健康診断で異常を指摘された後、放置していませんか?

健康診断で指摘される血糖値、血圧、コレステロール、肝機能の異常は、症状がないためつい軽視されがちです。しかし、これらの異常を放置すると、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞など、命にかかわる病気に繋がるリスクが高まります。症状が出る頃には、手遅れになることも少なくありません。

早めに治療を開始すれば危険な病気のリスクを軽減することができますので、早めの受診が非常に重要です。

当院では異常値を指摘されて不安な気持ちを抱えている方に対して、なるべく早く的確かつ精密な検査、必要に応じた治療提供が出来る体制を整えております。

血圧

家庭血圧で135/85以上、クリニックでの測定で血圧が140/90以上の場合、高血圧と診断されます。

血圧が高い状態が続くと心臓や血管に負担がかかり、自覚症状がなくても動脈硬化や心臓肥大が進みます。その結果、脳卒中や心筋梗塞、心不全、不整脈、動脈瘤、腎不全など、多くの循環器病が起こります。

これら高血圧症の合併症は放置すると危険度の高い病気が多いため、血圧が高くなっていることが分かったら当院にご相談ください。

糖尿病:血糖値・HbA1c

健康診断で血糖値やHbA1cが高い、尿糖がでていると指摘された場合、糖尿病の可能性があります。糖尿病は放置すると全身に様々な合併症を引き起こし、命の危険に関わる病気です。

また、糖尿病の種類はいくつかありますが日本人では95%の糖尿病患者は2型糖尿病で、運動不足や不摂生などの「生活習慣の乱れ」が主な原因です。

健康診断で早めに気付くことが出来れば、運動療法・食事療法で重症化せずに改善することができます。

脂質異常症(高脂血症):コレステロール・中性脂肪(トリグリセリド)

  • LDL(悪玉)コレステロール値が高い
  • HDL(善玉)コレステロール値が低い
  • 中性脂肪が高い

上記の3つのどれかに当てはまれば、脂質異常症と診断されます。

脂質の値を指摘されても自覚症状がないため放置している方がよくいますが、脂質異常症を放置すると増えた脂質がどんどん血管の内側に溜まり、動脈硬化を引き起こします。

脂質異常症は動脈硬化の一番の原因でもあると言われていますので、放置せずに先ずは当院にご相談ください。

高尿酸血症:尿酸値(UA)

尿酸値が高い状態を放っておくと、痛風になる恐れがあります。痛風は高尿酸血症によって血液に含まれる尿酸が結晶化し、それが足指の関節などにたまって激しい痛みを起こしている状態です。

痛風発作が起きた場合は、痛みを解消させる治療だけでなく高尿酸血症の治療もおこない、正常な尿酸値をキープする必要があります。

痛風発作が起きたらまずは当院にご相談ください。

クレアチニン(Cr)・尿素窒素(BUN)・推算糸球体ろ過量(eGFR)

クレアチニン(Cr)は筋肉を動かすためのエネルギーを使うと発生する物質です。また、尿素窒素(BUN)は血液中の尿素に含まれる窒素成分のことで、タンパク質が利用された後にできる残りかすです。

「クレアチニン」も「尿素窒素」も私たちの体にとっては不要な物質であり、尿として体外に排出される成分です。

健康診断でこれらの値が高いと指摘された場合は、尿を作っている腎臓の機能が低下している可能性があります。 腎臓の機能は、eGFR(推算糸球体ろ過量)という指標で示されます。eGFRは腎臓の中にある「糸球体」が1分間にろ過している血液の量のことで、腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示しています。

eGFRの値は年齢・クレアチニンの値・性別から計算され、この値が低いほど腎臓の働きが悪いということになります。

健康な腎臓は1分間に90mL以上の血液をろ過しており、採血結果の値としてはeGFRが90mL/分/1.73m²以上だと、腎臓は十分に働いていると判断されます。

基準値を下回る場合、腎臓に異常がある可能性が高いため、まずは当院までご来院していただき、検査や診察を受けることをおすすめします。

尿タンパク・尿潜血

タンパク質は私たちの身体を構成する非常に大切な成分のため、健康であればほとんど尿の中に排出されることはありません。しかし腎臓に何らかの異常が起こり病気になると、腎臓の中で老廃物をろ過する機能をもつ糸球体をタンパク質が通過してしまい、尿の中に出るようになります。

尿タンパクは何らかの腎臓病の初期段階である可能性があるため、そのまま放っておくと病気が進行し透析治療が必要になる危険性もあります。

また尿潜血は腎臓がん・膀胱がんといった悪性腫瘍、尿管結石といった泌尿器科の病気や、腎炎の可能性が考えられます。いずれも一時的なもので問題がないケースもありますので、あまり不安視し過ぎず、早めに当院にご相談ください。

ビリルビン・AST(GOT)・ALT(GPT)・γGTP・ALP、アルブミン

これらの項目は肝臓に何らかの異常、機能低下がみられた際に、通常よりも高くなったり低くなったりします。

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、病気になってもなかなか症状が出にくい臓器です。何らかの症状が現れたときには、すでに病気がかなり進行している可能性があるため、初期段階で気付くことのできる健康診断での早期発見がとても重要です。

これらの値の異常を指摘された方は早めに当院までご相談ください。

心電図

心電図は心臓の電気信号を波形として記録するものです。健康診断では、主に「不整脈」などの心臓の異常がないかを調べる目的で検査されます。

特に「心筋梗塞」や「狭心症」発作のときには、心臓の電気的活動に異常が生じるため異常波形が出現します。ただし、測定時の心電図に異常がなかったからといって心臓病がないとは限りません。心電図は、計測しているその瞬間の波形しか記録することができないためです。

当院では、健康診断で「心電図の異常」が指摘された方はもちろん、健康診断で異常が指摘されていなくても、心臓に気になる症状がある方に対して、24時間持続的に心臓の波形を計測するホルター心電図を使用し精密な検査を行うことができます。健康診断で心電図異常を指摘された方、異常は指摘されていないけれども症状がある方は、お気軽に当院までご相談ください。