血圧が高いと指摘されて、同時にめまいを感じることはありませんか。
「血圧が高いからめまいがするのでは」と心配になる方は少なくありません。
実は、高血圧とめまいの関係は想像以上に複雑で、必ずしも高血圧が直接めまいを引き起こすわけではないのです。
高血圧は「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」と呼ばれ、多くの場合は症状がないまま進行します。
一方で、めまいと高血圧が同時に現れる場合には、血圧の急激な変動や血圧を下げる薬の影響、あるいは重大な合併症が隠れている可能性も考えられます。
- 血圧の急激な変動による脳血流の不安定化
- 血管が高血圧に適応し降圧時に脳血流が不足する
- 降圧薬(利尿薬・血管拡張薬)による起立性低血圧
- 動脈硬化の進行で脳への酸素・栄養供給が不足
- 拡張期血圧の上昇で自律神経バランスが崩れる
- 高血圧緊急症で脳血管に過度な圧力がかかる
この記事では、高血圧とめまいの関係について、医学的な根拠に基づいて詳しく解説します。
どのような症状が危険なサインなのか、どのような対処をすべきか、そして病院を受診する目安についてもお伝えします。
高血圧は成人の約半数が抱える身近な疾患でありながら、日本では適切に管理されているのはわずか27%程度とされています。
めまいという症状をきっかけに、ご自身の血圧管理について見直すことで、脳卒中や心臓病といった重大な合併症を予防することができます。
- 高血圧でめまいが起きるメカニズム
- 下の血圧(拡張期血圧)が高い場合の症状
- めまいの種類とそれぞれの特徴
- すぐに病院を受診すべき危険なめまいの見分け方
- 自宅でできる応急処置と予防法
はじめに(免責・注意事項)
本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。
血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。
また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。
本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。
高血圧でめまいが起きる理由
高血圧とめまいの関係を理解することは、適切な対処法を選ぶ上で重要です。
多くの方が「血圧が高いからめまいがする」と考えがちですが、実際には血圧の急激な変動や、長期間高血圧が続いたことによる血管の変化が、めまいの原因となることが多いのです。
ここでは、高血圧がめまいに関連するメカニズムについて詳しく見ていきましょう。
血圧の急な変動がめまいを引き起こす理由
高血圧がめまいに関連する主な理由は、血圧の急激な変動にあります。
慢性的に高い血圧そのものよりも、血圧が急上昇したり急降下したりすることで、脳への血流が不安定になることがめまいの原因となるのです。
血管は通常、血圧の変化に応じて収縮したり拡張したりして、脳への血流を一定に保つ自動調節機能を持っています。
しかし、長期間高血圧が続くと、この調節機能が高い血圧に適応してしまいます。
そのため、血圧が正常範囲まで下がった際に、かえって脳への血流が不足してめまいを感じることがあります。
また、血圧が極端に高くなった場合には、脳の血管に過度な圧力がかかり、脳への血流や自律神経のバランスが乱れることでめまいが生じる可能性があります。
特に血圧が180/120mmHg以上に達する高血圧緊急症では、頭痛やめまい、吐き気などの症状が現れることがあり、直ちに医療機関を受診する必要があります。
さらに、高血圧によって動脈硬化が進行すると、血管の壁が厚く硬くなり、血液がスムーズに流れにくくなります。
その結果、脳への酸素や栄養の供給が不十分になり、ふらつきやめまいといった症状につながることがあります。
動脈硬化は高血圧の長期的な影響として徐々に進行するため、定期的な健康診断と血圧管理が重要です。
下の血圧が高い場合に起こるめまいの特徴
血圧には上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧(拡張期血圧)の2つがあります。
収縮期血圧は心臓が収縮して血液を送り出す際の圧力を、拡張期血圧は心臓が拡張して血液を取り込む際の圧力を示しています。
下の血圧が90mmHg以上で高いとされ、この状態を拡張期高血圧と呼びます。
拡張期血圧が高い状態では、心臓と血管に常に負担がかかり続けることになります。
心臓は血液を送り出した後、拡張して次の血液を取り込む際にも休むことができず、常に緊張状態が続きます。
研究によると、拡張期血圧が10mmHg上昇するごとに、心臓発作や脳卒中のリスクが増加することが示されています。
収縮期血圧が20 mmHg上昇するごとに、または拡張期血圧が10 mmHg上昇するごとに、心筋梗塞と脳卒中の両方による死亡率は2倍になります。
引用:National Center for Biotechnology Information Blood Pressure and Cardiovascular Risk
拡張期血圧が高い状態は、心臓の筋肉に酸素を供給する冠動脈への血流にも影響を与えます。
心臓が拡張する時期は、冠動脈を通じて心筋に血液が供給される重要なタイミングです。
極端に血圧が低い場合には冠動脈への血流が不足することがあります。
拡張期血圧が高い場合のめまいは、主に血管への持続的な負担により自律神経のバランスが崩れることで生じると考えられています。
自律神経は血圧や心拍数を調節する重要な役割を担っていますが、常に高い圧力にさらされることでその機能が乱れ、めまいや動悸といった症状が現れることがあります。
ただし、下の血圧だけが高い「孤立性拡張期高血圧」は、上の血圧だけが高い場合や両方が高い場合と比べると比較的まれで、若年から中年層に多く見られる傾向があります。
全体的に、IDH の有病率がピークとなるのは 30 歳から 49 歳の間です
引用:PubMed Central Is Isolated Diastolic Hypertension an Important Phenotype?
この状態も放置すると心血管疾患のリスクを高めるため、適切な治療が必要です。
めまいと一緒に現れやすい症状
高血圧に関連するめまいが生じる際には、他の症状を伴うことが多くあります。
これらの症状の組み合わせは、原因を特定する重要な手がかりとなります。
- 吐き気・嘔吐
- 頭痛
- 動悸・息切れ
- 視力の変化・かすみ
- 全身のだるさ・倦怠感
- 肩こり・耳鳴り
吐き気や嘔吐は、めまいと同時に現れやすい代表的な症状です。
特に血圧が急激に上昇した際や、脳への血流が不安定になった場合に吐き気を感じることがあります。
高血圧緊急症では、めまいとともに吐き気や嘔吐を経験する患者が多くみられます。
吐き気の程度が強く、水分も摂取できないほどの場合には、脱水を引き起こす可能性があるため、早めの医療機関受診が必要です。
頭痛もめまいとともに現れることが多い症状です。
血圧が高い状態では、脳の血管に過度な圧力がかかり、鈍い痛みや圧迫感を感じることがあります。
ただし、頭痛は高血圧以外の原因でも頻繁に起こるため、頭痛だけで高血圧を判断することはできません。
突然の激しい頭痛や、これまで経験したことのないような強い頭痛は、緊急を要する状態の可能性があります。
症状別に考えられる主な原因と対応の目安
| 症状の組み合わせ | 考えられる原因 |
|---|---|
| めまい+吐き気・嘔吐 | 急激な血圧上昇、脳循環の不安定 |
| めまい+動悸・息切れ | 不整脈や心機能の負担増 |
| めまい+視界のぼやけ | 高血圧性網膜症の可能性 |
| めまい+強い頭痛 | 脳出血や脳梗塞のリスク |
動悸や息切れを伴うめまいの場合、心臓への負担が増している可能性があります。
高血圧によって心臓が常に強い力で血液を送り出さなければならないため、心臓の筋肉に負担がかかり、不整脈を引き起こすことがあります。
不整脈があると、一時的に脳への血流が減少し、めまいやふらつきを感じることがあります。
特に動悸が不規則で、胸の不快感を伴う場合には、心房細動などの不整脈の可能性があるため、医師に相談することが重要です。
視力の変化や目のかすみも注意が必要な症状です。
高血圧によって目の奥の血管が損傷を受けると、視力障害やぼやけた視界といった症状が現れることがあります。
網膜の血管は非常に細く、高血圧の影響を受けやすい部位です。
若年者では、悪性高血圧網膜症による両眼の視力低下を呈することがあります。
引用:National Center for Biotechnology Information Hypertensive Retinopathy
これらの症状がめまいと同時に起こる場合は、血圧が極めて高い状態である可能性があり、早急な対応が必要です。
また、全身のだるさや倦怠感、肩こり、耳鳴りなども高血圧に関連して現れることがあります。
これらの症状は非特異的で他の原因でも生じますが、複数の症状が同時に続く場合には、医療機関での精密な検査が推奨されます。
胸の圧迫感や息苦しさを伴う場合には、心臓への負担が大きくなっている可能性があるため、特に注意が必要です。
高血圧で起こるめまいのタイプ別の特徴
めまいには様々なタイプがあり、それぞれ原因や対処法が異なります。
高血圧に関連するめまいは主に浮動性めまいのタイプに分類されることが多いのですが、状況によっては様々な形で現れます。
ご自身の症状がどのタイプに当てはまるかを知ることで、適切な対応につながります。
ふわふわと浮くような感覚のめまい
ふわふわするめまいは、医学的には「浮動性めまい」や「動揺性めまい」と呼ばれます。
地に足がついていないような感覚や、雲の上を歩いているような不安定な感じが特徴です。
- 地面が柔らかく感じる
- 体が揺れているように感じる
- まっすぐ歩くのが難しい
- 船やエレベーターに乗っているような浮遊感
このタイプのめまいは、高血圧に関連して起こる場合、血圧の変動による脳への血流不足が原因となることが多いとされています。
特に、高血圧の治療を始めたばかりの時期や、降圧薬を調整した後に感じやすい傾向があります。
長年高い血圧に慣れていた脳の血管が、血圧が下がったことに適応できず、一時的に血流が不十分になるためです。
この適応期間中は、血圧が正常範囲であっても、脳はまだ「血圧が低い」と感じてしまい、めまいが生じます。
ふわふわするめまいに関係しやすい要因と状況
| 状況・タイミング | 主な要因 | 説明 |
|---|---|---|
| 降圧薬の開始直後 | 血圧変動 | 脳が低い血圧に慣れておらず血流が一時的に不足 |
| 降圧薬の変更・増量後 | 適応過程 | 血管の反応が追いつかず浮遊感を感じやすい |
| 起き上がり直後 | 起立性低血圧 | 血液が下半身に溜まり脳への血流が減少 |
| 利尿薬・血管拡張薬の使用時 | 薬の作用 | 一時的な血圧低下を起こすことがある |
起立性低血圧もふわふわするめまいの原因となります。
座った状態や横になった状態から急に立ち上がると、重力によって血液が下半身に溜まり、一時的に脳への血流が減少します。
通常であれば血管が収縮して血圧を維持しますが、この調節がうまく働かないと、立ちくらみやふわふわした感覚が生じます。
高血圧の方でも、特に降圧薬を服用している場合には起立性低血圧が起こりやすくなります。
利尿薬や血管拡張薬などは、この症状を引き起こしやすい薬剤として知られています。
ふわふわするめまいは数秒から数分で自然に治まることが多いですが、頻繁に起こる場合や長時間続く場合には、医師に相談することが大切です。
また、このめまいが転倒につながることもあるため、特に高齢の方は注意が必要です。
ぐるぐる回る感覚の強いめまい
ぐるぐる回るめまいは「回転性めまい」と呼ばれ、自分や周囲の景色が回転しているように感じる強烈な症状です。
まるで激しい遊園地の乗り物に乗っているような感覚で、多くの場合、吐き気や嘔吐を伴います。
じっとしていても回転感が続き、目を開けていることすら辛く感じることがあります。
- 周囲がぐるぐる回るように感じる
- 自分の体が回転しているような錯覚がある
- 目を開けていると症状が悪化する
- 強い吐き気・嘔吐を伴うことが多い
回転性めまいの原因の多くは、内耳の問題にあります。
内耳には体のバランスを感じ取る三半規管という器官があり、ここに異常が生じるとめまいが起こります。
ぐるぐる回るめまいの原因と特徴
| 疾患名 | 主な原因・仕組み | 特徴的な症状 |
|---|---|---|
| 良性発作性頭位めまい症(BPPV) | 三半規管内の耳石が移動 | 頭を動かしたときに短時間の強いめまい |
| メニエール病 | 内耳のリンパ液が増加 | 難聴・耳鳴りを伴う。発作的に繰り返す |
| 前庭神経炎 | 前庭神経の炎症 | 急激なめまい、平衡感覚の失調、耳症状は少ない |
良性発作性頭位めまい症は、三半規管内の耳石が移動することで起こり、頭の位置を変えた時に強いめまいを感じます。
メニエール病は、内耳のリンパ液が増加することで生じ、難聴や耳鳴りを伴うことが特徴です。
前庭神経炎は、バランスを司る神経の炎症によって起こります。
めまいの末梢原因として最も頻度が高いものは、多い順に、良性発作性頭位めまい症(BPPV)、前庭神経炎、メニエール病である
引用:PubMed Central The Risk of BPPV, Meniere’s Disease, and Vestibular Neuronitis in Patients with Gout: A Longitudinal Follow-Up Study Using a National Health Screening Cohort
高血圧との関連でいえば、回転性めまい自体は高血圧が直接の原因となることは少ないとされています。
しかし、高血圧によるストレスや自律神経の乱れが、間接的にメニエール病などの内耳疾患を悪化させる可能性は指摘されています。
また、極めてまれですが、脳幹や小脳の血管障害によって回転性めまいが生じることもあり、この場合は高血圧が危険因子となります。
回転性めまいが突然起こり、特に激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らない、物が二重に見えるなどの神経症状を伴う場合には、脳の血管障害の可能性があるため、直ちに医療機関を受診する必要があります。
脳幹や小脳への血流が途絶えると、バランス感覚が失われるとともに、これらの重篤な症状が現れることがあります。
歩くときにふらつくめまい
ふらつきを伴うめまいは、体の平衡感覚が失われたように感じる症状です。
まっすぐ歩こうとしても左右にふらついてしまったり、つまずきやすくなったりします。
- まっすぐ歩こうとしても左右に揺れる
- 立っているだけで不安定に感じる
- 暗い場所や目を閉じた時にふらつきが強くなる
- 何かにつかまらないと不安を感じる
立っているだけでも不安定で、何かにつかまりたくなるような感覚があります。
歩行時に体が傾く感じがあり、特に暗い場所や目を閉じた時にふらつきが強くなることもあります。
このタイプのめまいは、複数の要因が組み合わさって起こることが多くあります。
高血圧による脳への血流不足、加齢による平衡感覚の低下、筋力の衰え、視力の問題、末梢神経の障害などが複合的に作用することで、ふらつきが生じます。
特に高齢の方では、これらの要因が重なることで、転倒のリスクが著しく高まります。
高血圧に関連したふらつきの場合、脳の血管の動脈硬化が進行していることが背景にある可能性があります。
脳の細い血管が詰まったり、血流が慢性的に不足したりすることで、平衡感覚をつかさどる脳の部分が影響を受け、ふらつきやすくなるのです。
小さな脳梗塞が繰り返し起こることで、徐々にバランス機能が低下していくケースもあります。
ふらつきめまいに関与する主な要因と特徴
| 要因 | 内容・影響 |
|---|---|
| 高血圧 | 脳への血流が不安定になり、バランス機能に影響 |
| 加齢 | 平衡感覚や筋力の低下で姿勢が不安定に |
| 視力の低下 | 周囲の位置感覚がつかみにくくなる |
| 末梢神経障害 | 足裏の感覚が鈍くなり、立位バランスが取りづらい |
| 降圧薬の影響 | 利尿薬や血管拡張薬による血圧低下や脱水でふらつきが出やすい |
また、降圧薬の影響でふらつきが生じることもあります。
特に利尿薬や血管を拡張する薬を服用している場合、脱水や血圧の過度な低下によってふらつきを感じやすくなります。
複数の降圧薬を併用している場合や、他の薬と一緒に服用している場合には、相互作用によってふらつきが強くなることもあります。
ふらつきが続く場合は、転倒のリスクが高まります。
高齢の方では転倒によって骨折し、そこから寝たきりになってしまうケースもあるため、早めに医師に相談して原因を特定し、適切な対策を講じることが重要です。
危険なめまいの見分け方
めまいの中には、生命に関わる重大な病気のサインである場合があります。
脳卒中や心臓の異常など、緊急を要する状態の可能性がある危険なサインを見逃さないことが、命を守る上で非常に重要です。
ここでは、すぐに病院を受診すべきめまいの特徴について詳しく解説します。
すぐに病院を受診すべきめまいのサイン
特定の症状を伴うめまいは、脳卒中や心臓の異常など、緊急を要する状態の可能性があります。
以下のような症状がある場合には、速やかに医療機関を受診してください。
- 激しい頭痛(特に突然発症したもの)
- 嘔吐や意識障害を伴う
- ろれつが回らない、顔の片側が動かない
- 手足のしびれや力が入らない
- 視力の異常(視野欠損・二重に見える・急な視力低下)
- 強い胸の痛みや圧迫感、息切れ
- 意識が遠のく、失神する
激しい頭痛を伴うめまいは、最も注意が必要な症状の一つです。
特に、これまで経験したことのないような強烈な頭痛が突然起こった場合、くも膜下出血や脳出血の可能性があります。
患者さんの表現では「バットで殴られたような」「人生最悪の頭痛」と形容されることが多い症状です。
高血圧は脳血管障害の主要な危険因子であり、血圧が高い状態が続くと脳の血管が破れるリスクが高まります。
頭痛とともに、嘔吐や意識障害を伴う場合には、より緊急性が高い状態です。
ろれつが回らない、顔の片側が動かしにくい、手足に力が入らない、しびれがあるといった神経症状がめまいとともに現れた場合も、脳梗塞や脳出血の可能性を考える必要があります。
これらの症状は脳の特定の部分への血流が途絶えたり、出血が起こったりしていることを示唆します。
顔の麻痺は、鏡を見たときに笑顔が非対称になることで気づくことがあります。
片方の腕が上がらない、物を落としやすくなった、歩き方がおかしくなったなども重要なサインです。
症状別に考えられる主な疾患と受診の目安
| 症状の特徴 | 考えられる疾患 | 受診の目安 |
|---|---|---|
| 突然の激しい頭痛+めまい | くも膜下出血・脳出血 | 救急搬送レベルの緊急事態 |
| 顔の麻痺・ろれつの異常・手足の脱力 | 脳梗塞・脳出血 | すぐに救急外来へ |
| 視力の異常(二重視・視野欠損など) | 一過性脳虚血発作・脳梗塞 | 早急な精密検査が必要 |
| 胸の痛み・圧迫感・息切れ | 心筋梗塞・不整脈・急性心不全 | 救急要請を推奨 |
| 意識消失や失神 | 脳・心臓の血流障害 | 直ちに医療機関受診 |
視野の一部が欠ける、物が二重に見える、急激な視力低下などの視覚障害を伴う場合も危険です。
脳の視覚をつかさどる部分や、目につながる血管に問題が生じている可能性があります。
突然片目が見えなくなる、視野の半分が欠けるといった症状は、脳梗塞の前兆である一過性脳虚血発作の可能性もあります。
強い胸の痛みや圧迫感、息切れを伴うめまいは、心臓の異常を示している可能性があります。
心筋梗塞や不整脈、急性心不全などが考えられ、これらは高血圧によって発症リスクが高まる疾患です。
胸の痛みが肩や顎、背中に広がる場合や、冷や汗を伴う場合には、心筋梗塞の可能性が高まります。
意識が遠のく感じや、実際に失神した場合も緊急性が高い状態です。
脳への血流が極端に不足していることを示しており、放置すると危険です。
失神の前兆として、目の前が暗くなる、耳が遠くなる、冷や汗が出るといった症状が現れることもあります。
吐き気を伴う場合の注意点
めまいとともに吐き気や嘔吐が起こることは珍しくありませんが、その程度や他の症状との組み合わせによって緊急性が異なります。
- 内耳の異常(良性発作性頭位めまい症、メニエール病など)
- 高血圧緊急症による脳への圧力上昇
- 小脳・脳幹の血管障害による中枢性のめまい
- 嘔吐による脱水や薬の服用困難
内耳の問題による回転性めまいでは、強い吐き気や嘔吐を伴うことが多いですが、これらは通常、生命に関わる状態ではありません。
良性発作性頭位めまい症やメニエール病では、激しい回転性めまいとともに吐き気が生じ、時には何度も嘔吐することがあります。
ただし、症状が非常に強い場合や、脱水を引き起こすほど嘔吐が続く場合には、医療機関での点滴治療などが必要になることがあります。
水分が摂取できず、尿の量が減少する、口が渇く、皮膚の張りがなくなるといった脱水の兆候がある場合には、早めに受診してください。
一方、高血圧緊急症では、血圧が極めて高くなることで吐き気や嘔吐が生じることがあります。
血圧が180/120mmHg以上に達し、頭痛、めまい、吐き気などの症状が現れる場合には、高血圧脳症や脳血管障害の可能性があり、直ちに医療機関を受診する必要があります。
高血圧緊急症では、めまいとともに吐き気や嘔吐を経験する患者が多くみられます。
この状態では、脳の血管に過度な圧力がかかり、脳浮腫を引き起こすことがあります。
吐き気を伴う緊急性の高い症状と受診目安
| 状況・症状 | 考えられる原因 | 受診の目安 |
|---|---|---|
| 血圧180/120mmHg以上+吐き気・頭痛・めまい | 高血圧緊急症(脳症・脳出血リスク) | 直ちに医療機関へ |
| 吐き気+ろれつ障害・視覚異常・手足の麻痺 | 小脳・脳幹の血管障害 | 救急要請が必要 |
| 嘔吐により薬が服用できない | 降圧薬などの吸収不良 | 主治医に早急に連絡 |
吐き気を伴うめまいで特に注意すべきなのは、脳幹や小脳の血管障害です。
これらの部位は吐き気や嘔吐をコントロールする中枢があるため、ここに問題が生じると激しい吐き気が起こります。
めまいと吐き気に加えて、ろれつが回らない、物が二重に見える、手足の動きが不自然になる、体の片側に症状が集中するなどの症状があれば、緊急に医療機関を受診してください。
小脳の血管障害では、体のバランスが取れなくなり、歩くことが困難になることもあります。
また、嘔吐によって降圧薬を含む服薬ができなくなった場合、血圧のコントロールが乱れる可能性があります。
特に毎日服用している薬がある場合、嘔吐が続くと薬の効果が得られず、病状が悪化する恐れがあります。
嘔吐が続く場合には、主治医に連絡して指示を仰ぐことが大切です。
救急受診が必要な症状
以下のような症状がある場合には、迷わず救急車を呼ぶか、直ちに救急外来を受診してください。
一刻を争う状況では、ためらいが命取りになることがあります。
血圧を測定して180/120mmHg以上あり、以下の症状がある場合は高血圧緊急症の可能性があります。
- 血圧が 180/120mmHg以上
- 胸の痛み・圧迫感、息切れ
- 激しい頭痛(特に突然のもの)
- 視力の変化、物が二重に見える
- 手足のしびれ・脱力、ろれつ障害
- 意識がもうろうとする、反応が鈍い
- 冷や汗、吐き気を伴う強い痛み
これは臓器に損傷が生じている状態で、速やかに血圧を下げる治療が必要です。
集中治療室での管理が必要となることも多く、治療の開始が遅れると永続的な臓器障害が残る可能性があります。
突然の激しい頭痛、特に「今まで経験したことのない最悪の頭痛」と表現されるような痛みは、くも膜下出血の典型的な症状です。
高血圧はくも膜下出血の重要な危険因子であり、直ちに医療機関での検査と治療が必要です。
くも膜下出血は脳の表面の血管が破れて出血する状態で、発症から数時間以内の治療が生死を分けることがあります。
項部硬直(首の後ろが硬くなって前に曲げにくい)や、光をまぶしく感じるといった症状を伴うこともあります。
胸の中央から左側にかけての強い圧迫感や痛みが、腕や顎、背中に広がる場合は、心筋梗塞の可能性があります。
めまいや冷や汗、吐き気を伴うこともあり、緊急の処置が必要です。
「胸の上に象が乗っているような」「万力で締め付けられるような」と表現される痛みが特徴的です。
症状が現れてから病院での治療が始まるまでの時間が短いほど、心筋のダメージを最小限に抑えることができます。
主な緊急疾患と特徴的な症状
| 疾患名 | 主な症状・特徴 | 緊急度 |
|---|---|---|
| 高血圧緊急症 | 血圧180/120mmHg以上かつ頭痛・吐き気・意識変化 | すぐに救急受診 |
| くも膜下出血 | 「人生最悪の頭痛」、項部硬直、光過敏 | 数時間以内の治療が生死を分ける |
| 心筋梗塞 | 胸の圧迫感や痛みが顎・背中に放散、冷や汗・吐き気 | 直ちに119通報 |
| 大動脈解離 | 引き裂かれるような背中の痛み、痛みの移動 | 命に関わる緊急事態 |
| 意識障害(脳疾患など) | 反応が鈍い、呼びかけに応じない、会話ができない | 至急の救急対応 |
突然の激しい背中の痛み、特に引き裂かれるような痛みがある場合は、大動脈解離の可能性があります。
大動脈解離は高血圧が主な原因の一つであり、命に関わる緊急事態です。
大動脈の壁が裂けて血液が流れ込む状態で、放置すると大動脈が破裂して大量出血を起こす危険があります。
痛みが胸から背中、さらに腰へと移動していく場合には、解離が進行している可能性が高いため、一刻も早い治療が必要です。
意識がもうろうとしている、反応が鈍い、会話がかみ合わない、呼びかけに応答しないなどの意識障害がある場合も、直ちに救急対応が必要です。
脳への血流が著しく低下しているか、脳に重大な障害が生じている可能性があります。
これらの症状は放置すると生命に関わる可能性があるため、症状が軽くなるのを待つのではなく、すぐに医療機関を受診することが重要です。
救急車を呼ぶことをためらう方もいらっしゃいますが、これらの症状がある場合には、ためらわずに119番通報してください。
めまいが起きたときの正しい対処法と予防策
めまいを感じたときに適切な対処をすることで、症状の悪化を防ぎ、安全を確保できます。
急なめまいに襲われると不安になりますが、落ち着いて対処することが重要です。
ここでは、めまいが起きた際の具体的な対処法、避けるべき行動、そして適切な医療機関の選び方について詳しく解説します。
自宅でできる応急処置
めまいを感じたら、まず安全な場所で安静にすることが最優先です。
転倒してケガをするリスクがあるため、すぐに座るか横になってください。
立ったままでいると、めまいが悪化して倒れてしまう危険があります。
可能であれば、頭を心臓より少し高い位置にして休むと良いでしょう。
枕やクッションを使って、快適な姿勢を作ってください。
横になる際は、回転性めまいがある場合には、めまいが少ない向きを探してその向きで休みます。
急に頭の位置を変えるとめまいが悪化することがあるため、ゆっくりと動くことを心がけてください。
- すぐに座るか横になる
- 頭を心臓より少し高くして休む
- 枕やクッションで安定した姿勢を保つ
- 急に頭を動かさず、ゆっくり動く
- 部屋を暗くして静かな環境を作る
- 深呼吸をして落ち着く(鼻から吸い、口から吐く)
部屋は暗めにして、静かな環境を作ることも症状の緩和に役立ちます。
ゆっくりと深呼吸をして、落ち着くことも大切です。
不安や緊張はめまいを悪化させることがあるため、リラックスを心がけましょう。
鼻からゆっくり息を吸い、口から細く長く息を吐く腹式呼吸を試してみてください。
目を閉じて、静かな環境で休むことで症状が和らぐことがあります。
水分補給も重要です。
脱水はめまいを引き起こす原因の一つであり、特に利尿薬を服用している方は脱水になりやすい傾向があります。
少しずつ水やお茶を飲むようにしてください。
一度に大量に飲むのではなく、こまめに少量ずつ摂取することがポイントです。
ただし、吐き気が強い場合には無理に飲む必要はありません。
症状が落ち着いてから水分を摂るようにしましょう。
自宅でできるセルフケアと確認ポイント
| 対応内容 | 注意点・ポイント |
|---|---|
| 水分補給 | 少量をこまめに。吐き気が強いときは無理をしない |
| 血圧測定 | 家庭用血圧計で測定。記録しておくと診察に役立つ |
| 高血圧の場合 | 180/120mmHg以上なら医療機関へ連絡を検討 |
| 低血圧の場合 | 収縮期90mmHg未満なら注意。安静を優先 |
| 体勢の変更 | 座る→立つは段階的に。つかまりながら動く |
| 休養 | めまいが治まっても当日は運転・激しい運動を避ける |
可能であれば、血圧を測定してみることも有用です。
家庭用血圧計がある場合、めまいが起こったときの血圧を記録しておくと、医師の診察時に役立ちます。
血圧が極端に高い(180/120mmHg以上)場合や、極端に低い(収縮期血圧が90mmHg未満)場合には、医療機関への連絡を検討してください。
ただし、めまいがひどい場合は無理に測定しようとせず、まず安静にすることを優先してください。
症状が落ち着いてきたら、ゆっくりと体を起こします。
急に立ち上がると再びめまいが起こる可能性があるため、段階的に体勢を変えることが重要です。
まず横から座位になり、数分間様子を見ます。
めまいが起こらないことを確認してから、ゆっくりと立ち上がるようにしましょう。
立ち上がる際には、何かにつかまりながら行うと安全です。
めまいが治まっても、その日は激しい運動や車の運転は避け、安静に過ごすことが望ましいです。
体に負担をかけないよう、無理のない範囲で活動してください。
やってはいけない対処法
めまいの際に行うと危険な行動もありますので、注意が必要です。
これらを避けることで、さらなる事故やケガを防ぐことができます。
めまいを感じたまま無理に動き続けることは避けてください。
転倒や事故のリスクが高まり、重大なケガにつながる可能性があります。
特に階段や浴室など、転倒すると危険な場所にいる場合は、すぐに安全な場所へ移動してください。
階段では手すりにつかまり、一段ずつゆっくりと移動します。
自己判断で薬の量を変更したり、服用を中止したりすることも危険です。
めまいが降圧薬の影響だと感じても、勝手に薬をやめると血圧が急上昇し、さらに危険な状態になる可能性があります。
血圧の急激な上昇は、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めます。
薬について心配なことがあれば、必ず医師や薬剤師に相談してください。
次の診察まで待てない場合は、電話で医療機関に相談することもできます。
危険行動とその理由・安全な代替策
| 危険な行動 | 危険の理由 | 安全な代替策 |
|---|---|---|
| 無理に動く・立ち続ける | 転倒・頭部外傷のリスク | すぐに座るか横になる |
| 薬を勝手にやめる | 血圧急上昇による脳卒中・心疾患リスク | 医師・薬剤師に相談 |
| アルコールを飲む | 血圧変動・平衡感覚低下 | 完全に治るまで控える |
| 熱いお風呂に入る | 血圧低下・転倒リスク | ぬるめの短時間入浴またはシャワー |
| 急に立ち上がる | 血圧変化で再びめまい発生 | ゆっくり体勢を変える |
| 症状を放置する | 病気の進行・発見遅れ | 続く場合は早めに受診 |
アルコールの摂取もめまいがあるときには避けるべきです。
アルコールは血管を拡張させ、血圧を変動させるため、めまいを悪化させる可能性があります。
また、アルコールは平衡感覚を鈍らせるため、転倒のリスクも高まります。
めまいが完全に治まるまでは、飲酒を控えることが賢明です。
熱いお風呂に入ることも危険です。
高温の湯に浸かると血管が拡張して血圧が下がり、めまいやふらつきが増すことがあります。
また、浴室で転倒すると重大な事故につながるため、めまいがあるときの入浴は控えるか、シャワーで済ませる方が安全です。
どうしても入浴する場合は、ぬるめのお湯にして、短時間で済ませるようにしてください。
家族に声をかけてから入浴し、異変があればすぐに助けを求められるようにしておくことも大切です。
急激な体位変換も避けるべきです。
- 寝た状態から急に起き上がる
- しゃがんだ状態から急に立ち上がる
これらの動作は血圧を急激に変動させ、めまいを引き起こしやすくなるため、体勢を変える時は必ずゆっくりと段階的に行うことを心がけてください。
症状を放置して様子を見続けることも適切ではありません。
めまいが頻繁に起こる、長時間続く、他の症状を伴うなどの場合には、早めに医療機関を受診することが大切です。
「そのうち治るだろう」と考えて放置すると、重大な病気の発見が遅れる可能性があります。
病院では何科を受診するべきか
めまいで病院を受診する際、どの診療科を選ぶべきか迷う方は少なくありません。
症状や状況によって適切な診療科が異なります。
高血圧の治療を受けている方で、めまいが新たに出現した場合には、まずかかりつけの内科医に相談するのが良いでしょう。
降圧薬の影響や、血圧のコントロール状態を確認してもらえます。
かかりつけ医はあなたの病歴や服用している薬を把握しているため、原因の特定がスムーズに進みます。
必要に応じて、専門医への紹介も受けられます。
回転性めまいで、耳鳴りや難聴を伴う場合には、耳鼻咽喉科の受診が適しています。
良性発作性頭位めまい症やメニエール病など、内耳の問題が原因の可能性があります。
耳鼻咽喉科では、聴力検査や平衡機能検査などの専門的な検査を受けることができます。
特に、頭の位置を変えた時に強いめまいが起こる場合や、片側の耳の聞こえが悪くなっている場合には、耳鼻咽喉科が適切です。
主な受診先と対象となる症状、検査内容
| 診療科 | 受診の目安となる症状 | 主な検査・評価内容 |
|---|---|---|
| 内科(かかりつけ) | 高血圧治療中・薬の影響が疑われる | 血圧測定、血液検査、服薬確認 |
| 耳鼻咽喉科 | 回転性めまい、耳鳴り、難聴 | 聴力検査、平衡機能検査 |
| 脳神経内科・神経内科 | ろれつ障害、手足のしびれ、視覚異常 | MRI・CT、神経学的評価 |
| 循環器内科 | 胸痛、動悸、息切れ | 心電図、心エコー、ホルター心電図 |
| 総合内科・総合診療科 | 原因が不明・複数症状あり | 必要な専門科への振り分け |
ろれつが回らない、手足のしびれや脱力、物が二重に見えるなど、神経症状を伴うめまいの場合には、脳神経内科や神経内科を受診してください。
脳血管障害などの可能性を評価する必要があります。
これらの症状がある場合は緊急性が高いため、救急外来を受診することも検討してください。
胸の痛みや動悸を伴うめまいでは、循環器内科の受診を検討してください。
心臓や血管の問題が関係している可能性があります。
不整脈や心臓弁膜症、狭心症などがめまいの原因となることがあります。
循環器内科では、心電図、心エコー、ホルター心電図などの検査を通じて、心臓の状態を詳しく調べることができます。
どの科を受診すべきか判断が難しい場合や、複数の症状がある場合には、総合内科や一般内科で相談すると、適切な診療科への紹介を受けられます。
大きな病院では、総合診療科が窓口となって、必要な専門科に振り分けてくれることもあります。
初めて受診する際には、以下の情報を整理しておくと診察がスムーズに進みます。
- めまいが始まった時期・きっかけ
- めまいの種類(ふわふわ・ぐるぐる・ふらつきなど)
- どのような時に起こるか(起床時・体勢を変えた時など)
- 他にどのような症状があるか(頭痛・耳鳴り・吐き気・しびれなど)
- 現在服用している薬
- 既往歴や持病
高血圧を改善するための生活習慣
めまいの根本的な原因である高血圧を改善するためには、日常生活の見直しが不可欠です。
薬物治療だけに頼るのではなく、生活習慣の改善を並行して行うことで、より効果的に血圧をコントロールできます。
- 塩分を控える(目標:1日6g未満)
- 加工食品・外食を減らす
- 醤油や味噌を控えめに
- だし・酢・香辛料で風味を補う
- 栄養成分表示でナトリウム量を確認する
食事では、塩分を控えることが最も重要です。
日本人の平均塩分摂取量は1日約9.8g(男性10.7g、女性9.1g)ですが、高血圧の方は1日6g未満を目標にすることが推奨されています。
塩分を減らすためには、醤油や味噌などの調味料を控えめにする、加工食品や外食を減らす、だしや酢、香辛料などを活用して薄味でも美味しく感じる工夫をするといった方法があります。
食品のパッケージに記載されている栄養成分表示を確認し、ナトリウム量をチェックする習慣をつけることも大切です。
カリウムを多く含む食品を積極的に摂取することも推奨されています。
カリウムは体内の余分なナトリウムを排出する働きがあります。
野菜、果物、豆類、海藻類などにカリウムが多く含まれています。
ただし、腎臓に問題がある方はカリウムの摂取制限が必要な場合があるため、医師に相談してください。
カリウムを多く含む代表的な食品例
| 食品区分 | 代表的な食品 |
|---|---|
| 野菜 | ほうれん草、ブロッコリー、にんじん |
| 果物 | バナナ、キウイ、みかん |
| 豆類 | 大豆、枝豆、納豆 |
| 海藻類 | ひじき、わかめ、昆布 |
適度な運動も血圧を下げる効果があります。
ウォーキングや軽いジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動を、週に150分程度(1日30分を週5日程度)行うことが推奨されています。
運動は血管の柔軟性を高め、血圧を下げる効果があります。
ただし、めまいがある場合には無理な運動は避け、症状が落ち着いてから徐々に始めるようにしてください。
運動を始める前には、医師に相談して、どの程度の強度が適切か確認することをお勧めします。
体重管理も重要です。
肥満は高血圧の主要な危険因子であり、体重を5kg減らすだけでも血圧が有意に低下することが示されています。
平均体重減少が5kgを超える集団では、体重減少が少ない集団よりも有意に大きな血圧低下が認められ、収縮期血圧(-6.63 mmHg [95% CI、-8.43~-4.82] vs. -2.70 mmHg [95% CI、-4.59~-0.81])と拡張期血圧(-5.12 mmHg [95% CI、-6.48~-3.75] vs. -2.01 mmHg [95% CI、-3.47~-0.54])の両方において低下しました。
引用:PubMed Influence of weight reduction on blood pressure: a meta-analysis of randomized controlled trials
BMI(体格指数)が25以上の場合は、減量を目標にしましょう。
急激な減量は体に負担をかけるため、1ヶ月に1〜2kg程度のペースでゆっくりと減量することが望ましいです。
ストレスの管理も血圧コントロールに役立ちます。
十分な睡眠を取り、リラックスできる時間を持つことで、自律神経のバランスが整い、血圧が安定しやすくなります。
趣味の時間を持つ、瞑想や深呼吸を行う、適度な運動をするなど、自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。
睡眠は1日7〜9時間を目安に、質の良い睡眠を心がけましょう。
- 睡眠時間は7〜9時間を目安に
- 就寝・起床時間を一定に保つ
- 趣味やリラックスタイムを確保する
- 深呼吸・瞑想で自律神経を整える
- 無理な働き方を避け、休息を優先する
禁煙と節酒も欠かせません。
喫煙は血管を傷つけ、動脈硬化を進行させるため、高血圧の方は必ず禁煙すべきです。
飲酒は適量であれば問題ありませんが、過度の飲酒は血圧を上昇させます。
男性は1日あたり日本酒1合、ビール中びん1本、ワイングラス2杯程度まで、女性はその半分程度を目安にしてください。
これらの生活習慣の改善は、薬物治療と並行して行うことで、より効果的に血圧をコントロールできます。
生活習慣の改善だけで血圧が十分に下がることもありますが、改善しない場合には医師の指示に従って適切な薬物治療を受けることが重要です。
よくある質問(FAQ)
- 高血圧のめまいはどのくらい続きますか?
-
めまいの持続時間は原因によって大きく異なります。
血圧の一時的な変動によるめまいは数秒から数分で治まることが多いですが、降圧薬の影響や起立性低血圧によるめまいは薬の調整が必要な場合があります。
数日以上続く場合や頻繁に繰り返す場合は、医師に相談して原因を特定することが重要です。
- 血圧が下がるとめまいは治りますか?
-
血圧が適切に下がることでめまいが改善することもありますが、逆に血圧が下がりすぎてめまいが起こることもあります。
重要なのは血圧を適切な範囲にコントロールすることです。
高すぎても低すぎても問題が生じる可能性があるため、医師の指示に従って治療を続けることが大切です。
- 高血圧のめまいと貧血のめまいの違いは?
-
貧血によるめまいは立ちくらみやふらつきが特徴で、動悸や息切れ、顔色が悪いといった症状を伴うことが多いです。
高血圧に関連するめまいは血圧の変動と関連して起こります。
血液検査で貧血の有無を確認できるため、どちらが原因かはっきりしない場合は医師に相談してください。
- めまいがあるとき血圧は測ってもいいですか?
-
可能であれば測定することは有用ですが、めまいがひどい場合は転倒の危険があるため、まず安全を確保して安静にすることを優先してください。
症状が落ち着いてから測定しても構いません。
めまいが起こったときの血圧を記録しておくと、医師の診察時に役立つ情報となります。
- 高血圧でめまいが続く場合、どんな検査をしますか?
-
血圧測定、血液検査、心電図が基本的な検査です。
症状に応じて、頭部CTやMRI、ホルター心電図、聴力検査、平衡機能検査などが行われます。
原因を特定するために、複数の検査を組み合わせることもあります。
医師は症状や身体所見に応じて、必要な検査を選択します。
まとめ
高血圧とめまいの関係は複雑で、高血圧そのものが直接めまいを引き起こすことは少ないものの、血圧の急激な変動、降圧薬の影響、合併症などによってめまいが生じることがあります。
慢性的な高血圧によって脳の血流調節機能が変化し、血圧が正常範囲に下がった際に一時的にめまいを感じることもあります。
めまいには「ふわふわする」「ぐるぐる回る」「ふらつく」などのタイプがあり、それぞれ原因が異なる可能性があります。
ふわふわするめまいは血圧の変動や起立性低血圧と関連することが多く、ぐるぐる回るめまいは主に内耳の問題が原因です。
ふらつきを伴うめまいは、複数の要因が組み合わさって起こることが多くあります。
特に激しい頭痛、神経症状、胸痛、意識障害などを伴うめまいは、緊急を要する状態のサインである可能性があるため、直ちに医療機関を受診することが重要です。
血圧が180/120mmHg以上で症状を伴う場合は高血圧緊急症の可能性があり、脳卒中や心筋梗塞などの重大な合併症のリスクが高まります。
めまいを感じたら、まず安全な場所で安静にし、水分補給を心がけてください。
転倒を防ぐために、無理に動かず、ゆっくりと体勢を変えることが大切です。
症状が落ち着いても、自己判断で薬を中止せず、必ず医師に相談することが重要です。
めまいが頻繁に起こる場合や長時間続く場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
高血圧の管理には、薬物治療だけでなく、減塩、適度な運動、体重管理、禁煙、節酒などの生活習慣の改善が欠かせません。
定期的な血圧測定と医師との連携により、適切な血圧コントロールを目指すことで、めまいを含む様々な症状の改善や、脳卒中・心臓病といった重大な合併症の予防につながります。
めまいは体からの重要なサインです。
気になる症状があれば、放置せずに早めに医療機関を受診しましょう。
適切な診断と治療によって、めまいの原因を特定し、効果的な対策を講じることができます。
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