「納豆は高血圧に悪い」という情報を目にして、不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本の食卓に欠かせない納豆が血圧に悪影響を及ぼすのであれば、毎日の食事にも困ってしまいます。
しかし、安心してください。
実は、この情報は大きな誤解です。
納豆そのものは高血圧の方でも安心して食べられる食品です。
この誤解が生まれた背景には、納豆に付属しているたれや醤油の塩分が関係しています。
納豆そのものはほとんど塩分を含まない食品ですが、味付けに使うたれや醤油を多用すると、塩分の摂りすぎになってしまう可能性があるのです。
つまり、問題は納豆そのものではなく、食べ方にあります。
近年の医学研究では、納豆に含まれるナットウキナーゼやカリウム、大豆たんぱく質が血圧を下げる働きを持つことが、世界中の複数の研究で示されています。
正しい知識を持って適切に食べれば、納豆は高血圧の管理に役立つ可能性がある食品といえるでしょう。
この記事では、納豆と血圧の関係について、医学的な根拠に基づいて詳しく解説していきます。
- 納豆本体はほぼ無塩(0.02g未満/100g)で高血圧に悪くない
- 誤解の原因は付属のたれ・醤油の塩分(0.5〜1g/パック程度)
- ナットウキナーゼ・カリウム・大豆たんぱく質が血圧を下げる働きを持つ
- ワーファリン服用中は薬効を弱めるため絶対に避ける
- 1日1パック、たれ・醤油を控えめにすれば問題なく食べられる
結論から申し上げると、納豆は高血圧の方でも問題なく食べられる食品です。
納豆に含まれるナットウキナーゼやカリウム、大豆たんぱく質は血圧を下げる働きがあることが複数の研究で確認されています。
ただし、付属のたれや醤油を使いすぎると塩分摂取量が増えてしまうため、この点には注意が必要です。
また、ワーファリンという血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は、納豆に含まれるビタミンKが薬の効果を打ち消してしまうため、納豆を避ける必要があります。
- 納豆が高血圧に「悪い」と誤解される理由
- 納豆に含まれる血圧を下げる成分とその効果
- 高血圧の方が納豆を食べる際の具体的な注意点
- 納豆の効果を最大限に引き出す食べ方
はじめに(免責・注意事項)
本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。
血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。
また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。
本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。
納豆は高血圧の方でも問題なく食べられる食品
納豆が血圧に与える影響については、国内外で多くの科学的研究が行われてきました。
その結果、納豆は高血圧の方にとって有益な食品であることが明らかになっています。
納豆に含まれる特有の成分が、いくつもの仕組みを通じて血圧を下げる働きをするのです。
特に注目されているのが、納豆菌が大豆を発酵させる過程で生まれるナットウキナーゼという酵素です。
この酵素には血液をサラサラにする作用があり、血管への負担を軽くすることで血圧の低下につながります。
また、納豆にはカリウムというミネラルや大豆たんぱく質も豊富に含まれており、これらの成分も血圧管理に重要な役割を果たします。
一方で、「納豆は高血圧に悪い」という誤解が広まっているのも事実です。
この誤解の原因は、納豆そのものではなく、市販の納豆パックに付いているたれや醤油の塩分にあります。
高血圧の管理において塩分を控えることは極めて重要ですが、実は納豆本体にはほとんど塩分が含まれていません。
ここでは、納豆の血圧への影響について、科学的根拠とともに詳しく見ていきましょう。
納豆に含まれる成分は血圧を下げる働きがある
納豆が血圧に良い影響を与えることは、世界中で行われた複数の科学的研究によって証明されています。
特に注目されているのが、納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素です。
主な研究結果
| 研究 | 対象者 | 期間 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 韓国・延世大学の研究 | 血圧が高めの成人86名 | 8週間 | 上の血圧:-5.55mmHg 下の血圧:-2.84mmHg |
| 北米での研究 | 高血圧の成人79名 | 8週間 | 下の血圧の有意な低下 |
| 2023年メタ分析 | 複数の研究を統合分析 | – | 上下両方の血圧が有意に低下 |
ナットウキナーゼの血圧を下げる効果については、韓国の大学が行った研究で明確な結果が得られています。
この研究では、血圧が高めの成人86名に協力してもらい、8週間にわたってナットウキナーゼのサプリメントまたは偽薬を飲んでもらいました。
その結果、ナットウキナーゼを摂取したグループでは、上の血圧が平均5.55mmHg、下の血圧が平均2.84mmHg低下したことが確認されました。
さらに、北米で行われた別の研究でも、高血圧の成人79名を対象に1日100mgのナットウキナーゼを8週間摂取したところ、下の血圧(拡張期血圧)が有意に低下したことが認められました。
2023年に発表された最新の研究では、これまでに世界中で行われた複数の研究結果をまとめて分析したところ、ナットウキナーゼの摂取が上の血圧と下の血圧の両方をしっかりと下げることが確認されており、高血圧の治療をサポートする方法として効果的であることが示されています。
誤解の原因は付属のたれや醤油の塩分
「納豆は高血圧に悪い」という誤解が生まれた主な原因は、納豆そのものではなく、市販の納豆パックに付いているたれや醤油の塩分にあります。
納豆の塩分比較
| 項目 | 塩分量 |
|---|---|
| 納豆そのもの(100g) | 約0.02g未満 |
| 付属のたれ・醤油(1パック分) | 約0.5〜1g(製品により差がある) |
| 高血圧の方の1日の推奨塩分量 | 6g未満 |
納豆そのものは非常に塩分の少ない食品です。
栄養成分のデータによると、納豆100gに含まれる塩分はわずか0.02g未満です。
これは、ほぼゼロに近い量といえます。
ところが、納豆パックに付いているたれや醤油を全て使ってしまうと、製品にもよりますが1パックあたり約0.5〜1g程度の塩分を摂ることになります。
高血圧の方は1日の塩分摂取量を6g未満に抑えることが推奨されているため、決して少なくない量です。
つまり、問題は納豆そのものではなく、味付けの方法にあるのです。
納豆を健康的に食べるためには、たれや醤油を控えめにする、または使わない工夫が大切になります。
納豆が血圧を下げる3つの理由
納豆が血圧管理に役立つ理由は、ひとつの成分だけではありません。
納豆には、それぞれ違う仕組みで血圧を下げる働きを持つ複数の成分が含まれています。
納豆に含まれる血圧を下げる3つの成分
| 成分 | 働き | 効果 |
|---|---|---|
| カリウム | 余分な塩分を排出 | 上の血圧が1.24mmHg低下(1000mg摂取ごと) |
| ナットウキナーゼ | 血液をサラサラにする | 上の血圧が5.55mmHg、下の血圧が2.84mmHg低下(8週間) |
| 大豆たんぱく質 | 血管をしなやかに保つ | 上の血圧が4.31mmHg、下の血圧が2.76mmHg低下(12週間) |
第一に、納豆は非常に優れたカリウムの供給源です。
カリウムは体の中で余分な塩分を外に出す働きがあり、高血圧の予防と改善に重要な役割を果たします。
第二に、納豆菌が作り出すナットウキナーゼという酵素は、血液を固まりにくくすることで血の流れを良くし、血管にかかる圧力を軽くします。
第三に、納豆の主な成分である大豆たんぱく質自体にも血圧を下げる効果があることが、多くの研究で示されています。
これら3つの成分が力を合わせて働くことで、納豆は単なる栄養食品を超えた、血圧管理に役立つ健康食品としての価値を持っているのです。
それぞれの成分がどのように血圧に作用するのか、科学的な証拠とともに詳しく見ていきましょう。
カリウムが体内の余分な塩分を排出する
納豆が血圧管理に優れている最も重要な理由のひとつが、豊富なカリウムの量です。
納豆100gあたり約690〜730mgのカリウムが含まれています。
カリウムは体の中で余分な塩分を尿として外に出す働きがあります。
アメリカの公衆衛生を担う機関(CDC)によると、カリウムをしっかり摂ることで高血圧の方の血圧を下げることができるとされています。
ただし、腎臓の機能が低下している方は注意が必要です。
アメリカで行われた大規模な観察研究では、塩分とカリウムのバランスが血圧に関係していることが示されています。
この研究では、カリウムの摂取量が1000mg増えるごとに、上の血圧が平均1.24mmHg低い傾向が認められました。
- 推奨される1日のカリウム摂取量:3500〜5000mg
- 納豆1パック(50g)のカリウム量:約365mg
- カリウム1000mg増加ごとの効果:上の血圧が1.24mmHg低下
アメリカ心臓協会は、高血圧を予防したい方や改善したい方に対して、1日3500〜5000mgのカリウムを摂ることを勧めています(腎臓病などがある方は医師に相談が必要です)。
納豆1パック(約50g)には約365mgのカリウムが含まれているため、毎日の食事にカリウムを補う食品として活用できます。
2025年に発表された最新のメタアナリシスでも、カリウムをたくさん摂るほど血圧が下がることが確認されており、特に高血圧の患者さんでその効果がはっきりと認められています。
尿中カリウム排泄量が50 mmol/日増加すると、高血圧症のない被験者では収縮期血圧(SBP)が0.5 mmHg、拡張期血圧(DBP)が0.12 mmHg低下したのに対し、高血圧症のある被験者では、SBPが5.3 mmHg、DBPが3.62 mmHg低下した。
引用:PubMed Central Effect of changes in potassium intake on blood pressure: a dose–response meta-analysis of randomized clinical trials (2000–2024)
ナットウキナーゼが血液をサラサラにする
納豆に含まれるナットウキナーゼは、納豆菌が大豆を発酵させる過程で生まれる酵素です。
この酵素には血液を固まりにくくする、つまり血液をサラサラにする強力な働きがあります。
ナットウキナーゼは、血の塊(血栓)を溶かす働きを持つ体内の酵素と比べて、強い活性を持つことが研究で示されています。
血液の流れがスムーズになることで、血管にかかる圧力が軽くなり、結果として血圧が下がります。
- 血栓を溶かす活性:体内酵素よりも強い
- 血中濃度のピーク:摂取後約13時間(製剤での報告)
- 効果の持続時間:数時間持続
- その他の作用:レニン(血圧を上げる物質)の働きを弱める
研究によると、ナットウキナーゼを含む製剤を摂取した後、血液中の濃度が約13時間後にピークを迎えることが報告されています。
興味深いことに、ナットウキナーゼはレニンという血圧を上げる物質の働きを弱めることも報告されています。
レニンの働きが弱まることで、血圧を下げる効果が期待できます。
大豆たんぱく質が血管をしなやかに保つ
納豆の主な成分である大豆たんぱく質にも、血圧を下げる効果があることが多くの研究で示されています。
中国で行われた大きな研究では、血圧が高めの患者さん302名に協力してもらい、1日40gの大豆たんぱく質を12週間食べ続けてもらったところ、上の血圧が平均4.31mmHg、下の血圧が平均2.76mmHg低下しました。
特に高血圧の患者さんでは、上の血圧が7.88mmHg、下の血圧が5.27mmHg下がるという、より大きな効果が見られました。
2011年に発表された研究では、世界中で行われた27件の研究結果をまとめて分析した結果、大豆たんぱく質を食べることで上の血圧が平均2.21mmHg、下の血圧が平均1.44mmHg低下することが確認されています。
- アルギニンが血管を広げる物質(一酸化窒素)を増やす
- イソフラボンが体の酸化を防ぎ、血管の健康を保つ
- インスリンの働きを改善し、血糖値のコントロールにも役立つ
大豆たんぱく質が血圧を下げる仕組みには、いくつかの要因が関わっています。
まず、大豆たんぱく質にはアルギニンという成分が豊富に含まれており、これが血管を広げる物質(一酸化窒素)を増やします。
また、大豆に含まれるイソフラボンには体の酸化を防ぐ作用があり、血管の健康を保つのに役立ちます。
カナダの研究者による報告では、大豆たんぱく質が血圧だけでなく、血糖値のコントロールや血管の機能にも良い影響を与えることが示されており、高血圧の食事療法における重要な選択肢として位置づけられています。
高血圧の方が納豆を食べるときの3つの注意点
納豆は高血圧の管理に役立つ食品ですが、食べ方を間違えると逆効果になったり、健康に悪影響を及ぼしたりする可能性があります。
特に重要なのは、塩分の管理、薬との飲み合わせ、そして食べる量を守ることの3点です。
- 塩分管理:たれや醤油を控えめに(半分以下)
- 薬との相互作用:ワーファリン服用中は絶対に避ける
- 適量を守る:1日1パック(40〜50g)を目安に
まず、納豆を食べる際の塩分管理は極めて重要です。
納豆そのものは塩分の少ない食品ですが、市販の納豆に付いているたれや醤油を全て使ってしまうと、かなりの塩分を摂ってしまうことになります。
次に、ワーファリンという血液をサラサラにする薬を飲んでいる方にとって、納豆は絶対に避けるべき食品です。
これは非常に重要な注意点であり、場合によっては命に関わる問題となります。
そして、納豆がどんなに健康に良い食品であっても、食べすぎは禁物です。
これらの注意点を正しく理解し、適切に納豆を食生活に取り入れることで、血圧管理に大きく貢献することができるでしょう。
それぞれの注意点について、具体的に解説していきます。
たれや醤油は控えめにして塩分を減らす
納豆を健康的に楽しむ最大のコツは、付いているたれや醤油の使用を控えることです。
先ほどお伝えしたとおり、納豆そのものに含まれる塩分はごくわずかですが、付いているたれや醤油を全て使うと約0.5〜1gの塩分を摂ることになります。
高血圧の治療では、1日の塩分摂取量を6g未満に抑えることが勧められているため、1パックで約0.5〜1gというのは決して少なくない量です。
- たれや醤油は付属の半分以下に抑える
- 減塩タイプのたれを選ぶ
- 薬味で風味を補う:
- ねぎ
- 大葉
- しょうが
- わさび
- からし
- だしを活用する:
- かつお節
- 昆布だし
- 酢やレモン汁で酸味を加える
具体的な工夫としては、以下のような方法があります。
たれや醤油を使う場合は、付いている量の半分以下にとどめましょう。
薬味を上手に使って風味を補う方法も効果的です。
ねぎ、大葉、しょうが、わさび、からしなどを加えると、塩分が少なくても満足できる味わいになります。
また、だしを効かせた味付けもお勧めです。
かつお節や昆布だしを少量加えることで、うま味が増して塩分控えめでもおいしく食べられます。
最近では塩分を減らしたたれも売られているため、そうした製品を選ぶのもひとつの方法です。
アメリカの公的な医療機関が推奨するDASH食(高血圧予防のための食事法)では、段階的に塩分を控えること(ナトリウム2300mg以下、さらには1500mg程度)が勧められており、納豆の味付けでもこの基準を意識することが大切です。
ワーファリン服用中は納豆を避ける必要がある
納豆が健康に良い食品であっても、ワーファリン(ワルファリン)という血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は、納豆を食べることができません。
これは非常に重要な注意点です。
ワーファリンと納豆の関係
| ワーファリンの働き | 納豆の影響 | 結果 |
|---|---|---|
| ビタミンKの働きを邪魔して血液を固まりにくくする | ビタミンK2を大量に含み、納豆菌が腸内でさらにビタミンKを作る | ワーファリンの効果が大きく弱まり、血の塊ができるリスクが高まる |
- ワーファリン服用中は納豆を絶対に食べない
- ナットウキナーゼサプリメントも自己判断で使用しない
- 新しいタイプの抗凝固薬(DOAC)の場合は医師に確認
- 血圧の薬を飲んでいる場合は基本的に問題なし(念のため医師に確認)
ワーファリンはビタミンKという栄養素の働きを邪魔することで、血液を固まりにくくする薬です。
一方、納豆にはビタミンK2が非常にたくさん含まれています。
このため、納豆を食べるとワーファリンの効果が大きく弱まり、血の塊ができるリスクが高まってしまいます。
日本で行われた研究では、納豆を食べた後の血液中のビタミンK濃度が急激に上がり、ワーファリンの効果が強く邪魔されることが確認されています。
抗凝固薬を服用中の方が、医師に相談せずサプリメントを使用することには危険が伴います。
自己判断での使用は避け、必ず医師に相談してください。
アメリカの医学書でも、ワーファリンを飲んでいる患者さんに対して、ビタミンKをたくさん含む食品、特に納豆のような発酵大豆製品を避けるよう明記されています。
なお、ワーファリン以外の新しいタイプの血液サラサラの薬(DOAC)を飲んでいる場合は、ビタミンKとの相互作用は少ないとされていますが、必ず主治医に確認してください。
また、血圧の薬を飲んでいる方は、基本的には納豆を食べても問題ありませんが、念のため医師や薬剤師に相談することをお勧めします。
1日1パックを目安に適量を守る
納豆は健康に良い食品ですが、だからといって食べすぎは良くありません。
適切な量を守ることが大切です。
一般的に、納豆の適量は1日1パック(約40〜50g)とされています。
これにはいくつかの理由があります。
食べすぎに注意が必要な理由
| 成分 | 問題点 | 影響 |
|---|---|---|
| プリン体 | 摂りすぎると尿酸値が上昇 | 痛風のリスクが高まる |
| 大豆イソフラボン | 1日の上限は70〜75mg | ホルモンバランスへの影響(納豆1パックで35〜40mg) |
| 食物繊維 | 急激な大量摂取 | お腹が張る、下痢などの消化器症状 |
- 1日1パック(40〜50g)
- 臨床研究で効果が確認された量:納豆換算で1日1〜2パック程度
- 他の大豆製品(豆腐、味噌など)との合計量にも注意
まず、プリン体という物質の問題です。
納豆にもプリン体が含まれていますが、1日1パック程度であれば尿酸値への影響は少ないとされています。
ただし、痛風になったことがある方や尿酸値が高い方は注意が必要です。
また、大豆イソフラボンという成分の摂取量にも気をつける必要があります。
国の食品安全委員会では、大豆イソフラボン(アグリコン換算)は1日70〜75mgまでを目安にすることを勧めています。
納豆1パック(50g)には約35〜40mg(アグリコン換算、製品により差があります)のイソフラボンが含まれているため、他の大豆製品(豆腐や味噌など)と合わせて摂りすぎないよう注意が必要です。
さらに、納豆には食物繊維がたくさん含まれているため、急に大量に食べるとお腹が張ったり下痢をしたりする可能性があります。
健康効果を期待するのであれば、1日1パックを目安に毎日続けて食べることが理想的です。
納豆の効果を高める食べ合わせと食事のコツ
納豆を単独で食べても十分に健康効果は期待できますが、他の食材と組み合わせたり、食べ方を工夫したりすることで、さらにその効果を高めることができます。
高血圧の管理において、ひとつの食品だけに頼るのではなく、食事全体のバランスを整えることが非常に重要です。
アメリカの公的な医療機関が推奨するDASH食(高血圧予防のための食事法)では、野菜、果物、全粒穀物(玄米など)、低脂肪の乳製品をたくさん食べて、脂っこいものや甘いもの、塩分を控えた食事パターンが勧められています。
納豆をこうした健康的な食事の中に取り入れることで、血圧管理の効果はさらに高まります。
また、薬味を上手に使うことで、塩分を抑えても満足できる食事になります。
さらに、納豆を食べるタイミングにも工夫の余地があります。
ここでは、納豆の健康効果を最大限に引き出すための具体的な方法をご紹介します。
野菜やきのこと一緒に食べて栄養バランスを整える
納豆の血圧を下げる効果をより高めるには、野菜やきのこ類と組み合わせることをお勧めします。
アメリカの公的な医療機関が推奨するDASH食は、高血圧の管理に最も効果的な食事の方法として世界中で認められています。
このDASH食の特徴は、野菜、果物、全粒穀物(玄米や全粒粉パンなど)、低脂肪の乳製品をたくさん食べて、脂っこいものや甘いものを控えめにすることです。
- 8週間継続:高い血圧低下が確認されている
- 塩分を1日約3.8gまで制限:さらに大きな血圧降下効果
- 野菜類:ほうれん草、ブロッコリー、小松菜
- きのこ類:しめじ、えのき、しいたけ
- 海藻類:わかめ、めかぶ、もずく
- その他:オクラ、アボカド、トマト
- 納豆と刻んだ野菜を和えた「納豆サラダ」
- 納豆とほうれん草のおひたし
- 納豆と海藻の和え物
- 納豆とオクラ、めかぶの組み合わせ
DASH食についての大きな研究では、この食事の方法を8週間続けることで、血圧が下がることが確認されています。
しかし、高血圧の低下効果が最も高かったのはDASHダイエットを行った参加者でした。
引用:National Heart, Lung, and Blood Institute The Science Behind the DASH Eating Plan
さらに、塩分をより控えめにする(ナトリウム1500mg/日、食塩相当で約3.8g)と、血圧を下げる効果はさらに大きくなります。
納豆にほうれん草やブロッコリー、きのこ類を加えると、食物繊維が増えてお腹がいっぱいになりやすくなるとともに、カリウムやマグネシウムなどのミネラル(体に必要な栄養素)も補給できます。
これらのミネラルは、カリウムと同じように血圧管理に重要な役割を果たします。
具体的な組み合わせとしては、納豆と刻んだ野菜を和えた「納豆サラダ」や、納豆とほうれん草のおひたし、納豆と海藻の和え物などがお勧めです。
こうした組み合わせにより、栄養のバランスが整い、塩分を抑えても満足できる食事になります。
薬味で風味を足せば塩分を抑えられる
薬味を上手に使うことで、たれや醤油を減らしても納豆をおいしく食べることができます。
ねぎ、大葉、しょうが、みょうが、わさび、からしなどの薬味は、それぞれ独特の香りと風味があり、少しの量でも料理の味わいを大きく変えることができます。
これらの薬味にはほとんど塩分が含まれていないため、高血圧の方にとって理想的な味付け方法といえます。
お勧めの薬味と活用法
| 薬味 | 効果・特徴 |
|---|---|
| ねぎ | うま味を引き出す、どんな料理にも合う |
| 大葉(青じそ) | 爽やかな風味、夏場にぴったり |
| しょうが | 辛味と香り、体を温める効果も |
| みょうが | さっぱりとした風味、夏向き |
| わさび | ピリッとした辛味、少量で効果的 |
| からし | 辛味でアクセント、納豆との相性抜群 |
| かつお節 | うま味たっぷり、だし効果 |
- 少量の酢やレモン汁で酸味を加える
- ゆずこしょうで香りと辛味をプラス
- 梅干し(減塩タイプ)を刻んで混ぜる
- のり(焼きのり、きざみのり)を加える
たとえば、納豆にねぎとかつお節を加えるだけで、うま味が増して塩分控えめでも十分においしくなります。
大葉やみょうがを細かく刻んで混ぜると、爽やかな風味が加わり、夏場でもさっぱりと食べられます。
また、少しのお酢やレモン汁を加える方法も効果的です。
酸味が加わることで味に深みが出て、塩分が少なくても満足感が得られます。
アメリカの公衆衛生機関の塩分摂取に関する指針でも、ハーブやスパイス、柑橘類の果汁を活用して塩分を減らす工夫が勧められています。
納豆は薬味との相性が良い食品なので、いろいろな組み合わせを試して、自分好みの食べ方を見つけることをお勧めします。
夜に食べることのメリット
納豆を食べるタイミングについては、夜(夕食時または寝る前)に食べる方法が紹介されることがあります。
納豆を夜に食べるメリット
| 時間帯 | 血栓リスク | ナットウキナーゼの効果 |
|---|---|---|
| 夜間〜早朝 | 高い傾向 | 夜に食べれば理論上カバーできる可能性 |
| 日中 | 比較的低い | – |
- 夕食時または寝る前に食べる
- 最も重要なのは毎日続けること
- 朝食で食べる習慣がある方はそのままでも問題なし
血の塊(血栓)に関連するイベントは早朝から午前中に多いことが知られています。
ナットウキナーゼは摂取後、数時間にわたって血液中で働くと考えられているため、理論上は夕食や寝る前に納豆を食べることでこの時間帯をカバーできる可能性が考えられます。
ただし、これはあくまで理論上のお勧めであり、最も重要なのは毎日続けて食べることです。
朝食で納豆を食べる習慣がある方は、そのまま続けても問題ありません。
生活のリズムに合わせて無理なく続けられる時間帯を選ぶことが、長続きの秘訣です。
よくある質問(FAQ)
- 納豆は1日何パック食べても大丈夫ですか
-
納豆は1日1パックを目安にしてください。
納豆にはプリン体や大豆イソフラボンが含まれており、食べすぎると尿酸値が上がったり、ホルモンバランスに影響したりする心配があります。
健康効果を得るには、適量を毎日続けることが大切です。
- 血圧の薬を飲んでいても納豆は食べられますか
-
ワーファリン(ワルファリン)という血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合は納豆を避ける必要がありますが、それ以外の血圧の薬であれば基本的に問題ありません。
ただし、念のため主治医や薬剤師に確認することをお勧めします。
- 納豆を食べるのに効果的なタイミングはありますか
-
夕食時または寝る前が勧められることがあります。
ナットウキナーゼは摂取後、数時間以上効果が持続すると考えられています。
ただし、最も重要なのは毎日続けることです。
- ひきわり納豆と粒納豆で血圧への効果に違いはありますか
-
ひきわり納豆と粒納豆の主要な栄養成分に大きな差はありません。
どちらも同じ納豆菌で発酵させており、カリウムや大豆たんぱく質を含みます。
食べやすさや好みで選んでください。
- 納豆以外に高血圧に良い発酵食品はありますか
-
味噌や醤麹などの発酵食品も健康に良いとされていますが、塩分が多いため高血圧の方は注意が必要です。
ヨーグルトやキムチ(塩分を減らしたタイプ)は比較的塩分が少なく、腸内環境を整える効果も期待できるためお勧めです。
まとめ
納豆は「高血圧に悪い」どころか、血圧を下げる効果に期待できる成分が含まれている食品です。
ナットウキナーゼ、カリウム、大豆たんぱく質という3つの成分が、それぞれ違う仕組みで血圧管理をサポートします。
- ✓ 1日1パック(40〜50g)を目安に
- ✓ たれや醤油は控えめに(半分以下)
- ✓ 薬味を活用して塩分を減らす
- ✓ 野菜やきのこと組み合わせる
- ✓ 毎日続けることが最も重要
- ✗ ワーファリン服用中は絶対に避ける
ただし、付いているたれや醤油を多く使うと塩分の摂りすぎになるため、薬味を活用して塩分を控える工夫が大切です。
また、ワーファリンという薬を飲んでいる方は納豆を避ける必要があります。
納豆の健康効果を最大限に引き出すには、1日1パックを目安に、野菜やきのこと組み合わせながら、毎日続けて食べることが理想的です。
生活習慣の改善と合わせて、納豆を日々の食事に取り入れることで、血圧管理に役立てていきましょう。
ResearchGate Effects of Nattokinase on Blood Pressure: A Randomized Controlled Trial
PubMed Central Nattokinase Supplementation and Cardiovascular Risk Factors: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
文部科学省 日本食品標準成分表 豆類/だいず/[納豆類]/挽きわり納豆
タカノフーズ株式会社 極小粒ミニ3
株式会社ミツカン 金のつぶ パキッ!とたれ とろっ豆3P
特定非営利活動法人 日本高血圧学会 減塩・栄養委員会
PubMed Central Nutritional Health Perspective of Natto: A Critical Review
Centers for Disease Control and Prevention Effects of Sodium and Potassium
American Heart Association How Potassium Can Help Prevent or Treat High Blood Pressure
PubMed Central Effect of changes in potassium intake on blood pressure: a dose–response meta-analysis of randomized clinical trials (2000–2024)
PubMed Central A single-dose of oral nattokinase potentiates thrombolysis and anti-coagulation profiles
PubMed Effect of soybean protein on blood pressure: a randomized, controlled trial
PubMed Effect of soya protein on blood pressure: a meta-analysis of randomised controlled trials
PubMed Soy Isoflavones Inhibit Endothelial Cell Dysfunction and Prevent Cardiovascular Disease
National Heart, Lung, and Blood Institute DASH Eating Plan
National Institutes of Health Office of Dietary Supplements Vitamin K – Health Professional Fact Sheet
PubMed Warfarin antagonism of natto and increase in serum vitamin K by intake of natto
National Center for Biotechnology Information Warfarin Drug Interactions
J-STAGE 納豆摂取習慣による尿酸代謝への影響
Mayo Clinic Gout diet: What’s allowed, what’s not
食品安全委員会 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
National Heart, Lung, and Blood Institute The Science Behind the DASH Eating Plan
U.S. Food and Drug Administration Sodium in Your Diet
文部科学省 日本食品標準成分表 豆類/だいず/[納豆類]/挽きわり納豆|食品詳細


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