健康診断で「下の血圧が高いですね」と指摘されたことはありませんか。
血圧には「上」と「下」の2つの数値がありますが、下の血圧だけが高い状態に戸惑う方も少なくありません。
上の血圧は正常範囲なのに下だけが高いとき、どう対処すればよいのか、治療が必要なのか、気になることがたくさんあるでしょう。
下の血圧が高い状態は、心臓や血管に負担をかけ、放置すると深刻な健康問題につながる可能性があります。
- 動脈硬化で血管が硬くなり、心臓が休む時も高い圧力が維持される
- 塩分過剰摂取で血液量が増加し血管抵抗が高まる
- 肥満で交感神経が活性化され血管収縮と抵抗が増大する
- 慢性ストレスでホルモン分泌が続き血管収縮が常態化する
- 遺伝的な塩分感受性の高さと生活習慣が相互作用する
しかし、正しい知識を持ち適切な対策を取ることで、血圧をコントロールし健康的な生活を送ることができます。
この記事では、血圧の基本的な仕組みから、下の血圧が高いとされる具体的な基準値、その原因、リスク、そして改善するための実践的な方法まで、わかりやすく解説します。
下の血圧について不安を感じている方に、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
- 血圧の「上」と「下」の違いと、それぞれが何を意味するのか
- 下の血圧が高いとされる具体的な基準値と重症度分類
- 下の血圧が高くなる主な原因とメカニズム
- 放置した場合の健康リスクと受診すべきタイミング
- 日常生活でできる具体的な改善策と治療法
はじめに(免責・注意事項)
本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。
血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。
また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。
本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。
下の血圧が高いとはどういう状態か
下の血圧が高いという状態を理解するには、まず血圧の基本的な仕組みと正常値について知る必要があります。
ここでは、血圧測定で得られる2つの数値の意味と、どこからが「高い」とされるのかを詳しく見ていきましょう。
健康診断の結果票を手元に置きながら読み進めると、より理解が深まります。
血圧の「上」は心臓が動くとき、「下」は心臓が休むときの数値
血圧を測定すると、「120/80」のように2つの数値が表示されます。
この数値にはそれぞれ重要な意味があります。
最初の大きい数値が「上の血圧」で、医学的には収縮期血圧と呼ばれます。
これは心臓が収縮して血液を送り出す瞬間に、血管の壁にかかる圧力を示しています。
心臓がギュッと縮んで力強く血液を押し出すとき、動脈には最も高い圧力がかかります。
一方、後の小さい数値が「下の血圧」で、拡張期血圧といいます。
これは心臓が拡張して休んでいる間、つまり次の収縮に備えて血液を溜め込んでいるときに血管にかかる圧力を表しています。
心臓が休んでいる状態でも、血管内には一定の圧力が維持されており、これが下の血圧として測定されます。
下の血圧は、血管の弾力性や抵抗と深く関係しています。
血管が柔軟で健康な状態であれば、心臓が休んでいるときの圧力は適度に保たれます。
しかし、血管が硬くなったり、細い血管が収縮して血液の流れに抵抗が生じたりすると、下の血圧が上昇する傾向があります。
下の血圧は80以上で注意、90以上は要治療
血圧の分類は国際的な医学団体によって定められており、治療方針を決める重要な指標となっています。
現在、アメリカ心臓協会とアメリカ心臓病学会の基準では、正常な血圧は収縮期血圧が120mmHg未満、かつ拡張期血圧が80mmHg未満とされています。
つまり、下の血圧については80mmHg未満が正常範囲ということになります。
下の血圧が80mmHg以上になると、高血圧の範囲に入ります。
具体的には、拡張期血圧が80~89mmHgの場合は高血圧ステージ1に分類され、90mmHg以上になると高血圧ステージ2となります。
ステージ2はより重度の高血圧であり、医療機関での治療が強く推奨されます。
日本高血圧学会のガイドラインでは、診察室で測定した血圧において、拡張期血圧が90mmHg以上の場合を高血圧と定義しています。
一方、家庭で測定する場合は、診察室よりも若干低い基準が用いられ、拡張期血圧が85mmHg以上で高血圧と判断されます。
これは、診察室では緊張などで血圧が上がりやすいためです。
注意すべき点は、下の血圧だけでなく、上の血圧とのバランスも重要だということです。
たとえば、上の血圧が120mmHgで正常範囲内でも、下の血圧が85mmHgあれば、米国の基準では高血圧ステージ1に該当します(日本では高値血圧に分類されます)。
数値別に見る危険度|80台・90台・100以上で何が違う?
下の血圧の数値によって、健康へのリスクの程度が異なります。
ここでは数値別に分類し、それぞれのリスクレベルを理解しやすく整理します。
数値別リスク早見表
| 拡張期血圧(mmHg) | 判定区分 | 健康リスクの目安 | 推奨される対応 |
|---|---|---|---|
| 〜80未満 | 正常範囲 | 血管への負担は少なく、心血管疾患リスクも低い | 生活習慣を維持し、定期的に血圧を確認 |
| 80〜89 | 高血圧ステージ1 | 心血管疾患リスクが上昇し始める | 生活習慣の改善と定期的な経過観察が必要 |
| 90〜99 | 高血圧ステージ2 | 心臓・血管への負担が大きく、放置で脳卒中・心筋梗塞リスク増大 | 医療機関での評価・治療介入を検討 |
| 100以上 | 重度の高血圧 | 臓器障害が進行するおそれあり | 早急に受診し、治療を開始する必要あり |
| 180/120以上(上・下いずれか) | 高血圧クリーゼ | 命に関わる緊急状態。胸痛・呼吸困難・頭痛を伴う場合は緊急治療が必要 | 直ちに医療機関を受診(救急対応) |
拡張期血圧が80mmHg未満の場合は正常範囲です。
この状態であれば、血管への負担は比較的少なく、心血管疾患のリスクも低いとされています。
ただし、生活習慣に気を配り、この状態を維持することが大切です。
拡張期血圧が80~89mmHgの範囲は、高血圧ステージ1に分類されます。
この段階では、すでに心血管疾患のリスクが上昇し始めています。
生活習慣の改善が重要であり、医療機関での定期的な経過観察が推奨されます。
肥満や他のリスク要因がある場合は、薬物治療の開始が検討されることもあります。
拡張期血圧が90~99mmHgになると、より積極的な治療介入が必要になります。
この数値は、血管や心臓への負担がかなり大きくなっている状態を示しており、放置すると心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。
拡張期血圧が100mmHg以上の場合は、重度の高血圧です。
早めに医療機関を受診し、適切な治療を開始する必要があります。
この状態を放置すると、臓器障害が進行する可能性があるため、早期の医療評価が推奨されます。
特に注意が必要なのは、血圧が180/120mmHg以上になる高血圧クリーゼと呼ばれる状態です。
胸痛や呼吸困難、激しい頭痛などの症状を伴う場合は高血圧緊急症として速やかな治療が必要であり、症状がない場合でも速やかに医療機関を受診して医師の評価を受けることが推奨されます。
若い人・高齢者・女性で気をつけるべきポイント
血圧は年齢や性別によって変化する特徴があり、それぞれに応じた注意が必要です。
若年層や中年層、特に20代から50代の方では、下の血圧が高くなる傾向がみられることがあります。
この年代では、仕事のストレスや不規則な生活習慣、肥満などが原因となって下の血圧が上昇しやすくなります。
若いうちから下の血圧が高い状態が続くと、将来的な心血管疾患のリスクが高まるため、早期の対策が重要です。
一方、高齢者では下の血圧が低下し、上の血圧だけが高くなる孤立性収縮期高血圧という状態がよくみられます。
これは血管の弾力性が失われ、動脈硬化が進んだ結果として起こります。
高齢者で下の血圧が高い場合は、血管全体の硬化が進行している可能性があり、特に注意が必要です。
DBP が低いことは、加齢とともに動脈が硬化し、それに伴って SBP も同時に上昇していることを反映していると考えられます。
引用:American Heart Association Journals Impact of Age on the Importance of Systolic and Diastolic Blood Pressures for Stroke Risk
性別による差もあります。
閉経前の女性は、女性ホルモンの保護作用により血圧が比較的低く保たれる傾向があります。
しかし、閉経後は女性ホルモンの減少に伴い、血圧が上昇しやすくなり、心血管疾患のリスクが高まります。
ただし、この変化には加齢の影響も関与している可能性があります。
また、妊娠中の女性では、妊娠高血圧症候群という特殊な状態に注意が必要です。
妊娠中に血圧が上昇し、特に下の血圧が90mmHg以上になる場合は、母体と胎児の両方に危険が及ぶ可能性があるため、慎重な管理が求められます。
家族歴も重要な要素です。
両親や兄弟姉妹に高血圧の方がいる場合、遺伝的な要因により自分も高血圧になるリスクが高くなります。
若い年代でも定期的に血圧を測定し、早期発見に努めることが大切です。
なぜ下の血圧が高くなるのか?よくある3つの原因
下の血圧が高くなる背景には、さまざまな身体的変化や生活習慣の影響があります。
原因を理解することは、効果的な対策を立てるための第一歩となります。
ここでは、医学的に確認されている主な原因について、そのメカニズムとともに詳しく説明します。
血管が硬くなると下の血圧が上がる仕組み
下の血圧が上昇する最も重要な原因の一つが、動脈硬化による血管の弾力性低下です。
健康な血管は、ゴムホースのように柔軟性があります。
心臓が血液を送り出すと血管は広がり、心臓が休むときには元の太さに戻ります。
この伸び縮みする能力によって、血圧の変動が適度に調整されます。
しかし、年齢を重ねたり、高血圧が長期間続いたりすると、血管壁が徐々に硬くなっていきます。
これが動脈硬化です。
動脈硬化が進行すると、血管は伸び縮みする能力を失い、血圧が上昇しやすくなります。
特に中年期までは下の血圧が上昇する傾向がみられ、高血圧と動脈硬化が相互に悪化させる悪循環を生み出します。
動脈硬化のメカニズムは複雑です。
- 高血圧により血管内皮が傷つく
- 傷ついた部分で炎症が起こる
- コレステロールなどの脂質が沈着
- 平滑筋細胞が増殖し血管壁が厚くなる
- 弾性繊維(エラスチン)が分解され硬化が進行
- 血管が伸び縮みできず柔軟性を失う
- 血圧変動に対応できず、下の血圧が上昇
高血圧によって血管壁に継続的な機械的ストレスがかかると、血管の内側を覆っている内皮細胞が傷つきます。
傷ついた部分では炎症反応が起こり、血管壁にコレステロールなどの脂質が沈着しやすくなります。
また、血管の中膜では平滑筋細胞が増殖し、コラーゲン繊維が過剰に産生される一方で、弾性繊維であるエラスチンが分解されていきます。
この変化によって血管壁は厚く硬くなり、柔軟性を失います。
硬くなった血管は血圧の変動に対応できず、特に心臓が休んでいる間も高い圧力を維持してしまうため、下の血圧が上昇するのです。
研究によると、動脈硬化は高血圧を引き起こすだけでなく、高血圧によってさらに悪化するという悪循環を生み出します。
収縮期血圧の上昇は、今度は動脈硬化をさらに促進する可能性がある。これは動脈壁の内皮細胞が損傷を受けることで起こり、炎症、線維化、石灰化を引き起こします
引用:PubMed Central Arterial stiffness and hypertension
つまり、下の血圧が高い状態が続くと、それ自体が動脈硬化を進行させ、さらに血圧を上昇させるという負のサイクルが形成されます。
塩分の摂りすぎと体重増加が血圧を押し上げる
日常の生活習慣も、下の血圧の上昇に大きく関わっています。
特に塩分の過剰摂取と肥満は、重要なリスク要因として知られています。
塩分を多く摂取すると、体内のナトリウム濃度が上昇します。
身体は濃度を薄めようとして水分を保持するため、血液量が増加します。
血液量が増えると、血管にかかる圧力も高まり、結果として血圧が上昇します。
特に下の血圧は、血管の抵抗と密接に関係しているため、塩分過剰による影響を受けやすいのです。
日本人の食生活は伝統的に塩分が多くなりがちです。
醤油、味噌、漬物など、日常的に使う調味料や食品に多くの塩分が含まれています。
厚生労働省は、日本人の食塩摂取目標を成人男性で1日7.5g未満、成人女性で6.5g未満としていますが、実際の平均摂取量はこれを大きく上回っています。
肥満も下の血圧上昇の重要な要因です。
- 体重増加 → 心臓への負担増
- インスリン抵抗性の出現 → 交感神経が活性化
- 血管が収縮 → 血管抵抗の上昇
- 腎臓でナトリウム再吸収が増加 → 体液量が増え、血圧上昇
体重が増加すると、全身の組織に血液を送るために心臓はより多くの仕事をしなければなりません。
また、肥満に伴い、インスリン抵抗性が生じ、交感神経系が活性化されます。
これらの変化が血管の収縮を引き起こし、血管抵抗を高めて下の血圧を上昇させます。
さらに、肥満によって腎臓の機能にも影響が出ます。
腎臓は体内の塩分と水分のバランスを調整する重要な臓器ですが、肥満があると腎臓でのナトリウム再吸収が増加し、血圧上昇につながります。
運動不足も見逃せない要因です。
定期的な運動は血管の柔軟性を保ち、血管抵抗を下げる効果があります。
しかし、運動不足の状態が続くと、血管は硬くなりやすく、また体重も増加しやすいため、下の血圧が上がりやすくなります。
飲酒習慣も影響します。
適度な飲酒は心血管系に良い影響を与える可能性がありますが、過度の飲酒は血圧を上昇させます。
特に習慣的に大量のアルコールを摂取すると、交感神経系が刺激され、血管が収縮して血圧が上がります。
ストレス・遺伝・睡眠不足も影響する
ストレスは現代社会において避けがたい要因ですが、下の血圧にも大きな影響を与えます。
ストレスを感じると、身体は「闘争か逃走か」という反応を起こします。
これは、アドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンが分泌され、心拍数が上がり、血管が収縮する生理的な反応です。
この状態では血圧が上昇しますが、ストレスが解消されれば通常は元に戻ります。
しかし、慢性的なストレスにさらされ続けると、この反応が持続的になり、血管の収縮状態が常態化します。
その結果、血管抵抗が高まり、特に下の血圧が上昇しやすくなります。
また、ストレスによって睡眠不足や不規則な生活、過食などの不健康な行動が引き起こされることも、間接的に血圧上昇につながります。
遺伝的要因も無視できません。
遺伝的要因と下の血圧の関係
| 要因 | 内容 | 血圧への影響 |
|---|---|---|
| 家族歴 | 両親のいずれかが高血圧 | 子どもの発症リスク上昇 |
| 遺伝子変異 | 血圧調節に関わる遺伝子の異常 | 高血圧体質になりやすい |
| 塩分感受性 | ナトリウム排出能力が低い | 塩分摂取で血圧が上がりやすい |
| 生活習慣との相互作用 | 遺伝+不健康な生活 | 発症リスクがさらに上昇 |
高血圧には明らかな家族性があり、両親のどちらかまたは両方が高血圧である場合、子どもも高血圧になるリスクが高くなります。
これは、血圧を調節する遺伝子に変異があったり、塩分に対する感受性が遺伝的に高かったりすることが関係していると考えられています。
ただし、遺伝的要因があるからといって、必ずしも高血圧になるわけではありません。
遺伝的な素因は、生活習慣などの環境要因と相互作用して初めて高血圧として現れます。
つまり、遺伝的リスクがあっても、健康的な生活習慣を維持することで、高血圧の発症を予防したり遅らせたりすることが可能です。
その他、睡眠時無呼吸症候群や甲状腺疾患、腎臓病など、特定の疾患が原因で下の血圧が上昇することもあります。
これらは二次性高血圧と呼ばれ、原因となる病気を治療することで血圧が改善する可能性があります。
放っておくとどうなる?病院に行くべき数値は?
下の血圧が高い状態を放置すると、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。
ここでは、具体的なリスクと、どのようなタイミングで医療機関を受診すべきかについて解説します。
自分の状態を正しく理解し、適切な対応を取ることが大切です。
下の血圧が高いと心臓・脳・腎臓にダメージが蓄積する
下の血圧が高い状態は、心臓や脳の血管に深刻な影響を及ぼし、生命を脅かす疾患のリスクを高めます。
まず、心臓への影響について説明します。
下の血圧が持続的に高いと、心臓は常に高い圧力に抗して血液を送り出さなければなりません。
この状態が続くと、心臓の筋肉、特に左心室の壁が厚くなります。
これを左室肥大といいます。
左室肥大が進行すると、心臓のポンプ機能が低下し、心不全につながる可能性があります。
また、厚くなった心筋には十分な血液が行き渡りにくくなるため、心筋が酸素不足になりやすく、狭心症や心筋梗塞のリスクが高まります。
さらに、下の血圧が高い状態は、血管や心臓への負担が大きくなっている状態を示しています。
ただし、拡張期血圧が低すぎる場合(60~70mmHg未満)も、心臓の筋肉への血流が不十分になり、心血管イベントのリスクが高まる可能性があることが報告されています(Jカーブ現象)。
脳血管への影響も深刻です。
高血圧は脳卒中の最大のリスク要因とされており、下の血圧が高い状態も例外ではありません。
脳の細い血管は特に圧力の変化に弱く、持続的な高血圧によって血管壁が傷つき、脳出血や脳梗塞を引き起こす危険性があります。
研究によると、拡張期血圧のわずかな上昇でも、心血管疾患のリスクが有意に増加することが示されています。
前向き観察研究では、通常のDBPの長期的な差が5~6mmHgの場合、脳卒中は約35~40%、冠動脈性心疾患(CHD)は20~25%減少することが示されています。
引用:PubMed Blood pressure, stroke, and coronary heart disease. Part 2, Short-term reductions in blood pressure: overview of randomised drug trials in their epidemiological context
拡張期血圧が90mmHg以上の状態が続くと、心筋梗塞のリスクは約1.5倍、脳卒中のリスクは約2倍になるとされています。
長期間放置すると心筋梗塞や脳卒中のリスクが2倍に
下の血圧が高い状態を長期間放置すると、全身のさまざまな臓器に障害が現れます。
腎臓は血圧の影響を受けやすい臓器の一つです。
腎臓には細い血管が密集しており、高血圧によってこれらの血管が傷つくと、腎臓の濾過機能が低下します。
初期には自覚症状がほとんどありませんが、徐々に腎機能が悪化し、最終的には慢性腎臓病や腎不全に至る可能性があります。
腎機能が低下すると、体内の老廃物や余分な水分を十分に排出できなくなり、さらに血圧が上昇するという悪循環が生じます。
進行すると透析治療が必要になることもあります。
目の網膜にも影響が及びます。
網膜は非常に繊細な血管網を持っており、高血圧によって網膜の血管が損傷を受けると、視力低下や最悪の場合は失明につながることもあります。
これを高血圧性網膜症といいます。
また、下の血圧が高い状態は、動脈硬化を加速させます。
動脈硬化は全身の血管で進行するため、心臓や脳だけでなく、下肢の血管が詰まって歩行困難になる閉塞性動脈硬化症や、大動脈瘤のリスクも高まります。
認知機能への影響も指摘されています。
高血圧が長期間続くと、脳の細い血管に小さな梗塞が多発し、認知症、特に血管性認知症のリスクが高まることが研究で示されています。
中等度の質のエビデンスから、中年期高血圧は認知障害の1.19~1.55倍の過剰リスクと関連していることが示唆された。
引用:American Heart Association Journals Blood Pressure and Risks of Cognitive Impairment and Dementia
これらの合併症は、初期には症状がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまうことが多いのが特徴です。
だからこそ、定期的な血圧測定と早期の対策が極めて重要になります。
下の血圧が100以上なら早めの受診を|緊急受診が必要なケースも
下の血圧が高いとき、どのタイミングで医療機関を受診すべきかは、多くの方が迷う点だと思います。
ここでは、受診の目安を具体的に説明します。
まず、緊急性の高い状況についてです。
拡張期血圧の数値別・受診目安一覧
| 拡張期血圧(mmHg) | 状況・リスク | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 120以上 | 高血圧緊急症の可能性あり。頭痛・胸痛・息切れ・視力変化などの症状を伴う | 直ちに救急車を呼ぶ、または緊急外来を受診 |
| 100以上 | 重度の高血圧。症状がなくても臓器負担大 | できるだけ早く医療機関を受診し、治療を開始 |
| 90〜99 | 継続的高血圧の疑いあり。1回測定では判断不可 | 数日〜1週間の血圧記録を取り、医療機関で相談 |
| 80〜89 | 高血圧ステージ1。リスク要因がある場合は注意 | 肥満・糖尿病・喫煙・家族歴がある人は早期受診を推奨 |
拡張期血圧が120mmHg以上の場合は、高血圧緊急症の可能性があります。
この状態では、頭痛、胸の痛み、息切れ、めまい、視力の変化などの症状が現れることがあります。
これらの症状がある場合は、すぐに救急車を呼ぶか、緊急外来を受診してください。
臓器障害が急速に進行している可能性があり、迅速な治療が必要です。
拡張期血圧が100mmHg以上の場合も、できるだけ早く医療機関を受診すべきです。
この数値は重度の高血圧を示しており、症状がなくても臓器への負担が大きい状態です。
医師の診察を受け、適切な治療を開始することが推奨されます。
拡張期血圧が90~99mmHgの範囲にある場合は、継続的な高血圧の可能性があります。
1回の測定だけでは判断できませんので、数日から1週間程度、毎日決まった時間に血圧を測定し、その記録を持って医療機関を受診してください。
家庭血圧の平均値が拡張期85mmHg以上であれば、医師による評価と治療が必要です。
拡張期血圧が80~89mmHgの場合は、高血圧ステージ1に分類されます。
すぐに治療が必要というわけではありませんが、他のリスク要因がある場合は注意が必要です。
たとえば、肥満、糖尿病、脂質異常症、喫煙習慣、家族歴などがある方は、早めに医療機関で相談することをお勧めします。
また、以下のような症状がある場合は、血圧の数値に関わらず受診を検討してください。
- 持続する頭痛
- めまい
- 動悸
- 胸の圧迫感や痛み
- 息切れ
- むくみ
- 視力の変化
- 鼻血が頻繁に出る
これらの症状は、血圧が影響している可能性があります。
妊娠中の方は特に注意が必要です。
妊娠20週以降に拡張期血圧が90mmHg以上になった場合は、妊娠高血圧症候群の可能性があるため、すぐに産科を受診してください。
受診の際は、家庭での血圧測定記録、現在服用している薬やサプリメントのリスト、既往歴や家族歴の情報を持参すると、診察がスムーズに進みます。
医師はこれらの情報をもとに、詳しい検査が必要かどうか、治療を開始すべきかどうかを判断します。
下の血圧を下げるために今日からできること
下の血圧が高いとわかったら、適切な対策を講じることで改善が期待できます。
ここでは、日常生活の中で実践できる具体的な方法と、医療機関での治療オプションについて詳しく解説します。
できることから少しずつ始めて、継続することが何より大切です。
1日の塩分を6g以下にする具体的な減塩テクニック
食生活の改善は、下の血圧を下げるための最も基本的で効果的な方法の一つです。
特に減塩は重要な取り組みとなります。
塩分摂取を減らすことで、多くの方で血圧が低下することが研究で確認されています。
厚生労働省は、日本人の食塩摂取目標を成人男性で1日7.5g未満、成人女性で6.5g未満としています。
さらに、日本高血圧学会では、高血圧の方に対して1日6g未満を推奨しています。
減塩を実践するための具体的な方法をいくつかご紹介します。
減塩を実践する方法
| 分類 | 具体的な方法 | ポイント |
|---|---|---|
| 調味料の使い方 | 醤油・ソースは小皿につけて使う | 直接かけるより使用量を減らせる |
| 風味づけの工夫 | 塩や醤油の代わりにレモン汁・酢・ハーブ・香辛料を使用 | 塩分を減らしても味に満足感を保てる |
| 外食・加工食品 | 麺類のスープを残す、塩分表示を確認 | 外食や加工食品には塩分が多いので注意 |
| 塩蔵食品の摂取 | 漬物・梅干し・塩辛の量を控える | 少量でも塩分が多い食品に注意 |
| 味噌汁の工夫 | 1日1杯、具だくさんで汁を少なく | 塩分を抑えながら満足感を得られる |
まず、調味料の使い方を見直しましょう。
醤油やソースを料理に直接かけるのではなく、小皿に取ってつけるようにすると、使用量を大幅に減らせます。
また、塩や醤油の代わりに、レモン汁、酢、香辛料、ハーブなどを使うと、塩分を減らしても風味豊かな料理を楽しめます。
加工食品や外食には予想以上に多くの塩分が含まれています。
ラーメンやうどんのスープを全部飲むと、それだけで1日の塩分摂取目標量に近い量を摂取してしまいます。
麺類のスープは残す、あるいは最初から少なめにするといった工夫が有効です。
漬物や梅干し、塩辛などの塩蔵食品も塩分が多いため、食べる量を控えめにしましょう。
味噌汁は1日1杯程度にとどめ、具だくさんにして汁の量を減らすとよいでしょう。
血圧管理に推奨される食生活
| 項目 | 推奨される食品・食事法 | 期待される効果・ポイント |
|---|---|---|
| カリウム | バナナ、オレンジ、ほうれん草、小松菜、さつまいも、大豆製品 | 体内の塩分排出を促進し、血圧を下げる(※腎臓病の方は要相談) |
| DASH食 | 野菜、果物、全粒穀物、低脂肪乳製品を多く、飽和脂肪を控える | 血圧を約6〜11mmHg低下させる効果が報告されている |
| 食物繊維 | 全粒穀物、豆類、野菜、果物 | 軽度〜中等度の血圧低下に寄与し、腸内環境も改善 |
| オメガ3脂肪酸 | サバ、イワシなどの青魚 | 飽和脂肪酸の代替として、血圧・血中脂質の改善に有効 |
一方で、カリウムを豊富に含む食品を積極的に摂ることも推奨されます。
カリウムには腎臓から塩分を排泄しやすくする働きがあります。
バナナ、オレンジなどの果物、ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜、さつまいも、大豆製品などにカリウムが多く含まれています。
ただし、腎臓病がある方はカリウム制限が必要な場合があるため、医師に相談してください。
DASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension)という食事パターンも効果的です。
これは、野菜、果物、全粒穀物、低脂肪の乳製品を豊富に摂り、飽和脂肪酸や総脂肪を減らす食事法です。
研究によると、DASH食を実践することで、収縮期血圧を約6~11mmHg下げる効果があることが示されています。
高血圧症(収縮期血圧 > または =140 mm Hg、拡張期血圧 > または =90 mm Hg、またはその両方)の被験者 133 名では、組み合わせ食によって収縮期血圧と拡張期血圧が対照食よりもそれぞれ 11.4 mm Hg と 5.5 mm Hg 減少しました(それぞれ P < 0.001)。
引用:PubMed A clinical trial of the effects of dietary patterns on blood pressure. DASH Collaborative Research Group
食物繊維を多く摂ることも血圧管理に役立ちます。
全粒穀物、豆類、野菜、果物には食物繊維が豊富に含まれており、軽度から中等度の血圧低下効果が報告されています。
飽和脂肪酸の多い食品、たとえば脂身の多い肉、バター、生クリームなどは控えめにし、代わりに魚、特にサバやイワシなどの青魚に含まれるオメガ3脂肪酸を摂ると良いでしょう。
週3回30分のウォーキングと体重5%減で効果あり
定期的な運動は、下の血圧を下げる効果的な方法です。
運動によって血管の柔軟性が改善し、血管抵抗が低下するため、特に下の血圧に良い影響を与えます。
推奨される運動は、ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動です。
週に150分以上、できれば毎日30分程度の中強度の運動を行うことが理想的です。
中強度とは、運動中に会話ができる程度の強さを指します。
運動を始める際は、いきなり激しい運動をせず、軽いウォーキングから始めて徐々に強度や時間を増やしていくとよいでしょう。
高血圧の方が急に激しい運動をすると、かえって血圧が急上昇する危険性があるため、特に注意が必要です。
筋力トレーニングも週に2回程度取り入れると効果的です。
ただし、高負荷のウェイトを使った運動や息を止めて行う運動は血圧を一時的に大きく上昇させることがあるため、軽度から中等度の負荷で回数を多くする方法が安全です。
体重管理も重要です。
肥満がある場合、5%程度減らすだけでも血圧が低下することが研究で示されています。
平均体重減少が5kgを超える集団では、体重減少が少ない集団よりも有意に大きな血圧低下が認められ、収縮期血圧(-6.63 mmHg [95% CI、-8.43~-4.82] vs. -2.70 mmHg [95% CI、-4.59~-0.81])と拡張期血圧(-5.12 mmHg [95% CI、-6.48~-3.75] vs. -2.01 mmHg [95% CI、-3.47~-0.54])の両方において低下しました。
引用:PubMed Influence of weight reduction on blood pressure: a meta-analysis of randomized controlled trials
たとえば、体重が80kgの方なら4kg減らすことで、血圧改善の効果が期待できます。
体重を減らすためには、摂取カロリーを適切に管理し、先述した健康的な食事と運動を組み合わせることが効果的です。
極端なダイエットは避け、週に0.5~1kg程度、月に1~2kg程度のゆっくりとしたペースで減量することが、リバウンドを防ぎ長期的な成功につながります。
深呼吸・良い睡眠・禁煙がストレス対策の基本
ストレスのコントロールと規則正しい生活リズムは、血圧管理において見落とされがちですが、非常に重要な要素です。
ストレスを完全になくすことは難しいですが、適切に対処する方法を身につけることで、血圧への悪影響を軽減できます。
- 深呼吸・リラクゼーション法を習慣化する
- 瞑想・ヨガ・太極拳などを行う
- 趣味の時間を持ち、心身をリフレッシュする
- 音楽・読書・園芸など「自分が楽しめること」を見つける
深呼吸やリラクゼーション法は、簡単に実践できて効果的です。
ゆっくりと深く呼吸することで、交感神経の興奮が抑えられ、血圧が下がりやすくなります。
瞑想やヨガ、太極拳なども、ストレス軽減と血圧低下に効果があることが研究で示されています。
これらの活動は、心を落ち着かせ、身体の緊張をほぐす効果があります。
趣味の時間を持つことも大切です。
好きなことに没頭する時間は、ストレスを忘れさせ、心身のリフレッシュにつながります。
音楽を聴く、読書をする、園芸をするなど、自分が楽しめる活動を見つけましょう。
生活習慣の改善ポイント
| 項目 | 改善のポイント | 注意点 |
|---|---|---|
| 睡眠 | 毎日7~9時間の質の良い睡眠を確保 | 就寝前のスマホ使用を控える |
| 喫煙 | 禁煙外来などを利用して禁煙に取り組む | 動脈硬化を防ぐためにも重要 |
| 飲酒 | 男性:1日2杯/女性:1日1杯まで | 少量でも控えめを意識する |
| カフェイン | コーヒー・紅茶は1日2~3杯まで | 個人差があるため自分の反応を確認 |
睡眠の質と量も血圧に影響します。
睡眠不足は交感神経を活性化させ、血圧を上昇させます。
毎日7~9時間の質の良い睡眠を確保するよう心がけましょう。
就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控える、寝室を快適な温度に保つ、決まった時間に寝起きする習慣をつけるなどの工夫が有効です。
喫煙している方は、禁煙することが最も重要な健康改善策の一つです。
禁煙外来を利用するなど、サポートを受けながら取り組むと成功率が高まります。
飲酒については、過度の飲酒は血圧を上げることが明らかになっています。
少量の飲酒(1日1~2杯程度)の心血管への影響についてはまだ不明な点が多く、最新のガイドラインでは飲酒を控えることが健康的な生活習慣として推奨されています。
飲酒する場合でも、男性は1日2杯、女性は1日1杯までにとどめることが望ましいとされています。
カフェインの摂取も適度にしましょう。
コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインは、一時的に血圧を上昇させることがあります。
特に血圧が気になる方は、1日2~3杯程度までにしておくとよいでしょう。
ただし、個人差があるため、血圧への影響を確認しながら調整することが大切です。
生活改善で下がらない場合は薬による治療も検討
生活習慣の改善だけでは血圧が十分に下がらない場合や、血圧が非常に高い場合、あるいは他のリスク要因がある場合は、医師の判断により薬物治療が開始されることがあります。
降圧薬にはいくつかの種類があり、それぞれ作用メカニズムが異なります。
医師は、患者さんの血圧の状態、年齢、合併症の有無などを総合的に判断して、最適な薬を選択します。
主な降圧薬の種類と特徴
| 薬の種類 | 主な作用 | 特徴・適応例 |
|---|---|---|
| ACE阻害薬/ARB | 血圧上昇ホルモン(アンジオテンシンⅡ)の働きを抑制 | 血管拡張・腎保護作用あり。糖尿病・腎疾患併発例に使用されやすい |
| カルシウム拮抗薬 | 血管平滑筋へのカルシウム流入を抑制 | 血管拡張による血圧低下。上下の血圧をともに下げる効果 |
| 利尿薬 | 塩分・水分の排泄促進 | 血液量を減らし血圧低下。他薬との併用が多い |
| β遮断薬 | 心拍数と心拍出量を抑制 | 心疾患合併例などに有効。脈拍の減少作用あり |
よく使われる降圧薬の一つがACE阻害薬やARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)です。
これらは、血圧を上昇させるホルモンの働きを抑えることで、血管を拡張させ血圧を下げます。
また、腎臓を保護する効果もあるため、糖尿病や腎臓病を合併している方によく用いられます。
カルシウム拮抗薬も広く使用されています。
この薬は、血管の平滑筋にカルシウムが入るのを防ぎ、血管を拡張させて血圧を下げます。
上の血圧と下の血圧の両方を低下させる効果があります。
利尿薬は、腎臓での塩分と水分の排泄を促進することで、血液量を減らし血圧を下げます。
少量で効果があり、他の降圧薬と併用されることも多い薬です。
β遮断薬は、心臓の働きを抑えることで血圧を下げます。
心拍数を減らし、心臓から送り出される血液量を減少させる作用があります。
薬物治療を始めたからといって、生活習慣の改善を怠ってよいわけではありません。
むしろ、薬と生活習慣改善を組み合わせることで、より良い血圧コントロールが可能になります。
場合によっては、生活習慣の改善により薬の量を減らせることもあります。
定期的に医療機関を受診し、血圧の変化や薬の効果、副作用の有無を確認することが大切です。
自己判断で薬の服用を中止したり、量を変更したりすることは避けてください。
よくある質問(FAQ)
- 下の血圧だけが高い場合も治療が必要ですか?
-
下の血圧だけが高い場合でも、治療が必要になる可能性があります。
拡張期血圧が80mmHg以上であれば、すでに高血圧の範囲に入っており、心血管疾患のリスクが上昇している状態です。
まずは生活習慣の改善から始めることが推奨されますが、拡張期血圧が90mmHg以上の場合や、他のリスク要因がある場合は、医師の判断により薬物治療が検討されることもあります。
自己判断せず、医療機関で相談することをお勧めします。
- 下の血圧が高いのは遺伝ですか?
-
遺伝的要因は下の血圧の高さに影響を与える可能性がありますが、それがすべてではありません。
両親や兄弟姉妹に高血圧の方がいる場合、遺伝的に高血圧になりやすい体質を持っている可能性はあります。
しかし、遺伝的素因があっても、健康的な食生活、適度な運動、体重管理、ストレスコントロールなどの生活習慣を整えることで、高血圧の発症を予防したり遅らせたりすることができます。
- 下の血圧を下げる即効性のある方法はありますか?
-
残念ながら、安全で確実な即効性のある方法はありません。
深呼吸やリラクゼーションで一時的に血圧が下がることはありますが、持続的な効果は期待できません。
下の血圧を健康的に下げるには、減塩、適度な運動、体重管理などの生活習慣改善を継続的に行うことが必要です。
これらの取り組みによって、数週間から数か月で効果が現れることが期待できます。
緊急に血圧を下げる必要がある場合は、医療機関を受診して適切な治療を受けてください。
- サプリメントで下の血圧は改善できますか?
-
一部のサプリメントには血圧を下げる可能性のある成分が含まれていますが、サプリメントはバランスの取れた食事の代替にはなりませんし、高血圧の治療法としても推奨されていません。
カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルは血圧管理に役立つ可能性がありますが、これらは通常の食事から摂取することが望ましいです。
サプリメントを検討する場合は、必ず医師に相談してください。
特に、すでに降圧薬を服用している方は、相互作用の可能性があるため注意が必要です。
- 若い人でも下の血圧が高くなることはありますか?
-
はい、若い方でも下の血圧が高くなることはあります。
特に20代から50代の働き盛りの世代では、仕事のストレス、不規則な生活、運動不足、肥満、塩分の多い食事などが原因で下の血圧が上昇しやすくなります。
若いうちから下の血圧が高い状態が続くと、将来的な心血管疾患のリスクが高まるため、早期に対策を講じることが重要です。
定期的に血圧を測定し、高値が続く場合は医療機関で相談しましょう。
まとめ
下の血圧が高い状態は、決して軽視できない健康上の問題です。
この記事では、血圧の基本的な仕組みから、下の血圧が高いとされる基準値、その原因、放置した場合のリスク、そして改善するための具体的な方法までを詳しく解説しました。
重要なポイントをまとめると、拡張期血圧が80mmHg以上で高血圧の範囲に入り、90mmHg以上では医療機関での評価と治療が推奨されます。
下の血圧が高くなる主な原因には、動脈硬化による血管の弾力性低下、塩分の過剰摂取、肥満、ストレス、遺伝的要因などがあります。
放置すると、心筋梗塞、脳卒中、腎臓病、網膜症などの深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
しかし、減塩、適度な運動、体重管理、ストレスコントロールなどの生活習慣改善によって、多くの場合、血圧を下げることができます。
最も大切なのは、定期的に血圧を測定し、自分の状態を把握することです。
下の血圧が気になる数値であれば、早めに医療機関を受診し、医師と相談しながら適切な対策を講じましょう。
生活習慣の改善は今日からでも始められます。
小さな一歩の積み重ねが、将来の健康を守ることにつながります。
血圧のコントロールは一生涯続く取り組みですが、正しい知識を持ち、できることから実践していくことで、健康で充実した生活を送ることができます。
この記事が、皆さまの健康管理の一助となれば幸いです。
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