キムチは韓国を代表する発酵食品で、近年は日本でも広く食卓に並ぶようになりました。
独特の辛みと酸味が好きな方も多い一方で、「高血圧の自分が食べても大丈夫なのか」「塩分が多いから控えた方がいいのでは」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
実はこの疑問、「良い」とも「悪い」とも一言では言い切れない複雑な背景があります。
キムチは塩を使ってつくる食品なので、塩分量は確かに無視できません。
しかし同時に、発酵の過程で生まれる乳酸菌や、赤唐辛子に含まれるカプサイシンという成分には、血圧を下げる方向に働く可能性があることも研究で報告されています。
つまりキムチは、「血圧を上げる可能性のある成分(塩分)」と「血圧を下げる方向に働く可能性のある成分(乳酸菌・カプサイシンなど)」の両方をあわせ持つ、少し特別な食品なのです。
- 乳酸菌が腸内環境を整え血圧を下げる可能性がある
- カプサイシンが血管を広げ血圧低下に働くことがある
- 塩分過多で血液量が増し血圧上昇リスクがある
- 低塩分キムチなら血圧への悪影響が出にくい
- カリウム豊富な食品と組み合わせると塩分影響を緩和できる
この両面を知らずに、「体に良さそうだからたくさん食べる」でも「怖いから一切やめる」でも、どちらも正しい判断とはいえません。
大切なのは、正しい情報をもとに、自分に合った食べ方と量を選ぶことです。
食べる量や塩分のあるなしによって、血圧への影響はかなり変わります。
また、一緒に食べるものを工夫することで、塩分の影響を和らげることもできます。
この記事では、キムチと血圧の関係について、研究データをもとに医師の立場からわかりやすくお伝えします。
「キムチが好きだけれど血圧が心配」という方の、毎日の食事選びに役立てていただければ幸いです。
- キムチに含まれる血圧に関わる成分とそのはたらき
- 塩分の多いキムチを食べ続けるとどうなるか
- 高血圧の人が意識すべき1日の量と食べ方のコツ
- 塩分の影響を和らげる食材の組み合わせ方
はじめに(免責・注意事項)
本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。
血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。
また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。
本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。
キムチには血圧を下げる成分と塩分の両方が含まれている
キムチは白菜を塩に漬けたあと、唐辛子・にんにく・生姜などで味付けし、乳酸菌による発酵を経てつくられる食品です。
この工程を経ることで、キムチにはさまざまな体に働きかける成分が生まれます。
血圧との関係で見ると、「血圧を下げる方向に働く可能性のある成分」と「血圧を上げるリスクのある成分」の両方が、一つの食品の中に入っているのが特徴です。
発酵によって増える乳酸菌や、唐辛子に含まれるカプサイシンは前者の代表で、製造に使う塩からくる塩分は後者にあたります。
どちらの影響が大きく出るかは、どのくらい食べるか、どんな塩分量のキムチを選ぶか、そして何と合わせて食べるかによって変わってきます。
「キムチは体に良い」とも「高血圧には危険」とも簡単に断言できないのは、こうした事情があるからです。
以下では、それぞれの成分について、研究データをもとに詳しく説明していきます。
キムチに含まれる主な成分と血圧への影響
| 成分 | 主な由来 | 血圧への影響 |
|---|---|---|
| 乳酸菌 | 発酵過程 | 下げる方向に働く可能性がある |
| カプサイシン | 赤唐辛子 | 下げる方向に働く可能性がある |
| ナトリウム(塩分) | 製造時の塩 | 摂りすぎると上げるリスクがある |
乳酸菌やカプサイシンが血圧を下げる方向に働く
キムチに含まれる注目成分として、まず乳酸菌があります。
発酵の過程でキムチにはさまざまな乳酸菌が育ち、それらが腸の環境を整えることで、血圧の調整に関わる体のしくみに良い影響を与える可能性があります。
乳酸菌が血圧を下げる理由のひとつとして、血管を締め付けるホルモンをつくる「酵素」のはたらきを抑える物質を作り出すことが関係しているのではないかと考えられています。
しかし、キムチを食べた場合にこの働きがどの程度現れるかは、まだはっきりと証明されているわけではありません。
複数の研究をまとめた分析によると、乳酸菌を含む発酵食品全体を継続して食べることで、上の血圧が平均3〜5mmHg、下の血圧が1〜4mmHg程度下がる可能性があることが示されています。
ただし、これはキムチだけの効果ではなく、ヨーグルトやサプリメントなどを含めた結果である点に注意が必要です。
3 ~ 24 週間の摂取後、収縮期血圧 (SBP) は 3.10 ~ 5.04 mmHg、拡張期血圧 (DBP) は 0.39 ~ 3.84 mmHg 低下しました。
引用:PubMed Central Effect of probiotic foods and supplements on blood pressure: a systematic review of meta-analyses studies of controlled trials
もう一つ注目したいのが、赤唐辛子に含まれるカプサイシンです。
カプサイシンは体内の特定の受容体(センサーのようなもの)に結合して、血管を広げる物質の産生を助けることで、血圧を下げる方向に作用する可能性があります。
高血圧のラットを使った動物実験では、カプサイシンを継続的に与えると血圧が低下したことが確認されています(人間の試験をまとめた分析では、今のところ血圧をはっきりと下げる効果は確認されていません)。
また、9,273人を対象とした大規模な調査では、辛い食品をよく食べる女性において高血圧になりにくい傾向があったことが報告されています(男性では明らかな差は見られませんでした)。
辛い食べ物を食べない女性参加者と比較して、通常辛い食べ物を食べる女性参加者の高血圧の調整オッズ比は0.740(95%信頼区間0.569、0.963、P=0.025)、中程度の辛さの辛い食べ物を食べる女性参加者の高血圧の調整オッズ比は0.760(95%信頼区間0.624、0.925、P=0.006)でした。
引用:PubMed Sex-dependent difference in the association between frequency of spicy food consumption and risk of hypertension in Chinese adults
ただし、こうした研究の多くは動物を使った実験や、生活習慣を観察する研究であり、「人間がキムチを食べたら血圧が下がる」と確定的に言える段階ではありません。
「血圧に良い可能性のある成分が入っている」という理解が現時点では正確です。
塩分が多いため、食べすぎると血圧が上がるリスクがある
キムチの塩分量は作り方や商品によって差がありますが、日本の食品成分表によると100グラムあたり約1,100mgのナトリウムが含まれています。
これを食塩の量に換算すると、約2.9グラムになります。
小皿1杯(50〜75グラム程度)であれば塩分は約0.7〜1グラムに収まりますが、おかわりを重ねたり、他の塩辛いおかずと組み合わせたりすると、1日の塩分量はすぐに多くなってしまいます。
キムチの量と塩分量の目安
| 食べる量 | ナトリウム量 | 食塩換算 |
|---|---|---|
| 小皿1杯(約50g) | 約550mg | 約1.5g |
| 小皿2杯(約100g) | 約1,100mg | 約2.9g |
| 小皿3杯(約150g) | 約1,650mg | 約4.4g |
塩分と血圧の関係は、長年にわたる多くの研究で裏付けられています。
世界保健機関(WHO)は、大人が1日に摂ってよいナトリウムの量を2グラム未満(食塩に換算すると約5グラム以下)に抑えるよう強く勧めています。
なぜ塩分が多いと血圧が上がるかというと、体の中に水分が増えて血液の量が増すだけでなく、血管が収縮したり腎臓の働きに影響したりして、心臓が血液を送り出すのにより強い力が必要になるからです。
これが血圧の上昇につながります。
高塩分摂取はヒトにおいて局所的なアンジオテンシンIIの生成を促進し、血管緊張と機能に局所的な影響を与える可能性があるという証拠もあります。
引用:PubMed Central NHLBI Working Group Report on Salt in Human Health and Sickness: Building on the Current Scientific Evidence
また、塩分を摂ると血圧が特に上がりやすい「塩分感受性が高い」体質の方もいます。
こうした方は、ほんの少しの塩分でも血圧に影響が出やすいため、より細かな注意が必要です。
適量であれば血圧への悪影響は小さいとする研究がある
では、キムチを食べると必ず血圧に悪い影響があるかというと、そうとは言い切れないのが実情です。
2024年にオンライン公開された複数の研究を統合した分析では、データのばらつきが大きい研究を除外して計算した結果、発酵キムチを食べたグループで上の血圧が平均約3.5mmHg、下の血圧が約2.7mmHg低下する傾向が確認されました。
また、生まれつき血圧が高いラットを使った実験では、塩分が少ないキムチ(塩分1.4%)を与えたグループは、キムチを与えなかったグループと比べて血圧にほとんど差がありませんでした。
一方、塩分が多いキムチ(3%)を与えたグループでは血圧がさらに上がったことが示されています。
同じキムチでも、塩分量によって血圧への影響がかなり異なることがわかります。
塩分量の違いによるキムチの血圧への影響(動物実験より)
| キムチの種類 | 塩分濃度 | 血圧への影響 |
|---|---|---|
| 低塩分キムチ | 1.4% | 通常食と差なし(悪影響なし) |
| 中塩分キムチ | 2.4% | 影響がみられる場合がある |
| 高塩分キムチ | 3.0% | 血圧がさらに上昇 |
こうした研究は大変興味深いものですが、対象人数が少なかったり、動物実験が中心だったりと、まだ研究の積み上げが途上にある段階です。
「キムチを食べれば血圧が下がる」と言い切れるほどの証拠はなく、現時点では「量と塩分に気をつけて食べれば、大きな悪影響にはなりにくい可能性がある」という理解が正確なところです。
高血圧の人は量と食べ方を意識すれば、キムチを楽しめる
高血圧と言われたからといって、好きな食べ物を全部やめなければならないわけではありません。
キムチも同じで、工夫次第で十分に楽しむことができます。
血圧管理で一番大切なのは、1日を通じた塩分の「合計量」をコントロールすることです。
キムチだけを悪者にするのではなく、その日の食事全体の中で塩分をうまく配分するという考え方が、無理なく続けられます。
また、市販品の中から塩分が少ないものを選んだり、自分でつくって塩の量を調整したりといった方法も効果的です。
高血圧の食事療法において「減塩」は最も基本的な対策ですが、それは特定の食品を禁止することではなく、食事全体の中で塩分の流れをうまくコントロールするということです。
以下では、キムチを楽しみながら血圧への影響を抑えるための、具体的な工夫を紹介します。
1日の目安は小皿1〜2杯程度とし、他の食事との調整を
キムチの食べる量の目安として、1日あたり50〜100グラム程度(小皿に軽く盛った1〜2杯分)が一つの参考値です。
ただし、100グラム食べると高血圧向けの減塩目標(1日6グラム未満)のかなりの割合を占めるため、他の塩分との兼ね合いで調整が必要です。
日本の食品成分表を基準にすると、この量に含まれるナトリウムは約550〜1,100mg(食塩換算で約1.5〜2.9グラム)になります。
同じ日に塩辛い食事が重なった場合は、キムチを少なめにするなど、その日の状況に合わせて調整するとよいでしょう。
発酵が進んだキムチほど酸っぱくなりますが、酸っぱさが強くなったからといって低塩分の目印にはなりません。
塩分量はキムチをつくるときに使った塩の量によって決まるため、熟成が進んでいても食べすぎには変わらず注意が必要です。
ほかの料理の塩分を抑えてトータルで調整することが大切
「キムチを食べるなら、他のおかずの塩分を減らす」という考え方が、日常の食事管理の基本です。
アメリカ心臓協会(AHA)は、高血圧がある方に対する理想的な目標として、1日のナトリウム摂取量を1,500mg(食塩換算で約3.8グラム)以下にすることを勧めています。
これは、醤油や塩を使うおかず、漬物、加工食品なども含めた1日の合計量です。
- 味噌汁は1日1杯以内にとどめ、薄めにつくるか量を半分にする
- 漬物や梅干しなど、他の塩辛い副菜は控える
- 外食時は麺類の汁やスープを飲み干さない
- だしを活かし、市販ソースや即席食品を控えて塩や醤油を減らす
- 蒸す・焼くなど、素材の味を活かした調理法を選ぶ
塩分控えめの商品を選ぶか、自家製にすると塩分管理がしやすい
市販のキムチは商品によって塩分量にかなり差があります。
買うときは裏の栄養成分表示を確認し、100グラムあたり、あるいは1食あたりの「食塩相当量」ができるだけ少ないものを比較して選ぶとよいでしょう。
最近は「減塩キムチ」「塩分控えめ」と書かれた商品も増えてきており、こうした商品を積極的に活用するのも一つの方法です。
自分でつくる場合は塩の量を自分でコントロールできるため、塩分管理がより確実にできます。
前述の動物実験でも、塩分が少ないキムチは高血圧のラットで血圧への悪影響がなかったことが示されており、塩分を抑えたキムチを選ぶことには意味があると言えます。
低塩分でも発酵はしっかりと進みますが、塩の量は乳酸菌の種類や発酵で生まれる成分に影響を与えます。
そのため、塩分を減らしても有効な成分自体は摂れますが、全く同じ成分になるわけではありません。
- 栄養成分表示で「食塩相当量」の欄を確認する
- 100グラムあたりの食塩相当量が少ないものを選ぶ
- 「減塩」「塩分控えめ」の表示がある商品を活用する
カリウムを多く含む食品と組み合わせると、塩分の影響を和らげやすい
食事から塩分をまったくなくすのは現実的ではありませんが、実は「カリウム」という栄養素を意識的に摂ることで、塩分の影響を和らげることができます。
カリウムには、余分な塩分を体の外へ出す手助けをして、血管の緊張をほぐすはたらきがあり、血圧を下げる効果が期待されています。
複数の研究をまとめた分析によると、カリウムの摂取量を増やすと上の血圧が平均4〜5mmHg、下の血圧が3〜4mmHg程度下がる可能性があり、高血圧の人や塩分を多く摂っている人ほどその効果が出やすいこともわかっています。
ただし、やみくもに増やせば増やすほど良いわけではない点には注意が必要です。
キムチを食べながらカリウムが豊富な食品を一緒に取り入れることで、塩分による血圧上昇のリスクを和らげることが期待できます。
さらに、キムチに加えて納豆や味噌などの発酵食品も組み合わせると、腸内の細菌の種類が豊かになり、血圧管理にも良い影響があるのではないかと期待されています(ただし、この組み合わせで確実に血圧が下がるという直接的な証拠があるわけではありません)。
食事全体をこうした視点で組み立てることで、キムチの良い面を活かしながらリスクを抑えることができます。
以下では、具体的にどんな食品と合わせるとよいかを紹介します。
アボカドやほうれん草など、カリウムが豊富な食品が効果的
カリウムを多く含む身近な食品として、アボカド・ほうれん草・バナナ・さつまいも・枝豆・納豆・干しあんず・レンズ豆などがあります。
特別なものは必要なく、スーパーで手軽に買えるものばかりです。
カリウムを多く含む身近な食品
| 食品 | 目安量 | カリウム量(概算) | 取り入れ方の例 |
|---|---|---|---|
| アボカド | 1/2個(約75g) | 約440mg | サラダ・和え物 |
| ほうれん草 | 1束(約100g) | 約690mg | おひたし・炒め物 |
| バナナ | 1本(約100g) | 約360mg | そのまま・スムージー |
| さつまいも | 中1/2本(約100g) | 約480mg | 蒸かし芋・汁物 |
| 枝豆 | 1皿(約50g) | 約240mg | そのまま・副菜 |
| 納豆 | 1パック(約50g) | 約340mg | ご飯・和え物 |
たとえばキムチを食べる食事に、ほうれん草のおひたしやアボカドサラダを添えるだけで、カリウムを自然に増やすことができます。
体の中のナトリウムとカリウムのバランスが整うと、血圧の管理がよりうまくいくとされています。
塩分を減らすことと同時に、カリウムを増やすことを意識するのが理想的です。
ただし、慢性腎臓病などで腎臓のはたらきが低下している方は、カリウムが体の中にたまりすぎると心臓に悪影響を与えることがあります。
腎臓に病気がある方や、一部の降圧薬(ACE阻害薬やARBなど)や一部の利尿剤(カリウムを体内に残しやすいタイプ)を飲んでいる方は、カリウムを増やす前に必ず担当の医師に相談してください。
納豆や味噌など発酵食品を上手に取り入れるとさらに効果が期待できる
キムチと合わせやすい発酵食品として、納豆や味噌も注目されます。
発酵食品にはそれぞれ異なる種類の菌が含まれており、いろいろな発酵食品を組み合わせることで、腸の中の細菌の多様性が高まると考えられています。
腸内環境と血圧の関係は近年急速に研究が進んでおり、アメリカ心臓協会(AHA)も腸内の細菌が血圧の調整に関わる可能性があるという見解を発表しています。
高血圧における腸内細菌叢のバランスの崩れは、腸管バリアの破壊や免疫活性化、腸内細菌叢由来の代謝産物の変化など、複数のメカニズムを通じて血圧を上昇させる。
引用:American Heart Association Top Things to Know: Hypertension and the Gut Microbiome: A Science Advisory from the AHA
複数の研究をまとめた分析では、乳酸菌などを含む発酵食品を継続的に食べることで、上の血圧が約2〜5mmHg、下の血圧が約1〜4mmHg低下する可能性があると報告されています。
ただし、これはさまざまな菌の種類や量が混ざった研究全体の平均であり、キムチや納豆、味噌などにそのまま当てはまるとは限りません。
発酵食品の活用は、あくまで食生活をより豊かにするための工夫のひとつとして位置づけ、運動や薬の管理といった他の対策とバランスよく組み合わせることが大切です。
一点注意が必要なのは、味噌には塩分が多く含まれるということです。
味噌汁1杯には約1〜1.5グラムの塩分が含まれていることが多く、キムチと同じ日に摂る場合は、味噌汁を薄めにつくるか、1日1杯以内にとどめるよう心がけましょう。
- 納豆はカリウムも豊富で、キムチとの相性が良い
- 味噌汁は塩分が高いため、キムチと合わせる日は薄味にする
- ワルファリン(血液をさらさらにする薬)を飲んでいる方は納豆を控える必要があるため、医師に確認する
- ヨーグルトなど乳製品の発酵食品との組み合わせも腸内環境の多様性を高める効果が期待できる
よくある質問
- キムチは毎日食べても大丈夫ですか?
-
高血圧がある方でも、1日50〜100グラムを目安にし、他の食事とあわせて1日の塩分の合計量をコントロールできれば、毎日食べること自体がすぐに問題になるわけではない可能性があります。
ただし、キムチ100グラムで1日の塩分目標(6グラム未満)のかなりの割合を占めるため、その日の総塩分との厳密な調整が前提となります。
体質や飲んでいる薬によって適切な量は異なるため、不安な場合はかかりつけの医師にご相談ください。
- 市販のキムチと手作りキムチ、どちらが血圧には良いですか?
-
一概にどちらが優れているとは言えませんが、自分でつくる場合は塩の量をコントロールしやすいという利点があります。
市販品を選ぶときは栄養成分表示を確認し、食塩相当量が少ないものを選ぶのがお勧めです。
「減塩キムチ」の表示がある商品も選択肢の一つです。
- キムチを食べると胃や腸に負担がかかりますか?
-
辛み成分のカプサイシンを含むため、胃が弱い方などが一度にたくさん食べると胃が荒れることがあります。
少量から始めて、様子を見ながら量を調整するとよいでしょう。
発酵の進んだキムチにも乳酸菌は含まれており、腸の環境を整える効果があるのではないかと期待されています。
- 降圧薬を飲んでいますが、キムチを食べても影響はありませんか?
-
一般的に、キムチと降圧薬の間に特別な飲み合わせの問題は知られていません。
ただし、腎臓の機能が低下している方や、特定の血圧の薬(ACE阻害薬やARB、カリウム保持性利尿薬など)を飲んでいる方がカリウムを急に増やすことや、血液をさらさらにする薬(ワルファリンなど)と納豆の組み合わせには注意が必要です。
現在薬を飲んでいる方は、食事の変更を行う際に担当の医師や薬剤師に確認することをお勧めします。
まとめ
キムチは、乳酸菌やカプサイシンなどの体に良い成分を含む一方で、相応の塩分も含む食品です。
血圧への影響は、食べる量・塩分量・食べ合わせによって大きく変わります。
低塩タイプのキムチを少量、1日の総塩分をしっかり管理しながら取り入れるのであれば、高血圧管理と両立しうる可能性がありますが、明確に血圧を下げる効果はまだ確立されていません。
高血圧がある方へ、今日からできる食事の工夫をまとめます。
- キムチは1日50〜100グラム(小皿1〜2杯)を目安にする
- 塩分が少ない商品を選ぶか、自家製で塩の量を調整する
- キムチを食べる日は他のおかずの塩分を意識して減らす
- アボカド・ほうれん草・バナナなどカリウムが豊富な食品を組み合わせる
- 納豆など他の発酵食品も取り入れ、腸内環境を整える
食事の改善は血圧管理の重要な柱ですが、それだけでなく、適度な運動・禁煙・節酒・ストレスの管理・処方された薬の継続なども同じくらい大切です。
体のことで気になることがあれば、ぜひかかりつけの医師にご相談ください。
PubMed Health benefits of kimchi (Korean fermented vegetables) as a probiotic food
PubMed Central Effect of probiotic foods and supplements on blood pressure: a systematic review of meta-analyses studies of controlled trials
PubMed Dietary capsaicin-mediated attenuation of hypertension in a rat model of renovascular hypertension
文部科学省 食品成分データベース 野菜類/はくさい/漬物/キムチ – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類
World Health Organization Sodium reduction
PubMed Central NHLBI Working Group Report on Salt in Human Health and Sickness: Building on the Current Scientific Evidence
Nutrition Reviews (Oxford Academic) Effects of Fermented Kimchi Consumption on Anthropometric and Blood Cardiometabolic Indicators: A Systematic Review and Meta-Analysis of Intervention Studies and Prospective Cohort Studies
American Heart Association Shaking the Salt Habit to Lower High Blood Pressure
特定非営利活動法人 日本高血圧学会「ナトリウム(食塩)の減らし方」
消費者庁 Nutrition Information Label
American Heart Association How Potassium Can Help Control High Blood Pressure
文部科学省 食品成分データベース 果実類/アボカド/生 – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類
文部科学省 食品成分データベース 野菜類/ほうれんそう/葉/通年平均/生 – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類
文部科学省 食品成分データベース 果実類/バナナ/生 – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類
文部科学省 食品成分データベース いも及びでん粉類/<いも類>/(さつまいも類)/さつまいも/塊根/皮なし/生 – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類
文部科学省 食品成分データベース 野菜類/えだまめ/ゆで – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類
文部科学省 食品成分データベース 豆類/だいず/[納豆類]/糸引き納豆 – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類
National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases Healthy Eating for Adults with Chronic Kidney Disease
American Heart Association Top Things to Know: Hypertension and the Gut Microbiome: A Science Advisory from the AHA
Office of Dietary Supplements (ODS) Potassium – Consumer Fact Sheet


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