Care by disease
かぜ症候群
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かぜ症候群
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かぜとは、鼻やのどに起こる急性の炎症の総称で、正確にはかぜ症候群と呼ばれます。多くは、のどの痛み、鼻水、鼻づまり、咳、たん、くしゃみ、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛みなどの症状があり、数日で自然に治ります。
ただしかぜは万病のもと。こじらせると中耳炎、扁桃炎、気管支炎、肺炎などを起こしたり、もっと重い合併症を発症することもあります。おかしいなと思ったら無理をしないことが大切です。
ほとんどの場合、ウイルスや細菌が鼻や口から肺にかけての空気の通り道に感染して起こります。
さらに暑さや寒さなどの温度変化、寝不足、栄養の偏りなどで抵抗力が低下した時にかかりやすくなります。
かぜのひき始め、発熱時は特に感染力が強いので、自分が周囲の人にうつさないように注意をしましょう。
予防法としては、手洗い・うがいが有効です。また家で使うタオルは、家族でも別々にしたほうが良いでしょう。
軽症のかぜ症候群は成人の場合、からだを温かくし、水分と栄養をとって安静にすることが一番の治療です。ただし体温が39℃以上ある、のどの痛みや咳が激しい、鼻水が黄色や緑色で濁っているなどの重い症状がある場合は医療機関を受診しましょう。
熱が出て汗をかいたり、嘔吐や下痢があると、からだから水分が失われます。薄めの麦茶やほうじ茶、スープなどで水分をこまめに補給しましょう。特に嘔吐や下痢があるときには、スポーツドリンクのようなイオン飲料を補給してもよいでしょう。
※吐き気があるときや高熱のときは、小さい氷を口に含むのもよいでしょう。水分は一度にたくさんとると、嘔吐や腹痛を引き起こすこともありますので、少しずつ様子を見ながら補給しましょう。
熱がある時には食欲が低下し、十分に食べることができないうえ、発熱でエネルギーを消耗しています。そのため、効率的にエネルギーを補うことが大切です。
やわらかく炊いたご飯に梅干しなど、さっぱりしたものやのどごしの良い食品を少しずつ食べましょう。
からだの回復のためにも、たんぱく質、ミネラル、ビタミン類は大切です。症状が少し治まったら、ジュースや葛湯から、おかゆ、スープ、ポタージュ、シチューなどだんだん固形のものに近づけていきましょう。自分で用意できないときは、市販のおかゆやごはん、レトルトや缶のスープも利用しましょう。
栄養ドリンクは栄養素の補給には不十分ですので、あくまでも補助として考えましょう。エネルギーは1本100mlで80kcal程度。通常の食事の4分の1にもなりません。ビタミン類やアミノ酸の一部は補給できますが、食事の代用にはなりません。嘔吐や下痢をしていてスポーツドリンクも飲めないような場合には、病院で点滴をすることもありますが、これもやはり食事の代わりにはなりません。
昔からかぜのひき始めに効くとされている卵酒。卵は栄養価が高く、卵白に含まれるリゾチームが細菌を殺し、アルコールでからだが温まって熟睡できる、という理論から来ているようです。実際に効くと実感している方もいらっしゃるでしょう。科学的に有効といえるかはわかりませんが、卵やアルコールが合わない体質でなければ、試してみてもよいかもしれません。
※薬を飲む必要がある場合には飲まないでください!薬に含まれる物質がアルコールと作用して命に関わる危険性もあります。
かぜの種類にもよりますが、かぜは食事だけでは治りません。早く治る特別食もありません。水分と栄養をきちんととって、温かくしてじゅうぶんに寝る。やはりこれにかぎります。
インフルエンザのごく初期にウイルスを抑える薬はありますが、ほとんどのかぜ薬は症状を和らげるものでありかぜを根治させるものではありません。他人に感染させないためにも自宅で集中して休み、体力を回復させましょう。