高血圧でもおやつは食べていい?選び方のポイントと注意すべきこと

高血圧でもおやつは食べていい?選び方のポイントと注意すべきこと

高血圧と診断されると、多くの方が「もうおやつは食べられないのでは」と心配されます。

でも安心してください。

血圧が高いからといって、すべてのおやつを我慢する必要はありません。

選び方と量に気をつければ、高血圧があってもおやつを楽しむことは十分できるのです。

むしろ、完全に我慢してストレスを溜めることは避けたいところです。

高血圧の方が特に避けたいのは、ポテトチップスのようなしょっぱいスナック菓子や、せんべい、それに甘い菓子パンです。

これらには塩分や糖分がたくさん含まれていて、血圧を上げてしまいます。

反対に、塩を使っていないナッツ、バナナやキウイなどの果物、砂糖の入っていないヨーグルトなどは、適度な量なら血圧管理の味方になってくれます。

高血圧でもおやつを食べてよい理由と注意点
  • 選び方と量を守れば高血圧でもおやつを楽しめる
  • 無塩ナッツや果物は血圧管理に役立つ栄養素を含む
  • おやつの塩分は体内の水分を増やして血液量と血圧を上昇させる
  • 糖分の摂りすぎは肥満を招き血圧上昇の原因となる
  • ポテトチップスやせんべいは塩分が多く避けるべき
  • 小皿に取り分けて、午後の早い時間帯に食べることが大切

大切なのは3つのポイントです。

「何を食べるか」「どれくらい食べるか」「いつ食べるか」です。

おやつは1日200kcal程度(コンビニおにぎり1個くらい)、塩分は0.5g以下を目安にしましょう。

食べる時間は午後の早い時間帯がおすすめです。

袋から直接食べずに小皿に出すこと、お茶や水と一緒にゆっくり味わうことで、少量でも満足できます。

この記事では、高血圧の方が安心しておやつを楽しむための具体的な方法を、わかりやすく詳しくお伝えします。

この記事でわかること
  • 高血圧でもおやつを食べてよい理由と注意点
  • 避けるべきおやつと選ぶべきおやつの具体例
  • おやつの適切な量とタイミング
  • 血圧管理に役立つ食べ方のコツ
  • よくある疑問への回答
はじめに(免責・注意事項)

本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。

血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。

また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。

本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。

目次

高血圧でもおやつは食べられる!ただし選び方と量が大切

高血圧の方がおやつを楽しむために、一番大事なのは塩分と糖分に気をつけることです。

それと、食べる量をきちんと守ることです。

おやつを完全にやめる必要はありません。

正しく選べば、血圧管理と両立できます。

適度なおやつは、空腹を抑えて食事で食べ過ぎるのを防いでくれます。

この章では、おやつがどうして血圧に影響するのか、何に注意すればいいのか、1日にどれくらいなら食べても大丈夫なのかを説明します。

おやつに含まれる塩分は、血圧を上げる大きな原因です。

アメリカの調査によると、人が摂っている塩分の約40%は、パン、ピザ、加工肉、スープ、スナック菓子など10カテゴリーの加工食品や外食から来ています。

塩分(ナトリウム)には、体の中で水分を引き寄せる働きがあります。

そのため、血液の量が増えて、血管にかかる圧力が高まってしまうのです。

血圧が高い状態が続くと、心臓に負担がかかり、血管や臓器を傷つけてしまう恐れがあります。

糖分の摂りすぎも問題です。

ジュースや甘いお菓子に含まれる糖分は、太る原因になるだけでなく、体の代謝やホルモンバランスに影響を与えて、血圧を上げることが研究でわかっています。

ある研究では、砂糖入りの飲み物を1日にコップ1杯分減らすだけで、上の血圧が1.8、下の血圧が1.1下がったと報告されています。

また別の研究では、女性が砂糖を1日あたりティースプーン約2杯分減らしたところ、上の血圧が8.4、下の血圧が3.7も下がりました。

このモデルによれば、女性において添加糖摂取量を小さじ2.3杯分減らすと、収縮期血圧が8.4 mmHg、拡張期血圧が3.7 mmHg低下します。

引用:PubMed Central Added Sugar Intake is Associated with Blood Pressure in Older Females

おやつの塩分と糖分が血圧を上げる仕組み

おやつに含まれる塩分は、体の中の水分バランスを変えてしまいます。

塩分が血液の中に増えると、血管の中に水分が引き込まれて、血液の量が増えます。

すると心臓は、いつもより多くの血液を全身に送り出さなければならなくなり、血管の壁に強い圧力がかかってしまうのです。

糖分も、いくつかの経路で血圧に影響します。

糖分を摂りすぎると太りやすくなり、肥満そのものが高血圧の原因になります。

さらに、糖分の一種である果糖は、尿酸という物質を増やしてしまいます。

これが血管を広げる働きを邪魔して、血圧が上がりやすくなる可能性があります。

注意すべきは塩分、次いで糖分と肥満

高血圧の管理で一番気をつけたいのは、塩分の量です。

アメリカ心臓協会は、高血圧の方は1日の塩分を理想的には約3.8g以下、多くても約5.8g以下に抑えることを勧めています。

世界保健機関も、大人は塩分を1日5g以下にすることを推奨しています。

日本人の食生活では、調味料だけでなく、加工食品から知らないうちに塩分を摂ってしまうことが多いです。

特に市販のスナック菓子、せんべい、クッキーなどには、思った以上に塩分が含まれています。

何気なく食べていると、あっという間に1日の塩分量をオーバーしてしまいます。

糖分も注意が必要です。

糖分は太る原因になるだけでなく、直接血圧を上げてしまう働きもあります。

特にジュースや清涼飲料水のように液体で摂る糖分は、お腹がいっぱいになりにくいので、飲み過ぎてしまいがちです。

目安は1日200kcal以内、手のひら1杯分程度

おやつの適切な量は、1日200kcal程度が目安です。

これは、コンビニのおにぎり1個分くらいのカロリーです。

体重を維持したい方は200kcal程度、ダイエット中の方は100kcal程度に抑えるとよいでしょう。

200kcalがどのくらいの量か、具体例で見てみましょう。

200kcalの目安量

おやつの種類200kcalの目安量備考
無塩アーモンド約28粒(28g)手のひら軽く1杯
バナナ中サイズ1.5本(180g)1本で約90kcal
りんご中サイズ約2個(400g)1個で約100kcal
無糖ヨーグルト約300g100gで約60〜70kcal
ポテトチップス30〜40g小袋の半分程度

※数値は商品により異なります。

ポテトチップスのような高カロリーなお菓子は、たった30〜40g(小さめの袋の半分くらい)で200kcalに達してしまいます。

おやつを食べるときは、袋から直接食べないことがポイントです。

小皿に出して、「これだけ」と決めてから食べましょう。

また、袋の裏にある栄養成分表示を見て、1回分の量とカロリー、塩分をチェックする習慣をつけることが大切です。

避けたいのは塩分の多いスナック菓子やせんべい

高血圧の方が特に気をつけたいのは、塩分がたくさん含まれているおやつです。

市販のスナック菓子の多くは、日持ちをよくするため、また味を濃くするために、たっぷりの塩分が使われています。

知らないうちに、必要以上の塩分を摂ってしまう危険があるのです。

ポテトチップス、おかき、せんべいなどのしょっぱいお菓子は、1袋あたりの塩分量が想像以上に多く含まれています。

軽い気持ちで食べてしまうと、1日に摂っていい塩分の大半を使い切ってしまうこともあります。

また、甘い菓子パンや焼き菓子にも要注意です。

甘いので気づきにくいのですが、実は意外なほど塩分が入っています。

この章では、どんなおやつに塩分や糖分が多いのか、具体的な例を挙げて説明します。

普段何気なく食べているおやつが、実は高血圧のリスクを高めているかもしれません。

ポテトチップスやおかき類は塩分過多になりやすい

ポテトチップスは、高血圧の方が一番避けたいおやつです。

普通サイズの袋1袋(60gくらい)には、塩分が約0.5〜1.0g含まれています。

これは、1日に摂っていい塩分(5g以下が理想)の10〜20%にあたります。

しかも、ポテトチップスは油で揚げてあるので高カロリーで、60gで300〜350kcalもあります。

食べ始めると止まらなくなって、気づいたら袋が空っぽ、ということもよくあります。

おかきやせんべいも、塩分に注意が必要です。

「和菓子だから洋菓子より体にいい」と思われがちですが、醤油味のせんべいや塩味のおかきには、かなりの塩分が入っています。

特に大袋入りのものは、食べた量がわかりにくく、結果的に塩分を摂りすぎてしまいます。

代表的なスナック菓子の塩分量とカロリー(目安)

おやつの種類塩分カロリー
ポテトチップス60g(1袋)0.5〜1.0g300〜350kcal
せんべい(醤油味)5枚(50g)0.8〜1.2g180〜200kcal
おかき10個(40g)0.6〜1.0g160〜180kcal
プレッツェル28〜30g0.8〜1.0g110〜130kcal

※数値は商品により異なります。

研究でも、若い人を対象にした調査で、塩分の多いスナック菓子から1日あたり1.4gもの塩分を摂っていることがわかりました。

スナック菓子からの塩分が多い人ほど、血圧が高い傾向がありました。

スナック菓子を頻繁に食べる習慣がある人は、そうでない人に比べて、高血圧になるリスクが高くなるという結果も出ています。

菓子パンや甘い焼き菓子は糖分とカロリーに要注意

菓子パンは、糖分が多いだけでなく塩分も入っているので、二重に注意が必要です。

あんぱん、クリームパン、メロンパンなどには、1個あたり20〜30gもの砂糖が使われていることがあります。

これは角砂糖5〜7個分です。

しかも、パン生地にも塩分が含まれていて、1個で塩分が0.5〜1.0g程度になることも珍しくありません。

カロリーも300〜500kcalと高く、おやつとしては多すぎる量です。

クッキーやケーキなどの洋菓子も、バターや砂糖がたっぷり使われているので高カロリーです。

ショートケーキやチョコレートケーキは、1切れで300〜400kcalもあり、おやつの目安である200kcalを大きく超えてしまいます。

生クリームたっぷりのケーキは脂質も多く、血糖値が急に上がりやすいという問題もあります。

カップケーキやクッキーなど洋菓子の隠れ塩分

見落としがちなのが、甘い洋菓子に含まれる塩分です。

クッキー、カップケーキ、マフィンなどには、味のバランスを整えるために塩が入っています。

甘いので塩味は感じませんが、実はかなりの塩分が含まれていることがあります。

市販のクッキーには、100gあたり0.3〜0.8gの塩分が含まれているのが一般的です。

クッキー1枚が10〜15gだとすると、数枚食べただけでも、無視できない量の塩分を摂ることになります。

また、マフィンやカップケーキには、ふくらし粉などに由来する塩分も入っています。

このように、甘いお菓子だからといって塩分がないわけではありません。

血圧が気になる方は、洋菓子を選ぶときも、袋の裏の栄養成分表示をチェックして、塩分の量を確認する習慣をつけましょう。

おすすめは無塩ナッツ、果物、無糖ヨーグルト

高血圧の方におすすめのおやつは、塩分が少なくて、血圧を下げる働きが期待できる栄養素を含むものです。

特に、カリウム、マグネシウム、食物繊維などを含む食べ物は、血圧の管理に役立つ可能性があります。

これらの栄養素は、体の中の余分な塩分を外に出したり、血管を広げたりする働きがあると考えられています。

無塩ナッツ、果物、無糖ヨーグルトは、こうした体にいい栄養素をたくさん含んでいて、しかも塩分が少ないので、高血圧の方でも安心して食べられるおやつです。

さらに、これらの食べ物は自然な甘みやおいしさがあるので、満足感も得やすいという利点があります。

この章では、それぞれの食べ物がどのように血圧管理に役立つのか、研究結果を交えながら、具体的な食べ方や選び方のポイントを説明します。

無塩ナッツにはカリウムやマグネシウムが豊富

無塩ナッツは、高血圧の方にとって理想的なおやつの一つです。

ナッツには、カリウム、マグネシウム、食物繊維、体にいい油など、血圧を下げる働きが期待できる栄養素がたくさん含まれています。

研究では、ナッツを週に7回以上食べる習慣がある人は、ほとんど食べない人に比べて、高血圧になるリスクが約18%低いという結果が出ています。

ナッツを摂取しなかった被験者と比較した高血圧症の多変量補正ハザード比(95%信頼区間)は、ナッツを月1〜2回摂取した場合、週1回、2〜6回、7回以上摂取した場合でそれぞれ0.97(0.91〜1.03)、0.98(0.92〜1.05)、0.96(0.89〜1.03)、0.82(0.71〜0.94)であった。

引用:PubMed Central Nut Consumption and Risk of Hypertension in US Male Physicians

ナッツに含まれるカリウムは、体の中の余分な塩分を外に出す手伝いをしてくれます。

マグネシウムは血管を広げる働きがあります。

また、ナッツに含まれる良質な油は、血管の健康を保つのに役立つと考えられています。

ただし、ナッツを選ぶときは、必ず「無塩」や「食塩不使用」と書いてあるものを選んでください。

塩味のナッツにはたくさんの塩分が含まれていて、高血圧管理には逆効果です。

また、ナッツは栄養価が高い分、カロリーも高いので、1日に食べる量は手のひらに軽く1杯分(25〜30gくらい)までにしましょう。

この量で約160〜180kcalになり、おやつとしてちょうどいい範囲です。

バナナやキウイなど果物は適量なら血圧対策に

果物には、カリウム、ビタミンC、食物繊維が豊富に含まれていて、血圧管理に役立つ可能性があります。

中でも、バナナとキウイフルーツは、高血圧の方におすすめの果物として研究でも注目されています。

果物のカリウム含有量とカロリー(100gあたり)

果物の種類カリウムカロリー1回の目安量
バナナ約360mg約105kcal中1本(120g)
キウイフルーツ約290mg約53kcal中1個(100g)
りんご約110mg約57kcal中1個(200g)
オレンジ約180mg約46kcal中1個(150g)
約140mg約43kcal中1個(200g)

バナナは、中サイズ1本(120gくらい)に約375mgのカリウムが含まれています。

カリウムは体の中の余分な塩分を外に出すのを助けてくれるので、血圧を下げる働きが期待できます。

研究によると、果物をよく食べる人ほど家で測った血圧が低い傾向があります。

ただし、バナナ1本で約105kcalあるので、食べ過ぎには注意してください。

キウイフルーツも血圧管理に役立つ果物です。

ある研究では、軽い高血圧の人が1日にキウイ3個を8週間食べ続けたところ、1日にリンゴ1個を食べた人と比べて、収縮期血圧(上の血圧)が平均で3.6 mmHg低くなったという結果が出ています。

8週間後、キウイフルーツ群はリンゴ群と比較して血圧が低かった(群間差:収縮期血圧:-3.6 mmHg [95% CI – 6.5 〜 – 0.7]、p = 0.017、拡張期血圧:-1.9 mmHg [95% CI – 3.6 〜 – 0.3]、p = 0.040)。

引用:PubMed The effect of kiwifruit consumption on blood pressure in subjects with moderately elevated blood pressure: a randomized, controlled study

キウイにはカリウムのほか、ビタミンCや食物繊維もたっぷり含まれていて、これらの栄養素が一緒に働いて血圧にいい影響を与えていると考えられています。

その他、りんご、梨、オレンジなどの柑橘類も、適度に食べれば血圧管理に役立つ可能性があります。

ただし、果物には果糖(果物の糖分)が含まれているので、食べ過ぎはカロリーオーバーにつながります。

おやつとして果物を食べるなら、1回につき握りこぶし1個分くらい(100〜150g)を目安にするとよいでしょう。

無糖ヨーグルトやチーズは塩分控えめを選ぶ

乳製品、特にヨーグルトは、高血圧の方に適したおやつとして多くの研究で支持されています。

ヨーグルトには、カルシウム、マグネシウム、カリウムなど血圧の調整に関わる栄養素が含まれています。

さらに、発酵する過程で作られる成分が、血圧を下げる働きを持つ可能性があることもわかっています。

大きな研究では、ヨーグルトを含む低脂肪乳製品をよく食べる習慣がある人は、ほとんど食べない人に比べて、高血圧になるリスクが低いという結果が出ています。

中高年の男女では、特にヨーグルトの形での乳製品の総摂取量が多いほど高血圧の発症リスクが低くなることが分かりました。

引用:PubMed Central Long-Term Yogurt Consumption and Risk of Incident Hypertension in Adults

別の米国の観察研究では、高血圧患者において、ヨーグルトを定期的に食べる人は、食べない人に比べて収縮期血圧が約7mmHg低い傾向が見られました。

ヨーグルトを選ぶときは、砂糖が入っていない「無糖」や「プレーン」と書いてあるものを選ぶことが大切です。

フルーツ入りやフレーバー付きのヨーグルトには、かなりの量の砂糖が入っていて、1カップあたり15〜25g(角砂糖4〜6個分)の砂糖が含まれていることもあります。

無糖のヨーグルトに、新鮮な果物を少し加えると、糖分を控えながらおいしく食べられます。

チーズも適量なら問題ありませんが、商品によって塩分の量にかなり差があるので注意が必要です。

一般的に、プロセスチーズは塩分が多めで、カマンベールチーズやモッツァレラチーズは比較的塩分が少なめです。

チーズを選ぶときは袋の裏の栄養成分表示を確認して、できるだけ塩分が少ないものを選びましょう。

また、チーズは脂質も多いので、1回に食べる量は20〜30g程度(スライスチーズ1〜2枚分)に抑えることをおすすめします。

パッケージの栄養成分表示で塩分量を確認する

おやつを買うときに一番役立つのが、袋の裏や側面にある「栄養成分表示」です。

この表示を見れば、そのおやつにどれくらいの塩分、糖分、カロリーが含まれているかがわかります。

高血圧の方は、特に「食塩相当量」の欄を必ずチェックしましょう。

栄養成分表示で確認すべき4つのポイント
  1. 表示単位を確認:「1袋あたり」なのか「100gあたり」なのかをチェック。100gあたりの場合は実際に食べる量に換算する
  2. 食塩相当量:1回に食べる分で0.5g以下を目安に選ぶ(理想は0.3g以下)
  3. カロリー:1回200kcal以内に収まるように調整する
  4. 糖類:炭水化物のうち糖類の量もチェック。多すぎるものは避ける

食塩相当量は、1回に食べる分で0.5g以下のものを選ぶのが理想です。

おやつ全体で1日0.5g以下に抑えられれば、他の食事での塩分調整がしやすくなります。

また、糖分(炭水化物のうち糖類)やカロリーもチェックして、1回200kcal以内を目安にしましょう。

最近では、「食塩相当量」の横に「ナトリウム」という表示があることもあります。

ナトリウムとは塩分のもとになる成分のことで、ナトリウムの量に2.54を掛けると、食塩相当量がわかります。

例えば、ナトリウムが200mgと書いてあれば、200×2.54÷1000=約0.5gの塩分が含まれているということです。

栄養成分表示を見る習慣をつけると、どのおやつが自分に合っているか判断しやすくなります。

最初は面倒に感じるかもしれませんが、慣れれば数秒で確認できるようになります。

おやつを楽しむための5つの実践ルール

ここまで、どんなおやつを選べばいいか、どんなおやつを避けるべきかを説明してきました。

でも、いいおやつを選んだとしても、食べ方を間違えると効果が半減してしまいます。

この章では、高血圧の方がおやつを楽しみながら血圧をコントロールするための、5つの実践的なルールをお伝えします。

5つの実践ルール
  1. 時間:午後の早い時間帯に食べる(夜遅い時間は避ける)
  2. :小皿に取り分けて食べ過ぎを防ぐ
  3. 選び方:食塩相当量0.5g以下のものを選ぶ
  4. 飲み物:お茶や水と一緒にゆっくり味わう
  5. バランス:1日の食事全体で調整する

これらのルールは、どれも今日からすぐに実行できる簡単なものばかりです。

一つひとつは小さな工夫ですが、続けることで確実に効果が表れてきます。

午後の早い時間帯に食べ、夜遅い時間は避ける

おやつを食べる時間も、実は血圧管理に関係しています。

おすすめの時間帯は、昼食と夕食の間、午後の早い時間帯です。

夜遅い時間に比べて、食べたものが脂肪になりにくいと言われています。

また、適度な空腹を満たして、夕食で食べ過ぎるのを防ぐ効果もあります。

逆に、夜遅い時間のおやつは避けましょう。

夜8時以降、特に寝る前の2〜3時間以内におやつを食べると、体がエネルギーを消費しにくくなり、太りやすくなります。

肥満は高血圧の大きな原因の一つなので、夜のおやつは血圧管理にとってマイナスです。

さらに、夜遅くに食べると血糖値が上がったまま寝ることになり、血管に負担をかけてしまいます。

どうしても夜にお腹が空いた場合は、カロリーの低い温かい飲み物(ハーブティーなど)や、小さめの果物(りんご半分など)で我慢するのがおすすめです。

温かい飲み物は満腹感を与えてくれるので、空腹を紛らわせるのに効果的です。

小分け袋や小皿に取り分けて食べ過ぎ防止

おやつを食べるときに、袋から直接食べてしまうのは危険です。

大袋から食べていると、どれだけ食べたかわからなくなり、気づいたらたくさん食べていた、ということになりがちです。

これを防ぐには、まず小皿に「今日はこれだけ」と決めた量を出すことが大切です。

小分けになっているおやつを選ぶのも賢い方法です。

最近では、ナッツやドライフルーツが小袋に分けて入っている商品が増えています。

1袋が100〜150kcal程度に設定されているものが多く、食べ過ぎを防ぐのに役立ちます。

小分け袋なら、外出先でも持ち運びやすく、量のコントロールもしやすくなります。

また、おやつを食べるときは、テレビを見ながら、スマホを見ながら、という「ながら食べ」は避けましょう。

何かをしながら食べると、どれだけ食べたか意識しにくくなり、満腹感も得にくくなります。

おやつを食べるときは、いったん手を止めて、味わって食べることを心がけましょう。

ゆっくり味わって食べると、少ない量でも満足感が得られます。

食塩相当量が0.5g以下のものを選ぶ

おやつを選ぶときの具体的な基準として、1回に食べる分の食塩相当量が0.5g以下のものを選びましょう。

これは、1日の理想的な塩分摂取量(5g以下)の10%にあたります。

おやつからの塩分を0.5g以下に抑えられれば、3食の食事で4.5gまで使えるので、献立の幅が広がります。

市販のおやつを選ぶときは、必ず栄養成分表示を確認して、食塩相当量をチェックしてください。

「低塩」「減塩」と書いてあっても、実際の数字を見ないと、本当に少ないかどうかわかりません。

商品によっては、「低塩」と書いてあっても、1袋で1g近い塩分が含まれていることもあります。

無塩のナッツ、果物、無糖ヨーグルトなど、もともと塩分がほとんど含まれていないおやつを選べば、塩分の心配はほぼありません。

こうした自然な食材を中心にすることで、塩分を気にせずにおやつを楽しむことができます。

調理せずにそのまま食べられるのも、忙しい日常で続けやすいポイントです。

お茶や水を一緒に飲んで満足感を高める

おやつを食べるときは、お茶や水を一緒に飲むことをおすすめします。

飲み物と一緒にゆっくり食べると、少ない量でもお腹が満たされやすくなります。

また、水分を摂ることで、体の中の余分な塩分を外に出す働きも期待できます。

お茶の中でも、特に緑茶やハーブティーは高血圧の方におすすめです。

緑茶には、血管を広げる働きがあるカテキンという成分が含まれています。

13のランダム化比較試験を統合した研究では、緑茶を継続的に摂取することで、収縮期血圧が平均約2 mmHg、拡張期血圧が平均約1.9 mmHg低下することが示されています。

緑茶を摂取した被験者は対照群と比較して、収縮期血圧(SBP)の有意な低下が認められた(-1.98 mmHg; 95% CI, -2.94〜-1.01 mmHg; P < 0.001)。拡張期血圧(DBP)の平均差は13件の試験で報告され、有意差が認められた(-1.92 mmHg; 95% CI, -3.17〜-0.68 mmHg; P = 0.002;図3)。

引用:PubMed Central Effect of green tea consumption on blood pressure: A meta-analysis of 13 randomized controlled trials

ただし、緑茶にはカフェインも含まれているので、夕方以降に飲むと眠れなくなることがあります。

夜はカフェインの入っていないハーブティーやルイボスティーがいいでしょう。

逆に避けたいのは、砂糖入りの清涼飲料水やジュースです。

これらは、液体で糖分を摂ることになるので、血糖値が急激に上がりやすく、カロリーも高くなってしまいます。

おやつと一緒に甘い飲み物を飲むと、糖分とカロリーが二重に増えてしまうので、高血圧管理には逆効果です。

食事とのバランスを考える

おやつは、あくまでも食事の補助です。

おやつをたくさん食べたからといって、食事の量を減らすのはおすすめできません。

きちんとした食事で必要な栄養を摂りながら、おやつは200kcal程度の範囲で楽しむというバランスが大切です。

もし昼食で塩分の多いものを食べた日は、おやつは無塩ナッツや果物など、塩分の少ないものを選びましょう。

逆に、夕食で揚げ物など高カロリーのものを予定している日は、おやつは控えめにするか、カロリーの低い果物にするなど、1日全体での調整を心がけてください。

また、おやつを食べたことを忘れずに記録しておくことも大切です。

食事日記やスマホのアプリなどを使って、何を食べたか、どれくらい食べたかをメモする習慣をつけると、自分の食生活全体が把握しやすくなります。

記録を見返すことで、「この日はおやつを食べ過ぎたな」「この組み合わせは塩分が多すぎたな」といった気づきが得られ、次回からの改善につながります。

よくある質問(FAQ)

高血圧でもチョコレートは食べていいですか

チョコレートは、種類によっては適量なら問題ありません。

特にダークチョコレート(カカオ70%以上)には、血管を広げる働きがあるポリフェノールが豊富に含まれています。

研究では、ダークチョコレートを適量食べることで、血圧がわずかに下がる可能性が示されています。

ただし、チョコレートは脂質と糖分が多いので、1日25g程度(板チョコの4分の1くらい)までにしておきましょう。

ミルクチョコレートやホワイトチョコレートは糖分が多いので、できればダークチョコレートを選んでください。

ドライフルーツは血圧にいいですか

ドライフルーツには生の果物と同じようにカリウムや食物繊維が含まれているので、適量なら血圧管理に役立つ可能性があります。

ただし、水分が抜けている分、糖分が濃縮されていて、カロリーも高くなっています。

例えば、干しぶどう大さじ2杯(約30g)で約90kcal、干しあんず5個(約40g)で約100kcalあります。

選ぶときは、砂糖が加えられていない無添加のものを選び、1回の量は手のひらに軽く乗るくらい(20〜30g)にとどめましょう。

せんべいは和菓子だから洋菓子より体にいいですか

残念ながら、せんべいは高血圧の方にとっては注意が必要なおやつです。

せんべいには醤油や塩がたくさん使われていて、思った以上に塩分が多く含まれています。

「和菓子だから体にいい」というイメージがありますが、塩分の多さという点では注意が必要です。

せんべいでも洋菓子でも、袋の裏の栄養成分表示を見て、それぞれの商品の塩分量を確認してから選ぶようにしましょう。

おやつを食べないと低血糖になりませんか

健康な方や、血糖値を下げる薬を飲んでいない高血圧の方であれば、おやつを食べなくても低血糖になることはほとんどありません。

低血糖が心配なのは、糖尿病で血糖値を下げる薬を使っている方や、1回の食事量が極端に少ない方です。

こうした方は、主治医と相談しながら、必要に応じて適切なおやつを取り入れてください。

一般的には、3食をきちんと食べていれば、おやつは必須ではありません。

夫婦で一緒に食べられる血圧にいいおやつはありますか

無塩ナッツの小袋をシェアしたり、果物を切り分けて食べたりするのがおすすめです。

例えば、りんごを4等分して2人で半分ずつ食べる、バナナを半分ずつ分ける、無塩ミックスナッツを小皿に出して2人で分けるなどの方法があります。

一緒に食べることで、お互いに量をチェックしあえますし、食べ過ぎも防げます。

また、無糖ヨーグルトに果物を少し加えたものを2人分作れば、手軽で健康的なおやつになります。

まとめ

高血圧があっても、正しい知識を持って選べば、おやつを楽しむことは十分可能です。

大切なのは、塩分と糖分に注意しながら、適切な量とタイミングを守ることです。

避けたいおやつは、ポテトチップスやせんべいなどの塩分が多いスナック菓子、菓子パンや甘い焼き菓子など糖分とカロリーが高いものです。

これらは血圧を上げる大きな要因となります。

一方、無塩ナッツ、バナナやキウイなどの果物、無糖ヨーグルトは、血圧管理に役立つ栄養素を含んでいて、高血圧の方におすすめのおやつです。

おやつを楽しむための5つのルールを覚えておきましょう。

午後の早い時間帯に食べること、小皿に取り分けて量をコントロールすること、食塩相当量0.5g以下のものを選ぶこと、お茶や水と一緒に味わうこと、1日の食事全体のバランスを考えることです。

これらを守れば、おやつによる血圧への悪影響を最小限に抑えられます。

おやつは200kcal以内、塩分は0.5g以下を目安に、必ず袋の裏の栄養成分表示を確認する習慣をつけてください。

完全に我慢する必要はありません。

賢く選んで、適量を楽しむことで、血圧をコントロールしながら、食生活の満足度を保つことができます。

参考文献・参考サイト

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伊藤 信久のアバター 伊藤 信久 医師・グレースメディカルクリニック院長

福岡県出身。鹿児島大学医学部卒業後、大学病院の心臓外科に勤務。冠動脈バイパス術・弁置換術などの高度な心臓手術を多数担当。
その後、恩師が開業したクリニックで一次診療に従事。地域医療の最前線で多くの患者と向き合う中で「患者さんに最も近い距離で診療すること」の重要性を再認識し、開業医として地域医療に貢献することを決意。2014年に熊本市でグレースメディカルクリニックを開設した。現在は院長として、高血圧をはじめとする循環器・生活習慣病の診療に注力。心臓外科で培った循環器の知見を活かし、「血圧から全身を守る医療」をモットーに地域の健康づくりと啓発活動を続けている。

主な資格・所属学会
・日本外科学会
・日本循環器学会
・点滴療法研究会

地域の“かかりつけ医”として、高血圧を中心とした生活習慣病の早期発見と予防、継続的な血圧管理に力を注ぎ、患者一人ひとりの「より良い血圧コントロールと健康」の実現を目指している。

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