熊本市東区の内科・循環器内科・糖尿病脂質代謝内科・禁煙治療・在宅診療のグレースメディカルクリニック
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「昨夜から足の親指の付け根が腫れて激痛が…これってもしかして痛風?」
突然の関節の激痛に襲われたものの、どの診療科を受診すればいいのか迷っていませんか。
痛風は30代以降の男性に多い病気ですが、初めて症状が出たときは内科に行くべきか整形外科に行くべきか悩む方も少なくありません。
結論から言うと、痛風は内科でも整形外科でも診療可能です。
早めの受診と治療開始が何より大切です。
痛風は放置すると再発を繰り返し、症状が悪化する可能性があります。
本記事では、痛風が疑われる場合に受診すべき診療科や病院に行くタイミング、そして受診時に行われる検査内容や治療の流れについて解説します。
本記事は、あくまでも一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、医療上の助言や診断をするものではありません。
痛風の治療薬をはじめとする医薬品や処方は、個人の健康状態や体質によって効果・副作用が異なる可能性があります。治療を希望される方は、必ず医師をはじめとする医療従事者と相談のうえ、十分な説明を受けてからご判断ください。
痛風が疑われるとき、まず迷うのが「何科に行けばいいのか?」
痛風は内科でも整形外科でも診療可能です。
ただし、それぞれの診療科で得意とする治療内容が少し異なります。
内科(一般内科・専門内科) – 痛風の原因となる高尿酸血症や、関連する生活習慣病を含めて総合的に診察・治療します。健康診断で「尿酸値が高い」と指摘された場合や、痛風発作が治まった後に原因から治療したい場合は内科が適しています。特に痛風専門外来やリウマチ科(膠原病内科)がある病院なら、専門的な痛風治療が受けられるでしょう。
整形外科 – 関節の痛みや腫れなど症状への対処が得意な診療科です。足の親指の付け根が赤く腫れて激痛がある場合など、まずは整形外科で診断を受けるのも一つの方法です。整形外科では、痛みの原因が痛風以外(関節のケガや別の関節炎)でないか調べてもらえる利点もあります。
痛風発作の激痛に苦しんでいる発作の最中であれば、近くの整形外科でも痛みを和らげる治療が受けられます。
その後、根本原因である尿酸値の管理は内科で継続するという流れも一般的です。
まず受診しやすい科で診てもらい、必要に応じて紹介状をもらって専門の内科につなぐのも良いでしょう。
痛風かもしれない症状が出たら、できるだけ早めに病院へ行くことをおすすめします。
痛風発作の典型である足の親指付け根の激痛は、「風が当たっても痛い」と表現されるほど強烈で、発作が起きると2~3日は歩けないほどの痛みが続きます。
その後放っておいても1週間~10日程度で痛みは和らぎますが、正しい診断や治療を受けずに放置すると何度も同じ発作を繰り返し、発作のたびに病状が悪化していきます。
早期に受診して初期治療を開始すれば、痛みを早く和らげてその後の悪化を防ぐことができます。
初回の発作時点で適切な治療を始めれば、「最初の1回の発作で終わらせられる可能性もある」と言われるほど初動が重要です。
では具体的にどのタイミングで病院に行くべきか見てみましょう。
痛みが耐え難い場合は我慢せず、発作発症から 1~2日以内 を目安に受診しましょう。
痛みが強い最中でも、病院で痛み止めや抗炎症薬を処方してもらえれば楽になります。
特に足が腫れて歩けないほどなら緊急性は高いです。
平日昼間であればすぐ整形外科や内科へ、夜間や休日で痛みが酷い場合は病院の救急外来を受診しても構いません。
発作の痛みが引いてきても油断禁物で、一時的に良くなったように見えても原因の尿酸値が高い状態が続けば再発は時間の問題です。
発作後でも構いませんので早めに医師の診察を受け、痛風だったのかどうか確かめましょう。
健康診断などで高尿酸血症(尿酸値7.0mg/dL超)を指摘された場合、たとえまだ痛風発作を起こしていなくても内科を受診しておくと安心です。
高尿酸血症自体には自覚症状がなくても、ある日突然痛風発作が起こることがあります。
また高尿酸血症を放置すると尿路結石や腎臓障害などを引き起こす可能性もあるため、症状が出る前に生活習慣の見直しや必要な治療を始めることが大切です。
実際に病院を受診したら、痛風かどうかどのように診断され、どんな検査や治療が行われるのでしょうか。
内科・整形外科いずれでも基本的な流れは概ね共通しています。
まず医師による問診と診察が行われます。
症状が出た部位(足の親指や足首など)の関節の腫れ具合や痛みの程度、発作が起きた経緯などを詳しく確認します。
また血液検査で尿酸値を測定し、痛風の原因物質である尿酸の濃度をチェックします。
血中尿酸値が7.0mg/dLを超えている状態は高尿酸血症と呼ばれ、痛風発作のリスクが高まります。
痛風発作が起きている最中は、痛みの原因である尿酸が関節に結晶化して沈着しているため、血液中の尿酸値が一時的に平常値まで低下してしまうことがあります。
そのため、発作中の血液検査で尿酸値が「それほど高くない」と出ても安心はできません。
医師は痛みの出た関節の状態(片足の特定関節に突然起こる激痛で赤く腫れる、といった典型例)など総合的な所見から痛風と診断します。
発作が落ち着いてきた段階で改めて尿酸値を測定し直し、確定診断や治療方針の決定を行うことが多いです。
必要に応じて関節液の検査やレントゲン撮影が行われることもあります。
関節液を採取して尿酸結晶の有無を顕微鏡で確認できれば痛風の確定診断となります。
またレントゲンやエコー検査で関節の状態を調べ、骨の異常や他の関節炎(例えば偽痛風や感染性関節炎)が疑われないかチェックします。
検査・診断の後は、痛風発作による痛みと炎症を抑える治療がすぐに始まります。
激しい痛みが出ている急性期には、以下のような薬が用いられるのが一般的です。
発作の初期に服用すると症状の進行を抑える効果があります。
これらの薬物治療に加え、安静と冷却も大切です。
発作中は痛む関節をなるべく動かさないようにし、患部を冷やして炎症を鎮めると楽になります。
また発作中のアルコール摂取は厳禁です(アルコールは尿酸値をさらに上昇させてしまうため)。
水分を十分にとりながら安静に過ごしてください。
痛みが落ち着いた後は、痛風を再発させないための治療(原因へのアプローチ)に移ります。
具体的には、高尿酸血症の改善に向けた長期的な治療と生活習慣の見直しです。
血中の尿酸値が高い状態が続くとまた発作を起こしてしまうため、必要に応じて尿酸降下薬(尿酸生成を抑える薬や尿酸の排泄を促す薬)を服用します。
例えばアロプリノールやフェブキソスタット、トピロキソスタットといった薬剤が使われます。
これらの薬は発作が治まってから開始するのが基本です(発作中は先述の理由で血中尿酸が低下していることがあり、急激に尿酸を下げるとかえって症状を誘発するおそれがあるため)。
医師の指示のもと、少しずつ適切な尿酸値まで下げていきます。
薬だけに頼らず、食事や生活習慣の改善も重要です。
医師や管理栄養士から食事指導が行われることがあります。
一般にプリン体を多く含む食品(レバー・干物・イワシ・ビールなど)は控えめにし、水を十分に飲んで尿酸を体外に排出しやすくするよう指導されます。
また減量や適度な運動、アルコール摂取の節制なども再発予防には欠かせません。
治療開始後は、定期的に血液検査で尿酸値の経過を追います。
治療初期には数カ月おきに血液検査を行い、尿酸値が目標範囲まで安定したら検査間隔を延ばしていくのが一般的です。
長期的に尿酸値を適切にコントロールできれば、痛風発作を予防できる可能性が高まります。
きちんと治療を続け尿酸値の管理ができていれば、次の痛風発作を起こさずに済むことが期待できます。
逆に治療せず高尿酸血症のまま放置すれば、半年おき程度の頻度で繰り返し発作が起きてしまう恐れがあります。
つまり、適切な治療を受けるかどうかで将来の生活の快適さが大きく変わってきます。
痛風は「治療を続ければ普段の生活を安心して過ごせるようになることが多い」のが特徴とも言われています。
発作が治まった後も油断せず、医師の指示に沿って継続的に治療に取り組みましょう。
内科でも整形外科でも痛風の診療は可能です。急性期の痛みが辛いときは整形外科で痛みの緩和治療を受けるのがスムーズですが、発作が治まった後や原因治療を考える場合は内科が適しています。迷う場合は最初に受診しやすい科で診てもらい、必要なら医師の判断で適切な専門医に紹介してもらうとよいでしょう。
一時的に痛みが和らげばその場はしのげるかもしれませんが、痛風発作は適切な治療をしない限り再発を繰り返す可能性が高いです。市販の鎮痛薬(NSAIDsなど)で少し楽になっても原因の尿酸値は下がりません。できるだけ早めに医療機関を受診して根本的な治療を受けるようにしましょう。痛みが強い場合は無理をせず医師に相談してください。
症状がなくても尿酸値が基準より高いと指摘されたら、一度内科を受診することをおすすめします。高尿酸血症の段階では無症状でも、放置しているとある日突然痛風を発症することがあります。また尿路結石や腎臓への負担、生活習慣病の悪化など痛風以外のリスクも指摘されています。予防のためにも医師と相談し、生活改善や必要な場合は薬で尿酸値を管理すると安心です。
痛風発作自体は治療で鎮めることができますし、尿酸値を適切にコントロールできれば発作を起こさない状態を維持することも可能です。しかし、高尿酸血症の体質自体を完全に「治す」ことは難しく、油断すると再び尿酸値が上がってしまいます。生活習慣の改善と薬物療法を継続し、尿酸値を目標範囲内に保つことで痛風と上手に付き合っていくことが大切です。医師の指導のもとで治療を続ければ、普段の生活に支障なく過ごせるようになるケースが多いです。
痛風かな?と思ったら、まずは内科または整形外科を受診して医師の診断を仰ぎましょう。
激痛で歩けないような場合は迷わず整形外科や救急外来で痛みを抑えつつ、その後は内科で尿酸値の管理を続けるのがおすすめです。
痛風の初期対応は早ければ早いほど効果的で、初回の発作で適切な治療を開始すればその後の再発リスクを大きく減らせます。
病院では痛み止めの処方や検査を受け、原因となる高尿酸血症に対する治療計画が立てられます。
医師と相談しながら生活習慣も見直して、再びあの激痛に悩まされないよう予防策を講じていきましょう。