「血圧が高いと大腸カメラは受けられないのでは?」「降圧薬は検査の日も飲んでいいの?」そんな疑問を持ちながら、検査の予約をためらっている方は少なくありません。
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は、大腸がんの早期発見や大腸ポリープの処置に欠かせない検査ですが、高血圧の方にとっては「体に負担がかかるのでは」「検査中に血圧が急に変わったりしないか」と、不安を感じやすい検査でもあります。
結論からお伝えすると、高血圧があっても、ほとんどの場合は大腸カメラを安全に受けることができます。
血圧が高いこと自体は、検査を断る理由にはなりません。
実際の医療現場でも、高血圧の患者さんが毎日のように大腸カメラを受けており、複数の研究でもその安全性が確認されています。
ただし、飲んでいる薬の種類や当日の血圧の状態によっては、事前に医師に相談が必要なケースもあります。
- 血圧値の高さより臓器への影響や薬の種類が判断基準になる
- 検査前の血圧の高さと検査中トラブルの明確な関連が確認されていない
- 血圧がある程度コントロールされていれば通常通り検査を受けられる
- 検査中は定期的にバイタルを確認し異常時に対応できる体制が整っている
- 血圧が著しく高い場合や、特定の薬の使用中は事前に医師への相談が必要
この記事では、高血圧をお持ちの方が大腸カメラを受けるときに知っておきたいことを、順番にわかりやすく整理しています。
血圧の薬はいつ・どのように飲めばよいか、血液をサラサラにする薬はどう扱うか、検査中に血圧が変わりやすい場面はどこか、そして前日・当日の準備として何をすればよいかを解説します。
正しい知識を持つことが、不安を解消する一番の方法です。
ぜひ最後までお読みください。
- 高血圧があっても大腸カメラを受けられる理由と、例外的に注意が必要なケース
- 降圧薬(血圧を下げる薬)を検査前後にどのように扱うべきか
- 検査中に血圧が変動しやすい場面と、その理由
- 安全に検査を受けるために前日・当日にやるべき準備
はじめに(免責・注意事項)
本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。
血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。
また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。
本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。
高血圧があっても大腸カメラは基本的に受けられる
高血圧と診断されていると、「体に負担のかかる検査は難しいのでは」と心配になるのは自然なことです。
しかし実際には、血圧が高いというだけで大腸カメラを断られることは、基本的にありません。
血圧の高さそのものより、「今どのくらいの数値か」「急激な血圧の変化や心臓の状態が不安定でないか」「何か症状があるか」「どんな薬を飲んでいるか」といった点の方が、検査を受けられるかどうかの判断に関係します。
医学的にも、血圧の高さと検査中のトラブルが直接つながっているわけではないことが、いくつかの研究で示されています。
ただし、血圧が非常に高い状態のときや、特定の薬を飲んでいる場合には、事前に医師に相談することが大切です。
ここでは「どういう場合は問題ないのか」「どういう場合に確認が必要なのか」という2つの視点から説明します。
血圧が高いだけで検査を断られることは基本的にない
アメリカ消化器病学会(ACG)で報告された一部の研究では、検査前の血圧の高さと、検査中の心臓や肺に関わるトラブルとの間に明確な関係は見られませんでした。
ただし、これらは血圧が極端に高い重症患者すべてに当てはまるわけではありません。
上の血圧が180mmHgを超えるような非常に高い状態では、まずは臓器に負担がかかっていないかを評価する必要があり、一般的には無理に検査を進めず、安全を優先して延期や治療を検討します。
別の研究では、626人の患者を対象に、高血圧の有無と検査中の血圧変化の関係を調べました。
その結果、降圧薬を飲んでいること自体は、検査中に血圧が下がりすぎるリスクとは関係がないことがわかっています。
降圧薬の服用は、種類に関わらず、処置中の低血圧のリスク増加とは関連していなかった(すべてp>0.05)。
引用:PubMed Central Anti-Hypertensive Therapy and Risk Factors Associated with Hypotension during Colonoscopy under Conscious Sedation
つまり、「高血圧だから検査が危ない」というわけではなく、血圧がある程度コントロールされていれば、通常通り検査を受けることができます。
検査前には血圧の確認が行われますが、それはあくまでも安全のための標準的な手順です。
数値が少し高くても、すぐに検査が中止になるわけではありません。
「高血圧があるから無理」と最初から諦める必要はなく、まずはかかりつけ医や検査施設に相談してみることが大切です。
血圧が著しく高い場合や特定の薬を使用中の場合は事前相談が必要
一般的に、上の血圧が180mmHg以上・下の血圧が120mmHg以上という非常に高い状態は、医学的に特別な注意が必要な段階とされています。
米国立医学図書館(NIH)の資料によると、この状態はさらに2種類に分けられます。
高血圧緊急症と重症高血圧の目安
| 状態 | 血圧の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 高血圧緊急症 | 上180mmHg以上/下120mmHg以上 | 心臓・脳・腎臓などの臓器にダメージが起きている |
| 臓器障害を伴わない重症高血圧(旧:高血圧切迫症) | 上180mmHg以上/下120mmHg以上(目安) | 臓器へのダメージはないが血圧が著しく高い |
どちらも医師による判断が必要であり、このような状態で検査を予定している場合は、まず主治医に相談してください。
また、普段から「血液をサラサラにする薬」を飲んでいる方も、事前の確認が必要です。
この薬については次の章でくわしく説明しますが、検査の内容によって飲み方を調整する必要が出てくる場合があります。
思い当たる薬がある場合は、検査の予約時に申告しておくと安心です。
降圧薬は基本的に継続するが、薬の種類によっては一時中止が必要
大腸カメラを受ける前に患者さんからよく聞かれるのが、「検査の当日も薬を飲んでよいですか?」という質問です。
降圧薬については、基本的には飲み続けることが推奨されますが、薬の種類や患者さんの状態に合わせて個別に判断されます。
自己判断で薬を止めてしまうことの方が、むしろ危険です。
降圧薬(特にβ遮断薬など)を急にやめると、抑えられていた血圧が一気に跳ね上がることがあります。
検査中に血圧が急上昇すると、心臓や血管に余計な負担がかかり、安全な検査が難しくなる可能性があります。
薬を続けて飲むことで血圧を安定させておくことが、安全な検査につながります。
ただし、降圧薬の中でも種類によって注意点が異なるものがあります。
特に「血液をサラサラにする薬」は、検査でポリープを切除する可能性がある場合、出血のリスクとの兼ね合いで一時的に薬を止める必要が出てくることがあります。
薬の種類ごとの対応を、この章でわかりやすく解説します。
降圧薬を中断すると検査中に血圧が急上昇するリスクがある
アメリカのテンプル大学医学部が行った研究では、ARB・カルシウム拮抗薬・利尿薬などの降圧薬を服用している患者さんを調べた結果、薬を飲み続けていることが検査中の血圧低下(低血圧)のリスクを高めることはなかったと報告されています。
この研究の結論として、「大腸カメラを受ける患者は、検査直前まで降圧薬を継続すべき」とはっきり述べられています。
カナダの患者向けガイドラインでも、「血圧の薬は検査の準備期間中も飲み続けてください。コップ一杯の少量の水で検査の数時間前(施設により2〜4時間前など異なります)までに服用してください」と案内されています。
ただし、すべての薬をいつも通り飲んでよいわけではなく、種類によっては事前の調整が必要です。
降圧薬の中でも「ACE阻害薬」や「ARB」と呼ばれる種類は、下剤によって体の水分が減った際に腎臓へ負担をかけるリスクがあるため、前日や当日に一時的な休薬を指示されることがよくあります。
さらに、腎機能の悪化を防ぐため検査後72時間まで薬の再開を見合わせることが推奨される場合もあります。
自己判断で薬を止めることは避け、不安な点は必ず医師に確認してください。
主な降圧薬の種類と検査前の基本的な対応をまとめると、以下のようになります。
大腸カメラ前における降圧薬の基本対応
| 薬の種類 | 代表的な薬の例 | 検査前の基本対応 |
|---|---|---|
| ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬) | テルミサルタン、オルメサルタンなど | 腎臓への負担を防ぐため、前日や当日に一時中止となることがある。担当医の指示に従う |
| カルシウム拮抗薬 | アムロジピンなど | 基本的に継続 |
| ACE阻害薬 | エナラプリルなど | 腎臓への負担を防ぐため、前日や当日に一時中止となることがある。担当医の指示に従う |
| 利尿薬 | ヒドロクロロチアジドなど | 脱水やミネラルの乱れを防ぐため、原則として前日や当日に一時中止となる。担当医の指示に従う |
| β遮断薬 | メトプロロールなど | 基本的に継続 |
※上記はあくまでも一般的な目安です。必ず担当医の指示を優先してください。
血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)は事前に医師への確認が必要
「血液をサラサラにする薬」には、大きく分けて2つの種類があります。
ひとつは血液が固まるのを防ぐ「抗凝固薬」(ワルファリン・アピキサバン・リバーロキサバンなど)、もうひとつは血小板という血液の成分が固まりにくくする「抗血小板薬」(アスピリン・クロピドグレルなど)です。
これらは心臓病や脳梗塞の予防のために処方される薬であり、降圧薬とはまったく異なる働きをします。
欧州消化器内視鏡学会(ESGE)と英国消化器病学会(BSG)が共同で作成したガイドラインによると、大腸の観察を目的とした一般的な大腸カメラであれば、多くは飲み続けたまま検査を受けられます。
しかし、一部の抗凝固薬(DOACなど)は、観察のみでも当日の朝に休薬するよう指示されることがあります。
また、ポリープを切除する可能性がある場合は出血リスクが高まるため、薬の種類やポリープの大きさに応じて、一時的に薬を止める必要が出てくることがあります。
抗血栓薬と検査前の対応目安
| 薬の分類 | 代表的な薬の名前 | 観察のみの検査 | ポリープ切除を行う場合 |
|---|---|---|---|
| 抗凝固薬 | ワルファリン、アピキサバン(エリキュース)、リバーロキサバン(イグザレルト)など | 薬の種類によっては、観察のみでも当日朝などに一時休薬が必要な場合がある | 薬の種類・ポリープの大きさにより休薬が必要なことがある |
| 抗血小板薬(単独) | アスピリンなど | 継続可 | 多くの場合継続可 |
| 抗血小板薬(複数併用) | アスピリン+クロピドグレルなど | 多くの場合継続可 | 担当医への確認が必要 |
ポリープが見つかるかどうかは事前には予測できないため、これらの薬を飲んでいる方は、検査の予約時に必ず申告し、担当医の指示に従ってください。
大腸カメラの検査中は血圧が変動しやすい場面がある
大腸カメラは体への負担が少ない安全な検査ですが、検査の前後を通じて血圧が変動しやすい場面があることは、あらかじめ知っておいてほしい点です。
これは高血圧の方に限った話ではなく、大腸カメラを受けるすべての方に共通することです。
ただし、もともと血圧が高い方は、その影響を受けやすいことがあります。
複数の研究では、大腸カメラを受けた患者さんの約44%に血圧の変化が、約71%に血圧や脈拍の異常を含む何らかの変動が確認されたと報告されています。
また、検査中の変化としては血圧や心拍の低下が多く見られます。
ただし、これは必ずしも危険な状態を意味しているわけではありません。
検査中は血圧・脈拍・血中酸素濃度を機械で定期的に(5〜10分ごとなど)確認しているため、万が一異常が出てもすぐに対応できる体制が整っています。
血圧がどんな場面で変わりやすいかを事前に把握しておくことで、検査への不安を和らげることができます。
特に注意が必要な場面は「腸管洗浄(下剤を飲む段階)」と「鎮静剤を使う場合」の2つです。
腸の洗浄液を飲む際や、検査に伴う痛みなどで血圧が変動しやすい
大腸カメラの前日から当日にかけて、腸の中をきれいにするための下剤を大量に飲みます。
この下剤によって腸の中が洗い流される過程で、体の水分と「電解質」と呼ばれるミネラル成分(ナトリウムやカリウムなど)のバランスが乱れることがあります。
水分が不足する(脱水)と血圧が下がりやすくなり、電解質のバランスが崩れることでも体調に影響が及ぶことがあります。
本研究コホートのほぼ3分の1で術中低血圧が顕著にみられ、輸液反応性を示す患者ほど術中低血圧が顕著にみられる傾向があった。
引用:PubMed Central Fluid responsiveness and hypotension in patients undergoing propofol-based sedation for colonoscopy following bowel preparation: a prospective cohort study
また、カメラを腸の奥まで進める際にスコープによって腸が引っ張られたり、痛みを感じたりすることが、一時的な血圧の変動につながることもあります。
こうした変動は多くの場合、一時的なものです。
高血圧の方は腸管洗浄の間も水分をこまめに補給するよう心がけ、以下のような症状が出たときには、無理をせず医療スタッフに伝えてください。
- 強いふらつきや立ちくらみ
- 激しい頭痛
- 動悸(心臓がドキドキする感覚)
- 強い吐き気や嘔吐
- 顔が青白くなる、冷や汗が出る
鎮静剤を使う場合は血圧が下がりすぎることもあるため注意が必要
大腸カメラを受けるとき、多くの方は「うとうとする薬(鎮静剤)」を使います。
検査中の不快感や緊張を和らげるために投与するものです。
日本で広く使われているのは主に「ミダゾラム」ですが、施設によっては「プロポフォール」や、2025年6月に新しく承認された「レミマゾラム」という薬が使われることもあります。
どれも安全に使われている薬ですが、血圧を下げる働きを持つため、投与量によっては血圧が下がりすぎることがあります。
鎮静剤の種類と血圧への影響
| 鎮静剤の種類 | 血圧低下のリスク | 特徴 |
|---|---|---|
| ミダゾラム | 比較的低い | 日本で広く使用されている |
| プロポフォール | やや高い(2025年のメタ解析では36.9%に血圧低下を確認) | 回復が早く、目覚めがすっきりしやすい |
| レミマゾラム | 比較的低い | 新しく承認された薬で、血圧への影響が比較的少ないとされる |
2025年に報告されたメタ解析の研究によると、プロポフォールを使った場合、約36.9%の検査で血圧低下が記録されました。
ミダゾラムもプロポフォールに比べると頻度は低いものの、血圧低下が起こる可能性があります。
循環系への影響は非常に少ない.軽い末梢血管抵抗の低下で軽度の血圧低下が起こる.
引用:J-STAGE 内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版)
そのため、高血圧や心臓に持病がある方に対しては、どの薬を使う場合でもより慎重に量が調整されます。
血圧が下がりすぎる状態(低血圧)は、心臓や腎臓に負担をかける可能性があるため、担当医は患者さんの体の状態に合わせて薬の量を慎重に調整します。
もともと降圧薬によって血圧がある程度低めにコントロールされている方は、鎮静剤の影響で血圧がさらに下がることもあるため、服用中の薬を事前にしっかり伝えることが特に重要です。
検査前に「どんな鎮静の方法を使うのか」を担当医に確認しておくと、より安心して検査に臨めます。
前日と当日の準備をしっかり整えることで安全に検査を受けられる
高血圧のある方が大腸カメラを安全に受けるためには、検査前後の準備がとても大切です。
特別に難しいことをする必要はなく、基本的には検査施設から指示された内容をきちんと守ることが、リスクを下げることにつながります。
それに加えて、高血圧の方が特に意識しておきたいポイントがいくつかあります。
前日の食事制限や下剤の正しい飲み方を守ることはもちろん、洗浄中の水分補給や体調の変化にも気を配ることが大切です。
当日は、飲んでいる薬の情報と普段の血圧の数値を医療スタッフに事前に伝えることで、検査中の血圧管理がより丁寧になります。
準備をしっかり整えて、当日はスタッフに遠慮なく情報を伝えることが、安心して検査を受けるための一番の近道です。
前日と当日のそれぞれのステップを、順番に確認していきましょう。
前日は指定の食事制限を守り、下剤を正しい手順で飲む
検査の前日は、消化に悪いものを避けた食事をとる必要があります。
具体的には、食物繊維の多い野菜・きのこ・海藻類・揚げ物などは控え、検査施設から指定された消化のよいメニューを選んでください。
これは腸の中をきれいにして、カメラで大腸の内側をしっかり観察できるようにするためです。
- 食物繊維の多い野菜(ごぼう、ほうれん草、キャベツなど)
- きのこ類(しいたけ、えのきなど)
- 海藻類(わかめ、ひじきなど)
- 揚げ物、脂っこいもの
- アルコール飲料(施設の指示による)
- 牛乳や乳製品(施設の指示による)
また、前日の夜から翌朝にかけて、腸管洗浄液(下剤)を決められた手順と量で飲む必要があります。
高血圧の方は、この洗浄の過程で水分不足や電解質の乱れによって血圧が変動しやすいことを前の章でお伝えしました。
洗浄中は指示された量の水分をこまめにとり、ふらつき・激しい頭痛・気分の悪さを感じたときは無理をせず、検査施設に連絡することをお勧めします。
食事制限中であっても、降圧薬は基本的に服用しますが、薬の種類(利尿薬やACE阻害薬など)によっては休薬の指示が出ることもあるため、必ず事前に確認した施設の指示に従ってください。
検査当日の朝の服薬については「少量の水で検査の2〜4時間前までに飲む」など施設によってルールが異なるため、必ず受診する施設の指示に従ってください。
当日は服用中の薬と血圧の状態をスタッフに必ず伝える
検査当日、受付や問診のときには、現在飲んでいるすべての薬の名前と量を医師や看護師に伝えてください。
特に降圧薬の種類(ARB・カルシウム拮抗薬・利尿薬など)や、血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合は、必ず申告が必要です。
薬の種類によっては、鎮静剤と組み合わさることで血圧が変わりやすくなることがあり、事前に把握することでスタッフが適切な対応をとることができます。
また、必須ではありませんが、当日の朝に自宅で測った血圧の数値を手帳やメモに記録して持参したり、口頭でスタッフに伝えたりしていただくと、実際の診療において大変役立ちます。
普段の血圧がわかっていると、検査中の変動が正常な範囲かどうかを判断しやすくなります。
もし当日の朝から上の血圧が180mmHgを超えているなど、いつもより明らかに高い場合は、検査前に必ず担当医に伝えてください。
そのときの状態に応じて、血圧が落ち着いてから検査を始めるといった対応をとってもらえます。
- 飲んでいるすべての薬の名前と用量(お薬手帳があれば持参する)
- 血液をサラサラにする薬を飲んでいるかどうか
- 当日の朝に測った血圧の値
- 普段の血圧のおおよその数値
- 体調の変化や気になる症状(頭痛・動悸・ふらつきなど)
よくある質問(FAQ)
- 検査前夜に血圧が上がってしまいました。翌日の検査はどうすればいいですか?
-
まず検査施設に連絡して、現在の状態を伝えることをお勧めします。
大腸カメラ専用の全国一律の中止基準はありませんが、上の血圧が180mmHgを超える状態が続く場合は、担当医の判断によって検査を延期することもあります。
通常の範囲内であれば予定通り実施できることが多いです。
自己判断で降圧薬を余分に飲むことは、血圧が下がりすぎる恐れがあるため避けてください。
- 腸の洗浄中にふらつきや気分の悪さを感じました。続けて大丈夫でしょうか?
-
下剤を大量に飲むことで、一時的に体の水分やミネラルのバランスが乱れ、ふらつきや頭痛、気分の悪さが起きることがあります。
軽い場合は水分を補給しながら休めば改善することが多いですが、ふらつき・動悸・激しい頭痛が続く場合は無理をせず、検査施設に連絡してください。
- 鎮静剤(眠れる薬)を使わずに大腸カメラを受けることもできますか?
-
鎮静なしでの検査を希望する場合は、事前に担当医に伝えることで対応してもらえる場合があります。
ただし、高血圧の方は緊張や痛みで血圧が上がりやすいため、少量の鎮静剤を使った方が安全な場合もあります。
使うかどうかは担当医とよく相談して決めるのがよいでしょう。
まとめ
高血圧があっても、ほとんどの場合は大腸カメラを安全に受けることができます。
「血圧が高いから検査は無理」と最初から諦めなくても大丈夫です。
この記事で解説してきたポイントを以下にまとめます。
- 降圧薬は自己判断でやめず、事前に医師へ伝えて薬の指示を仰ぐ
- 血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合は、検査の予約時に必ず医師に申告する
- 腸管洗浄中は水分補給をこまめに行い、体調の変化に気を配る
- 当日は飲んでいる薬の名前・用量と、当日朝の血圧の数値をスタッフに伝える
- 上の血圧が180mmHg以上など、いつもより明らかに高い場合は必ず担当医に相談する
検査中は血圧が変動しやすい場面もありますが、検査室では血圧・脈拍・血中酸素濃度を機械で定期的にモニタリングしており、何かあればすぐに対応できる体制が整っています。
前日の準備をきちんと行い、当日は薬や体調について遠慮なく医療スタッフに伝えることが、安全な検査への一番の近道です。
大腸がんは、早期に発見できれば非常に高い確率で治すことができるがんです。
高血圧を理由に検査をためらうことで、大切な発見の機会を逃してしまわないよう、まずはかかりつけ医や消化器科に相談することをお勧めします。
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National Center for Biotechnology Information Hypertensive Crisis
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American College of Gastroenterology American College of Gastroenterology-Canadian Association of Gastroenterology Clinical Practice Guideline: Management of Anticoagulants and Antiplatelets During Acute Gastrointestinal Bleeding and the Periendoscopic Period
PubMed Physiologic changes during colonoscopy
PubMed Central Electrolyte disturbances after bowel preparation for colonoscopy: Systematic review and meta‐analysis
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 アネレム®静注用 新効能追加承認および新剤形承認のお知らせと 適正使用へのご協力のお願い
Multidisciplinary Digital Publishing Institute Comparison of the Safety and Efficacy of Remimazolam and Propofol for Sedation in Adults Undergoing Colonoscopy: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
J-STAGE 内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版)
Guy’s and St Thomas’ NHS Foundation Trust Colonoscopy: Diet Advice and Bowel Preparation
UCLA Health Colonoscopy Prep Instructions
National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases Colonoscopy
American Heart Association Understanding Blood Pressure Readings


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