場合は、必ず医師に相談し、血圧の変化の様子や生活習慣、他の病気のリスクなどを総合的に見てもらう必要があります。
- 血圧の薬を飲み忘れたらどうすればいいですか
-
飲み忘れに気づいたタイミングによって対応が異なります。
次に飲む時間まで時間がある場合は、気づいた時点で飲んでください。
次に飲む時間が近い場合は、飲み忘れた分は飛ばして、次の予定通りの時間に1回分だけ飲みます。
2回分を一度に飲むことは避けてください。
頻繁に飲み忘れる場合は、医師に相談して飲むタイミングを見直すことも検討しましょう。
- 漢方やサプリメントで血圧の薬を代わりにできますか
-
今のところ、血圧の薬と同じくらいの効果を持つ漢方薬やサプリメントは確認されていません。
一部のサプリメント(ニンニク、魚油、CoQ10など)に軽い血圧を下げる効果が報告されていますが、その効果は薬と比べると限定的です。
また、一部のサプリメントは血圧を上げる可能性があったり、血圧の薬と相互作用を起こしたりすることもあります。
サプリメントを試したい場合は、必ず医師に相談してください。
- 血圧の薬をやめるのに何ヶ月くらいかかりますか
-
人によって非常に大きく異なり、数ヶ月から1年以上かかることもあります。
薬の種類、高血圧の程度、生活習慣改善の状況などによって期間は変わります。
焦らず、医師の指示に従って少しずつ進めることが大切です。
また、薬を減らす・やめることを試みても、再び血圧が上がって薬を再開する必要が出ることもあります。
- 薬をやめた後、また血圧が上がったらどうすればいいですか
-
家での血圧測定を続け、血圧が連続して目標値を超えるようであれば、すぐに医師に連絡してください。
早期に発見して対処すれば、深刻な合併症を防ぐことができます。
再び血圧が上がった場合、生活習慣をさらに見直すか、薬を再開することになります。
一度薬をやめられなかったからといって、がっかりする必要はありません。
あなたの体の状態に最も適した治療を続けることが最優先です。
まとめ
血圧の薬を減らす、あるいはやめることは、条件が揃えば可能ですが、絶対に自己判断で行ってはいけません。
急に薬をやめると、血圧が急上昇し、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる病気のリスクが高まります。
医師の判断で薬を減らす・やめることが可能なのは、血圧が長い期間安定している、生活習慣改善により血圧が大きく下がった、年齢や体調の変化で治療方針の見直しが必要になった、といった場合です。
薬を減らすためには、塩分を控えること、定期的な運動、体重を減らすことといった生活習慣の改善が欠かせません。
これらの取り組みは、血圧の薬に匹敵する効果を持つことが研究で証明されています。
薬を減らす・やめることを進める際は、必ず医師と相談しながら少しずつ行い、家での血圧測定を続け、定期的な受診で経過を見てもらうことが重要です。
血圧の薬に関する誤解も多くありますが、正しい知識を持ち、医師と協力して治療を進めることで、あなたにとって最適な血圧管理を実現できます。
もし血圧の薬について不安や疑問があれば、一人で悩まず、必ず病院に相談してください。
あなたの健康を守るために、医師や薬剤師はいつでもサポートする準備ができています。
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