血圧を下げるお茶はどれ?効果が期待できる5種類と正しい飲み方

血圧を下げるお茶はどれ?効果が期待できる5種類と正しい飲み方

「健康診断で血圧が高めと言われた」「このままだと薬を飲むことになるかもしれない」

そんな不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。

血圧が高い状態が続くと、血管に負担がかかり、脳卒中や心臓病といった怖い病気を引き起こすリスクが高まります。

しかし、高血圧は自覚症状がほとんどないため、「まだ大丈夫」と放置してしまいがちです。

「薬に頼る前に、まずは自分でできることから始めたい」と考える方も多いでしょう。

そこで注目したいのが、毎日の飲み物です。

私たちが普段何気なく飲んでいるお茶の中には、血圧を下げる効果が科学的な研究で確認されているものがあります。

血圧を下げる効果が期待できるお茶
  • 緑茶:カテキンが血管を広げ、継続飲用で収縮期・拡張期血圧が低下
  • 紅茶:テアフラビンの作用で血圧が低下(もともと血圧が高い人ほど効果大)
  • ハイビスカスティー:アントシアニンが血圧を低下させる(カフェインなしで夜も安心)
  • GABA茶:リラックス作用を通じてストレスによる血圧上昇を抑制する可能性(エビデンスは限定的)
  • 烏龍茶・プーアル茶:ポリフェノールが血管を守り、習慣的な飲用で高血圧リスクが低下する傾向

たとえば、緑茶を3か月以上飲み続けた人は血圧が2〜3mmHg下がったという報告や、ハイビスカスティーを6週間飲んだ人は血圧が約7mmHg下がったという研究結果があります。

「たった数mmHgの違いで何が変わるの?」と思うかもしれません。

しかし、血圧が2mmHg下がるだけでも、脳卒中リスクが約10%、心臓病リスクが約7%減るという報告があります(研究により数値は異なります)。

つまり、小さな変化でも、長い目で見れば大きな意味があるのです。

もちろん、お茶を飲むだけで高血圧が治るわけではありません。

血圧がかなり高い方は、医師の指導のもとで薬を使った治療が必要です。

しかし、「血圧がやや高め」という段階であれば、お茶を毎日の習慣に取り入れることで、血圧の上昇を防いだり、薬を使わずに済んだりする可能性があります。

この記事では、「どんなお茶が血圧に良いのか」「なぜお茶で血圧が下がるのか」「どのくらい飲めばいいのか」「気をつけるべきことは何か」について、難しい専門用語をできるだけ使わずに、わかりやすく解説します。

ぜひ最後まで読んで、ご自身に合ったお茶を見つけてください。

この記事でわかること
  • 血圧を下げる効果が報告されているお茶5種類
  • お茶のどんな成分が血圧に良いのか
  • 1日何杯、いつ飲むと効果的なのか
  • 薬を飲んでいる人がお茶を飲むときの注意点
はじめに(免責・注意事項)

本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。

血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。

また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。

本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。

目次

血圧対策に役立つお茶は「緑茶・紅茶・ハイビスカスティー」など5種類

「お茶が血圧に良い」と聞いても、お茶にはたくさんの種類があるので、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。

実は、血圧への効果がきちんと研究されているお茶は限られています。

ここでは、世界中の研究者が行った実験で「血圧を下げる効果がある」と報告されている5種類のお茶を紹介します。

最初に紹介する緑茶と紅茶は、実は同じ茶葉から作られています。

摘み取った後の加工方法が違うだけで、別のお茶になるのです。

緑茶は茶葉を加熱して酸化を止めたもの、紅茶は茶葉を完全に酸化させたものです。

加工方法が違うと、含まれる成分も変わってきます。

ハイビスカスティーは、お茶の木ではなく、ハイビスカスの花のつけ根部分(萼)から作られます。

鮮やかな赤い色が特徴で、酸っぱい味がします。

カフェインが入っていないので、夜でも安心して飲めます。

GABA茶は、特別な方法で作られたお茶で、リラックス効果のある成分「GABA(ギャバ)」がたくさん含まれています

烏龍茶やプーアル茶は、緑茶と紅茶の中間のような発酵度のお茶です。

これから、それぞれのお茶について詳しく説明していきます。

どのお茶も効果は少しずつ違いますので、ご自身の好みや生活に合ったものを選んでください。

血圧を下げる効果が報告されているお茶の比較

お茶の種類効果が現れる期間血圧低下の程度カフェイン特徴
緑茶12週間以上収縮期血圧:約2mmHg
拡張期血圧:約2mmHg
含む日本人に最も身近なお茶
紅茶数週間以上収縮期血圧:約1.8mmHg
拡張期血圧:約1.3mmHg
含む世界中で飲まれている。アレンジしやすい
ハイビスカスティー6週間収縮期血圧:約7mmHg
拡張期血圧:わずかな低下
含まない赤い色と酸味が特徴。カフェイン不使用
GABA茶3〜4週間研究により異なる含むリラックス効果がある
烏龍茶・プーアル茶長期間収縮期血圧:約2〜5mmHg含む中国や台湾でよく飲まれる

緑茶は12週間以上飲み続けると血圧が約2mmHg下がる可能性がある

緑茶は、私たち日本人にとって最も身近なお茶です。

食事のときに飲んだり、休憩時間に飲んだりと、毎日のように口にしている方も多いでしょう。

この身近な緑茶が、実は血圧を下げる効果があることが研究でわかっています。

13件の研究を統合した解析では、緑茶を飲み続けたグループで、上の血圧(収縮期血圧)が約2mmHg、下の血圧(拡張期血圧)も約2mmHg下がっていました。

緑茶摂取が収縮期血圧(SBP)を−1.98 mmHg(95% CI:−2.94~−1.01 mmHg、P < 0.001)有意に低下させることを示唆しました。対照群と比較して、緑茶は治療群において拡張期血圧(DBP)を有意に低下させる効果も示しました(-1.92 mmHg、95%信頼区間:-3.17~-0.68 mmHg、P = 0.002)。

引用:PubMed Central Effect of green tea consumption on blood pressure: A meta-analysis of 13 randomized controlled trials

「たった2mmHg?」と思うかもしれませんが、これは平均の数字です。

もともと血圧が高めだった人では、もっと大きく下がった人もいます。

また、2mmHgの低下でも、日本全体で見れば脳卒中や心臓病で倒れる人を何万人も減らせる計算になります。

大切なポイントは、「続けて飲むこと」です。

研究では、12週間(約3か月)以上飲み続けた人で効果が見られましたが、短い期間だけ飲んだ人では効果が確認できませんでした。

緑茶は即効性のある薬ではなく、毎日コツコツ飲み続けることで、じわじわと血圧を下げてくれるものなのです。

紅茶は1日4〜5杯で血圧を1〜2mmHg下げる効果が報告されている

紅茶は世界中で愛されているお茶で、イギリスのアフタヌーンティーでもおなじみですね。

緑茶と同じ茶葉から作られていますが、発酵させることで色が茶色くなり、味わいも変わります。

紅茶の血圧への効果を調べた研究では、毎日4〜5杯の紅茶を飲んだ人は、上の血圧が約1.8mmHg、下の血圧が約1.3mmHg下がったという結果が出ています。

緑茶に比べると効果は少し控えめですが、「緑茶より紅茶のほうが好き」という方にとっては、続けやすい選択肢になります。

定期的なお茶摂取による平均効果は、収縮期血圧(SBP)で−1.8 mmHg(95%信頼区間−2.8~−0.7、P = 0.0013)、拡張期血圧(DBP)で−1.3 mmHg(95%信頼区間−1.8~−0.8、P<0.0001)であった。

引用:PubMed Central The Effect of Black Tea on Blood Pressure: A Systematic Review with Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials

面白いことに、もともとの血圧が高い人ほど、紅茶を飲んだときの効果が大きいことがわかっています。

つまり、「血圧が気になる」という方にこそ、紅茶はおすすめできるということです。

紅茶にはカフェインが含まれていますが、コーヒーよりは少なめです。

ミルクを入れてミルクティーにしたり、レモンを絞ってレモンティーにしたりと、アレンジもしやすいので、飽きずに続けられるでしょう。

ハイビスカスティーは6週間で血圧が約7mmHg下がった研究がある

ハイビスカスティーは、南国の花「ハイビスカス」の一種から作られるハーブティーです。

真っ赤な色が美しく、酸っぱくてさっぱりした味わいが特徴です。

スーパーやカフェでも見かけることがあるかもしれません。

このハイビスカスティーについて、アメリカの農務省(日本でいう農林水産省のような機関)とタフツ大学という有名な大学が、しっかりとした実験を行いました。

血圧が少し高めの65人に協力してもらい、半分の人にはハイビスカスティーを、もう半分の人には色と味だけ似せた偽物の飲み物を飲んでもらいました。

参加者は自分がどちらを飲んでいるか知りません。

6週間後、ハイビスカスティーを飲んでいたグループでは、上の血圧が平均7.2mmHg下がっていました。

一方、偽物を飲んでいたグループは1.3mmHgしか下がっていませんでした。

6週間後、H. sabdariffa投与群はプラセボ投与群と比較して収縮期血圧(SBP)を有意に低下させた(-7.2 mmHg vs. -1.3 mmHg、P < 0.030)。

引用:Agricultural Research Service, U.S. Department of Agriculture Hibiscus sabdariffa L. tea (tisane) lowers blood pressure in prehypertensive and mildly hypertensive adults: a randomized, placebo-controlled clinical trial

つまり、ハイビスカスティーには本当に血圧を下げる効果があったということです。

特にもともと血圧が高かった人では、13mmHg以上下がったケースもありました。

研究者は「一部では降圧薬に匹敵する程度の効果になり得る」とコメントしています。

ハイビスカスティーはカフェインを含まないので、夜寝る前に飲んでも大丈夫です。

カフェインが苦手な方にもおすすめです。

ただし、妊娠中の安全性については十分な研究がないため、妊娠中の方は医師に相談してください。

GABA茶はリラックス作用を通じて血圧を穏やかにする

「GABA(ギャバ)」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。

チョコレートやサプリメントで「GABA配合」と書かれた商品を見かけることがありますね。

GABAは、私たちの脳の中で神経の興奮を抑える役割をしている物質です。

飲用によるリラックス効果については研究が続けられています。

GABA茶は、このGABAをたくさん含むように特別な方法で作られたお茶です。

普通のお茶にもGABAは少し含まれていますが、GABA茶は何倍も多く含まれています。

この作り方は、1984年に日本で開発されました。

ストレスを感じると、私たちの体は「戦うか逃げるか」の態勢になり、血圧が上がります

仕事のプレッシャーや人間関係のストレスで、いつも緊張状態が続いている人は、血圧が高くなりやすいのです。

GABA茶を飲むと、ストレスによる血圧の上昇を抑える可能性があると考えられています。

台湾で行われた研究では、GABA茶を4週間飲み続けた人で、血圧が少しずつ下がっていくことが確認されました。

全ての研究参加者において、GO茶を毎日摂取することで、21日目に収縮期血圧、28日目に拡張期血圧が低下することが示されました(いずれもp < 0.05)。

引用:PubMed Central Versatile Effects of GABA Oolong Tea on Improvements in Diastolic Blood Pressure, Alpha Brain Waves, and Quality of Life

特に、もともと血圧が高めだった人で効果が見られました。

ただし、GABA茶の血圧低下効果についての研究はまだ少なく、エビデンスは限られています。

今後さらに研究を重ねて効果を確認していく必要があります。

烏龍茶やプーアル茶も血圧を下げる成分を含んでいる

烏龍茶は、中華料理店でよく出されるお茶ですね。

ペットボトルでもたくさん売られているので、飲んだことがある方も多いでしょう。

烏龍茶は、緑茶ほど「青っぽく」なく、紅茶ほど「発酵していない」、ちょうど中間くらいのお茶です。

プーアル茶は、中国の雲南省という地域で作られるお茶で、独特の香りと深い味わいがあります。

発酵が進んでいるため、まろやかな味で、胃にやさしいと言われています。

中国で7万人以上を対象にした調査では、お茶を習慣的に飲んでいる人は、飲んでいない人に比べて高血圧リスクが10%低い傾向が見られました。

紅茶の摂取は、高血圧性血圧(BP)の10%低下と関連していました(AOR:0.90、95%CI:0.86~0.94)。

引用:PubMed Central The association between tea consumption and blood pressure in the adult population in Southwest China

特にプーアル茶を飲む人では、血圧が低い傾向がありましたが、因果関係まではまだ確認されておらず、エビデンスは限られています。

烏龍茶やプーアル茶は、緑茶やハイビスカスティーに比べると研究の数が少ないのですが、血圧に良い成分が含まれていることは確かです。

「緑茶は苦手だけど、烏龍茶なら好き」という方は、烏龍茶を選んでも良いでしょう。

なぜお茶を飲むと血圧が下がるのか

ここまで、血圧を下げる効果があるお茶を5種類紹介しました。

では、なぜお茶を飲むと血圧が下がるのでしょうか?

その理由を、専門用語をできるだけ使わずに説明します。

お茶には「ポリフェノール」という成分が含まれています。

ポリフェノールは、植物が自分の体を守るために作り出す物質で、お茶のほかにも、ワインやチョコレート、ブルーベリーなどにも含まれています。

このポリフェノールが、私たちの体の中でいろいろな良い働きをしてくれるのです。

緑茶に多く含まれるポリフェノールは「カテキン」、紅茶には「テアフラビン」、ハイビスカスティーには「アントシアニン」と呼ばれるものが入っています。

名前は違いますが、どれも似たような働きをして、血圧を下げるのを助けてくれると考えられています。

これから、お茶が血圧を下げる3つのしくみについて説明します。

どれも難しい話ではありませんので、安心して読み進めてください。

お茶が血圧を下げる3つのしくみ
  1. 血管を広げて血液の流れをスムーズにする
    • 血管の内側から「一酸化窒素」という物質が出る
    • 血管を囲む筋肉がリラックスして血管が広がる
    • 血液が流れやすくなり、血圧が下がる
  2. 血管の内側を守り、しなやかさを保つ
    • 活性酸素を除去して血管を酸化から守る
    • 血管の炎症を抑える
    • 動脈硬化の進行を防ぐ
  3. ストレスを和らげる成分を含む
    • テアニンやGABAが脳をリラックスさせる
    • 自律神経のバランスを整える
    • ストレスによる血圧上昇を防ぐ可能性

お茶の成分が血管を広げて血液の流れをスムーズにする

血圧とは、簡単に言うと「血液が血管の壁を押す力」のことです。

ホースで水をまくときのことを想像してください。

ホースの先をつまんで細くすると、水の勢いが強くなりますよね。

これと同じで、血管が狭くなると、血液が流れるときに強い力がかかり、血圧が上がります。

逆に、血管が広がれば、血液はゆったりと流れることができ、血圧は下がります。

お茶に含まれるポリフェノールには、この「血管を広げる」働きがあるのです。

もう少し詳しく説明すると、お茶の成分が血管の内側の壁に届くと、そこから「一酸化窒素」という物質が出てきます

一酸化窒素は、血管の周りの筋肉に「リラックスしなさい」という信号を送ります。

すると、血管を囲んでいる筋肉がゆるんで、血管が広がります。

これは、お風呂に入ったときに体が温まって血管が広がるのと似ています。

お風呂でリラックスすると血圧が下がりますよね。

お茶の成分も、似たような効果を体の中で起こしているのです。

血管の内側を守り、しなやかさを保つ働きがある

私たちの体の中では、呼吸をしたり食べ物を消化したりするたびに、「活性酸素」という物質が作られています。

活性酸素は、少しの量なら体を守る働きをしますが、多すぎると困ったことを起こします。

活性酸素が多すぎると、血管の内側が傷ついてしまいます。

傷ついた血管は、修復しようとしてどんどん硬くなっていきます。

これが「動脈硬化」です。

新しいゴムホースはしなやかに曲がりますが、古くなったホースは硬くなってひび割れますよね。

血管も同じで、硬くなると血圧が上がりやすくなります。

お茶に含まれるポリフェノールには、この活性酸素を抑える力があると考えられています。

これを「抗酸化作用」といいます。

ポリフェノールは、動脈硬化の進行における主要なメカニズムであると考えられているLDL酸化を抑制する強力な調節因子です(Nardini et al., 2007)。

引用:PubMed Central Dietary Polyphenols and Their Role in Oxidative Stress-Induced Human Diseases: Insights Into Protective Effects, Antioxidant Potentials and Mechanism(s) of Action

りんごを切って置いておくと茶色くなりますが、これは活性酸素による「酸化」が原因です。

レモン汁をかけると茶色くなりにくくなりますが、これはレモンに含まれるビタミンCが活性酸素をやっつけてくれるからです。

お茶のポリフェノールも、同じように体の中で活性酸素を抑え、血管を守る可能性があります。

ストレスを和らげる成分が含まれている

ストレスを感じると、血圧が上がることをご存知でしょうか。

上司に怒られたとき、大勢の前で発表するとき、心臓がドキドキして顔が赤くなりますよね。

このとき、血圧は急上昇しています。

これは、私たちの体に備わっている「危険に備える」しくみです。

大昔、人間が野生動物に襲われたとき、すぐに逃げたり戦ったりできるように、体が自動的に「戦闘モード」になるのです。

血圧を上げて、全身に血液を送り、筋肉を動かせるようにするわけです。

現代では野生動物に襲われることはありませんが、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスで、体は同じ反応をしてしまいます。

自律神経系の反応が亢進すると、心拍数と血圧が上昇します。重篤な疾患時には、カテコールアミンの放出により消化管への血流が減少します。

引用:National Center for Biotechnology Information Physiology, Stress Reaction

ストレスが続くと、血圧も高い状態が続いてしまうのです。

お茶には、このストレスをやわらげる成分も含まれています。

緑茶に含まれる「テアニン」というアミノ酸やGABA茶に含まれる「GABA」は、リラックス効果が報告されています。

ただし、血圧への直接的な効果についてはまだ研究が続けられています。

温かいお茶をゆっくり飲む時間を作ることも、それ自体がストレス解消になりますね。

忙しい毎日の中で、ほっと一息つく習慣を持つことも、血圧管理には大切なことです。

血圧を下げるためのお茶の飲み方と1日の目安

お茶が血圧に良いことはわかりましたが、「どのくらい飲めばいいの?」「いつ飲めばいいの?」という疑問が浮かびますよね。

ここでは、研究でわかっていることをもとに、効果的なお茶の飲み方をお伝えします。

ただし、お茶は薬ではありません。

「この量を飲めば必ず血圧が下がる」というものではありませんし、人によって効果の出方も違います。

大切なのは、無理なく続けられる方法を見つけることです。

毎日少しずつでも、長く続けることが一番の近道です。

また、お茶だけに頼るのではなく、塩分を控えめにする、野菜を多く食べる、適度に体を動かす、十分に睡眠をとるといった、他の生活習慣の改善と組み合わせることで、より効果が期待できます。

効果を得るには継続して飲むことが大切

お茶の血圧を下げる効果は、すぐには現れません。

頭痛薬を飲めば30分後には頭痛が治まりますが、お茶はそういうものではありません。

毎日飲み続けることで、少しずつ効果が出てくるのです。

研究によると、緑茶や紅茶では飲み始めてから効果が見られるまでに、だいたい12週間(約3か月)かかります。

研究期間によるサブグループ解析では、中央値 12 週間のお茶摂取により、短期サブグループ(< 12 週間)と比較して、収縮期血圧が – 2.6(95 % CI – 3.5、- 1.7)mmHg、拡張期血圧が – 2.2(95 % CI – 3.0、- 1.3)mmHg と顕著に低下したことが示唆されました(図 4)(グループ間P < 0.05)。

引用:Cambridge University Press Effects of tea intake on blood pressure: a meta-analysis of randomised controlled trials

3か月より短い期間では、血圧の変化がはっきり見られなかったという報告もあります。

ただし、ハイビスカスティーのように6週間程度で効果が出る場合もあります。

これは、お茶の成分が血管の状態を少しずつ改善していくからです。

傷んだ血管が修復されたり、血管の働きが良くなったりするには、時間がかかるのです。

「3か月も続けられるかな…」と不安に思う方もいるかもしれません。

でも、朝食のときに1杯、仕事の休憩時間に1杯、というふうに毎日の生活に組み込んでしまえば、意外と簡単に続けられます。

また、一度効果が出ても、飲むのをやめてしまうと血圧が元に戻ってしまう可能性があります。

「お茶を飲む」という習慣を、ずっと続けていくことが大切です。

1日2〜5杯を目安に無理なく続ける

研究で使われているお茶の量は、だいたい1日2〜5杯程度です。

お茶の種類別・1日の目安量

お茶の種類1日の目安量具体的な量
緑茶3〜4杯湯呑みで3〜4杯
マグカップで2〜3杯
紅茶4〜5杯ティーカップで4〜5杯
ハイビスカスティー3杯各240mL(コップ1杯)
GABA茶2〜3杯メーカーの推奨量に従う
烏龍茶・プーアル茶3〜5杯お好みの量で

ただし、これは「この量を飲まないと効果がない」という意味ではありません。

研究で使われた量の目安であり、もっと少ない量でも効果がある可能性はあります。

大切なのは、無理をしないことです。

「血圧を下げるために」と思って、好きでもないお茶を大量に飲んでも、長続きしません。

まずは1日1〜2杯から始めて、慣れてきたら少しずつ増やしていくのがおすすめです。

カフェインを含むお茶(緑茶、紅茶、烏龍茶など)をたくさん飲むと、眠れなくなったり、胃がムカムカしたりすることがあります。

体に合わないと感じたら、量を減らすか、カフェインを含まないハイビスカスティーに切り替えてください。

食後や就寝前を避けると体への負担が少ない

「お茶はいつ飲めばいいですか?」という質問をよく受けますが、実は「この時間に飲むのがベスト」という研究結果はありません。

ご自身の生活リズムに合わせて、続けやすい時間に飲んでいただければ大丈夫です。

ただ、いくつか気をつけたいポイントがあります。

お茶を飲むタイミングの注意点
  • 空腹時は避ける(特に胃が弱い方)
    • 濃いお茶を飲むと胃が荒れることがある
    • 朝一番は薄めに入れるか、何か軽く食べてから飲む
  • 就寝前はカフェインに注意
    • 夕方以降は緑茶や紅茶を控える
    • カフェインレスのハイビスカスティーやほうじ茶がおすすめ
  • 食事の直後は避ける(貧血気味の方)
おすすめの飲むタイミング
  • 朝食と一緒に
  • 午前中の休憩時間に
  • 昼食後に
  • 午後の休憩時間に

お茶で血圧対策をするときに知っておきたい注意点

お茶は、ほとんどの方にとって安全な飲み物です。

毎日飲んでいる方も多いでしょう。

しかし、血圧を下げる目的でたくさん飲もうとする場合は、いくつか知っておいていただきたいことがあります。

特に、すでに血圧を下げる薬を飲んでいる方、カフェインに弱い方、何か持病がある方は、この章をしっかり読んでください。

お茶と薬の組み合わせによっては、思わぬ影響が出ることもあります。

何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。

体に良いものでも、摂りすぎは良くありません。

適量を守って、安全にお茶を楽しみましょう。

カフェインは一時的に血圧を上げることがある

緑茶、紅茶、烏龍茶には「カフェイン」が含まれています。

カフェインはコーヒーにも入っている成分で、眠気を覚ましたり、頭をスッキリさせたりする効果があります。

しかし、カフェインには一時的に血圧を上げる作用もあります。

お茶を飲んだ直後は、血圧が少し上がることがあるのです。

5件の試験において、カフェイン200~300 mgを投与したところ、収縮期血圧が平均8.1 mmHg(95%信頼区間:5.7~10.6 mmHg)、拡張期血圧が平均5.7 mmHg(95%信頼区間:4.1~7.4 mmHg)上昇した。

引用:PubMed The effect of coffee on blood pressure and cardiovascular disease in hypertensive individuals: a systematic review and meta-analysis

この上昇は通常1〜3時間程度で収まりますし、長い目で見ればお茶の血圧を下げる効果のほうが上回ります。

ただし、普段コーヒーやお茶をあまり飲まない方がいきなりたくさん飲むと、血圧が上がりやすくなることがあります。

お茶を習慣にしたい場合は、最初は少ない量から始めて、徐々に増やしていくのがおすすめです。

「カフェインで血圧が上がるのが心配」という方は、カフェインを含まないハイビスカスティーを選ぶとよいでしょう。

ほうじ茶も、緑茶に比べてカフェインが少なめです。

最近は「カフェインレス」や「デカフェ」のお茶も売られていますので、そちらを選ぶのもひとつの方法です。

降圧薬など薬を飲んでいる人は必ず医師に相談する

すでに血圧を下げる薬を飲んでいる方は、お茶を血圧対策として積極的に取り入れる前に、必ずかかりつけの医師に相談してください。

お茶(特に緑茶)には、一部の薬の効き目に影響を与える可能性があることが報告されており、特に大量に飲む場合は注意が必要です。

お茶と相互作用がある可能性のある薬

一番大切なことは、「お茶を飲めば薬はいらない」と自己判断しないことです。

お茶で血圧が1〜7mmHg下がるとしても、医師が処方した薬の効果には遠く及びません。

薬を減らしたりやめたりしたい場合は、必ず医師と相談してください。

飲みすぎると胃腸の不調や鉄分不足につながることがある

お茶は体に良い飲み物ですが、何でも「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。

1日に5杯を大きく超えるような量を毎日飲み続けると、いくつかの問題が起きることがあります。

お茶を飲みすぎたときに起こりうる問題
  • カフェインの過剰摂取
    • 眠れなくなる
    • 心臓がドキドキする
    • 胃が痛くなる
    • 手が震える
  • 鉄分の吸収への影響
    • タンニンが鉄分とくっつく
    • 鉄分が吸収されにくくなる
    • 貧血のリスクが高まる
    • 特に女性や貧血気味の方は注意
  • 胃腸への負担
    • 空腹時に大量に飲むと胃が荒れる
    • 濃いお茶は刺激が強い
  • サプリメントの注意
お茶を安全に楽しむためのポイント
  • 1日5杯以内を目安にする
  • 体調に合わせて量を調整する
  • 貧血気味の方は食事と時間を空けて飲む
  • 濃縮サプリメントの大量摂取は避ける
  • 体に合わないと感じたら量を減らす

よくある質問

お茶を飲めば血圧の薬をやめられますか?

いいえ、やめられません。

お茶で血圧が下がるとしても、その効果は1〜7mmHg程度です。

一方、医師が処方する血圧の薬は、10〜20mmHg以上下げる効果があります。

まったく効き目が違うのです。

お茶は「薬の代わり」ではなく、「薬と一緒に取り組む生活習慣の改善」として考えてください。

薬を減らしたい、やめたいという場合は、必ず医師に相談してください。

自己判断で薬をやめると、脳卒中や心臓病のリスクが高まります。

カフェインが苦手な場合はどのお茶を選べばよいですか?

ハイビスカスティーがおすすめです。

ハイビスカスティーはカフェインを含まず、血圧を下げる効果についてもしっかりした研究があります。

ただし、妊娠中の安全性については十分な研究がないため、妊娠中の方は控えるか、医師に相談してください。

酸っぱい味が苦手な方は、はちみつを少し加えると飲みやすくなります。

また、ほうじ茶は緑茶に比べてカフェインが少なめなので、夜に飲んでも眠りにくくなりにくいです。

最近は「カフェインレス緑茶」や「デカフェ紅茶」も売られています。

ペットボトルのお茶でも同じ効果がありますか?

ペットボトルのお茶にも、カテキンなどの成分は含まれています。

ただし、含まれている量は製品によってバラバラです。

また、多くの研究では茶葉から淹れたお茶が使われているので、できれば茶葉から淹れたお茶を飲むのがベストです。

とはいえ、「続けること」が一番大切です。

茶葉から淹れるのが面倒で続かないなら、ペットボトルでも構いません。

何も飲まないよりは、ずっと良いでしょう。

1日のうち、いつ飲むのが一番効果的ですか?

「この時間に飲むのがベスト」という研究結果は、残念ながらありません。

ですから、ご自身の生活リズムに合わせて、続けやすい時間に飲んでいただければ大丈夫です。

ただし、空腹のときに濃いお茶をたくさん飲むと胃が荒れることがありますし、寝る前にカフェインを含むお茶を飲むと眠りにくくなることがあります。

食事と一緒に飲んだり、午前中から夕方までの間に分けて飲んだりするのがおすすめです。

まとめ

この記事では、血圧を下げる効果が期待できるお茶について詳しく解説しました。

最後に、大切なポイントをまとめます。

血圧対策に役立つお茶のポイント
  • 効果が報告されているお茶
    • 緑茶、紅茶、ハイビスカスティー、GABA茶、烏龍茶・プーアル茶
  • 血圧が下がるしくみ
    • 血管を広げる
    • 血管を守る
    • ストレスを和らげる
  • 効果的な飲み方
    • 12週間以上続ける
    • 1日2〜5杯を目安に
    • 無理なく続けられる量で
  • 注意すべきこと
    • 薬の代わりにはならない
    • 薬を飲んでいる人は医師に相談
    • カフェインや飲みすぎに注意

緑茶、紅茶、ハイビスカスティー、GABA茶、烏龍茶・プーアル茶には、血圧を下げる効果があることが研究で報告されています。

これらのお茶に含まれる成分が、血管を広げたり、血管を守ったり、ストレスを和らげたりすることで、血圧を安定させる働きをしています。

ただし、お茶の効果はゆっくりと現れるものです。

飲み始めてすぐに血圧が下がるわけではなく、3か月程度続けて初めて効果が見えてきます。

また、効果の大きさも1〜7mmHg程度と、薬に比べれば控えめです。

お茶は「血圧を下げる薬」ではなく、「健康的な生活習慣のひとつ」として考えてください。

減塩、野菜を多く食べること、適度な運動、十分な睡眠といった他の生活習慣の改善と組み合わせることで、より効果が期待できます。

すでに血圧の薬を飲んでいる方は、自己判断で薬を減らしたりやめたりせず、必ず医師に相談してください。

また、定期的に血圧を測定し、数値の変化を確認することも大切です。

毎日の生活に、お好きなお茶を無理なく取り入れて、血圧管理に役立ててください。

参考文献・参考サイト

American Heart Association What is High Blood Pressure?

American Heart Association What are the Signs and Symptoms of High Blood Pressure?

PubMed Central The Pharmacogenomics of Anti-Hypertensive Therapy

National Center for Biotechnology Information Biochemistry, Gamma Aminobutyric Acid

PubMed Central Effect of green tea consumption on blood pressure: A meta-analysis of 13 randomized controlled trials

PubMed Central The Effect of Black Tea on Blood Pressure: A Systematic Review with Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials

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この記事を書いた人

伊藤 信久のアバター 伊藤 信久 医師・グレースメディカルクリニック院長

福岡県出身。鹿児島大学医学部卒業後、大学病院の心臓外科に勤務。冠動脈バイパス術・弁置換術などの高度な心臓手術を多数担当。
その後、恩師が開業したクリニックで一次診療に従事。地域医療の最前線で多くの患者と向き合う中で「患者さんに最も近い距離で診療すること」の重要性を再認識し、開業医として地域医療に貢献することを決意。2014年に熊本市でグレースメディカルクリニックを開設した。現在は院長として、高血圧をはじめとする循環器・生活習慣病の診療に注力。心臓外科で培った循環器の知見を活かし、「血圧から全身を守る医療」をモットーに地域の健康づくりと啓発活動を続けている。

主な資格・所属学会
・日本外科学会
・日本循環器学会
・点滴療法研究会

地域の“かかりつけ医”として、高血圧を中心とした生活習慣病の早期発見と予防、継続的な血圧管理に力を注ぎ、患者一人ひとりの「より良い血圧コントロールと健康」の実現を目指している。

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