健康診断で「血圧が高め」と言われたことはありませんか。
高血圧は20歳以上の日本人のおよそ2人に1人が抱える国民病ですが、自覚症状がほとんどないため「サイレントキラー」とも呼ばれています。
放置すると脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気につながる可能性があります。
しかし、多くの場合、高血圧は食事を中心とした生活習慣の見直しで改善することが可能です。
- 塩分摂取を減らす(男性7.5g未満・女性6.5g未満が目標)
- 体重管理(肥満の方は適度な体重減少で降圧効果)
- 血圧を下げる栄養素を摂る(野菜・果物・青魚・全粒穀物)
- 塩分の多い加工食品・外食を控える(減塩品を選ぶ、麺類の汁を残す)
- 過度な飲酒を避ける(日本酒1合程度が目安、週1日以上は休肝日を設ける)
- 添加糖・飽和脂肪酸を控え健康的な油脂を選ぶ
- だし・酸味・香味野菜を活用して減塩調理を実践する
塩分を控えるだけでなく、血圧を下げる働きのある栄養素を積極的に取り入れることで、薬に頼らずとも血圧をコントロールできる可能性があります。
この記事では、高血圧がどのようなメカニズムで起こるのか、どんな食べ物が血圧を下げるのか、そして日常生活でどのような食習慣に気をつければよいのかについて、科学的な根拠に基づいて詳しく解説します。
- 高血圧の原因と食事との関係
- 血圧を下げる効果が期待できる食べ物と栄養素
- 避けるべき食品と注意すべき食習慣
- 無理なく続けられる減塩のコツと具体的な対策
はじめに(免責・注意事項)
本記事は、高血圧に関する一般的な医学情報の提供を目的として作成されたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。
血圧の状態や治療方針は、年齢・体質・基礎疾患・服薬状況などにより個人差があります。降圧薬を含む医薬品の使用や生活習慣の改善を検討される場合は、必ず医師などの医療専門職にご相談のうえ、十分な説明を受けてからご自身の判断で行ってください。
また、本記事で紹介する内容の一部は、一般診療のほか自由診療に該当する可能性があります。保険適用の有無や費用、効果、副作用などについては、必ず受診先の医療機関で最新の情報をご確認ください。
本記事の情報は公開時点の医学的知見やガイドラインをもとにしていますが、今後の研究や法令改正により内容が変更となる場合があります。正確かつ最新の情報を得るために、公的機関(厚生労働省、日本高血圧学会など)や各医療機関の公式情報をあわせてご確認ください。
高血圧はなぜ起こる?食事との関係を理解する
高血圧の原因は多岐にわたりますが、その中でも食事との関連は非常に深いものがあります。
まず、高血圧がどのように起こるのか、そのメカニズムから見ていきましょう。
高血圧の大部分を占める本態性高血圧は、単一の原因ではなく、遺伝的な要因、加齢、そして食生活を含む環境要因が複雑に絡み合って発症します。
中でも食事、特に塩分の摂取量は血圧に直接影響を与える重要な要因です。
高血圧の9割以上を占める本態性高血圧とは
高血圧には大きく分けて2つのタイプがあります。
原因が特定できない「本態性高血圧」と、腎臓病やホルモンの異常など明確な原因がある「二次性高血圧」です。
高血圧患者の約90〜95%は本態性高血圧に分類され、遺伝的素因と環境要因の両方が関与していると考えられています。
本態性高血圧の発症には、複数のメカニズムが関わっています。
血圧は心臓が送り出す血液の量(心拍出量)と血管の抵抗(末梢血管抵抗)によって決まります。
本態性高血圧では、多くの場合、末梢血管の抵抗が増加することが主な要因となりますが、病態の進行段階や個人差によって心拍出量が関与する場合もあります。
この血管抵抗の増加には、交感神経系の過剰な活動、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系というホルモン系の異常、血管内皮機能の障害などが複雑に関与しています。
遺伝的な要因も無視できません。
家族に高血圧の方がいる場合、高血圧を発症するリスクは高くなります。
これまでの研究で、血圧の調節に関わる1,000以上の遺伝的変異が発見されていますが、それぞれの影響は小さく、多くの遺伝子が組み合わさって血圧に影響を与えていると考えられています。
また、加齢とともに血管の弾力性が失われ、動脈が硬くなることも血圧上昇の一因となります。
塩分を摂ると血液量が増えて血圧が上がる仕組み
塩分、正確にはナトリウムの過剰摂取が血圧を上昇させるメカニズムは、腎臓における水分とナトリウムの調節機能と深く関わっています。
私たちが塩分の多い食事をすると、血液中のナトリウム濃度が上昇します。
体は血液中のナトリウム濃度を一定に保とうとするため、のどが渇いて水分を摂取するよう促されます。
水分を摂取すると、血液中のナトリウム濃度は薄まりますが、その分、血液の総量が増加します。
血液量が増えると、血管にかかる圧力が高まり、これが血圧の上昇につながります。
さらに、ナトリウムは血管内皮機能の障害や血管の硬化を引き起こすことで血圧を上昇させます。
- 塩分を摂取 → 血液中のナトリウム濃度が上昇
- のどの渇きが生じ、水分摂取が増える
- 血液中のナトリウム濃度が薄まるが、血液量が増加
- 血液量の増加により血管への圧力(血圧)が上昇
- 長期的には血管内皮の障害や動脈硬化も進行
実験研究では、ナトリウムが血管平滑筋細胞内のカルシウム濃度を上昇させる可能性も示されていますが、ヒトにおける主要な機序は、体液量の増加や神経・ホルモン系の変化を介したものと考えられています。
腎臓は体内のナトリウムと水分のバランスを調整する重要な役割を担っています。
健康な腎臓は余分なナトリウムを尿として排出しますが、高塩分の食事を続けると、腎臓がナトリウムを排出しきれなくなり、体内にナトリウムが蓄積します。
その結果、血圧が上昇し、さらに腎臓に負担がかかるという悪循環が生じます。
人によって塩分に対する感受性には個人差があり、同じ量の塩分を摂取しても血圧の上昇幅は人によって異なります。
これを「食塩感受性」と呼びます。
食塩感受性が高い人は、塩分摂取によって血圧が上昇しやすい傾向があります。
高齢者、肥満の方、遺伝的素因のある方などは食塩感受性が高い傾向にあります。
肥満で血圧が上がる理由と運動不足・飲酒の影響
肥満、特に内臓脂肪の蓄積は高血圧の重要な危険因子です。
日本人では肥満を伴わない高血圧も多く見られますが、近年は若年から中年の男性を中心に、肥満を伴う高血圧が増加傾向にあります。
肥満が血圧を上昇させるメカニズムは複数あります。
まず、体重が増えると心臓はより多くの血液を全身に送らなければならず、心拍出量が増加します。
また、肥満は交感神経系の活動を亢進させ、血管を収縮させるホルモンの分泌を促進します。
さらに、脂肪組織から分泌されるレプチンというホルモンも交感神経系を刺激し、血圧上昇に寄与します。
肥満における交感神経系の活性化メカニズムは完全には解明されていないが、レプチンと脳内メラノコルチン系の活性化が関与している可能性がある。
引用:American Heart Association Journals Obesity-Induced Hypertension: Interaction of Neurohumoral and Renal Mechanisms
肥満はインスリン抵抗性を引き起こし、これが高血圧、脂質異常症、高血糖を併発するメタボリックシンドロームの発症につながります。
メタボリックシンドロームの状態では、動脈硬化が進行しやすく、心血管疾患のリスクが大きく高まります。
運動不足、睡眠不足、過度のストレス、過剰な飲酒なども高血圧の危険因子です。
特にアルコールは適量を超えると血圧を上昇させます。
厚生労働省は、節度ある適度な飲酒として、通常のアルコール代謝能を有する日本人において1日平均純アルコールで20g程度(日本酒1合程度)を目安としています。
また、健康づくりの観点から、週に1日以上の休肝日を設けることが推奨されています。
家族に高血圧の人がいる場合と加齢による血圧上昇
遺伝的な要因は高血圧の発症に約50%程度関与していると推定されています。
両親ともに高血圧の場合、片親のみが高血圧の場合と比較して、子どもが高血圧を発症するリスクは2〜3倍高くなることが研究で示されています。
両親ともにEHを有する場合、片親のみにEHを有する場合と比較して、小児期発症EHのリスクは2倍以上となる。
引用:PubMed Central Familial Aggregation of First Degree Relatives of Children with Essential Hypertension
しかし、遺伝的素因があっても、生活習慣を改善することで高血圧の発症を予防したり、発症時期を遅らせたりすることが可能です。
加齢も避けられないリスク要因です。
年齢とともに血管の弾力性が失われ、動脈硬化が進行します。
特に大動脈などの大血管が硬くなると、心臓から送り出された血液による圧力の衝撃を吸収できなくなり、収縮期血圧(上の血圧)が上昇します。
また、加齢に伴い腎機能が低下すると、ナトリウムの排泄能力が低下し、血圧が上昇しやすくなります。
日本では高齢者の約3人に2人が高血圧と診断されています。
加齢による血圧上昇は避けられない面もありますが、若い頃から減塩を心がけ、適正体重を維持することで、加齢による血圧上昇を最小限に抑えることが期待できます。
高血圧を改善する食べ物とその理由
高血圧の改善には、単に塩分を控えるだけでなく、血圧を下げる働きのある栄養素を積極的に摂取することが重要です。
ここでは、科学的な根拠に基づいて、どのような食べ物がどのようなメカニズムで血圧に良い影響を与えるのかを解説します。
カリウムを多く含む食品で余分な塩分を排出
カリウムは血圧管理において非常に重要なミネラルです。
カリウムには、腎臓からのナトリウムの排泄を促進する作用があり、体内のナトリウムとカリウムのバランスを適正に保つことで血圧の上昇を抑えます。
研究によると、カリウム摂取量が多いほど血圧が低くなる傾向があり、特にナトリウム摂取量が多い人ほど、カリウムの血圧低下効果が大きいことが示されています。
カリウム補充の血圧低下効果は、高血圧の参加者で、およびナトリウム摂取量が高いほど強かった。
引用:PubMed Central Potassium Intake and Blood Pressure: A Dose‐Response Meta‐Analysis of Randomized Controlled Trials
カリウムは血管内皮細胞からの一酸化窒素の産生を促進し、血管を拡張させる作用もあります。
カリウムを豊富に含む食品には、野菜、果物、豆類、いも類などがあります。
- ほうれん草、小松菜、ブロッコリーなどの緑黄色野菜
- バナナ、キウイフルーツ、メロンなどの果物
- さつまいも、じゃがいも
- 大豆製品
- アボカド
ただし、腎臓に病気がある方はカリウムの排泄能力が低下しているため、カリウムの過剰摂取が危険な場合があります。
腎臓病の診断を受けている方は、カリウム摂取量について必ず主治医に相談してください。
マグネシウムが血管を広げカルシウムが血管を安定させる
マグネシウムとカルシウムも血圧の調節に重要な役割を果たすミネラルです。
マグネシウムは天然のカルシウムチャネルブロッカーとして働き、血管平滑筋細胞内へのカルシウムの流入を抑制することで血管を拡張させます。
また、マグネシウムは一酸化窒素の産生を促進し、血管内皮機能を改善する作用もあります。
メタ解析によるとマグネシウムの補給により血圧低下効果が認められており、1日あたり約370mg程度のマグネシウム摂取で収縮期血圧が約2.0mmHg、拡張期血圧が約1.8mmHg低下することが示されています。
マグネシウム補給(中央値368 mg/日)を中央値3ヶ月間投与したところ、収縮期血圧が2.00 mmHg(95%信頼区間0.43~3.58)、拡張期血圧が1.78 mmHg(95%信頼区間0.73~2.82)有意に低下した。
引用:American Heart Association Journals Effects of Magnesium Supplementation on Blood Pressure
マグネシウムは細胞内のナトリウムとカルシウムを減らし、カリウムとマグネシウムを増やすことで血圧を改善します。
マグネシウムはカリウムとの相互作用が重要で、マグネシウムはカリウムの細胞内への取り込みを助ける働きがあります。
そのため、マグネシウムとカリウムを一緒に摂取することで、より効果的に血圧を下げることが期待できます。
- ナッツ類(アーモンド、カシューナッツなど)
- 種子類(かぼちゃの種、ひまわりの種など)
- 全粒穀物
- 豆類
- 緑黄色野菜
- 海藻類
カルシウムも血圧の調節に関与しています。
カルシウムは血管平滑筋細胞の膜を安定化させ、細胞内へのカルシウムの流入を抑制することで血管収縮を抑えます。
適切な量のカルシウムは、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの他のミネラルと協力して、血管の拡張を促し、血圧を下げる作用があります。
カルシウムの効果については研究によって結果が異なり、カルシウムの補給により血圧が低下することは示されているものの、その効果は大きくありません。
本研究は、高血圧予防のために十分なカルシウム摂取を推奨すべきであることを示唆しています。カルシウム欠乏食を摂取する人の血圧については、さらなる研究が必要です。
引用:PubMed Blood pressure response to calcium supplementation: a meta-analysis of randomized controlled trials
しかし、低脂肪乳製品からのカルシウム摂取は収縮期血圧の低下に有益である可能性が示されています。
カルシウムを多く含む食品には、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、小魚、豆腐、緑黄色野菜などがあります。
食物繊維が血糖値や腸内環境を整えて血圧を下げる
食物繊維は高血圧の予防と改善に重要な役割を果たします。
研究によると、食物繊維の摂取量が5g増えるごとに、収縮期血圧が約2.8mmHg、拡張期血圧が約2.1mmHg低下することが示されています。
高血圧の成人における1日の食物繊維の最低摂取量は、女性で28g/日以上、男性で38g/日以上であるべきであり、1日5g追加するごとに収縮期血圧が2.8mmHg、拡張期血圧が2.1mmHg低下すると推定されています。
引用:PubMed Recommendations for the Use of Dietary Fiber to Improve Blood Pressure Control
食物繊維が血圧を下げるメカニズムはいくつか考えられています。
- 水溶性食物繊維が炭水化物の吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を防ぐ
- インスリン感受性の改善により血圧コントロールが良好になる
- 腸内で短鎖脂肪酸(プロピオン酸・酪酸など)が産生され、血管を拡張する
- 短鎖脂肪酸がホルモン系(レニン・アンジオテンシン系)を調整する
- 腸内環境の改善が血圧調節に好影響を与える
まず、水溶性食物繊維(β-グルカンやペクチンなど)は腸内で粘性のあるゲル状の物質を形成し、炭水化物の消化と吸収を緩やかにします。
これにより血糖値の急激な上昇が抑えられ、インスリン感受性が改善されることで血圧にも良い影響を与えます。
また、食物繊維は腸内細菌によって発酵され、短鎖脂肪酸(プロピオン酸、酪酸など)が産生されます。
これらの短鎖脂肪酸は血管壁をリラックスさせたり、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を調節したりすることで血圧を下げる作用があります。
さらに、腸内細菌叢の組成を改善することも血圧調節に寄与すると考えられています。
食物繊維はまた、体重管理にも役立ちます。
食物繊維を多く含む食品は満腹感を高め、カロリー摂取を自然に抑える効果があるため、肥満の予防や改善につながり、間接的に血圧の改善にも寄与します。
高血圧の方は、1日あたり女性で28g以上、男性で38g以上の食物繊維摂取を目標とすることが推奨されています。
- 全粒穀物(玄米、全粒粉パン、オートミールなど)
- 豆類(大豆、レンズ豆、ひよこ豆など)
- 野菜
- 果物
- ナッツ類
青魚に含まれるオメガ3脂肪酸が血管を広げる
オメガ3脂肪酸、特にエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)は、魚に豊富に含まれる長鎖多価不飽和脂肪酸で、血圧を下げる効果があることが多くの研究で示されています。
研究によると、オメガ3脂肪酸の最適な摂取量は1日あたり2〜3gで、この量で収縮期血圧が約2.6mmHg、拡張期血圧が約1.6〜1.8mmHg低下することが示されています。
特に高血圧の方、脂質異常症のある方、高齢の方では、より強い血圧低下効果が見られます。
収縮期血圧および拡張期血圧(mmHg)の両方の低下における最適摂取量は、2g/日(収縮期血圧、-2.61 [95% 信頼区間、-3.57~-1.65]、拡張期血圧、-1.64 [95% 信頼区間、-2.29~-0.99])から3g/日(収縮期血圧、-2.61 [95% 信頼区間、-3.52~-1.69]、拡張期血圧、-1.80 [95% 信頼区間、-2.38~-1.23])の適度な用量で得られた。
引用:American Heart Association Journals Omega‐3 Polyunsaturated Fatty Acids Intake and Blood Pressure: A Dose‐Response Meta‐Analysis of Randomized Controlled Trials
オメガ3脂肪酸が血圧を下げるメカニズムとして、血管平滑筋細胞に存在する大コンダクタンスカルシウム依存性カリウムチャンネル(BKチャンネル)を直接活性化することが明らかになっています。
このチャンネルが開くと血管が拡張し、血圧が低下します。
DHAはこのチャンネルに約500ナノモル濃度で作用し、電流を最大20倍まで増加させることができます。
また、オメガ3脂肪酸は血管内皮機能を改善し、一酸化窒素の産生を促進することで血管を拡張させます。
さらに、炎症を抑制する作用や、中性脂肪を低下させる作用もあり、これらも血圧の改善に寄与します。
- サーモン
- サバ
- イワシ
- アジ
- サンマ
- マグロ
サーモン100g程度で約2〜2.5g程度のオメガ3脂肪酸(EPA+DHA)を摂取できます。
魚を定期的に食べることが難しい場合は、魚油サプリメントも選択肢の一つですが、できる限り食品から摂取することが推奨されます。
サプリメントを利用する場合は、製品の品質や形態を確認し、信頼できるものを選ぶことが大切です。
血圧を上げる食べ物と注意すべき食習慣
高血圧の改善や予防には、血圧を上げる食べ物を控えることも同様に重要です。
ここでは、避けるべき食品や注意すべき食習慣について解説します。
漬物・加工肉・インスタント食品など塩分が多い食品
塩分の過剰摂取は高血圧の最も重要な危険因子の一つです。
日本人の平均塩分摂取量は、令和5年国民健康・栄養調査によると、男性で10.7g、女性で9.1g(全体で9.8g)と、目標値を大きく上回っています。
塩分が特に多い食品には以下のようなものがあります。
主な高塩分食品とおおよその塩分量
| 食品名 | 分量の目安 | 含まれる塩分量(約) | 備考 |
|---|---|---|---|
| たくあん漬 | 100g | 2.5〜3.3g | 保存用に多量の塩を使用 |
| 梅干し | 100g(1個10〜20g) | 7.6〜18.2g(1個0.8〜3.6g) | 種類により差が大きい |
| アジの干物 | 100g(1枚約60g) | 1.9〜2.0g(1枚1.1〜1.2g) | 個体差あり |
| ロースハム | 100g(2枚約40g) | 2.3g(約0.9g) | 食感・保存性向上のため添加 |
| ウインナー | 100g(2本約40g) | 1.9g(約0.8g) | 保存料・調味料として使用 |
| インスタントラーメン・カップ麺 | 1食 | 5〜8g | スープを残すと減塩効果あり |
漬物や佃煮は保存性を高めるために多量の塩が使われています。
たくあん漬は100gあたり約2.5〜3.3gの塩分を含み、梅干しは種類により100gあたり約7.6〜18.2gと塩分量に大きな差があります。
梅干し1個の重量は10〜20g程度のため、1個あたりの塩分は約0.8〜3.6gと幅があります。
また、干物も塩分が多く、アジの干物は100gあたり約1.9〜2.0gの塩分を含み、1枚(可食部約60g)で約1.1〜1.2gとなります(個体差あり)。
練り製品(かまぼこ、ちくわ、はんぺんなど)や肉加工品(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)も塩分が多い食品です。
これらは味付けだけでなく、保存性を高めたり食感を良くしたりするために塩分が添加されています。
ロースハムは100gあたり約2.3gの塩分を含み、2枚(約40g)で約0.9g、ウインナーは100gあたり約1.9gで、2本(約40g)で約0.8gの塩分が含まれます。
インスタントラーメンやカップ麺は非常に塩分が多く、製品差は大きいものの1食で5〜8gもの塩分が含まれています。
スープまで全部飲んでしまうと、それだけで1日の目標量に達してしまいます。
調味料にも注意が必要です。
主な調味料の塩分量
| 調味料名 | 分量の目安 | 含まれる塩分量(約) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 濃口しょうゆ | 大さじ1 | 約2.6g | 和食全般で使用頻度が高い |
| 味噌 | 大さじ1 | 約2.0g | 種類(赤・白・合わせ)により差あり |
濃口しょうゆ大さじ1杯(15ml)には約2.6gの塩分が含まれます。
味噌も種類によりますが、大さじ1杯で約2gの塩分があります。
ソース、ケチャップ、ドレッシングなども意外と塩分が多く含まれています。
麺類のスープや外食で隠れた塩分に注意
日本人が摂取する塩分の約7割は、調味料や加工食品、外食から摂取しています。
食卓で振りかける塩そのものよりも、すでに食品に含まれている「隠れ塩分」の方がはるかに多いのです。
加工食品を選ぶ際は、栄養成分表示を必ず確認する習慣をつけましょう。
食塩相当量の表示を見て、1食あたりの塩分量が把握できます。
同じカテゴリーの商品でも、メーカーによって塩分量に大きな差があることも少なくありません。
また、「減塩」「塩分控えめ」という表示がある製品を積極的に選ぶことも有効です。
外食では、ラーメン、うどん、そばなどの麺類の汁には大量の塩分が含まれています。
汁を残すだけでも塩分摂取量を2〜3g減らすことができます。
また、丼物や定食も一般的に味付けが濃く、1食で3〜5gの塩分を含むことが多いです。
外食をする際は、できるだけ薄味のメニューを選び、追加の調味料は控えめにすることを心がけましょう。
ファストフードやスナック菓子も塩分が多い食品の代表格です。
ポテトチップスは100gあたり約1.0〜1.2gの塩分を含み、1袋(標準的な60〜85g)には約0.6〜1.0gの塩分が含まれています。
これらの食品は、おいしさを感じさせるために塩分が多く使われていることを認識しておく必要があります。
アルコールの飲みすぎは慢性的に血圧を上げる
アルコールの過剰摂取は血圧を上昇させる要因となります。
少量のアルコールは一時的に血管を拡張させ血圧を下げることがありますが、習慣的な飲酒や過度の飲酒は慢性的に血圧を上昇させます。
アルコールが血圧を上げるメカニズムには、複数の要素が関与しています。
- 交感神経系の活性化
- レニン・アンジオテンシン系の活性化
- 血管収縮物質の産生促進
- 血管内皮機能の障害
また、アルコールと一緒に摂るおつまみは塩分が多いものが多く、総カロリーも過剰になりがちで、肥満を招く原因にもなります。
厚生労働省は、節度ある適度な飲酒として1日平均純アルコールで約20g程度(日本酒1合、ビール中瓶1本、ワイングラス2杯程度)を目安としています。
また、健康づくりの観点から、週に1日以上の休肝日を設けることが推奨されています。
高血圧の診断を受けている方は、さらに控えめにする必要があります。
カフェインについては、一時的に血圧を上昇させる作用がありますが、その効果は一般的に短時間で消失し、定期的にカフェインを摂取している人では耐性が生じます。
欧州食品安全機関(EFSA)では、成人において1日あたりカフェイン400mg程度(コーヒー約4〜5杯相当)までは安全とされています。
ただし、カフェインに対する感受性には個人差があり、特に敏感な方では血圧への影響が大きい可能性があります。
カフェインはコーヒーやお茶だけでなく、エナジードリンク、チョコレート、コーラなどの清涼飲料水にも含まれています。
高カロリー食品による肥満が血圧上昇を招く
カロリーの過剰摂取による肥満は、高血圧の重要な危険因子です。
体重が増加すると、心臓はより多くの血液を全身に送り出さなければならず、心拍出量が増加します。
また、肥満は交感神経系を活性化させ、インスリン抵抗性を引き起こし、血圧を上昇させます。
糖分や脂肪分の多い食品は高カロリーであるだけでなく、血圧に悪影響を与える可能性があります。
糖分・脂質が血圧に影響する要因
| 項目 | 主な内容 | 推奨・注意点 |
|---|---|---|
| 糖分(添加糖) | 砂糖、果糖ブドウ糖液糖、蜂蜜、メープルシロップなど | AHA推奨:女性25g以下/男性36g以下(1日) |
| 脂質(飽和脂肪酸) | 脂身の多い肉、バター、生クリーム、チーズなど | 総カロリーの5〜6%以下に抑える |
砂糖は様々な形で食品に添加されており、ショ糖、果糖ブドウ糖液糖、蜂蜜、メープルシロップなど、さまざまな名称で表示されています。
アメリカ心臓協会は、添加糖(加工時や調理時に加えられる砂糖)について、成人女性は1日あたり25g(ティースプーン約6杯)以下、成人男性は36g(ティースプーン約9杯)以下に抑えることを推奨しています。
飽和脂肪酸の過剰摂取も避けるべきです。
飽和脂肪酸は、脂身の多い肉、バター、生クリーム、チーズなどの動物性脂肪に多く含まれます。
飽和脂肪酸の摂取は、心血管疾患リスクの管理において、1日の総カロリーの5〜6%以下に抑えることが推奨されています。
代わりに、オリーブオイルや菜種油などに含まれる一価不飽和脂肪酸や、魚に含まれるオメガ3脂肪酸などの健康的な脂質を選ぶことが推奨されます。
適切な体重を維持することは、血圧管理において非常に重要です。
肥満の方が5%程度の体重減少を達成するだけでも、血圧が有意に低下することが示されています。
エネルギー制限、身体活動の増加、またはその両方による正味体重減少(-5.1 kg、95%信頼区間[CI]-6.03~-4.25)により、収縮期血圧は-4.44 mmHg(95% CI-5.93~-2.95)、拡張期血圧は-3.57 mmHg(95% CI-4.88~-2.25)低下した。
引用:American Heart Association Journals nfluence of Weight Reduction on Blood Pressure: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
高血圧改善のための食事で気をつけること
高血圧の改善には、単に特定の食品を避けたり取り入れたりするだけでなく、食事全体のバランスや食習慣を見直すことが重要です。
ここでは、日常生活で実践できる具体的なポイントを解説します。
1日の塩分は男性7.5g未満・女性6.5g未満が目標
塩分摂取量の目標値は、機関によって若干異なります。
主な機関による塩分摂取量の目標値
| 機関名 | 対象者・条件 | 1日の目標値(食塩相当量) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」 | 成人男女 | 男性:7.5g未満 女性:6.5g未満 | 一般成人対象 |
| 健康日本21(第三次) | 成人男女 | 7g未満 | 国民全体の健康施策として設定 |
| 日本高血圧学会(JSH) | 高血圧の方 | 6g未満 | 医学的観点からの推奨 |
| 世界保健機関(WHO) | すべての成人 | 5g未満(ナトリウム2g未満) | 国際的な基準 |
令和5年の国民健康・栄養調査によると、日本人の平均的な塩分摂取量は9.8g/日であり、男性で10.7g/日、女性で9.1g/日と、目標値を大きく上回っています。
しかし、体が機能するために生理学的に必要な塩分は、1日あたりナトリウムとして約500mg(食塩相当量で約1.3g)程度と非常に少量です。
これは健康維持のための推奨量ではなく、生命維持に必要な最小量の推定値です。
減塩の目標は、現在の摂取量から一気に大幅に減らすのではなく、まずは1日1g程度の減塩から始め、徐々に目標値に近づけていくことが現実的です。
初めは物足りなく感じても、2週間〜1か月程度で薄味に慣れてくることが多く、以前の味付けを濃く感じるようになります。
味覚の適応には個人差がありますが、段階的に薄味にしていくことで無理なく減塩を続けることができます。
DASH食をお手本に野菜・果物・魚を中心とした食事
高血圧の改善には、DASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension:高血圧を防ぐ食事法)が科学的に効果が証明されている食事パターンとして推奨されています。
DASH食は、果物、野菜、全粒穀物、低脂肪乳製品を豊富に摂り、魚、鶏肉、豆類、ナッツ類を適度に摂り、赤身肉、甘いもの、砂糖入り飲料を制限する食事パターンです。
DASH食による血圧低下の効果は、実証されています。
研究では、高血圧のない人で収縮期血圧を約7.1mmHg、高血圧がある人では約11.5mmHg低下させる効果が報告されています。
さらに減塩と組み合わせることで、より大きな降圧効果が得られます。
高ナトリウムレベルのコントロール食と比較して、低ナトリウムレベルのDASH食では、高血圧のない参加者の平均収縮期血圧が7.1 mmHg低下し、高血圧の参加者では11.5 mmHg低下しました。
引用:PubMed Effects on blood pressure of reduced dietary sodium and the Dietary Approaches to Stop Hypertension (DASH) diet. DASH-Sodium Collaborative Research Group
DASH食は塩分を控えるだけでなく、カリウム、マグネシウム、カルシウム、食物繊維、タンパク質などの重要な栄養素を豊富に含み、これらの相乗効果によって血圧を下げます。
DASH食では、野菜400g以上・果物200g程度・低脂肪乳製品2〜3サービングなどを目安にします。
なお、日本の健康日本21では、野菜の摂取目標を1日350g以上としています。
タンパク質源としては、魚を週に2〜3回、豆類や大豆製品を積極的に摂り、鶏肉などの脂肪の少ない肉を適度に取り入れます。
一方、脂身の多い牛肉や豚肉、加工肉は控えめにします。
だし・酸味・香辛料を使った減塩の調理テクニック
減塩を実践する上で、調理方法や味付けの工夫は非常に重要です。
以下のような方法を取り入れることで、塩分を減らしても満足できる食事を楽しむことができます。
- だしの旨味を活かす
- 酸味や香味を上手に使う
- 調味料の使い方を工夫する
- 減塩調味料を活用する
- 加熱方法で素材の味を引き出す
- 新鮮な食材の風味を楽しむ
だしをしっかり取ることは、減塩の基本です。
昆布、かつお節、煮干しなどから取っただしには豊富な旨味成分が含まれており、塩分を減らしても深い味わいを感じることができます。
市販のだしの素を使う場合は、無塩や減塩タイプを選びましょう。
酸味を活用することも効果的です。
レモン、すだち、ゆずなどの柑橘類や、酢を使うことで、塩分が少なくても味にメリハリがつきます。
また、香辛料や香味野菜(生姜、にんにく、ねぎ、しそ、みょうが、わさびなど)を上手に使うと、塩分控えめでも風味豊かな料理になります。
減塩調味料と加熱方法の工夫
| 工夫内容 | 具体例・効果 |
|---|---|
| 減塩しょうゆなどの使用 | 通常より30〜50%減塩。40%減塩タイプなら大さじ1杯で約1gの減塩に。 |
| 「つける」食べ方 | かけるよりも調味料使用量を自然に減らせる。 |
| 焼く・蒸す・グリルなどの加熱法 | 素材の旨味を引き出し、塩分控えめでも満足感を得やすい。 |
| 新鮮な食材を使う | 素材本来の味を活かすことで、濃い味付けが不要になる。 |
調味料のかけ方にも工夫が必要です。
料理に直接調味料をかけるのではなく、小皿に取って「つけて」食べることで、使用量を大幅に減らせます。
減塩しょうゆなどの減塩調味料を使用すれば、通常の30〜50%の塩分量に抑えることができます。
例えば、40%減塩しょうゆを大さじ1杯使用すると、通常のしょうゆに比べて約1gの減塩になります。
加熱方法も工夫のポイントです。
焼く、蒸す、グリルするなどの調理法は、素材の味を引き出し、塩分を控えても美味しく仕上がります。
また、新鮮な食材を使うことで、素材本来の味を楽しめるため、過度な味付けが不要になります。
完璧を目指さず小さな変化から始める継続のコツ
減塩や食事改善を長続きさせるには、無理のない範囲で少しずつ習慣を変えていくことが大切です。
まず、すべてを完璧にしようとせず、「できることから」始めましょう。
- 週に2〜3回は魚を取り入れる
- 味噌汁を1日1杯に減らす
- 麺類の汁は残す
- 外食時は追加の調味料を控える
- 食事内容や塩分量を記録する
- 家族と一緒に減塩に取り組む
たとえば、週に2〜3回は魚を食べる、味噌汁を1日1杯に減らす、麺類の汁を残す、外食時に追加の調味料を控えるなど、小さな変化から始めます。
食事の記録をつけることも有効です。
食べたものや塩分量を記録することで、自分の食習慣の傾向が見えてきます。
最近では、スマートフォンのアプリで簡単に食事記録ができるツールもあります。
家族や周囲の協力を得ることも重要です。
家族全員で減塩に取り組むことで、食事作りの負担も減り、お互いに励まし合いながら継続できます。
外食や中食(惣菜や弁当)を利用する際も、選び方に注意すれば減塩は可能です。
外食・中食・宅配を活用する際の工夫
| シーン | 工夫のポイント | 効果・注意点 |
|---|---|---|
| 外食 | 栄養成分表示を確認し、塩分の少ないメニューを選ぶ | 塩分過多を防ぎやすい |
| 定食利用時 | 単品料理の組み合わせに変える | 塩分コントロールが容易 |
| 麺類 | スープを残す | 1杯で約2〜3gの減塩効果 |
| 宅配・冷凍食品 | 減塩設計の商品を活用 | 栄養バランスを維持しやすい |
栄養成分表示がある場合は塩分量を確認し、比較的塩分の少ないメニューを選びます。
また、定食よりも単品料理を組み合わせる方が塩分をコントロールしやすい場合もあります。
忙しい日や料理が面倒な時は、冷凍食品や宅配弁当を上手に活用することも一つの方法です。
最近では減塩に配慮した商品も増えており、栄養バランスも考えられた食事を手軽に利用できます。
何より大切なのは、完璧を目指しすぎないことです。
時には好きなものを食べたり、外食を楽しんだりすることも、長く健康的な食生活を続けるためには必要です。
全体として減塩と栄養バランスを意識しながら、無理なく楽しく続けられる方法を見つけることが、高血圧改善への近道です。
よくある質問(FAQ)
- 高血圧の人は完全に塩分を避けるべきですか
-
いいえ、塩分を完全にゼロにする必要はありません。
ナトリウムは体の機能を維持するために必要な必須ミネラルです。
体が正常に機能するために必要な塩分量は1日1〜2g程度とされています。
高血圧の方は1日6g未満を目標とすることが推奨されていますので、極端な制限ではなく、適切な範囲内での減塩を心がけることが大切です。
- 血圧を下げる効果がある食べ物だけ食べれば改善しますか
-
特定の食べ物だけに頼るのではなく、食事全体のバランスを整えることが重要です。
カリウムやマグネシウムを多く含む食品を摂ることは有益ですが、同時に塩分を控え、適正体重を維持し、バランスの取れた食事パターンを実践することで、より効果的に血圧を改善できる可能性があります。
- 高血圧の薬を飲んでいても食事改善は必要ですか
-
はい、薬物療法と食事療法は併用することでより効果的に血圧をコントロールできます。
食事改善によって降圧薬の効果が高まり、必要な薬の量や種類を減らせる可能性もあります。
また、食事改善は高血圧だけでなく、動脈硬化や心血管疾患の予防にも寄与します。
ただし、食事内容を大きく変える場合は、事前に主治医に相談することをお勧めします。
- 外食が多い場合はどう対策すればよいですか
-
外食でも工夫次第で減塩は可能です。
麺類の汁を残す、追加の調味料を控える、比較的塩分の少ないメニュー(焼き魚定食、蒸し料理など)を選ぶなどの方法があります。
また、外食の回数が多い場合は、自宅での食事でより意識的に減塩することでバランスを取ることもできます。
栄養成分表示がある店舗では、塩分量を確認して選ぶことも有効です。
- 血圧が正常に戻ったら食事制限をやめてもよいですか
-
血圧が正常範囲になっても、食事制限を完全にやめてしまうと再び血圧が上昇する可能性があります。
高血圧は慢性疾患であり、生活習慣の継続的な管理が必要です。
ただし、血圧が安定している場合は、過度に厳しい制限ではなく、健康的な食習慣を無理なく続けることが大切です。
定期的に血圧を測定し、主治医と相談しながら食事内容を調整していくことをお勧めします。
まとめ
高血圧は20歳以上の日本人のおよそ2人に1人が抱える国民病ですが、多くの場合、食事を中心とした生活習慣の見直しによって改善することが可能です。
高血圧の大部分を占める本態性高血圧は、遺伝的素因、加齢、そして食生活を含む環境要因が複雑に絡み合って発症します。
特に塩分の過剰摂取は血圧上昇の最も重要な要因の一つです。
塩分を摂りすぎると、体内のナトリウム濃度を調整するために血液量が増え、血管にかかる圧力が高まります。
また、肥満、運動不足、過度の飲酒なども血圧を上昇させる要因となります。
高血圧の改善には、単に塩分を控えるだけでなく、血圧を下げる働きのある栄養素を積極的に摂取することが重要です。
- カリウム:腎臓からのナトリウムの排泄を促進する
- マグネシウム・カルシウム:血管の拡張を助ける
- 食物繊維:血管の健康を保つ
- メガ3脂肪酸:血管を拡張させる作用がある
これらの栄養素を豊富に含む野菜、果物、全粒穀物、魚、低脂肪乳製品などをバランスよく摂ることが推奨されます。
一方で、加工食品、外食、アルコール、高カロリー食品には注意が必要です。
日本人が摂取する塩分の約7割は調味料や加工食品から摂取しており、栄養成分表示を確認する習慣をつけることが大切です。
具体的な目標として、厚生労働省は成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満を、日本高血圧学会は高血圧の方に1日6g未満を推奨しています。
DASH食のような科学的に効果が証明されている食事パターンを参考に、だしや香辛料を活用した減塩の工夫を取り入れることで、無理なく減塩を実践できます。
最も重要なのは、完璧を目指しすぎず、できることから少しずつ習慣を変えていくことです。
食事の記録をつけたり、家族の協力を得たりしながら、自分に合った方法で継続することが、高血圧改善への近道です。
血圧の管理は一生涯にわたる取り組みですが、健康的な食生活は高血圧だけでなく、心血管疾患や糖尿病などの予防にもつながります。
ぜひ今日から、できることから始めてみてください。
定期的に血圧を測定し、気になることがあれば医療機関に相談しながら、健康な生活を目指しましょう。
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大垣市保健センター「減塩のススメ へる塩生活はじめましょう!」


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