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サウナは高血圧に良い?悪い?血圧への影響と安全な入り方を解説

サウナは高血圧に良い?悪い?血圧への影響と安全な入り方を解説

高血圧でお悩みの方の中には、「サウナに入っても大丈夫なのか」「かえって血圧が上がってしまうのではないか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

サウナは温度変化が激しく、体への負担が気になるところです。

実は、サウナと血圧の関係については多くの研究が行われており、適切な入り方を守れば高血圧の方でも安全に楽しめる可能性があることがわかってきています。

サウナが高血圧に与える影響
  • 入浴中は血圧が一時的に上昇し、入浴後には低下する
  • 定期的な利用で高血圧の発症リスクが低下する可能性
  • 血管の柔軟性が改善され動脈硬化の指標が良くなる
  • 発汗と副交感神経の活性化で血圧が下がりやすくなる
  • 血圧が極端に高い場合や心臓疾患がある場合は禁忌

一方で、状態によっては注意が必要な場合や、避けるべき状況もあります。

この記事では、サウナが血圧に与える影響について科学的な根拠に基づいて解説し、高血圧の方が安全にサウナを楽しむための具体的な方法をご紹介します。

この記事でわかること
  • サウナ入浴時の血圧の変化と体への影響
  • 長期的なサウナ利用が高血圧予防に役立つ可能性
  • 高血圧の方がサウナを避けるべき状態と注意点
  • 安全なサウナの入り方と具体的な対策
はじめに(免責・注意事項)

本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。

血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。

また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。

本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。

目次

サウナは高血圧の人でも入れる?血圧への影響とは

サウナと血圧の関係は複雑で、入浴中と入浴後で血圧の変化が異なります。

まず知っておきたいのは、サウナ入浴中は一時的に血圧が上昇しますが、入浴後には低下するという特徴です。

この血圧の変動を理解することが、安全なサウナ利用の第一歩となります。

高血圧とは?サウナとの関係を知っておこう

高血圧とは、血圧が常に高い状態が続く病気です。

具体的には、収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上の状態を指します。

高血圧が進行すると、血管が硬くなり動脈硬化が進むため、心筋梗塞や脳卒中といった重篤な病気のリスクが高まります。

サウナに関しては、かつては「高血圧の人は控えるべき」という考え方が一般的でした。

しかし近年の研究では、状態が安定している高血圧の方であれば、適切な方法でサウナを利用することで、むしろ健康上のメリットが得られる可能性が示されています。

ただし、血圧のコントロール状態や合併症の有無によって、サウナの適応は個人差が大きいため、必ず主治医に相談することが重要です。

サウナに入ると血圧は上がる?下がる?入浴中の変化

サウナに入ると、体には段階的な変化が起こります。

サウナ室に入った直後は、高温環境によって交感神経が活性化され、心拍数が増加するとともに血圧が上昇します。

サウナ入浴中の血圧上昇の大きさは、サウナの温度や湿度、個人差によって異なります。

報告によると、収縮期血圧は15~20mmHg程度上昇する傾向がみられますが、拡張期血圧は変動が小さい、あるいは低下する場合もあります。

収縮期血圧は乾式サウナで20mmHg、湿式サウナで18mmHg上昇しました。これらの結果は、収縮期血圧の平均上昇が15~25mmHgであった以前の実験と類似しています[ 26 , 30 ]。

引用:PubMed Central Comparison of physiological reactions and physiological strain in healthy men under heat stress in dry and steam heat saunas

この血圧上昇は、体が熱に対応しようとする自然な反応です。

しかし、サウナ室で体が十分に温まると、今度は血管が拡張し始めます。

血管が広がることで血液の流れがスムーズになり、サウナから出た後には血圧が低下していきます

研究では、サウナ入浴後の血圧は入浴前よりも有意に低下することが確認されています。

SおよびES条件の両方において、1回目のサウナの2分間のSBPはベースラインと比較して有意に低下した(P <.05)。

引用:PubMed Central Effects of Sauna Alone and Postexercise Sauna Baths on Blood Pressure and Hemodynamic Variables in Patients With Untreated Hypertension

このような血圧の変動は、中程度の運動をしたときの体の反応に似ていると考えられています。

つまり、サウナは心臓や血管にとって一種の運動負荷をかけているような状態といえます。

高血圧の人がサウナを利用できるかどうかの判断基準

高血圧の方がサウナを利用できるかどうかは、血圧のコントロール状態と全身の健康状態によって異なります。

まず最も重要なのは、血圧が安定してコントロールされているかという点です。

薬で血圧が適切に管理されており、日常生活に支障がない方でも、医師の個別評価と許可が必須です。

心血管疾患の有無や薬の種類によって判断が異なるため、必ずかかりつけ医に相談してください。

一般に収縮期血圧180mmHg以上かつ拡張期血圧120mmHg以上は高血圧上昇危機であり、特に臓器障害を伴う場合は緊急医療が必要です。

このような状態ではサウナは避けるべきです。

また、高血圧の程度だけでなく、心臓の状態も重要な判断材料となります。

狭心症や心筋梗塞の既往がある方、心不全の症状がある方は、特に慎重な判断が必要です。

サウナを始める前には、必ずかかりつけ医に相談し、自分の健康状態でサウナが安全かどうかを確認することをお勧めします。

サウナが血圧を下げる?期待できる効果とそのしくみ

長期的な視点で見ると、定期的なサウナ利用が血圧の改善や高血圧の予防に役立つ可能性が、複数の研究から示されています。

ただし因果関係は確立されておらず、さらなる研究が必要です。

特にフィンランドで行われた大規模な長期研究では、興味深い結果が報告されています。

サウナがもたらす効果は一時的なものだけでなく、継続的に利用することで体質改善につながる可能性があるのです。

なぜサウナが血圧を下げるのか?血管への影響

サウナが血圧に良い影響を与える主な理由の一つは、血管への作用にあります。

サウナの熱によって血管が拡張すると、血管の内側を覆う内皮細胞の機能が改善されることが研究で明らかになっています。

この内皮機能は、血管の柔軟性を保ち、血液をスムーズに流すために重要な役割を果たしています。

研究では、サウナ入浴によって動脈硬化の指標である脈波伝播速度が改善し、血管がより柔らかくしなやかになることが示されています。

サウナ前の平均頸動脈–大腿動脈脈波伝播速度は9.8(2.4)m/sであったが、サウナ直後に8.6(1.6)m/sに低下した(p  < 0.0001)。

引用:Nature Acute effects of sauna bathing on cardiovascular function

血管が柔軟になると、心臓の負担が軽減され、血圧も自然と下がりやすくなります。

また、サウナによる発汗も血圧低下に寄与している可能性があります。

汗をかくことで体内の余分な水分が排出され、血液量が一時的に減少します。

これが血圧を下げる要因の一つとなっていると考えられています。

さらに、サウナのリラックス効果により副交感神経が優位になることで、緊張がほぐれて血圧が下がりやすい状態になります。

週に何回?定期的なサウナ利用で高血圧を予防できる

フィンランドで実施された約1,600人の男性を対象とした22年間の追跡研究では、サウナの利用頻度と高血圧の発症リスクに明確な関連が認められました。

この研究によると、週に1回サウナを利用する人と比較して、週に2〜3回利用する人は高血圧になるリスクが24%低下し、週に4〜7回利用する人ではそのリスクが46%も低下していました。

ただし、複数の交絡因子で調整すると、週2~3回の効果は減少する可能性があります。

週1回のサウナ利用を報告した参加者と比較して、週2~3回と4~7回のサウナ利用を報告した参加者の発症高血圧のハザード比はそれぞれ0.76(95%信頼区間:0.57-1.02)、0.54(0.32-0.91)であった。

引用:PubMed Sauna Bathing and Incident Hypertension: A Prospective Cohort Study

この効果は単なる偶然ではなく、サウナ利用の頻度が高いほど予防効果も高くなるという用量反応関係が見られています。

定期的なサウナ利用が、血管の健康を維持し、長期的に血圧を適正範囲に保つことに貢献している可能性が示唆されています。

ただし、これらの研究結果は主にフィンランド式サウナでの結果であり、温度設定は80〜100℃程度、湿度は10〜20%程度の環境で得られたものです。

また、研究の多くは健康な人や、血圧がコントロールされている人を対象としています。

すでに高血圧と診断されている方がサウナを始める場合は、これらの研究結果を参考にしつつも、必ず医師の指導のもとで進めることが大切です。

血圧以外にも!サウナがもたらす体への良い効果

サウナは血圧への効果だけでなく、心血管系全体の健康にも良い影響を与える可能性が報告されています。

複数の研究で、定期的なサウナ利用が心血管疾患による死亡リスクや突然死のリスクを低下させることが示されています。

サウナ入浴頻度の増加は、心血管疾患(SCD)、冠動脈疾患(CHD)、心血管疾患(CVD)、および全死亡リスクの低下と関連している。

引用:JAMA Internal Medicine Association Between Sauna Bathing and Fatal Cardiovascular and All-Cause Mortality Events

また、サウナには血液循環を促進する作用があるため、筋肉のこりや疲労の回復にも役立つ可能性があります。

温熱効果により新陳代謝が活発になり、老廃物の排出が促進されることも期待できます。

さらに、リラックス効果によってストレスが軽減され、睡眠の質が改善する可能性も指摘されています。

小規模な研究で定期的なサウナ利用が風邪の頻度低下と関連する報告がありますが、研究数は限定的です。

現在のところ、呼吸器感染症予防効果については確実な根拠が十分とは言えません。

これらの多様な健康効果が相互に作用することで、総合的な健康増進につながっていると考えられています。

高血圧の人がサウナに入ってはいけない場合と注意点

サウナには多くの健康効果が期待できる一方で、高血圧の方にとってはリスクとなる状況も存在します。

特に、血圧のコントロール状態や心臓の状態によっては、サウナが危険な場合があります。

自分がサウナを利用しても安全かどうかを判断するために、避けるべき状態や注意すべきリスクについて理解しておくことが重要です。

サウナを避けるべき高血圧の状態

まず、血圧が非常に高い状態、具体的には収縮期血圧が180mmHg以上、拡張期血圧が120mmHg以上の場合は、サウナの利用を控えるべきです。

このような高血圧の状態では、サウナによる血圧変動が心臓や血管に過度な負担をかけ、重大な合併症を引き起こす危険性があります。

また、血圧が不安定な状態の方も注意が必要です。

最近になって高血圧と診断されたばかりで、まだ薬の調整中である場合や、薬を飲んでも血圧が十分に下がっていない場合は、血圧が安定してからサウナを検討するようにしましょう。

高血圧に加えて心臓の病気がある場合は、特に慎重な判断が求められます。

不安定狭心症のある方、最近心筋梗塞を起こした方、重度の大動脈弁狭窄症のある方、代償不全の心不全がある方などは、サウナの利用が禁忌とされています

これらの状態では、サウナによる心臓への負荷が命に関わる事態を引き起こす可能性があるため、サウナは避けなければなりません。

ヒートショックなど高血圧の人に起こりやすい危険

高血圧の方がサウナを利用する際の最も大きなリスクは、血圧の急激な変動による心血管系への負担です。

特に危険なのが「ヒートショック」と呼ばれる現象です。

これは、サウナの高温環境と水風呂やシャワーの低温環境を行き来することで、血管が急激に拡張・収縮を繰り返し、血圧が乱高下する状態を指します。

高血圧により動脈硬化が進んでいる方の場合、このような血圧の急変動が血管の詰まりや出血を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中につながる危険性があります。

特に、サウナから出て冷たい水風呂に入ると、血管が一気に収縮して血圧が急上昇するため、高血圧の方には大きなリスクとなります。

寒冷ショック反応は、皮膚の冷感受容器によって引き起こされる反射のパターンであり、交感神経介在性頻脈、呼吸のあえぎ、制御不能な過換気、末梢血管収縮および高血圧を特徴とする

引用:PubMed Central ‘Autonomic conflict’: a different way to die during cold water immersion?

また、サウナでの大量の発汗により脱水状態に陥ると、血液が濃縮され、血栓ができやすくなります

これも心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高める要因となります。

高血圧の治療で利尿薬を服用している方は、もともと体内の水分が減少しやすい状態にあるため、脱水には特に注意が必要です。

さらに、めまいやふらつき、失神といった症状も起こりえます。

サウナから出た直後は血圧が低下しやすく、急に立ち上がると脳への血流が一時的に不足して、立ちくらみを起こすことがあります

転倒による怪我のリスクもあるため、動作はゆっくりと行うことが大切です。

サウナを始める前に必ず医師に相談すべき人

サウナを始める前に医師に相談すべきなのは、高血圧の治療を受けている方すべてです。

特に、次のような状況にある方は必ず相談してください。

高血圧の薬を服用している方は、サウナとの相互作用について確認が必要です。

降圧薬の種類によっては、サウナの血圧低下作用と薬の効果が重なることで、血圧が下がりすぎる可能性があります。

特に利尿薬、β遮断薬、ACE阻害薬、ARBなどを服用している方は、サウナによる脱水や血圧変動への影響を医師と相談しておくべきです。

また、最近血圧の薬が変更された方、薬の量が調整されたばかりの方も、血圧が安定してから医師の許可を得た上でサウナを利用するようにしましょう。

心臓の検査で異常を指摘されたことがある方、胸の痛みや息切れなどの症状がある方も、サウナの可否について必ず医師に確認してください。

高血圧の方におすすめする安全なサウナの入り方

高血圧の方がサウナを安全に楽しむためには、いくつかの重要なポイントを守る必要があります。

無理をせず、体の反応を注意深く観察しながら、段階的にサウナに慣れていくことが大切です。

ここでは、入浴前の準備から入浴後のケアまで、具体的な方法をご紹介します。

サウナに入る前にやるべきこととは?水分補給と体調チェック

サウナに入る前の準備は、安全な利用のために非常に重要です。

まず、その日の体調を必ず確認しましょう。

体調が優れない日、特に血圧がいつもより高い日や、風邪気味の日、睡眠不足の日などは、サウナの利用を控えることをお勧めします。

水分補給はサウナ前から始めることが大切です。

サウナに入る30分から1時間前に、コップ1〜2杯程度の水を飲んでおきましょう。

ただし、一度に大量の水を飲むと胃に負担がかかるため、少しずつこまめに飲むのが理想的です。

サウナ前の水分・食事・服薬に関するポイント

項目推奨・注意内容理由・背景
水分補給サウナ前30分〜1時間にコップ1〜2杯発汗に備え脱水を防ぐため
一度に大量の水避ける胃に負担をかけるため
アルコール禁止利尿作用で脱水を助長するため
カフェイン医師に相談可利尿作用の程度に個人差あり
食事食後1時間以上あける消化不良・気分不良を防ぐため
空腹避ける低血糖リスクを防ぐため
血圧の薬医師に相談薬効ピーク時の血圧低下を防ぐため

アルコールを含む飲み物は利尿作用があり、脱水を助長するため避けてください。

カフェインについては、利尿作用の大きさに関する見解が医療機関で異なるため、心配な場合は医師に相談することをお勧めします。

食事のタイミングも重要です。

満腹の状態でサウナに入ると、消化器官への血流が必要な時期に血液が皮膚表面に集中してしまい、消化不良や気分不良の原因となります。

食後は最低でも1時間以上空けてからサウナに入るようにしましょう。

逆に、空腹状態でサウナに入るのも低血糖のリスクがあるため、軽く食事をとってから適度な時間を空けることが理想的です。

血圧の薬を服用している方は、薬を飲む時間とサウナの時間の関係についても考慮が必要です。

薬の血中濃度が最も高くなる時間帯にサウナに入ると、血圧が下がりすぎる可能性があります。

薬の服用時間とサウナの時間については、事前に医師に相談しておくとよいでしょう。

サウナ室では何分?温度は?安全に過ごす方法

サウナ室に入る際は、温度と時間の管理が最も重要です。

高血圧の方は、まず低温のサウナから始めることをお勧めします。

通常のフィンランド式サウナは80〜100℃ですが、体が慣れていない場合は、より低い温度設定の施設を選ぶか、低い段に座るなどして個人差に応じた工夫をするほうが安全です。

入浴時間も短めに設定しましょう。

最初は5〜6分程度から始め、体が慣れてきたら徐々に時間を延ばしていきます。

一般的な目安としては、1回の入浴時間は10〜15分以内に抑えることが推奨されています。

20分を超える長時間の入浴は、心臓への負担が大きくなるため避けましょう。

サウナ室に入る際の基本ポイント
  • 高血圧の方は低温サウナから開始
  • 初回は5〜6分程度からスタート
  • 慣れてきたら10〜15分以内を目安に
  • 20分以上は避ける(心臓への負担が増すため)
  • 1段目・2段目など低い段に座ると安全
  • 息を止めない・深呼吸を意識
  • めまい・頭痛・胸の不快感・動悸を感じたらすぐ退出

サウナ室内での姿勢にも注意が必要です。

温度は上に行くほど高くなるため、高血圧の方は1段目や2段目など、低い位置に座ることをお勧めします。

また、横になるよりも座った姿勢のほうが、血圧の急激な変動を避けやすいとされています。

呼吸も意識してください。

熱さに耐えようとして無意識に息を止めてしまうと、血圧が上昇しやすくなります

ゆっくりと深呼吸を続け、呼吸が苦しくなったら無理をせずにサウナ室を出ましょう。

めまいや頭痛、胸の不快感、動悸などを感じたら、すぐに退出することが大切です。

水風呂は危険?休憩の取り方と冷やし方の注意点

サウナから出た後の過ごし方は、高血圧の方にとって特に注意が必要なポイントです。

最も重要なのは、水風呂の利用を避けるか、慎重に行うことです。

サウナで拡張していた血管が水風呂で急激に収縮すると、血圧が急上昇し、ヒートショックを引き起こす危険性があります。

高血圧の方は、水風呂の代わりにぬるめのシャワーを利用することをお勧めします。

サウナ後の休憩の取り方と冷やし方の注意点

項目推奨内容注意点・理由
冷却方法ぬるめのシャワーで徐々に冷やす水風呂の急冷は血圧上昇・ヒートショックの危険
冷やす順番足元 → 上半身の順急激な体温変化を防ぐため
水風呂を使う場合手足から慣らし、頭までは浸けない冷たすぎる水・長時間入浴は避ける
休憩時間椅子に座って10〜15分安静にする心拍数と血圧を安定させるため
立ち上がり方ゆっくり立つ立ちくらみ防止
水分補給休憩中もこまめに摂取脱水・血圧変動を防ぐため
高血圧・服薬中水風呂は原則避ける血圧低下や上昇のリスクを減らすため

足元から徐々に体を冷やしていき、最後に上半身にかけるようにしましょう。

冷却の速度は個人の感覚に合わせ、無理のない範囲で調整してください。

どうしても水風呂に入りたい場合は、まず手足だけを水につけて体を慣らし、決して頭まで潜らないようにします。

また、水温も冷たすぎないものを選び、入浴時間は短くすることが重要です。

しかし、血圧が高めの方や、薬でコントロールしている方は、できるだけ水風呂は避けたほうが安全です。

休憩は十分にとりましょう。

サウナから出た後は、椅子に座って10〜15分程度しっかりと休憩し、心拍数と血圧が落ち着くのを待ちます。

急に立ち上がると立ちくらみを起こしやすいため、立ち上がる際はゆっくりと動作することを心がけてください。

休憩中も水分補給を忘れずに行いましょう。

サウナから出た後は十分な水分補給とアルコール厳禁で

サウナから上がった後のケアも重要です。

まず、失われた水分を補給することが最優先です。

サウナでは条件により0.2〜0.8kg程度(約200〜800mL)から1L以上の水分が汗として失われる可能性があります。

一気に大量の水を飲むと、血液中の塩分濃度が急激に下がる低ナトリウム血症のリスクがあります。

既存の知見に基づくと、持久力運動における低ナトリウム血症は、主に水などのナトリウム含有量の少ない、または全くない液体の過剰摂取が原因であると考えられる [ 50 ]。

引用:PubMed Central Exercise-Associated Hyponatremia in Endurance and Ultra-Endurance Performance–Aspects of Sex, Race Location, Ambient Temperature, Sports Discipline, and Length of Performance: A Narrative Review

目安として1時間に500~700mL程度、連続しての1.4L超の補水は避け、こまめに飲むようにしましょう。

水分補給には、水やスポーツドリンクが適しています。

スポーツドリンクは、汗で失われた電解質(ナトリウム、カリウムなど)も補給できるため、特に大量に汗をかいた場合には有効です。

ただし、糖分の摂りすぎにならないよう、適量を守ることが大切です。

サウナ後は急激な温度変化を避け、脱衣所や休憩室も適度に暖かい環境を保つようにしましょう。

冬場など外気温が低い季節は、体が冷えすぎないよう、サウナ施設から出る際も注意が必要です。

サウナ後の水分補給のポイント

項目推奨内容注意点・理由
補給量の目安1時間に500〜700mL程度一度に大量摂取(1.4L超)は避け、こまめに飲む
補給飲料水・スポーツドリンク発汗による水分と電解質(Na・K)を補える
スポーツドリンクの注意適量を守る糖分の摂りすぎに注意
アルコール厳禁血圧低下・脱水・転倒や意識消失のリスク
環境管理脱衣所・休憩室は適度に暖かく急な温度変化・体の冷えを防ぐため
利用頻度の目安週1〜2回から開始体調を見ながら徐々に増やす

アルコールの摂取は厳禁です。

サウナ前後にアルコールを飲むと、血管拡張作用が重なって血圧が大きく下がり、転倒や意識消失のリスクが高まります。

また、アルコールには利尿作用があり、脱水を悪化させる要因にもなります。

サウナ後に事故が起きるケースの多くは、アルコールが関与していることが報告されています。

サウナの利用頻度については、研究では週に2〜3回以上の利用で健康効果が見られていますが、高血圧の方が始める場合は、まず週に1〜2回程度から始めて、体の反応を確認しながら徐々に頻度を増やしていくことをお勧めします

毎回同じパターンで入るのではなく、その日の体調に合わせて柔軟に調整することが大切です。

よくある質問

高血圧の薬を飲んでいてもサウナに入れますか?

降圧薬を服用している方でも、血圧が安定してコントロールされていれば、医師の許可のもとでサウナを利用できる可能性があります。

ただし、利尿薬やβ遮断薬など薬の種類によっては、サウナの脱水作用や血圧低下作用と相互作用を起こす場合があります。

サウナを始める前に、必ず主治医に相談し、服薬のタイミングや注意点について確認してください。

サウナで血圧が急に上がることはありますか?

サウナ入浴中は一時的に血圧が上昇します。

特に高温のサウナに入った直後や、サウナから冷たい水風呂に入った際には、血圧が急激に上がる可能性があります。

このため、高血圧の方は低温サウナを選び、水風呂は避けるかぬるめのシャワーで代用することが推奨されています。

どのくらいの頻度でサウナに入るのが適切ですか?

研究では週に2〜3回以上のサウナ利用で健康効果が認められていますが、高血圧の方が始める場合は、まず週に1〜2回程度から始めて体を慣らすことをお勧めします。

体調に応じて無理のない範囲で頻度を調整し、決して毎日連続で入るような過度な利用は避けましょう。

サウナと水風呂の温度差は高血圧に危険ですか?

はい、高血圧の方にとって急激な温度差は危険です。

サウナの高温から水風呂の低温への急激な変化は、血管の収縮・拡張を引き起こし、血圧が乱高下するヒートショックの原因となります。

高血圧の方は水風呂を避け、30℃程度のぬるめのシャワーで徐々に体を冷やす方法をお勧めします。

サウナ後に血圧が下がりすぎることはありますか?

サウナ入浴後は血管が拡張しているため、血圧が一時的に低下します。

降圧薬を服用している方や、もともと血圧が低めの方は、血圧が下がりすぎてめまいやふらつきを起こす可能性があります。

サウナから出た後はゆっくりと動作し、十分な休憩と水分補給を行い、急に立ち上がらないよう注意してください。

まとめ

サウナと高血圧の関係について、科学的な研究に基づいた情報をご紹介してきました。

サウナは入浴中に一時的な血圧上昇を引き起こしますが、入浴後には血圧が低下し、長期的には高血圧の予防や改善に役立つ可能性が示されています。

ただし、高血圧の方がサウナを安全に楽しむためには、いくつかの重要な条件があります。

まず、血圧が安定してコントロールされていること、主治医の許可を得ること、そして適切な入り方を守ることです。

収縮期血圧が180mmHg以上、拡張期血圧が120mmHg以上の方や、不安定狭心症や心不全など重度の心臓病がある方は、サウナの利用を避けなければなりません。

安全な入り方のポイントは、低温のサウナを選ぶこと、短時間から始めて徐々に慣らすこと、水風呂は避けてぬるめのシャワーを利用すること、十分な水分補給を行うこと、そして決してアルコールと併用しないことです。

また、その日の体調に合わせて無理をせず、めまいや胸の不快感などの症状が出たらすぐに中止することが大切です。

サウナは正しく利用すれば、リラックス効果や血液循環の改善など、多くの健康効果が期待できます。

しかし、高血圧の方にとっては、慎重な判断と適切な方法が不可欠です。

サウナを始める際は必ず医師に相談し、自分の健康状態に合った安全な方法を確認してから楽しむようにしましょう。

参考文献・参考サイト

特定非営利活動法人 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019

PubMed Central Comparison of physiological reactions and physiological strain in healthy men under heat stress in dry and steam heat saunas

PubMed The blood pressure and heart rate during sauna bath correspond to cardiac responses during submaximal dynamic exercise

PubMed Central Effects of Sauna Alone and Postexercise Sauna Baths on Blood Pressure and Hemodynamic Variables in Patients With Untreated Hypertension

American Heart Association Journals The Management of Elevated Blood Pressure in the Acute Care Setting: A Scientific Statement From the American Heart Association 

Mayo Clinic Proceedings Cardiovascular and Other Health Benefits of Sauna Bathing: A Review of the Evidence

Nature Acute effects of sauna bathing on cardiovascular function

PubMed Sauna Bathing and Incident Hypertension: A Prospective Cohort Study

PubMed The multifaceted benefits of passive heat therapies for extending the healthspan: A comprehensive review with a focus on Finnish sauna

JAMA Internal Medicine Association Between Sauna Bathing and Fatal Cardiovascular and All-Cause Mortality Events

PubMed Regular sauna bathing and the incidence of common colds

Harvard Health Publishing Sauna Health Benefits: Are saunas healthy or harmful? 

PubMed Benefits and risks of sauna bathing

American Heart Association You’re not a polar bear: The plunge into cold water comes with risks

PubMed Central ‘Autonomic conflict’: a different way to die during cold water immersion?

PubMed Sauna effects on hemorheology and other variables

Centers for Disease Control and Prevention Heat and Medications – Guidance for Clinicians

公益社団法人 日本サウナ・スパ協会 ととのう2.0 – 活動・支援

PubMed Central Beat-to-Beat Blood Pressure and Heart Rate Responses to the Valsalva Maneuver 

PubMed Central Correlations between Repeated Use of Dry Sauna for 4 x 10 Minutes, Physiological Parameters, Anthropometric Features, and Body Composition in Young Sedentary and Overweight Men: Health Implications

PubMed Central Exercise-Associated Hyponatremia in Endurance and Ultra-Endurance Performance–Aspects of Sex, Race Location, Ambient Temperature, Sports Discipline, and Length of Performance: A Narrative Review

PubMed Death in sauna

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