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高血圧は遺伝する?親からの遺伝リスクと今日からできる予防法

高血圧は遺伝する?親からの遺伝リスクと今日からできる予防法

「親が高血圧だから、自分もいずれ高血圧になるのではないか」と不安に感じている方は多いのではないでしょうか。

家族に高血圧の方がいると、自分自身の血圧についても気になるものです。

実際、日本では 成人の3〜4割が高血圧 とされており、その発症には遺伝が深く関わっていることがわかっています。

しかし、親が高血圧だからといって、必ずしも子供も高血圧になるわけではありません。

高血圧と遺伝の関係
  • 数百種類以上の遺伝子が血圧調整の仕組みに影響する
  • 片親が高血圧だと約2倍、両親は約4倍以上に発症リスクが高まる
  • 遺伝性高血圧は30〜40代の若年で発症しやすい
  • 親が若い年齢で発症した場合は子供のリスクも高い
  • 遺伝的リスクがあっても生活習慣の改善で予防できる

高血圧になるかどうかは、遺伝だけでなく、日々の食事や運動といった生活習慣も大きく影響します。

研究によれば、血圧の高さを決める要因のうち、 遺伝が関わるのは25%から60%程度で、残りは食事や運動、ストレスといった生活習慣で決まります。

つまり、遺伝的に高血圧になりやすい体質であっても、毎日の生活を工夫することで高血圧を防いだり、発症を遅らせたりすることが十分に可能なのです。

本記事では、高血圧と遺伝の関係について、最新の研究結果をもとに詳しく解説します。

家族に高血圧の方がいる場合のリスクや、遺伝によって起こる高血圧の特徴、そして何より重要な予防方法について、医学の専門知識がない方にもわかりやすくお伝えします。

遺伝的なリスクを正しく理解し、適切な対策を行うことで、将来の健康を守ることができます。

この記事でわかること
  • 高血圧の遺伝と生活習慣の関係
  • 家族に高血圧がいる場合のリスク
  • 遺伝による高血圧の特徴
  • 遺伝リスクがあっても実践できる予防方法
はじめに(免責・注意事項)

本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。

血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。

また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。

本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。

目次

高血圧は遺伝と生活習慣の両方が関係している

高血圧は、一つの原因だけで起こる病気ではありません。

長年の研究により、親から受け継ぐ体質と、食事や運動といった日々の習慣の両方が複雑に絡み合って起こることがわかっています。

日本人の高血圧のほとんどは、特定の病気が原因ではなく、複数の遺伝的な要素に生活習慣が重なって発症します。

親から受け継ぐ体質は確かに大切な要因ですが、それだけで高血圧になるかどうかが決まるわけではありません。

同じような体質を持っていても、生活習慣によって高血圧になる人とならない人がいます。

実際、 日本人の平均血圧はこの数十年で下がってきています

これは体質そのものが変わったのではなく、塩分を控えるようになったことや、生活習慣が改善されたことによるものと考えられています。

つまり、高血圧になりやすい体質を持っていても、日々の生活を工夫することで高血圧を防げる可能性が高いのです。

血圧に影響を与える要因の割合
  • 遺伝的要因:25〜60%
  • 生活習慣などの環境要因:40〜75%

ここでは、体質が血圧にどう関わっているのか、そして生活習慣がなぜ重要なのかについて、わかりやすく説明していきます。

遺伝子が血圧の調整機能に影響を与える

私たちの体には、血圧を適切に保つための仕組みが備わっています。

その仕組みの中心となるのが、腎臓から作られる物質や、血管を広げたり縮めたりする物質です。

これらが協力して、血液が体をスムーズに流れるように血圧を調整しています。

高血圧に関わる遺伝子 は、現在までに数百種類以上が見つかっています

これらの遺伝子は、血圧を調整するさまざまな働きに影響を与えますが、一つ一つの遺伝子が血圧に与える影響は比較的小さいものです。

研究によれば、血圧の高さを決める要因のうち、遺伝が関わるのは25%から60%程度で、残りは生活習慣で決まることがわかっています。

興味深いのは、高血圧になりやすい体質を持っていても、それが必ず高血圧につながるわけではないということです。

遺伝子が決めるのは「高血圧になりやすい傾向」であり、実際に高血圧になるかどうかは、その後の食事や運動といった生活習慣に大きく左右されます。

言い換えれば、高血圧になりやすい体質を持って生まれても、健康的な生活を送ることで高血圧を防げる可能性が十分にあるということです。

生活習慣が遺伝的リスクを大きく左右する

日本人の高血圧の最大の原因は、塩分の摂りすぎです。

塩分を多く摂ると、体は濃さを一定に保とうとして水分を溜め込みます。

その結果、血液の量が増えて血管にかかる圧力が高まり、血圧が上がってしまいます。

これは、ホースで水を撒くときに、ホースの中の水の量が増えると水圧が高くなるのと似ています。

高血圧になりやすい体質を持つ方でも、塩分を控えた食事や適度な運動、適正な体重を保つといった生活習慣の改善により、高血圧の発症リスクを大きく下げたり、発症時期を遅らせたりできることが研究で示されています。

実際、日本人の30代の平均血圧はこの数十年で下がり続けています

体質そのものは1〜2世代ではそれほど変わらないと考えられるため、この血圧の低下は塩分摂取量が減ったことや、タバコを吸う人が減ったことといった生活習慣の変化によるものと考えられます。

高血圧のリスクを高める主な生活習慣
  • 塩分の過剰摂取
  • 運動不足
  • 肥満
  • 過度な飲酒
  • 喫煙
  • ストレス

つまり、親から受け継ぐ体質は変えられませんが、日々の生活習慣は自分の意志で変えることができます。

家族に高血圧の方がいる場合でも、健康的な生活を心がけることで、高血圧のリスクを大きく減らすことが可能なのです。

家族に高血圧の人がいると発症リスクは約2倍高まる

家族に高血圧の方がいるかどうかは、将来自分が高血圧になるかを予測する上で重要な情報の一つです。

親や兄弟に高血圧の方がいる場合、いない方と比べて高血圧になるリスクが明らかに高くなることが、 世界中の多くの研究で確認されています。

ただし、家族に高血圧が多いことの影響は、体質を受け継いだことだけを意味するわけではありません。

家族で共有する食事の好み、運動の習慣、ストレスへの対処の仕方なども、高血圧のリスクに影響します。

同じ家で暮らしていると、自然と似た生活パターンが身につくことが多く、これも家族内で高血圧が多く見られる理由の一つです。

大切なのは、家族に高血圧が多いからといって諦める必要はないということです。

むしろ、家族に高血圧が多いことを知ることで、若いうちから予防に取り組むことができます。

ここでは、片親が高血圧の場合と両親とも高血圧の場合で、それぞれどの程度リスクが高まるのかについて、具体的な数字を示しながら説明します。

片親が高血圧の場合のリスク

片親が高血圧の場合、子供が将来高血圧になるリスクは、両親とも高血圧でない場合と比べて約2倍高くなります

研究によると、親に高血圧がある場合、子供は若い頃から血圧が少し高めになる傾向があります。

フィンランドで15年間にわたって行われた調査 では、家族に高血圧がいる方は加齢に伴う血圧上昇が大きく、若い年齢から血圧の差が現れていたことがわかりました。

本研究の結果は、50歳時点での高血圧の有病率が、高血圧のFH陽性群で有意に高かったことを示している。

引用:PubMed Family history of hypertension enhances age-dependent rise in blood pressure, a 15-year follow-up, the Tampere adult population cardiovascular risk study

ただし、重要なのは、片親が高血圧であっても必ず高血圧になるわけではないということです。

高血圧になりやすい体質があっても、適切な生活習慣を続けることで、高血圧を防いだり、発症する時期を大きく遅らせたりすることができます。

両親とも高血圧ならリスクは約4倍以上に高まる

両親とも高血圧の場合、子供が将来高血圧になるリスクは大幅に高まり、両親とも高血圧でない場合と比べて約4倍以上になります。

これは、片親だけが高血圧の場合と比べても、さらにリスクが高い状態です。

家族歴別の高血圧発症リスク

家族の状況リスクの高さ
両親とも高血圧でない基準
片親が高血圧約2倍
両親とも高血圧約4倍以上

韓国で実施された大規模な調査 では、両親とも高血圧の場合、子供の高血圧リスクは両親とも高血圧でない場合と比べて約4倍以上高いことが示されています。

両親ともに高血圧のグループでは、高血圧のリスクは対照群の4倍以上でした(オッズ比:4.823、P  < 0.001)。

引用:PubMed Central Association of blood pressure and hypertension between parents and offspring: The Korea National Health and Nutrition Examination Survey

また、 アメリカで行われた長期調査では、親が若い年齢(55歳未満)で高血圧になった場合、その子供の高血圧リスクはさらに高くなることがわかりました。

ただし、このリスクの高さには、体質だけでなく、家族で共有される生活環境や食習慣の影響も含まれています。

同じ家で暮らしていると、食事の内容や運動の習慣、ストレスへの対処方法なども似てくるため、体質の影響と生活習慣の影響を完全に分けることは難しいのです。

大切なのは、両親とも高血圧であっても、それが必ずしも自分も高血圧になることを意味しないということです。

高血圧になりやすい体質を持っていることを知った上で、より積極的に予防に取り組むことで、高血圧を防ぐことができます。

実際、最近の研究では、高血圧になりやすい体質を持つ方でも、理想的な生活習慣を続けることで、高血圧のリスクを大幅に下げられることが示されています。

ライフスタイルと家庭内高血圧との良好な関連は遺伝的リスクとは独立しており、家庭内高血圧の場合でも、良好なライフスタイルによって高い遺伝的リスクが軽減されることを示唆しています。

引用:PubMed Central Associations of combined genetic and lifestyle risks with hypertension and home hypertension

遺伝による高血圧は若い年齢で発症しやすい傾向がある

遺伝が強く関わる高血圧には、いくつかの特徴があります。

その中でも特に重要なのが、若い年齢で発症しやすいということです。

通常、高血圧は年を重ねるにつれて増える病気ですが、遺伝的な背景が強い場合、30代や40代といった比較的若い年齢で発症することが多いのです。

若い年齢で高血圧になると、単に発症が早いというだけでなく、その後の健康への影響も大きくなります。

若いうちに高血圧になると、一生のうちで高血圧にさらされる期間が長くなるため、心臓や血管、腎臓などに与えるダメージも大きくなってしまいます。

実際、若いうちに高血圧になった方は、高齢になってから高血圧になった方と比べて、心筋梗塞や脳卒中といった病気を起こすリスクが高いことが、多くの研究で明らかになっています。

ここでは、遺伝による高血圧の発症年齢の特徴と、治療する上での注意点について詳しく説明します。

家族に若くして高血圧になった方がいる場合は、特に注意が必要です。

30〜40代で血圧が高くなるケースが多い

通常、高血圧は年齢とともに増えていき、65歳以上では約70%、つまり10人中7人の方が高血圧とされています。

しかし、遺伝が強く関わる高血圧の場合、30代や40代といった比較的若い年齢で発症することが多いという特徴があります。

年齢別の高血圧有病率

年齢層高血圧の割合
30代約10〜15%
40代約30〜40%
50代約50〜60%
65歳以上約70%
遺伝性高血圧(家族歴あり)30〜40代で発症が多い

アメリカで実施された大規模な調査では、35歳より前に高血圧になった方の多くに、肥満やコレステロールが高いといった他の問題に加えて、家族に高血圧の方がいるという共通点があることが示されています。

また、日本を含むアジア諸国の研究でも、若くして高血圧になった患者さんの多くに家族歴があることがわかっています。

若い年齢で高血圧になった場合、その後の人生で高血圧の状態が続く期間が長くなるため、心臓や血管、腎臓などに与えるダメージも大きくなります。

実際、若くして高血圧になった方は、高齢になってから高血圧になった方と比べて、 心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気を起こすリスクが高いことが、多くの研究で示されています。

CVDおよび全死亡率のリスク推定値は、高血圧発症年齢が10歳ずつ高くなるにつれて一貫して低下した。

引用:PubMed Central Early-Onset Hypertension: Under-Recognized, Under-Treated, and Under-Estimated in Risk

そのため、家族に若くして高血圧になった方がいる場合は、自分自身も若いうちから定期的に血圧を測り、予防的な生活習慣を心がけることが特に大切です。

治療に時間がかかる場合もある

遺伝が強く関わる高血圧の場合、食事や運動といった生活習慣の改善だけでは十分に血圧が下がらず、お薬による治療が必要になることがあります。

また、一種類のお薬では効果が足りず、複数のお薬を組み合わせる必要がある場合もあります。

ただし、これは治療できないという意味ではありません。

適切なお薬と生活習慣の改善を組み合わせることで、多くの場合、血圧を良い状態に保つことができます。

大切なのは、早めに見つけて、適切な治療を続けることです。

また、若い年齢で高血圧と診断された場合、まれに他の病気が原因で血圧が上がっている可能性も考える必要があります。

そのような場合、原因となっている病気を治療することで高血圧も良くなることがあります。

特に若い年齢で高血圧を指摘された場合は、専門の医師による詳しい検査を受けることをお勧めします。

遺伝リスクがあっても生活改善で予防できる

高血圧になりやすい体質を持っていても、決して諦める必要はありません。

多くの研究により、適切な生活習慣を続けることで、高血圧を防いだり、発症する時期を大きく遅らせたりできることが証明されています。

特に大切なのは、食事、運動、そして定期的な健康チェックの3つです。

これらは特別な道具や高い費用を必要とせず、日常生活の中で実践できるものばかりです。

研究によれば、理想的な生活習慣を続けている方は、高血圧になりやすい体質を持っていても、生活習慣が良くない方と比べて高血圧になるリスクを大幅に下げられることがわかっています。

高血圧予防の3つの柱
  • 食事の改善(減塩と野菜中心の食事)
  • 定期的な運動
  • 定期的な血圧測定

ここでは、科学的な根拠に基づいた具体的な予防方法を、実践しやすい形でご紹介します。

これらの方法は、体質に関わらず、すべての方の健康維持に役立つものです。

家族に高血圧の方がいる場合は、特に積極的に取り組むことをお勧めします。

減塩と野菜中心の食事が血圧を下げる

食事は血圧に大きな影響を与えます。

特に、塩分を減らすことは、高血圧予防において最も重要な対策の一つとされています。

日本高血圧学会では、高血圧を予防するために1日の塩分摂取量を6g未満、つまり小さじ1杯程度に抑えることを推奨しています。

現在の日本人は平均で1日約10g程度の塩分を摂っているとされていますので、意識的に減らす必要があります。

今日からできる減塩の工夫
  • 醤油やソースは「かける」より「つける」
  • 味噌汁は1日1杯まで、具を多めにする
  • ラーメンやうどんのスープは残す
  • 加工食品(ハム、ソーセージなど)を控える
  • 香辛料やレモン、酢などで味にメリハリをつける

また、アメリカの国立衛生研究所が開発した DASH食という食事方法 も、高血圧予防に効果的であることが科学的に証明されています。

DASH食は、野菜、果物、低脂肪の乳製品を多く摂り、肉類や甘いものを控える食事法です。

DASH食の基本

積極的に摂りたい食品控えたい食品
野菜(1日5皿以上)赤身の肉
果物(1日4〜5皿)脂肪の多い食品
低脂肪の乳製品甘いお菓子や飲料
全粒穀物塩分の多い加工食品
魚、鶏肉、豆類

DASH食の特徴は、カリウム、マグネシウム、カルシウムといったミネラルや食物繊維を豊富に含んでいることです。

これらの栄養素は血管の働きを良くし、血圧を下げる効果があります。

研究によれば、 DASH食を8週間続けることで、上の血圧が約6〜11mmHg下がる ことが報告されています。

この効果は、軽い高血圧に対するお薬の効果に相当する場合もあるとされています。

週3回の運動で血圧コントロールが改善する

定期的な運動は、高血圧予防においてとても重要です。

運動は、血管を柔らかく保ち、体重管理を助け、ストレスを減らすことで、血圧を下げる効果があります。

世界保健機関(WHO) や各国の指針では、大人に対して週150分以上の適度な運動、または週75分以上のやや強めの運動を推奨しています。

適度な運動とは、早歩きや軽いジョギング、自転車こぎ、水泳などが該当します。

これを週に分けて実践すると、1日30分程度の運動を週に5日行うことになります。

おすすめの運動と頻度
  • 早歩き:1日30分、週5回
  • 軽いジョギング:1日20分、週3回
  • 自転車こぎ:1日30分、週4回
  • 水泳:1日30分、週3回
  • ラジオ体操:1日2回(朝・夕)

特に、 週3回程度の定期的な運動 を続けることで、血圧のコントロールの改善が期待できます。

研究では、定期的な運動により上の血圧が約5〜8mmHg、下の血圧が約3〜5mmHg下がることが示されています。

運動を始めるときは、急に激しい運動をするのは避け、自分の体力に合わせて少しずつ強度を上げていくことが大切です。

また、運動中に息切れや胸の痛みなどが現れた場合は、すぐに中止して医師に相談してください。

すでに高血圧と言われている方や、他に健康上の問題がある方は、運動を始める前に必ず医師に相談することをお勧めします。

定期的な血圧測定で早期発見につながる

高血圧は「静かな殺し屋」とも呼ばれ、初期にはほとんど症状がありません。

そのため、定期的に血圧を測ることによる早期発見がとても重要です。

家で血圧を測ることは、病院での測定と比べて、普段の生活での実際の血圧をより正確に把握できるという利点があります。

また、病院では緊張して血圧が上がってしまうという現象の影響も避けることができます。

家庭での血圧測定のポイント
  • 測定時間:朝起きた後、トイレを済ませてから
  • タイミング:朝食や薬を飲む前
  • 測定回数:朝と夕方(または就寝前)の1日2回
  • 姿勢:椅子に座り、背もたれに背中をつけて
  • 測定前:1〜2分安静にしてから
  • 使用器具:上腕式の血圧計を使用

血圧の基準値

測定場所正常血圧高血圧
病院・診察室130/85未満140/90以上
家庭125/80未満135/85以上

測った血圧は記録しておくことが大切です。

続けて記録することで、血圧の変化のパターンがわかり、医師との相談の際にも役立つ情報となります。

家で測った血圧で上が135、下が85以上の値が続く場合は、 医療機関を受診する ことをお勧めします。

特に、家族に高血圧の方がいる場合は、若いうちから定期的に血圧を測る習慣をつけておくことが、早期発見と予防につながります。

20代や30代の方でも、年に1回は健康診断などで血圧をチェックすることが望ましいでしょう。

よくある質問(FAQ)

親が高血圧でも、自分は大丈夫という可能性はありますか

はい、十分にあります。

両親とも高血圧であっても、必ず高血圧になるわけではありません。

遺伝的なリスクが高くても、塩分を控えた食事や適度な運動といった健康的な生活を続けることで、高血圧の発症リスクを大きく下げられることが研究で示されています。

高血圧の遺伝子検査を受けるべきでしょうか

現時点では、一般的な高血圧に対する遺伝子検査は、治療方針を決める上であまり役に立たないとされています。

高血圧は非常に多くの遺伝子が関わる複雑な病気であり、遺伝子検査よりも家族に高血圧の方がいるかどうかと、生活習慣の評価の方が重要です。

ただし、若い年齢での発症や特殊なタイプの高血圧が疑われる場合は、医師の判断で検査が行われることがあります。

家族に高血圧が多い場合、何歳から血圧を気にすべきですか

20代から定期的に血圧を測り始めることをお勧めします。

特に、親が若い年齢(55歳未満)で高血圧になった場合は、より早くからの注意が必要です。

年に1回の健康診断での測定に加えて、できれば家でも時々血圧を測る習慣をつけると良いでしょう。

すでに高血圧と診断されましたが、生活習慣の改善だけで治りますか

血圧の高さや他の健康上の問題によって異なります。

軽度の高血圧であれば、3〜6ヶ月間の生活習慣の改善で血圧が正常化することもありますが、改善の程度には個人差があります。

中程度以上の高血圧や、他のリスク因子がある場合は、生活習慣の改善に加えて薬物療法が必要になることが多いです。

いずれにしても、自己判断せず医師と相談しながら治療を進めることが大切です。

家族性の高血圧は薬が効きにくいと聞きましたが本当ですか

必ずしもそうとは限りません。

確かに、遺伝が強く関わる高血圧の場合、一種類のお薬では効果が十分でないこともありますが、適切なお薬の組み合わせを見つけることで、多くの場合良好な血圧コントロールが可能です。

治療効果を最大限に引き出すためには、お薬による治療と並行して生活習慣の改善を続けることが大切です。

まとめ

高血圧は、親から受け継ぐ体質と日々の生活習慣の両方が関わって起こる病気です。

確かに家族に高血圧の方がいる場合、高血圧になるリスクは高くなりますが、それが必ずしも高血圧になることを意味するわけではありません。

親から受け継ぐ体質は変えることができませんが、生活習慣は自分の意志で変えることができます。

塩分を控えた食事、定期的な運動、適正な体重を保つこと、タバコを吸わないこと、お酒を飲みすぎないことといった基本的な生活習慣の改善により、高血圧になりやすい体質があっても高血圧を予防することができます。

特に、家族に若くして高血圧になった方がいる場合は、自分自身も早めから予防的な生活を心がけ、定期的に血圧を測ることが大切です。

すでに高血圧と診断されている方は、医師と相談しながら、適切な治療と生活習慣の改善を続けていきましょう。

高血圧は適切に管理することで、心筋梗塞や脳卒中といった重大な合併症を予防できる病気です。

高血圧になりやすい体質を持っているからこそ、より積極的に予防や治療に取り組むことが、将来の健康を守ることにつながります。

参考文献・参考サイト

PubMed Epidemiology of hypertension in Japan: beyond the new 2019 Japanese guidelines

PubMed Central Hereditary Determinants of Human Hypertension: Strategies in the Setting of Genetic Complexity

PubMed Epidemiology of hypertension in Japan: where are we now?

National Institutes of Health Scientists discover over 100 new genomic regions linked to blood pressure

厚生労働科学研究成果データベース「エビデンスに基づく日本の保健医療制度の実証的分析(平成28年度分担研究報告書)

厚生労働省 e-ヘルスネット 高血圧

Nature Combination of genetic and environmental factors for childhood hypertension: a simple indicator of family history remains useful

PubMed Family history of hypertension enhances age-dependent rise in blood pressure, a 15-year follow-up, the Tampere adult population cardiovascular risk study

PubMed Central Association of blood pressure and hypertension between parents and offspring: The Korea National Health and Nutrition Examination Survey

PubMed Central Heritability and risks associated with early onset hypertension: multigenerational, prospective analysis in the Framingham Heart Study

PubMed Central Associations of combined genetic and lifestyle risks with hypertension and home hypertension

PubMed Central Early-Onset Hypertension: Under-Recognized, Under-Treated, and Under-Estimated in Risk

特定非営利活動法人 日本高血圧学会 減塩・栄養委員会

厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要

National Heart, Lung, and Blood Institute DASH Eating Plan

National Center for Biotechnology Information DASH Diet To Stop Hypertension

World Health Organization Hypertension

Frontiers Effects of Aerobic Training Progression on Blood Pressure in Individuals With Hypertension: A Systematic Review With Meta-Analysis and Meta-Regression

American Heart Association Journals 2025 AHA/ACC/AANP/AAPA/ABC/ACCP/ACPM/AGS/AMA/ASPC/NMA/PCNA/SGIM Guideline for the Prevention, Detection, Evaluation and Management of High Blood Pressure in Adults

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